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第4章 聖女。本の知識でダンジョン攻略するのです!
21. 始まりの書
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21. 始まりの書
しばらく進むと広い空間に出ることができたのです……そこには古びた祭壇があるのです。
「ここがダンジョンの最深部だよね?」
「魔物がいなくて良かったですね……」
「うん。ボクも魔力ないし……」
なんて幻想的なのですかね。あのキルシュ古城の天空のチャペルのような雰囲気なのです。まるでこの場所だけ時の流れが違うような不思議な感覚さえあるのです。そしてその祭壇の上には一冊の題名のない赤い本が置かれていたのです。
「おお!これが禁書なのですか!」
「本当にあった……やったじゃんアリーゼ!」
「アリーゼ様。読んで読んで!」
感動なのです!早速読んで見るのです!私は本のページを開くとそこには見たことのない文字が書かれていたのです。古代文字?魔聖言語?どちらも違うのです……うーん……読めないのです……でも書き出しの始めが統一されてるのです。これは……何かの日付ですかね?
「アリーゼ様。何が書いてあったんでしょうか?」
「読めないのです……文字が見たことないものなのです。解読には時間がかかるかもしれないのです。でも、この書き出しは文字が違うのですが、なんとなく日付のような気がするのです」
「日付?日記みたいなものってこと?」
「……アリーゼ。少し見せてみよ」
私はロゼッタ様にその赤い本を渡すとロゼッタ様はその本をパラパラとめくり始める。そして、しばらくするとロゼッタ様はその本をパタンと閉じて私に渡してくるのです。
「ふっ……確かに読めんな」
「ロゼッタ様?」
「それが禁書かは分からんが、どこかの誰かの自己満足で書いたものじゃろうな?長く生きているワシも読めん。でもお主の暇潰しにはいいかもしれぬなアリーゼ?」
「絶対解読して見せるのです!」
そう言ったロゼッタ様はどことなく嬉そうにしているように見えたのです。
そしてそのあとはロゼッタ様の爆炎魔法で何とかダンジョンを抜け出し、こうして私たちの未開の地にできた新しいダンジョンの攻略は終わるのでした。
ボロボロになった私たちは宿屋に戻り、ミルディとフィオナとソフィアはそのまま倒れるように寝てしまったのです。私はあの赤い本の内容を解読をするため読み続ける。
「ん?……この文字……大体のページにいつも出てくるのです」
名前ですかね?少し魔聖言語に似ているのです。あれ……ちょっと待ってくださいなのです。この文字は……私は本を閉じ夜風にあたるため外に出るとそこにはロゼッタ様がいたのです。
「ロゼッタ様」
「なんじゃ?お主も風にあたりにきたのか?」
「……意地悪なのです」
「……何のことじゃ?」
ロゼッタ様はおそらくあの赤い本のこと知っていたのです。私はさっきまで読んでいたあの赤い本のことを話すことにしたのです。
「実は……あの赤い本……ある単語だけ読めたのです。そこには……『ロゼッタ』と書いてあったのです」
「ほう……」
「ロゼッタ様はあの赤い本のこと知ってたのですよね?」
「……ワシはわざと古い言語で書いていると聞いて、ただの自己満足と言った。あやつは……その赤い本は生きた証と言っておったの……アリーゼ、それは大聖女ディアナが残した日記なのじゃ」
大聖女ディアナ様が残した日記……この赤い本が……まさかの禁書ではなく、大聖女様の日記だったのですね。
「そしてあやつは……『いつか誰かがこれを見て、私の意志を継いでくれたらいいなと思っています』と言っておった……アリーゼ。お主は『聖女』じゃ……あやつの想いを継げるかもしれんな?」
「そうだったのですね……ロゼッタ様、待っててくださいなのです!私は絶対この本を解読して見せるのです!」
「まぁお主ならできるかもしれんな」
心地よい夜風が私の背中を押してくれている。これからの長い長い道のりを歩くのを応援しているかのように。きっとこの本と私は出会う運命だったのかもしれないのです。私はその本を胸に抱き締めるのでした。
しばらく進むと広い空間に出ることができたのです……そこには古びた祭壇があるのです。
「ここがダンジョンの最深部だよね?」
「魔物がいなくて良かったですね……」
「うん。ボクも魔力ないし……」
なんて幻想的なのですかね。あのキルシュ古城の天空のチャペルのような雰囲気なのです。まるでこの場所だけ時の流れが違うような不思議な感覚さえあるのです。そしてその祭壇の上には一冊の題名のない赤い本が置かれていたのです。
「おお!これが禁書なのですか!」
「本当にあった……やったじゃんアリーゼ!」
「アリーゼ様。読んで読んで!」
感動なのです!早速読んで見るのです!私は本のページを開くとそこには見たことのない文字が書かれていたのです。古代文字?魔聖言語?どちらも違うのです……うーん……読めないのです……でも書き出しの始めが統一されてるのです。これは……何かの日付ですかね?
