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第4章 聖女。本の知識でダンジョン攻略するのです!
20. 想いを紡ぐ
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20. 想いを紡ぐ
未開の地にできた新しいダンジョンに挑む私たちは今度は大きな蜘蛛の魔物ドレインスパイダーと対峙することになったのです。そしてミルディとフィオナ、そしてソフィアがそのドレインスパイダーの糸の攻撃で動きを封じられ魔力も吸いとられてしまったのです。まずいのです。ピンチなのです。
そして唯一のロゼッタ様の爆炎魔法もみんなを巻き込んでしまうので使えない状況なのです……どうしたら……
「アリーゼ。ワシが何とかあの糸を爆炎魔法で切り裂くのじゃ。お主はその間にあやつらを助けるのじゃ!」
「出来るのです?」
「ワシを誰じゃと思っておる。極悪非道の魔女、竜殺しの魔女。あの大魔女ロゼッタ=ロズウェルじゃぞ?チャンスは一度きりじゃいけるなアリーゼ?」
私が呆然としている間にロゼッタ様は魔法陣を刻み杖を振りかざし詠唱を始めたのです。やるしかないのです!
「3人とも少し我慢するのじゃ!燃えるのじゃ!火炎魔法・フレイムピラー!」
そして次の瞬間、凄まじい音と共に辺り一面に巨大な火柱が立ち上ったのです。これならきっと……
――ブチブチィ 何か嫌な音がしたと思った直後だったのです。
――バァンッ!!! そんな音をたてて糸が弾け飛んだのです。
「今じゃアリーゼ!」
「あとは任せるのです!」
私はドレインスパイダーに向かって走り、その勢いで思い切りジャンプしてその身体にロッドを思い切り叩きつけるのです!
――グシャッ そんな音とともにその巨体が地面に倒れ込む。そのあとも何発かロッドを叩き込みドレインスパイダーは動かなくなりました。ふう……これで安心なのです。
でもまだ油断はできないのです。このドレインスパイダーを倒したことでまた他の魔物が集まってくるかもしれないのですからね。
「痛い……火傷したよこれ……」
「我慢するのじゃ。あれしか助かる方法はなかった。あれでも当たらぬように最低限の威力でやったのじゃ」
「そう言えば魔物は?……うっ……」
「ミルディ。安心するのです!潰しといたのです!」
ミルディは青い顔をしてるのです。まぁ少し潰しすぎたかもなのです。だって地面が大きく陥没してクレーターみたいになってますからね。あのまま放置するとまた集まってきそうだったのでしょうがないのです。なんにせよみんな無事で良かったのです!
私たちは更に奥へ進んでいくことにするのです。正直みんなボロボロなのですね。ロゼッタ様がかろうじて戦えるくらいなのです。もうポーションもないですしね……ここは私が頑張らないとなのです!
それから数時間ほど進むと目の前に道がなくなるのです。行き止まりなのです。
「行き止まりなのです」
「でもここしか道なかったよね?」
みんながあたりを確認しているのです。私も確認するのです。確かに道はここで終わってるのです……でも本の物語ならこの壁やこの床が動いて隠し通路が出てくる開くはずなのです!私は壁を押したり、その場でジャンプしたりしたのです。
しかし、何も起こらなかったのです。本当に行き止まりなのですかね……このままじゃ禁書が隠されてる部屋にはたどり着けないのです……私が残念そうにしていると、ロゼッタ様が私の肩にそっと手を乗せてきたのです。
「……あやつ……面倒な結界を張りおって……アリーゼ。聖魔法を使うのじゃ」
「え?」
「いやいやロゼッタ様、アリーゼは聖魔法使えないでしょ」
「想いを紡ぐのじゃ。お主ならできるじゃろ?」
そう言われて私は壁に手を当てると意識を集中して聖魔法を唱えるのです。
想いを紡ぐ……しばらくすると段々身体が熱くなるのを感じるのです。聖痕が消えているのにこの感覚は……とても不思議な感覚なのです。まるで……本当に聖魔法を使っているようなのです。
そのまま意識を集中させていく。すると、壁に魔法陣が現れ壁はなくなり通路が現れたのです。本当に隠し通路があったのです……凄いのです!みんなも驚いていたのですが、すぐに我に返って奥へと進んでいくことにしたのです。
未開の地にできた新しいダンジョンに挑む私たちは今度は大きな蜘蛛の魔物ドレインスパイダーと対峙することになったのです。そしてミルディとフィオナ、そしてソフィアがそのドレインスパイダーの糸の攻撃で動きを封じられ魔力も吸いとられてしまったのです。まずいのです。ピンチなのです。
そして唯一のロゼッタ様の爆炎魔法もみんなを巻き込んでしまうので使えない状況なのです……どうしたら……
「アリーゼ。ワシが何とかあの糸を爆炎魔法で切り裂くのじゃ。お主はその間にあやつらを助けるのじゃ!」
「出来るのです?」
「ワシを誰じゃと思っておる。極悪非道の魔女、竜殺しの魔女。あの大魔女ロゼッタ=ロズウェルじゃぞ?チャンスは一度きりじゃいけるなアリーゼ?」
私が呆然としている間にロゼッタ様は魔法陣を刻み杖を振りかざし詠唱を始めたのです。やるしかないのです!
