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追憶の章 魔女と聖女の始まり
10. 好戦的聖女
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10. 好戦的聖女
そして翌日。私たちは近くの街を探すため街道を進んで行くことにする。私は気になったことをディアナに聞いてみる。
「そう言えば、聖エルンストは許可とか出してるのかしら?私と行動することとか?」
「許可?なぜ許可を取る必要があるんですか?私は私の思うままに行動する。聖エルンストは関係ありません」
「はぁ?別に構わないけど、後で面倒なことに巻き込まないでよ?」
「面倒な事ですか?私は気にしませんが?」
「私が嫌だって言ってんの!理解しなさいよ無表情聖女!」
ディアナは私は悪くないですよね?的な感じで首をかしげる。本当にこいつには困ったものだわ。感情がないわけじゃないみたいだけど……
「まあまあロゼッタ様落ち着いてください。確かにディアナ様は無表情ですが、悪い人ではありませんから」
「そうだよロゼッタ様!ディアナ様は聖女様なんだし!」
誰も悪いやつなんて言ってないし。ただ少し融通がきかないってだけで……まあいいわ。
それから私たちは、しばらく歩いていくとようやく街の外壁が見えてきた。辺りはもう日が暮れ始めていた。
「ふぅ~やっと見えてきましたね。さて、まずは宿を探しましょう」
「そうね。じゃあさっそく行きましょ。さすがに今回は思春期のギル坊とは別の部屋がいいわね。イヤらしい目で見られるのは勘弁だしね?」
「見るところなんてロゼッタ様にはないじゃないですか?ルナさんやディアナ様とは違うんだし」
その言葉を聞いて私は睨み付けるとギル坊にアイアンクローを食らわす。
「ねぇギル坊知ってる?人間の頭蓋骨って意外と脆いらしいわよ?試してみる?」
「ごめんなさーい!!」
まったくもう!ほんっとデリカシーのない子だこと!そんなこんなで門を通り抜けようと私たちが歩いていると突然声をかけられた。
「おいお前たち!この街へ何しに来た!ここは領主様の許可なく入ることは許されないぞ!」
「え?」
そこには門番らしき人が立っていた。面倒なやつね……それを聞いたディアナは私を押し退けて前に出てくる。ちょっと痛いんだけどさ?
「あなたこそ何を言っているのですか?私は許可証を持っています。確認してください」
ディアナがそう言うと門番はその紙を見て驚いた顔をする。
「これは失礼いたしました!まさか聖エルンストの聖女様とは知らず申し訳ありませんでした!」
「いえ、いいのです。それよりも中に入れてもらってもよろしいでしょうか?」
「はい!もちろんですとも!どうぞお通り下さいませ!」
うむ。これで入れるなら問題なしね。たまには役に立つじゃない。私達はそのまま街の中に入って行った。街に入るとそこは賑やかな光景が広がっていた。たくさんの屋台が立ち並び、様々な食べ物を売っているようだ。そして街の人々は皆笑顔を浮かべている。私も思わず笑みがこぼれてしまう。
「ロゼッタ様楽しそうですね」
「あら?わかるかしら?」
「そりゃわかりますよ。ロゼッタ様のこといつも見てますからね」
ギル坊の言葉に少しドキッとする。いやないない。ギル坊は子供だからそういう意味ではないはずよ。
それからしばらくして宿屋を見つけることが出来た。しかし部屋が2部屋しか空いていないので、私は仕方なくギル坊と同じ部屋になった。さすがにルナと一緒にはさせられないし、ディアナは論外なので仕方がないわね。
「はぁ……疲れたわね」
「大丈夫ですかロゼッタ様?」
「ええ。それよりギル坊。ルナと一緒が良かったんじゃないの?イヤらしいわね?」
「ちっ違いますよ!!ルナさんは可愛らしい女性だし……ボクと同じ部屋なんて不味いのはわかってますよ!」
おい。私も可愛らしい女性だぞギル坊。まあ別にいいけどね。私はベッドの上に横になる。
「とにかく今日はゆっくり休みましょう。明日はギルドに行って情報収集をしましょ。ここを拠点にするか決めないとね」
「はい!頑張りましょう!」
私たちはそれから眠りについた。翌日になると私たちは朝早く起きて朝食を食べるとすぐに宿を出て街の中央にある冒険者ギルドを目指すことにした。
街の中央に着くと、まずは冒険者ギルドに向かった。ここが一番情報が集まりやすいだろうと思ったからだ。早速中に入ると、中には屈強そうな男達が酒を飲んでいたり、依頼書と思われるものを読んでいた。
「すごく強そうな人が多いね?」
「そうですねルナさん。ボクたちも頑張りましょう!」
「あのロゼッタさん?あの依頼書だけ色が違いますがなんですか?」
「あれは特級依頼ね。高難易度の魔獣や魔物を討伐する時に出る依頼書よ。まあ普通の人が受けることはないでしょうね」
「そんなものがあるんですね」
ディアナは興味深そうに見ている。まあ確かにディアナにとっては珍しいかもしれないけど、あまり見ないようにしなさいよね。恥ずかしいから。するとディアナはその依頼書を手に取り受付に向かおうとする。
「ちょっとちょっと!何やってんのよあんたは!」
「依頼を受けるのですが?」
「あのさ、その特級依頼は普通の冒険者が受けられるようなものじゃないの。話聞いてたの?」
「聞いてましたが。私たちは普通ではないですよね?ルナさんはともかく、あなたは魔女、ギルフォードさんは賢者、私は聖女です。違いますか?」
いやそういう話じゃなくてさ。戦闘経験の話をしてるんだけど。こいつには説明しても無駄かしら?
「そうじゃなくって、もっとこう一般的な依頼を受けたらどうかなって言ってるの」
「一般的?それはどういうことでしょう?私は聖女として人々を救わなければならない使命があるのです。それなのにどうしてわざわざ危険度の高い依頼を避けなければいけないのですか?」
「だからそういうことじゃなくって……」
「お?なんだ嬢ちゃんたち?ここは女子供の来る場所じゃないぜ?」
ディアナと私が言い争っていると、酔っぱらいの冒険者に絡まれてしまった。私はイラっとしたけど、ディアナが先に反応してしまった。
「なんですかあなた?あなたのような人に絡まれる筋合いはないのですが?」
ディアナがそう言うと、その男はディアナの胸ぐらを掴む。あーあ。面倒なことに巻き込まれて……私がその男の腕を掴もうとした瞬間、ディアナの拳が男の顎にクリーンヒットした。こいつ意外と好戦的なんだけど……
そして翌日。私たちは近くの街を探すため街道を進んで行くことにする。私は気になったことをディアナに聞いてみる。
「そう言えば、聖エルンストは許可とか出してるのかしら?私と行動することとか?」
「許可?なぜ許可を取る必要があるんですか?私は私の思うままに行動する。聖エルンストは関係ありません」
「はぁ?別に構わないけど、後で面倒なことに巻き込まないでよ?」
「面倒な事ですか?私は気にしませんが?」
「私が嫌だって言ってんの!理解しなさいよ無表情聖女!」
ディアナは私は悪くないですよね?的な感じで首をかしげる。本当にこいつには困ったものだわ。感情がないわけじゃないみたいだけど……
「まあまあロゼッタ様落ち着いてください。確かにディアナ様は無表情ですが、悪い人ではありませんから」
「そうだよロゼッタ様!ディアナ様は聖女様なんだし!」
誰も悪いやつなんて言ってないし。ただ少し融通がきかないってだけで……まあいいわ。
それから私たちは、しばらく歩いていくとようやく街の外壁が見えてきた。辺りはもう日が暮れ始めていた。
「ふぅ~やっと見えてきましたね。さて、まずは宿を探しましょう」
「そうね。じゃあさっそく行きましょ。さすがに今回は思春期のギル坊とは別の部屋がいいわね。イヤらしい目で見られるのは勘弁だしね?」
「見るところなんてロゼッタ様にはないじゃないですか?ルナさんやディアナ様とは違うんだし」
その言葉を聞いて私は睨み付けるとギル坊にアイアンクローを食らわす。
「ねぇギル坊知ってる?人間の頭蓋骨って意外と脆いらしいわよ?試してみる?」
「ごめんなさーい!!」
まったくもう!ほんっとデリカシーのない子だこと!そんなこんなで門を通り抜けようと私たちが歩いていると突然声をかけられた。
「おいお前たち!この街へ何しに来た!ここは領主様の許可なく入ることは許されないぞ!」
「え?」
そこには門番らしき人が立っていた。面倒なやつね……それを聞いたディアナは私を押し退けて前に出てくる。ちょっと痛いんだけどさ?
