8 / 40
8. また会ってくれる?
しおりを挟む
8. また会ってくれる?
カフェのあとショッピングをしたりと充実した時間を過ごすことができた。最初は緊張していたけど、葵ちゃんの普段の姿を知れて楽しい時間を過ごすことができた。本当にあっという間に時間が過ぎていた。
そして、飲み物を買って駅前のベンチで一休みしてから帰ることにする。
「あ~遊んだね!久しぶりかも、こうやって楽しく色々したの」
「そっそうなんだ?」
「うん。やっぱりたまには外に出ないとね。でも雪姫ちゃんと遊べて楽しかったよ」
葵ちゃんは笑顔で言う。そして時計を見ると、時刻は17時になっていた。そろそろ帰らなきゃ……そう思っていると葵ちゃんが呟くように言った。
「……なんかあっという間だね。本当に雪姫ちゃんは不思議な人……」
「そっそうかな?でも……私も……今日はすごく楽しかったよ」
「そっか。じゃあ帰ろうか」
「うん。葵ちゃん気をつけてね」
そう言ってボクは家に帰るため歩き出す。二三歩歩いたところで……
「雪姫ちゃん!」
葵ちゃんがボクを呼び止める。ボクは振り返ると、そこには少し寂しそうな顔の葵ちゃんがいた。
「あの……私と……また……会ってくれる?」
……あ。そうだ……特に次の約束をしているわけじゃないんだ。ボクは……また会いたい……
「うんもちろん。私も……葵ちゃんに会いたい」
ボクは笑顔で答える。すると葵ちゃんは急にその場にしゃがみこんでしまう。どうしちゃったんだろう?
「え!?だっ大丈夫!?」
「……うん……大丈夫……一気に緊張の糸が切れちゃって……」
「緊張?」
「……うん……だって初めてのデートだし、雪姫ちゃんに嫌われたくないなって緊張してたんだもん……こう見えてもずっと不安だったんだよ?」
葵ちゃんは恥ずかしそうに呟く。
え……あの葵ちゃんが?
いや……違う。ボクは葵ちゃんのことを何も知らない。完璧な美少女……もちろんこういうデートにも慣れているかと勝手に思っていたけど、本当は不安で……
そう思うとボクは自然と体が動き、葵ちゃんの手を握りしめていた。葵ちゃんは驚いた表情を浮かべるも、すぐに優しい眼差しになり微笑んでくれる。そしてゆっくりと立ち上がる。
「良かった……また約束できた」
「そんな断らないよ。本当に……私も楽しかったし、こうやって……デートしたのも初めてだし……でも彼女とか良く分かってなくて……葵ちゃんのためになってるか不安だし……」
「あのさ。雪姫ちゃんは友達として私に接してくれればいいよ?そういう約束でしょ?」
「あっうん」
「……私は彼女だと思って接するけどね?」
そうウインクをする葵ちゃんはいつもの葵ちゃんに戻っていた。やっぱり可愛い……
「それじゃ……また連絡するね?」
「うん。またね葵ちゃん」
そして葵ちゃんは大きく手を振ってくれた。それにボクも手を振り返すと、葵ちゃんも振り返してくれた。
駅に入って行く彼女を見送ると、ボクは自分の家へと帰ることにした。不思議と足取りは軽やかだった。
ふと右手の薬指を見るとお揃いのペアリングが茜色に反射し輝いている。まるで葵ちゃんがつけているピンク色のペアリングのように見える。それを見て思わず顔が熱くなる。
本当に……あの葵ちゃんとデートしたんだ……信じられないけど、夢じゃない。
そう思いながら空を見上げると夕日が沈み始めており、もうすぐ夜が来ることを告げてくる。これからもっと仲良くなれるかな?ボクは期待を込めながら家路につくのであった。
カフェのあとショッピングをしたりと充実した時間を過ごすことができた。最初は緊張していたけど、葵ちゃんの普段の姿を知れて楽しい時間を過ごすことができた。本当にあっという間に時間が過ぎていた。
そして、飲み物を買って駅前のベンチで一休みしてから帰ることにする。
「あ~遊んだね!久しぶりかも、こうやって楽しく色々したの」
「そっそうなんだ?」
「うん。やっぱりたまには外に出ないとね。でも雪姫ちゃんと遊べて楽しかったよ」
葵ちゃんは笑顔で言う。そして時計を見ると、時刻は17時になっていた。そろそろ帰らなきゃ……そう思っていると葵ちゃんが呟くように言った。
「……なんかあっという間だね。本当に雪姫ちゃんは不思議な人……」
「そっそうかな?でも……私も……今日はすごく楽しかったよ」
「そっか。じゃあ帰ろうか」
「うん。葵ちゃん気をつけてね」
そう言ってボクは家に帰るため歩き出す。二三歩歩いたところで……
「雪姫ちゃん!」
葵ちゃんがボクを呼び止める。ボクは振り返ると、そこには少し寂しそうな顔の葵ちゃんがいた。
「あの……私と……また……会ってくれる?」
……あ。そうだ……特に次の約束をしているわけじゃないんだ。ボクは……また会いたい……
「うんもちろん。私も……葵ちゃんに会いたい」
ボクは笑顔で答える。すると葵ちゃんは急にその場にしゃがみこんでしまう。どうしちゃったんだろう?
「え!?だっ大丈夫!?」
「……うん……大丈夫……一気に緊張の糸が切れちゃって……」
「緊張?」
「……うん……だって初めてのデートだし、雪姫ちゃんに嫌われたくないなって緊張してたんだもん……こう見えてもずっと不安だったんだよ?」
葵ちゃんは恥ずかしそうに呟く。
え……あの葵ちゃんが?
