24 / 40
24. 一緒にいるような
しおりを挟む
24. 一緒にいるような
まさか本当に真凛もついてくるなんて……でももうなるようになれ!って思うしかない。それより今は葵ちゃんとのデートに集中しないとな……そんなことを考えながら歩いていると、隣にいる葵ちゃんが小声でボクに話しかけてくる。
「雪姫ちゃんの妹可愛いね?」
「え?そっそう?」
「うん。すごく可愛いし……高校1年生なのに、私より大人っぽいかもw」
「え?そっそんなことないよ!全然葵ちゃんの方が可愛い……し……」
「ふふ。ありがとう雪姫ちゃん」
思わず言ってしまった……『可愛い』って。でも葵ちゃんはそんなボクに微笑み返してくれる。あぁ……本当に可愛いなぁ……
そのまましばらく街を歩いていく。行き先は真凛のやつが『任せて』と言っていたから正直どこに行くのかはボクでも分からない。一体真凛はどこに行こうとしているんだろう? そんなこと考えていると、前を歩いていた真凛が急に立ち止まる。
「あの。葵さんはカラオケとかお好きですか?」
「カラオケ?まぁ好きだよ。良く友達とも行くし、歌うのは好きなほうかな」
「じゃあカラオケに行きましょ!」
「え……」
カラオケ……ボク何を歌えばいいんだ!?オタクのボクにはハードルが高すぎる。せいぜい知ってる曲なんてアニソンとかボカロとかしかない!いやいや、ダメだ!絶対に葵ちゃんに引かれる!
「あの……真凛。カラオケはちょっと……」
「え~いいじゃん?」
「雪姫ちゃんカラオケ嫌なの?」
「えっと……あまり歌が得意じゃないというか……」
「じゃあ雪姫姉は歌わなければ?」
ボクが断る前に、真凛は葵ちゃんの腕を掴むと強引に引っ張って、そのままカラオケ店へと入っていく。ボクはもうどうすることも出来ず、2人について行くことしか出来なかった。
受付を済ませて部屋へ入ると、真凛は早速曲を入れる。その曲はまさかのアニソンだった。
「上手だね真凛ちゃん」
「ありがとうございます。最近はアニソンとかボカロとか流行ってますから。葵さんも聴いたりします?」
「うん。普通に好きだよ。SNSでも流行ってるもんね?」
「そうですよね~」
そんな感じで仲良く話している2人。最近の流行りってそういうのが多いのか……勝手にオタクだって1人で恥ずかしいと思ってたけど……そんなことないのか。
そんなことを思っていると、真凛がボクにマイクを差し出してくる。そして曲名を指差す。
「雪姫姉これ歌いなよ。好きでしょこの曲?」
その曲は……少し前に流行ったボカロの曲だ。もちろん知ってるし、好きな曲でもあるけど……流石にボクが歌うには恥ずかしいよ!そう思って拒否しようとしたら、葵ちゃんが言う。
「あ。この曲、私も知ってるよ?」
「そうなんですか?あれこの曲ってデュエット曲でしたよね。雪姫姉と一緒に歌ってください」
「こら真凛!迷惑だよ」
「そんなことないよ。雪姫ちゃん。私も一緒に歌っていい?」
葵ちゃんは可愛い顔でボクにお願いしてくる。そんな顔されたら断れないじゃん!ボクは恥ずかしくなって小さく頷くことしか出来なかった。
結局デュエット曲ということで、歌うことになったけど……なぜこんな展開になっているんだろう?そう思って真凛の方を見るとニヤニヤしていた。
どうやらボクの反応を見て楽しむために、カラオケに連れ込んだみたいだ。本当に性格悪いな……
でも横で歌う葵ちゃんはとても楽しそにして笑顔で歌っている。その姿を見ているだけで、ボクはとても幸せな気持ちになれた。そして曲も終わると……真凛がスマホを取り出して言う。
「これ上手に撮れてませんか?」
どうやらボク達が歌っている姿を録画していたらしい……そんなことしなくてもいいのに……葵ちゃんに失礼だし!
「真凛。何勝手に撮って……」
「良く撮れてるね。真凛ちゃんその動画、私にも送って欲しいな?」
「はい。いいですよ」
「葵ちゃんごめんね」
「なんで雪姫ちゃん謝るの?私は……嬉しいけどな。だって、いつでも雪姫ちゃんと一緒にいるような気分になれる……からね?」
一緒にいるような気分……その葵ちゃんの一言に、ボクは思わずドキッとして顔が赤くなってしまった。
まさか本当に真凛もついてくるなんて……でももうなるようになれ!って思うしかない。それより今は葵ちゃんとのデートに集中しないとな……そんなことを考えながら歩いていると、隣にいる葵ちゃんが小声でボクに話しかけてくる。
「雪姫ちゃんの妹可愛いね?」
「え?そっそう?」
「うん。すごく可愛いし……高校1年生なのに、私より大人っぽいかもw」
「え?そっそんなことないよ!全然葵ちゃんの方が可愛い……し……」
「ふふ。ありがとう雪姫ちゃん」
思わず言ってしまった……『可愛い』って。でも葵ちゃんはそんなボクに微笑み返してくれる。あぁ……本当に可愛いなぁ……
そのまましばらく街を歩いていく。行き先は真凛のやつが『任せて』と言っていたから正直どこに行くのかはボクでも分からない。一体真凛はどこに行こうとしているんだろう? そんなこと考えていると、前を歩いていた真凛が急に立ち止まる。
「あの。葵さんはカラオケとかお好きですか?」
「カラオケ?まぁ好きだよ。良く友達とも行くし、歌うのは好きなほうかな」
「じゃあカラオケに行きましょ!」
「え……」
カラオケ……ボク何を歌えばいいんだ!?オタクのボクにはハードルが高すぎる。せいぜい知ってる曲なんてアニソンとかボカロとかしかない!いやいや、ダメだ!絶対に葵ちゃんに引かれる!
「あの……真凛。カラオケはちょっと……」
「え~いいじゃん?」
「雪姫ちゃんカラオケ嫌なの?」
「えっと……あまり歌が得意じゃないというか……」
「じゃあ雪姫姉は歌わなければ?」
ボクが断る前に、真凛は葵ちゃんの腕を掴むと強引に引っ張って、そのままカラオケ店へと入っていく。ボクはもうどうすることも出来ず、2人について行くことしか出来なかった。
受付を済ませて部屋へ入ると、真凛は早速曲を入れる。その曲はまさかのアニソンだった。
「上手だね真凛ちゃん」
「ありがとうございます。最近はアニソンとかボカロとか流行ってますから。葵さんも聴いたりします?」
「うん。普通に好きだよ。SNSでも流行ってるもんね?」
「そうですよね~」
そんな感じで仲良く話している2人。最近の流行りってそういうのが多いのか……勝手にオタクだって1人で恥ずかしいと思ってたけど……そんなことないのか。
そんなことを思っていると、真凛がボクにマイクを差し出してくる。そして曲名を指差す。
「雪姫姉これ歌いなよ。好きでしょこの曲?」
その曲は……少し前に流行ったボカロの曲だ。もちろん知ってるし、好きな曲でもあるけど……流石にボクが歌うには恥ずかしいよ!そう思って拒否しようとしたら、葵ちゃんが言う。
「あ。この曲、私も知ってるよ?」
「そうなんですか?あれこの曲ってデュエット曲でしたよね。雪姫姉と一緒に歌ってください」
「こら真凛!迷惑だよ」
「そんなことないよ。雪姫ちゃん。私も一緒に歌っていい?」
葵ちゃんは可愛い顔でボクにお願いしてくる。そんな顔されたら断れないじゃん!ボクは恥ずかしくなって小さく頷くことしか出来なかった。
結局デュエット曲ということで、歌うことになったけど……なぜこんな展開になっているんだろう?そう思って真凛の方を見るとニヤニヤしていた。
どうやらボクの反応を見て楽しむために、カラオケに連れ込んだみたいだ。本当に性格悪いな……
でも横で歌う葵ちゃんはとても楽しそにして笑顔で歌っている。その姿を見ているだけで、ボクはとても幸せな気持ちになれた。そして曲も終わると……真凛がスマホを取り出して言う。
「これ上手に撮れてませんか?」
どうやらボク達が歌っている姿を録画していたらしい……そんなことしなくてもいいのに……葵ちゃんに失礼だし!
「真凛。何勝手に撮って……」
「良く撮れてるね。真凛ちゃんその動画、私にも送って欲しいな?」
「はい。いいですよ」
「葵ちゃんごめんね」
「なんで雪姫ちゃん謝るの?私は……嬉しいけどな。だって、いつでも雪姫ちゃんと一緒にいるような気分になれる……からね?」
一緒にいるような気分……その葵ちゃんの一言に、ボクは思わずドキッとして顔が赤くなってしまった。
20
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
天下
かい
青春
小学校から野球を始めた牧野坂道
少年野球はU-12日本代表
中学時代U-15日本代表
高校からもいくつもの推薦の話があったが…
全国制覇を目指す天才と努力を兼ね備えた1人の野球好きが高校野球の扉を開ける
冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~
メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」
俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。
学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。
その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。
少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。
……どうやら彼は鈍感なようです。
――――――――――――――――――――――――――――――
【作者より】
九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。
また、R15は保険です。
毎朝20時投稿!
【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】
脅され彼女~可愛い女子の弱みを握ったので脅して彼女にしてみたが、健気すぎて幸せにしたいと思った~
みずがめ
青春
陰キャ男子が後輩の女子の弱みを握ってしまった。彼女いない歴=年齢の彼は後輩少女に彼女になってくれとお願いする。脅迫から生まれた恋人関係ではあったが、彼女はとても健気な女の子だった。
ゲス男子×健気女子のコンプレックスにまみれた、もしかしたら純愛になるかもしれないお話。
※この作品は別サイトにも掲載しています。
※表紙イラストは、あっきコタロウさんに描いていただきました。
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる