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第4章 聖女。本の知識でダンジョン攻略するのです!
15. もう迷わない ~マルセナside~
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15. もう迷わない ~マルセナside~
そして次の日。聖女マルセナは覚悟を決めてライアン王子がいる部屋に歩きだしている。その瞳はこの前とは違い一点だけを見据えている真っ直ぐな瞳。もう迷わない。自分はライアン王子が好き。そう思ったのも夢の中のアリーゼに言われたからだ。
よく考えれば聖女マルセナは聖女アリーゼと比べられ巡礼祭を失敗し、ランバート王国で住み込みで働くことになった。そして自分を聖女ではなく、1人の女性として見てくれたライアン王子。
彼がアリーゼと私を比べたから……そう考えると自分の中でも答えが出ていたのかもしれない。
そう……
自分はアリーゼを聖女として『尊敬している』『アリーゼのようになりたい』ということに。
でも今は違う。自分は聖女ではなく、1人の女性として彼のことを愛したい。それがどんな結末になろうとも……
だから今度こそ自分が自分でいられるように……
部屋の前で足を止め深呼吸をする。大丈夫、きっとこの想いを嘘偽りなく今度はマルセナ=アステライトとして伝えられる。だって彼は私のことを受け入れてくれるって……そう信じれるから。
コンコンっと扉を叩き、入室の許可を得る。ドアノブに手をかけゆっくりと開く。部屋の中に入るとそこにはベッドの上で上半身を起こし本を読んでいるライアン王子がいた。その姿を見ただけで胸が高鳴る。
しかしそれを表には出さずいつも通りに声をかけた。先ほどまで読んでいた本を閉じてこちらを見るライアン王子。
「聖女マルセナ様……」
「ごきげんよう。この前はあなたの話も聞かずいきなり飛び出してごめんなさい」
まず謝罪の言葉を述べる。これは本当に悪いと思っていることだし何よりちゃんと謝らないといけないと思ったから。すると少し驚いたような顔をしてすぐに笑顔になったライアン王子。その表情を見てやっぱり好きだなって思う。あぁ……私は彼を心の底から好きなのだわ……
だからこそ、これから話すことは緊張するけれどそれでも伝えなければいけないことがある。意を決して彼に話しかける。自分の中にある気持ちを偽らず全て伝えるために……
「あなたに伝えたいことがあるの。聞いてくださいますか?」
まっすぐに目を見ながら言う。するとまた少し驚く顔を見せるがそれも一瞬のこと。真剣な眼差しになりながら言葉を返してくれた。
「ああ……聞かせてくれ」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて言わせていただきますね?……私、マルセナは貴方のことを愛しております!」
「!?︎」
思いっきり言い切った!これでもう後には引けない。でも後悔はないわ。むしろすっきりしたくらいよ。そう言えた瞬間、顔中に何か熱いものが走る。それは……多分涙だった……その言葉を聞いた途端今まで見たことのないような複雑な表情を見せるライアン王子。
(ああ、散々怒ったり部屋を飛び出したりして今さら迷惑よね……)
少し俯きながらそんなことを考えてしまう。だがすぐに思い直す。たとえ迷惑だとわかっていてもこの気持ちを伝えないわけにはいかないのだ。ここで引いてしまえば自分は一生後悔するだろうから。
ふぅーっと息を吐く音が聞こえた。
「本当に私でいいのかい?初めは国政のために君に近づいたんだよ私は?」
そうライアン王子は私に告げる。でも……私に向けられた顔はとても穏やかで優しい表情をしている。いつものように私をからかう顔。そんな表情さえも今は愛おしい。
「でも今は本当に一人の女性として君を愛している。その気持ちに嘘はない!」
「私が愛しているのは今のあなたよ!もう私を不安にさせないで。私はライアン王子……あなたの側にいたいの!」
「マルセナ……」
ギュッと優しく抱きしめられた。暖かい温もりを感じる。そしてお互い自然と見つめ合い唇を重ねた。触れるだけの優しいキスだったがそれでも幸せを感じた。もっと彼に近づきたかった。ただそれだけだったのだ。長い口づけを終え名残惜しそうな顔をしながらもそっと離れる
「愛していますライアン王子」
「私もだよマルセナ」
再び抱き寄せられ今度は強く抱擁される。そしてもう一度軽く唇を合わせたあとまたお互いを見つめ合った。そしてライアン王子がマルセナに言う。
「マルセナ。私はこの後、国家反逆罪に問われるだろう。君を愛してしまい目的のセントリン王国侵略を白紙にしてしまうからね。私と一緒に逃げてくれるかい?」
「もう迷わない。私はあなたとずっと共にいるわ」
そういうと再び唇を重ねそのままベッドに押し倒された。そこから先のことは恥ずかしくてあまり覚えていない。ただひとつ言えるのはその日私たちは本当の意味で結ばれたということだけだった……同時に純潔を失った私は「聖痕」が消え聖女としての地位と聖魔法も失ったのだ。
朝、目覚めると隣には裸のまま寝ているライアン王子の姿があった。昨晩のことを思い出してしまい思わず赤面してしまう。すると後ろから腕が伸びてきて強く抱き寄せられた。
驚いて振り向くと目を覚ましたライアン王子がこちらを見て微笑んでいた。その笑顔がとても眩しくて格好よく見えた。