いや……違う。ボクは葵ちゃんのことを何も知らない。完璧な美少女……もちろんこういうデートにも慣れているかと勝手に思っていたけど、本当は不安で……
そう思うとボクは自然と体が動き、葵ちゃんの手を握りしめていた。葵ちゃんは驚いた表情を浮かべるも、すぐに優しい眼差しになり微笑んでくれる。そしてゆっくりと立ち上がる。
「良かった……また約束できた」
「そんな断らないよ。本当に……私も楽しかったし、こうやって……デートしたのも初めてだし……でも彼女とか良く分かってなくて……葵ちゃんのためになってるか不安だし……」
「あのさ。雪姫ちゃんは友達として私に接してくれればいいよ?そういう約束でしょ?」
「あっうん」
「……私は彼女だと思って接するけどね?」
そうウインクをする葵ちゃんはいつもの葵ちゃんに戻っていた。やっぱり可愛い……
「それじゃ……また連絡するね?」
「うん。またね葵ちゃん」
そして葵ちゃんは大きく手を振ってくれた。それにボクも手を振り返すと、葵ちゃんも振り返してくれた。
駅に入って行く彼女を見送ると、ボクは自分の家へと帰ることにした。不思議と足取りは軽やかだった。
ふと右手の薬指を見るとお揃いのペアリングが茜色に反射し輝いている。まるで葵ちゃんがつけているピンク色のペアリングのように見える。それを見て思わず顔が熱くなる。
本当に……あの葵ちゃんとデートしたんだ……信じられないけど、夢じゃない。
そう思いながら空を見上げると夕日が沈み始めており、もうすぐ夜が来ることを告げてくる。これからもっと仲良くなれるかな?ボクは期待を込めながら家路につくのであった。
40
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
幼馴染をわからせたい ~実は両想いだと気が付かない二人は、今日も相手を告らせるために勝負(誘惑)して空回る~
下城米雪
青春
「よわよわ」「泣いちゃう?」「情けない」「ざーこ」と幼馴染に言われ続けた尾崎太一は、いつか彼女を泣かすという一心で己を鍛えていた。しかし中学生になった日、可愛くなった彼女を見て気持ちが変化する。その後の彼は、自分を認めさせて告白するために勝負を続けるのだった。
一方、彼の幼馴染である穂村芽依は、三歳の時に交わした結婚の約束が生きていると思っていた。しかし友人から「尾崎くんに対して酷過ぎない?」と言われ太一に恨まれていると錯覚する。だが勝負に勝ち続ける限りは彼と一緒に遊べることに気が付いた。そして思った。いつか負けてしまう前に、彼をメロメロにして告らせれば良いのだ。
かくして、実は両想いだと気が付かない二人は、互いの魅力をわからせるための勝負を続けているのだった。
芽衣は少しだけ他人よりも性欲が強いせいで空回りをして、太一は「愛してるゲーム」「脱衣チェス」「乳首当てゲーム」などの意味不明な勝負に惨敗して自信を喪失してしまう。
乳首当てゲームの後、泣きながら廊下を歩いていた太一は、アニメが大好きな先輩、白柳楓と出会った。彼女は太一の話を聞いて「両想い」に気が付き、アドバイスをする。また二人は会話の波長が合うことから、気が付けば毎日会話するようになっていた。
その関係を芽依が知った時、幼馴染の関係が大きく変わり始めるのだった。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
【完結】碧よりも蒼く
多田莉都
青春
中学二年のときに、陸上競技の男子100m走で全国制覇を成し遂げたことのある深田碧斗は、高校になってからは何の実績もなかった。実績どころか、陸上部にすら所属していなかった。碧斗が走ることを辞めてしまったのにはある理由があった。
それは中学三年の大会で出会ったある才能の前に、碧斗は走ることを諦めてしまったからだった。中学を卒業し、祖父母の住む他県の高校を受験し、故郷の富山を離れた碧斗は無気力な日々を過ごす。
ある日、地元で深田碧斗が陸上の大会に出ていたということを知り、「何のことだ」と陸上雑誌を調べたところ、ある高校の深田碧斗が富山の大会に出場していた記録をみつけだした。
これは一体、どういうことなんだ? 碧斗は一路、富山へと帰り、事実を確かめることにした。
不審者が俺の姉を自称してきたと思ったら絶賛売れ出し中のアイドルらしい
春野 安芸
青春
【雨の日に出会った金髪アイドルとの、ノンストレスラブコメディ――――】
主人公――――慎也は無事高校にも入学することができ可もなく不可もなくな日常を送っていた。
取り立てて悪いこともなく良いこともないそんな当たり障りのない人生を―――――
しかしとある台風の日、豪雨から逃れるために雨宿りした地で歯車は動き出す。
そこに居たのは存在を悟られないようにコートやサングラスで身を隠した不審者……もとい小さな少女だった。
不審者は浮浪者に進化する所を慎也の手によって、出会って早々自宅デートすることに!?
そんな不審者ムーブしていた彼女もそれは仮の姿……彼女の本当の姿は現在大ブレイク中の3人組アイドル、『ストロベリーリキッド』のメンバーだった!!
そんな彼女から何故か弟認定されたり、他のメンバーに言い寄られたり――――慎也とアイドルを中心とした甘々・イチャイチャ・ノンストレス・ラブコメディ!!
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる