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追憶の章 魔女と聖女の始まり
15. 買い物に付き合って
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15. 買い物に付き合って
私は今日は宿屋の部屋でゆっくり休ませてもらっている。最近、強力な魔法を使いすぎているせいか、少し身体がダルいからだ。
「うぅ~ん……ベッドで昼寝するのは気持ちいいわね……」
目を閉じてゴロゴロと転がる私の頭の中に、ふとある考えが浮かんできた。
「早くギル坊やルナが強くなってくれると助かるんだけどね……」
そう呟きながら寝返りをうつ私だったが、その時だった……突然、部屋の扉の方からガチャリという音が聞こえたのだ。私は慌てて起き上がり、その扉の方に目を向ける。するとそこには、なぜか無表情な顔つきのディアナがいた。彼女はそのままスタスタと歩いて部屋の中へと入ってくる。
「ちょ、ちょっと!勝手に入ってこないでよ!」
私はそう言ってベッドの上に置いてあった枕を掴み取り、それをディアナに向かって投げつける。しかし、ディアナはそれをヒョイっと避けると、相変わらずの無表情のまま私に近づいてきた。そして私の目の前まで来ると、そこでピタリと立ち止まる。
「……」
「な、何よ?そんな怖い顔をして……」
「怖い顔?そんな顔していませんが?」
「じゃあなんでそんな怒ったような顔をしているわけ!?」
私がそう叫ぶと、ディアナはジッと私の顔を見つめてきた。そしてゆっくりと口を開く。
「怒ってなんかいないですよ。ロゼッタさんに買い物に付き合ってもらおうと思いまして。荷物持ちです」
「……はぁ?」
私はポカンとした表情を浮かべると、そのまま首を傾げた。買い物?な、なんだって急に……?戸惑う私を見てもなお、ディアナは無言のままこちらを見続けている。どうやら本当に買い物に行こうとしているようだ。
ま、まあいいわ……。こいつが何を考えているのか分からないけど、別に断る理由はない。荷物持ちはしないけど。私は小さくため息をつくと、仕方なしに彼女の提案に乗ることにした。
「分かったわよ。着替えるから待っていてちょうだい」
「はい。分かりました」
私は立ち上がり着替えようとするが、ディアナが部屋を出ていかない。なんなのこいつ……
「ほら。着替えるから出ていきなさいよ?」
「なぜですか?私は女性ですが?」
「それは知ってるけどさ……その恥ずかしいでしょ?一応さ」
「私よりスタイルが良くないからですか?特に胸あたりとか?」
「はぁ!?そういうことじゃないわよ!もういいわよ!」
私は大きな声を出すと、急いで服を脱ぎ始める。着替え終わると、ディアナと一緒に街へと向かった。こいつ、いつか燃やしてやるわ!
街に出ると、相変わらず色々なお店があり、たくさんの人が行き交っていた。そんな街の光景を見ながら、ディアナと2人で並んで歩く。ディアナは特に何も言わず黙ったままだ。私は少し気まずく感じながらも、彼女に話しかけることにした。
「ねぇ。それでどこに行けばいいわけ?」
「その前に。ロゼッタさん。少しお金を借りてもよろしいですか?」
「はい?どういう意味よ?」
「言葉通りの意味です。今から行くところで必要なのです」
「だからそれがどこなのか聞いているんだけど?」
「魔法道具屋です。行きましょう」
そう言うと私の腕を引っ張り、ディアナはズンズンと歩き始めた。私はそんな彼女に引きづられるように付いていく。魔法道具?聖女のこいつに何か必要なの?ディアナの行動がよく分からないまま、私は目的の場所へと向かうのであった。
ディアナに連れられてやって来た場所は『マジック・ショップ』と書かれた看板がある建物だった。建物の外観は普通の民家にしか見えないが、中に入ると広い空間になっており、様々な種類の商品が置かれていることが分かる。
店内には私たち以外にも何人か客がいるようで、皆それぞれ欲しいものを物色していた。私はそんな人たちの邪魔にならないよう、ディアナと共に店の隅に移動する。するとディアナは棚に置いてある商品を手に取った。
「これとこれを下さい。あとこれも」
ディアナはそう言いながら、次々と棚にある商品を取っていった。私はその様子を見て、思わずギョッとする。
「ちょ、ちょっと!あんたどれだけ買うつもりなの!?」
「えっ?全部買いますけど?」
「はぁ!?」
私の驚きの声に、他の客たちがこちらに視線を向けた。しかしディアナは全く気にする様子もなく、淡々と会計を進めていく。結局彼女は合計3つの袋を持って店を出ていった。
「ふぅ……やっと終わったか。あとでお金返しなさいよね?」
「はい。ただ……まだ貸してもらえますか?次のお店で使うので」
「次って……まだ買い物するつもりなの?」
「当然です。次は魔法鍛冶屋に行きますよ」
当然ですってなんなのこいつ。私のお金なのよ!本当に何がしたいのかしら?私がそんなことを考えていると、ディアナはまた私の手を引っ張ってきた。
「早くしてください。置いていきますよ?」
「はいはい……もう好きにすればいいわ……」
私は諦めたような表情を浮かべると、彼女の後に続いて魔法鍛冶屋に向かうのであった。そしてやってきたのは古びた一軒家である。ディアナは躊躇することなく扉を開けると、そのままズカズカと家の中に入っていった。
「ごめんください。いますか?」
ディアナがそう言って奥に向かって声を掛けるが、返事はない。
「誰もいないみたいね。どうしようかしら……」
私がそう呟いた時、突然後ろから小さな足音が聞こえてきた。振り返るとそこには、背の小さな女の子の姿があった。彼女はディアナの顔を見ると、驚いた顔をして近づいてくる。
「あ、あれ!?なんでディアナ様がここに!?」
「お久しぶりですね。メルティアさん。あなたがこの街にいることは知っていましたよ」
「知り合いなの?」
「はい。彼女はメルティアさん優秀な魔法鍛冶屋さんです」
魔法鍛冶屋……ふーん。ルナより小さいわね。こんな子がこの店を切り盛りしているなんて……というか店なのここ?こうして、私はディアナに連れられて魔法鍛冶屋に来たのだった
私は今日は宿屋の部屋でゆっくり休ませてもらっている。最近、強力な魔法を使いすぎているせいか、少し身体がダルいからだ。
「うぅ~ん……ベッドで昼寝するのは気持ちいいわね……」
目を閉じてゴロゴロと転がる私の頭の中に、ふとある考えが浮かんできた。
「早くギル坊やルナが強くなってくれると助かるんだけどね……」
そう呟きながら寝返りをうつ私だったが、その時だった……突然、部屋の扉の方からガチャリという音が聞こえたのだ。私は慌てて起き上がり、その扉の方に目を向ける。するとそこには、なぜか無表情な顔つきのディアナがいた。彼女はそのままスタスタと歩いて部屋の中へと入ってくる。
「ちょ、ちょっと!勝手に入ってこないでよ!」
私はそう言ってベッドの上に置いてあった枕を掴み取り、それをディアナに向かって投げつける。しかし、ディアナはそれをヒョイっと避けると、相変わらずの無表情のまま私に近づいてきた。そして私の目の前まで来ると、そこでピタリと立ち止まる。
「……」
「な、何よ?そんな怖い顔をして……」
「怖い顔?そんな顔していませんが?」
「じゃあなんでそんな怒ったような顔をしているわけ!?」
私がそう叫ぶと、ディアナはジッと私の顔を見つめてきた。そしてゆっくりと口を開く。
「怒ってなんかいないですよ。ロゼッタさんに買い物に付き合ってもらおうと思いまして。荷物持ちです」
「……はぁ?」
私はポカンとした表情を浮かべると、そのまま首を傾げた。買い物?な、なんだって急に……?戸惑う私を見てもなお、ディアナは無言のままこちらを見続けている。どうやら本当に買い物に行こうとしているようだ。
ま、まあいいわ……。こいつが何を考えているのか分からないけど、別に断る理由はない。荷物持ちはしないけど。私は小さくため息をつくと、仕方なしに彼女の提案に乗ることにした。
「分かったわよ。着替えるから待っていてちょうだい」
「はい。分かりました」
私は立ち上がり着替えようとするが、ディアナが部屋を出ていかない。なんなのこいつ……
「ほら。着替えるから出ていきなさいよ?」
「なぜですか?私は女性ですが?」
「それは知ってるけどさ……その恥ずかしいでしょ?一応さ」
「私よりスタイルが良くないからですか?特に胸あたりとか?」
「はぁ!?そういうことじゃないわよ!もういいわよ!」
私は大きな声を出すと、急いで服を脱ぎ始める。着替え終わると、ディアナと一緒に街へと向かった。こいつ、いつか燃やしてやるわ!