これから私たちの旅が始まる。
でも決して1人ではない。2人で手を取り合って歩いていこう。そう心に決めてもう一度愛する人を強く抱きしめた。
そして次の日。聖女マルセナは覚悟を決めてライアン王子がいる部屋に歩きだしている。その瞳はこの前とは違い一点だけを見据えている真っ直ぐな瞳。もう迷わない。自分はライアン王子が好き。そう思ったのも夢の中のアリーゼに言われたからだ。
よく考えれば聖女マルセナは聖女アリーゼと比べられ巡礼祭を失敗し、ランバート王国で住み込みで働くことになった。そして自分を聖女ではなく、1人の女性として見てくれたライアン王子。
彼がアリーゼと私を比べたから……そう考えると自分の中でも答えが出ていたのかもしれない。
そう……
自分はアリーゼを聖女として『尊敬している』『アリーゼのようになりたい』ということに。
でも今は違う。自分は聖女ではなく、1人の女性として彼のことを愛したい。それがどんな結末になろうとも……
だから今度こそ自分が自分でいられるように……
部屋の前で足を止め深呼吸をする。大丈夫、きっとこの想いを嘘偽りなく今度はマルセナ=アステライトとして伝えられる。だって彼は私のことを受け入れてくれるって……そう信じれるから。
コンコンっと扉を叩き、入室の許可を得る。ドアノブに手をかけゆっくりと開く。部屋の中に入るとそこにはベッドの上で上半身を起こし本を読んでいるライアン王子がいた。その姿を見ただけで胸が高鳴る。
しかしそれを表には出さずいつも通りに声をかけた。先ほどまで読んでいた本を閉じてこちらを見るライアン王子。
「聖女マルセナ様……」
「ごきげんよう。この前はあなたの話も聞かずいきなり飛び出してごめんなさい」
まず謝罪の言葉を述べる。これは本当に悪いと思っていることだし何よりちゃんと謝らないといけないと思ったから。すると少し驚いたような顔をしてすぐに笑顔になったライアン王子。その表情を見てやっぱり好きだなって思う。あぁ……私は彼を心の底から好きなのだわ……
だからこそ、これから話すことは緊張するけれどそれでも伝えなければいけないことがある。意を決して彼に話しかける。自分の中にある気持ちを偽らず全て伝えるために……
「あなたに伝えたいことがあるの。聞いてくださいますか?」
まっすぐに目を見ながら言う。するとまた少し驚く顔を見せるがそれも一瞬のこと。真剣な眼差しになりながら言葉を返してくれた。
「ああ……聞かせてくれ」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて言わせていただきますね?……私、マルセナは貴方のことを愛しております!」
「!?︎」
思いっきり言い切った!これでもう後には引けない。でも後悔はないわ。むしろすっきりしたくらいよ。そう言えた瞬間、顔中に何か熱いものが走る。それは……多分涙だった……その言葉を聞いた途端今まで見たことのないような複雑な表情を見せるライアン王子。
(ああ、散々怒ったり部屋を飛び出したりして今さら迷惑よね……)
少し俯きながらそんなことを考えてしまう。だがすぐに思い直す。たとえ迷惑だとわかっていてもこの気持ちを伝えないわけにはいかないのだ。ここで引いてしまえば自分は一生後悔するだろうから。
ふぅーっと息を吐く音が聞こえた。
「本当に私でいいのかい?初めは国政のために君に近づいたんだよ私は?」
そうライアン王子は私に告げる。でも……私に向けられた顔はとても穏やかで優しい表情をしている。いつものように私をからかう顔。そんな表情さえも今は愛おしい。
「でも今は本当に一人の女性として君を愛している。その気持ちに嘘はない!」
「私が愛しているのは今のあなたよ!もう私を不安にさせないで。私はライアン王子……あなたの側にいたいの!」
「マルセナ……」
ギュッと優しく抱きしめられた。暖かい温もりを感じる。そしてお互い自然と見つめ合い唇を重ねた。触れるだけの優しいキスだったがそれでも幸せを感じた。もっと彼に近づきたかった。ただそれだけだったのだ。長い口づけを終え名残惜しそうな顔をしながらもそっと離れる
「愛していますライアン王子」
「私もだよマルセナ」
再び抱き寄せられ今度は強く抱擁される。そしてもう一度軽く唇を合わせたあとまたお互いを見つめ合った。そしてライアン王子がマルセナに言う。
「マルセナ。私はこの後、国家反逆罪に問われるだろう。君を愛してしまい目的のセントリン王国侵略を白紙にしてしまうからね。私と一緒に逃げてくれるかい?」
「もう迷わない。私はあなたとずっと共にいるわ」
そういうと再び唇を重ねそのままベッドに押し倒された。そこから先のことは恥ずかしくてあまり覚えていない。ただひとつ言えるのはその日私たちは本当の意味で結ばれたということだけだった……同時に純潔を失った私は「聖痕」が消え聖女としての地位と聖魔法も失ったのだ。
朝、目覚めると隣には裸のまま寝ているライアン王子の姿があった。昨晩のことを思い出してしまい思わず赤面してしまう。すると後ろから腕が伸びてきて強く抱き寄せられた。
驚いて振り向くと目を覚ましたライアン王子がこちらを見て微笑んでいた。その笑顔がとても眩しくて格好よく見えた。
これから私たちの旅が始まる。
でも決して1人ではない。2人で手を取り合って歩いていこう。そう心に決めてもう一度愛する人を強く抱きしめた。
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