「3人とも少し我慢するのじゃ!燃えるのじゃ!火炎魔法・フレイムピラー!」
そして次の瞬間、凄まじい音と共に辺り一面に巨大な火柱が立ち上ったのです。これならきっと……
――ブチブチィ 何か嫌な音がしたと思った直後だったのです。
――バァンッ!!! そんな音をたてて糸が弾け飛んだのです。
「今じゃアリーゼ!」
「あとは任せるのです!」
私はドレインスパイダーに向かって走り、その勢いで思い切りジャンプしてその身体にロッドを思い切り叩きつけるのです!
――グシャッ そんな音とともにその巨体が地面に倒れ込む。そのあとも何発かロッドを叩き込みドレインスパイダーは動かなくなりました。ふう……これで安心なのです。
でもまだ油断はできないのです。このドレインスパイダーを倒したことでまた他の魔物が集まってくるかもしれないのですからね。
「痛い……火傷したよこれ……」
「我慢するのじゃ。あれしか助かる方法はなかった。あれでも当たらぬように最低限の威力でやったのじゃ」
「そう言えば魔物は?……うっ……」
「ミルディ。安心するのです!潰しといたのです!」
ミルディは青い顔をしてるのです。まぁ少し潰しすぎたかもなのです。だって地面が大きく陥没してクレーターみたいになってますからね。あのまま放置するとまた集まってきそうだったのでしょうがないのです。なんにせよみんな無事で良かったのです!
私たちは更に奥へ進んでいくことにするのです。正直みんなボロボロなのですね。ロゼッタ様がかろうじて戦えるくらいなのです。もうポーションもないですしね……ここは私が頑張らないとなのです!
それから数時間ほど進むと目の前に道がなくなるのです。行き止まりなのです。
「行き止まりなのです」
「でもここしか道なかったよね?」
みんながあたりを確認しているのです。私も確認するのです。確かに道はここで終わってるのです……でも本の物語ならこの壁やこの床が動いて隠し通路が出てくる開くはずなのです!私は壁を押したり、その場でジャンプしたりしたのです。
しかし、何も起こらなかったのです。本当に行き止まりなのですかね……このままじゃ禁書が隠されてる部屋にはたどり着けないのです……私が残念そうにしていると、ロゼッタ様が私の肩にそっと手を乗せてきたのです。
「……あやつ……面倒な結界を張りおって……アリーゼ。聖魔法を使うのじゃ」
「え?」
「いやいやロゼッタ様、アリーゼは聖魔法使えないでしょ」
「想いを紡ぐのじゃ。お主ならできるじゃろ?」
そう言われて私は壁に手を当てると意識を集中して聖魔法を唱えるのです。
想いを紡ぐ……しばらくすると段々身体が熱くなるのを感じるのです。聖痕が消えているのにこの感覚は……とても不思議な感覚なのです。まるで……本当に聖魔法を使っているようなのです。
そのまま意識を集中させていく。すると、壁に魔法陣が現れ壁はなくなり通路が現れたのです。本当に隠し通路があったのです……凄いのです!みんなも驚いていたのですが、すぐに我に返って奥へと進んでいくことにしたのです。
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