街に出ると、相変わらず色々なお店があり、たくさんの人が行き交っていた。そんな街の光景を見ながら、ディアナと2人で並んで歩く。ディアナは特に何も言わず黙ったままだ。私は少し気まずく感じながらも、彼女に話しかけることにした。
「ねぇ。それでどこに行けばいいわけ?」
「その前に。ロゼッタさん。少しお金を借りてもよろしいですか?」
「はい?どういう意味よ?」
「言葉通りの意味です。今から行くところで必要なのです」
「だからそれがどこなのか聞いているんだけど?」
「魔法道具屋です。行きましょう」
そう言うと私の腕を引っ張り、ディアナはズンズンと歩き始めた。私はそんな彼女に引きづられるように付いていく。魔法道具?聖女のこいつに何か必要なの?ディアナの行動がよく分からないまま、私は目的の場所へと向かうのであった。
ディアナに連れられてやって来た場所は『マジック・ショップ』と書かれた看板がある建物だった。建物の外観は普通の民家にしか見えないが、中に入ると広い空間になっており、様々な種類の商品が置かれていることが分かる。
店内には私たち以外にも何人か客がいるようで、皆それぞれ欲しいものを物色していた。私はそんな人たちの邪魔にならないよう、ディアナと共に店の隅に移動する。するとディアナは棚に置いてある商品を手に取った。
「これとこれを下さい。あとこれも」
ディアナはそう言いながら、次々と棚にある商品を取っていった。私はその様子を見て、思わずギョッとする。
「ちょ、ちょっと!あんたどれだけ買うつもりなの!?」
「えっ?全部買いますけど?」
「はぁ!?」
私の驚きの声に、他の客たちがこちらに視線を向けた。しかしディアナは全く気にする様子もなく、淡々と会計を進めていく。結局彼女は合計3つの袋を持って店を出ていった。
「ふぅ……やっと終わったか。あとでお金返しなさいよね?」
「はい。ただ……まだ貸してもらえますか?次のお店で使うので」
「次って……まだ買い物するつもりなの?」
「当然です。次は魔法鍛冶屋に行きますよ」
当然ですってなんなのこいつ。私のお金なのよ!本当に何がしたいのかしら?私がそんなことを考えていると、ディアナはまた私の手を引っ張ってきた。
「早くしてください。置いていきますよ?」
「はいはい……もう好きにすればいいわ……」
私は諦めたような表情を浮かべると、彼女の後に続いて魔法鍛冶屋に向かうのであった。そしてやってきたのは古びた一軒家である。ディアナは躊躇することなく扉を開けると、そのままズカズカと家の中に入っていった。
「ごめんください。いますか?」
ディアナがそう言って奥に向かって声を掛けるが、返事はない。
「誰もいないみたいね。どうしようかしら……」
私がそう呟いた時、突然後ろから小さな足音が聞こえてきた。振り返るとそこには、背の小さな女の子の姿があった。彼女はディアナの顔を見ると、驚いた顔をして近づいてくる。
「あ、あれ!?なんでディアナ様がここに!?」
「お久しぶりですね。メルティアさん。あなたがこの街にいることは知っていましたよ」
「知り合いなの?」
「はい。彼女はメルティアさん優秀な魔法鍛冶屋さんです」
魔法鍛冶屋……ふーん。ルナより小さいわね。こんな子がこの店を切り盛りしているなんて……というか店なのここ?こうして、私はディアナに連れられて魔法鍛冶屋に来たのだった
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