「アリーゼ様。何が書いてあったんでしょうか?」
「読めないのです……文字が見たことないものなのです。解読には時間がかかるかもしれないのです。でも、この書き出しは文字が違うのですが、なんとなく日付のような気がするのです」
「日付?日記みたいなものってこと?」
「……アリーゼ。少し見せてみよ」
私はロゼッタ様にその赤い本を渡すとロゼッタ様はその本をパラパラとめくり始める。そして、しばらくするとロゼッタ様はその本をパタンと閉じて私に渡してくるのです。
「ふっ……確かに読めんな」
「ロゼッタ様?」
「それが禁書かは分からんが、どこかの誰かの自己満足で書いたものじゃろうな?長く生きているワシも読めん。でもお主の暇潰しにはいいかもしれぬなアリーゼ?」
「絶対解読して見せるのです!」
そう言ったロゼッタ様はどことなく嬉そうにしているように見えたのです。
そしてそのあとはロゼッタ様の爆炎魔法で何とかダンジョンを抜け出し、こうして私たちの未開の地にできた新しいダンジョンの攻略は終わるのでした。
ボロボロになった私たちは宿屋に戻り、ミルディとフィオナとソフィアはそのまま倒れるように寝てしまったのです。私はあの赤い本の内容を解読をするため読み続ける。
「ん?……この文字……大体のページにいつも出てくるのです」
名前ですかね?少し魔聖言語に似ているのです。あれ……ちょっと待ってくださいなのです。この文字は……私は本を閉じ夜風にあたるため外に出るとそこにはロゼッタ様がいたのです。
「ロゼッタ様」
「なんじゃ?お主も風にあたりにきたのか?」
「……意地悪なのです」
「……何のことじゃ?」
ロゼッタ様はおそらくあの赤い本のこと知っていたのです。私はさっきまで読んでいたあの赤い本のことを話すことにしたのです。
「実は……あの赤い本……ある単語だけ読めたのです。そこには……『ロゼッタ』と書いてあったのです」
「ほう……」
「ロゼッタ様はあの赤い本のこと知ってたのですよね?」
「……ワシはわざと古い言語で書いていると聞いて、ただの自己満足と言った。あやつは……その赤い本は生きた証と言っておったの……アリーゼ、それは大聖女ディアナが残した日記なのじゃ」
大聖女ディアナ様が残した日記……この赤い本が……まさかの禁書ではなく、大聖女様の日記だったのですね。
「そしてあやつは……『いつか誰かがこれを見て、私の意志を継いでくれたらいいなと思っています』と言っておった……アリーゼ。お主は『聖女』じゃ……あやつの想いを継げるかもしれんな?」
「そうだったのですね……ロゼッタ様、待っててくださいなのです!私は絶対この本を解読して見せるのです!」
「まぁお主ならできるかもしれんな」
心地よい夜風が私の背中を押してくれている。これからの長い長い道のりを歩くのを応援しているかのように。きっとこの本と私は出会う運命だったのかもしれないのです。私はその本を胸に抱き締めるのでした。
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