「あなたこそ何を言っているのですか?私は許可証を持っています。確認してください」
ディアナがそう言うと門番はその紙を見て驚いた顔をする。
「これは失礼いたしました!まさか聖エルンストの聖女様とは知らず申し訳ありませんでした!」
「いえ、いいのです。それよりも中に入れてもらってもよろしいでしょうか?」
「はい!もちろんですとも!どうぞお通り下さいませ!」
うむ。これで入れるなら問題なしね。たまには役に立つじゃない。私達はそのまま街の中に入って行った。街に入るとそこは賑やかな光景が広がっていた。たくさんの屋台が立ち並び、様々な食べ物を売っているようだ。そして街の人々は皆笑顔を浮かべている。私も思わず笑みがこぼれてしまう。
「ロゼッタ様楽しそうですね」
「あら?わかるかしら?」
「そりゃわかりますよ。ロゼッタ様のこといつも見てますからね」
ギル坊の言葉に少しドキッとする。いやないない。ギル坊は子供だからそういう意味ではないはずよ。
それからしばらくして宿屋を見つけることが出来た。しかし部屋が2部屋しか空いていないので、私は仕方なくギル坊と同じ部屋になった。さすがにルナと一緒にはさせられないし、ディアナは論外なので仕方がないわね。
「はぁ……疲れたわね」
「大丈夫ですかロゼッタ様?」
「ええ。それよりギル坊。ルナと一緒が良かったんじゃないの?イヤらしいわね?」
「ちっ違いますよ!!ルナさんは可愛らしい女性だし……ボクと同じ部屋なんて不味いのはわかってますよ!」
おい。私も可愛らしい女性だぞギル坊。まあ別にいいけどね。私はベッドの上に横になる。
「とにかく今日はゆっくり休みましょう。明日はギルドに行って情報収集をしましょ。ここを拠点にするか決めないとね」
「はい!頑張りましょう!」
私たちはそれから眠りについた。翌日になると私たちは朝早く起きて朝食を食べるとすぐに宿を出て街の中央にある冒険者ギルドを目指すことにした。
街の中央に着くと、まずは冒険者ギルドに向かった。ここが一番情報が集まりやすいだろうと思ったからだ。早速中に入ると、中には屈強そうな男達が酒を飲んでいたり、依頼書と思われるものを読んでいた。
「すごく強そうな人が多いね?」
「そうですねルナさん。ボクたちも頑張りましょう!」
「あのロゼッタさん?あの依頼書だけ色が違いますがなんですか?」
「あれは特級依頼ね。高難易度の魔獣や魔物を討伐する時に出る依頼書よ。まあ普通の人が受けることはないでしょうね」
「そんなものがあるんですね」
ディアナは興味深そうに見ている。まあ確かにディアナにとっては珍しいかもしれないけど、あまり見ないようにしなさいよね。恥ずかしいから。するとディアナはその依頼書を手に取り受付に向かおうとする。
「ちょっとちょっと!何やってんのよあんたは!」
「依頼を受けるのですが?」
「あのさ、その特級依頼は普通の冒険者が受けられるようなものじゃないの。話聞いてたの?」
「聞いてましたが。私たちは普通ではないですよね?ルナさんはともかく、あなたは魔女、ギルフォードさんは賢者、私は聖女です。違いますか?」
いやそういう話じゃなくてさ。戦闘経験の話をしてるんだけど。こいつには説明しても無駄かしら?
「そうじゃなくって、もっとこう一般的な依頼を受けたらどうかなって言ってるの」
「一般的?それはどういうことでしょう?私は聖女として人々を救わなければならない使命があるのです。それなのにどうしてわざわざ危険度の高い依頼を避けなければいけないのですか?」
「だからそういうことじゃなくって……」
「お?なんだ嬢ちゃんたち?ここは女子供の来る場所じゃないぜ?」
ディアナと私が言い争っていると、酔っぱらいの冒険者に絡まれてしまった。私はイラっとしたけど、ディアナが先に反応してしまった。
「なんですかあなた?あなたのような人に絡まれる筋合いはないのですが?」
ディアナがそう言うと、その男はディアナの胸ぐらを掴む。あーあ。面倒なことに巻き込まれて……私がその男の腕を掴もうとした瞬間、ディアナの拳が男の顎にクリーンヒットした。こいつ意外と好戦的なんだけど……
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