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5. 可愛いねって言いたい
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5. 可愛いねって言いたい
それから夜ご飯を食べ終えた後、真凛は自室に戻りリビングにはボクと莉桜姉さんだけになる。そこでボクは週末に葵ちゃんとデート……いや遊ぶ約束があることを相談することにした。
「ねぇ莉桜姉さん……」
「ん?どうしたの?」
「じっ実はさ……その……今度の週末なんだけど……女の子と遊ぶことになって……」
「あら~いいじゃない。もしかして……デート?」
「ちっ違うよ!その……女装……していくし……」
莉桜姉はからかうようにボクを見る。ボクは慌てて否定すると莉桜姉はボクを優しく見つめる。
「冗談よ。それにしても勇輝が女の子とデートなんて……成長したわね?お姉ちゃん嬉しいわ」
「だから違うって!」
「ふふ。それでお姉ちゃんに何の相談かしら?」
「えっと……ボク……どうしたらいいかなって……女の子と遊んだことないし……」
「そうね~。ありのままの勇輝で接すればいいんじゃない?外見は変えても中身を変える必要はないんじゃないかしら?その子は勇輝のこと知らないんだし。変に気取らずいつもの勇輝を見せればいいと思うわよ?」
「そっ……そうかな?」
「ええ。でも女の子と遊ぶなら、ちゃんとエスコートしてあげるのよ?」
エスコートか……女の子と遊ぶってどうすればいいんだろう?そもそも何をすればいいのか全く分からない……
でもボクがいつも見ているアニメや漫画では、男の子がリードして女の子とデートしている。今から……シミュレーションすればきっと大丈夫なはずだ!
次の週末……ボクは葵ちゃんと約束した駅前のベンチで待っていた。時刻は10時30分。待ち合わせの時間は11時。
まだ30分もある……緊張してきた……でも大丈夫。シミュレーションはきちんとした。まずは『葵ちゃん可愛いね』と褒める。これできっと上手くいくはず……
そんなことを考えながら、飲み物を買って飲んだり、スマホを弄りながら待つこと30分。すると葵ちゃんは時間通りにやってきた。白いブラウスにフレアスカートの装いがとても清楚で素敵だった。葵ちゃんはボクを見つけると笑顔で手を振る。ボクは緊張しながらも小さく手を振り返した。
「ごめんね雪姫ちゃん。待った?」
「あっううん。わ……私も今来たところだから」
「……ふふ。嘘。飲み物汗かいちゃってるよ?」
「え?あ。……その……本当は30分前くらいに来ちゃった……」
「早いねw……それだけ私とのデートが楽しみだったのかな?」
葵ちゃんは悪戯っぽく笑う。ボクの顔が熱くなるのを感じる。でも図星を突かれて何も言い返せない。
「ねぇ雪姫ちゃん。今日の私の服どうかな?雪姫ちゃんと同じブランドのやつなんだけど?」
そう言ってその場で1回転する。スカートがふわりと揺れ、思わず見惚れてしまう。すごく似合ってるし可愛い……言わなきゃ……『葵ちゃん可愛いね』って。すると葵ちゃんは少し低いところから上目遣いでボクを見つめる。
「あっあの……えっと……」
「ブランド……お揃っちだね?」
「あ。うっうん!すごく似合ってる!可愛い!」
「ありがとこの服気に入ってるんだよね。雪姫ちゃんも可愛いよ?それじゃ行こうか」
……服?あれ?なんか違う気がするけど、まぁいいか。葵ちゃんが喜んでくれたし。ボクはホッと胸を撫で下ろすと葵ちゃんも嬉しそうに微笑んでいる。こうして初めてのデートが始まる。
それから夜ご飯を食べ終えた後、真凛は自室に戻りリビングにはボクと莉桜姉さんだけになる。そこでボクは週末に葵ちゃんとデート……いや遊ぶ約束があることを相談することにした。
「ねぇ莉桜姉さん……」
「ん?どうしたの?」
「じっ実はさ……その……今度の週末なんだけど……女の子と遊ぶことになって……」
「あら~いいじゃない。もしかして……デート?」
「ちっ違うよ!その……女装……していくし……」
莉桜姉はからかうようにボクを見る。ボクは慌てて否定すると莉桜姉はボクを優しく見つめる。
「冗談よ。それにしても勇輝が女の子とデートなんて……成長したわね?お姉ちゃん嬉しいわ」
「だから違うって!」
「ふふ。それでお姉ちゃんに何の相談かしら?」
「えっと……ボク……どうしたらいいかなって……女の子と遊んだことないし……」
「そうね~。ありのままの勇輝で接すればいいんじゃない?外見は変えても中身を変える必要はないんじゃないかしら?その子は勇輝のこと知らないんだし。変に気取らずいつもの勇輝を見せればいいと思うわよ?」
「そっ……そうかな?」
「ええ。でも女の子と遊ぶなら、ちゃんとエスコートしてあげるのよ?」
エスコートか……女の子と遊ぶってどうすればいいんだろう?そもそも何をすればいいのか全く分からない……
でもボクがいつも見ているアニメや漫画では、男の子がリードして女の子とデートしている。今から……シミュレーションすればきっと大丈夫なはずだ!
次の週末……ボクは葵ちゃんと約束した駅前のベンチで待っていた。時刻は10時30分。待ち合わせの時間は11時。
まだ30分もある……緊張してきた……でも大丈夫。シミュレーションはきちんとした。まずは『葵ちゃん可愛いね』と褒める。これできっと上手くいくはず……
そんなことを考えながら、飲み物を買って飲んだり、スマホを弄りながら待つこと30分。すると葵ちゃんは時間通りにやってきた。白いブラウスにフレアスカートの装いがとても清楚で素敵だった。葵ちゃんはボクを見つけると笑顔で手を振る。ボクは緊張しながらも小さく手を振り返した。
「ごめんね雪姫ちゃん。待った?」
「あっううん。わ……私も今来たところだから」
「……ふふ。嘘。飲み物汗かいちゃってるよ?」
「え?あ。……その……本当は30分前くらいに来ちゃった……」
「早いねw……それだけ私とのデートが楽しみだったのかな?」
葵ちゃんは悪戯っぽく笑う。ボクの顔が熱くなるのを感じる。でも図星を突かれて何も言い返せない。
「ねぇ雪姫ちゃん。今日の私の服どうかな?雪姫ちゃんと同じブランドのやつなんだけど?」
そう言ってその場で1回転する。スカートがふわりと揺れ、思わず見惚れてしまう。すごく似合ってるし可愛い……言わなきゃ……『葵ちゃん可愛いね』って。すると葵ちゃんは少し低いところから上目遣いでボクを見つめる。
「あっあの……えっと……」
「ブランド……お揃っちだね?」
「あ。うっうん!すごく似合ってる!可愛い!」
「ありがとこの服気に入ってるんだよね。雪姫ちゃんも可愛いよ?それじゃ行こうか」
……服?あれ?なんか違う気がするけど、まぁいいか。葵ちゃんが喜んでくれたし。ボクはホッと胸を撫で下ろすと葵ちゃんも嬉しそうに微笑んでいる。こうして初めてのデートが始まる。
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