59 / 158
第2章 聖女。灼熱の王国を駆け巡るのです!
23. 約束の石板 ~ロゼッタ視点~
しおりを挟む
23. 約束の石板 ~ロゼッタ視点~
~過去~
私はロゼッタ=ロズウェル。大魔女の血を引く魔女の末裔よ。この広大な砂漠地帯が広がるソルファス王国に来てもう3ヶ月が経つわね。このソルファス王国での魔力集めは終わりそうだし、そろそろ違う街に向かおうかしらね。
それにしても……
私もまだまだ未熟者だわ。まさかあんなに簡単に私の魔法を防ぐなんて思わなかったわ。しかもクレープは食べ損ねるし!あの女は一体何者なのかしら?私の魔法をあっさりと打ち消すほどの力を持っているのだから只者ではないはずよね。
まぁあの女からは敵意や悪意を感じなかったから大丈夫だと思うけど……うーん。気になるわね。まぁ次は私の爆炎魔法で黒焦げにしてやるから!それよりも今は、この街での最後の仕事を終わらせることに集中しないと。
私は昨日の大広場での出来事を思い出しながら、いつも通りいつもの時間にキルシュ古城に向かう。そこには私の相棒(?)が待っているから。中に入り、隠し通路を通り天空のチャペルに向かう。
「おおローズ」
「ごめん待ったガウェイン?」
この男はガウェイン。私が初めてこのキルシュ古城に来たときに知り合った冒険者だ。そして私は恥ずかしながらこの男に惚れている。仕方ないの。不意をつかれたのよ……私が魔物に襲われた時颯爽と助けてくれたから。そのときの姿が今でも忘れられないのだ。まぁ私みたいな年下には興味なさそうだけどこの人。でも諦めたくない気持ちもあるわけで……
「おい聞いたぞ?昨日どこかの美人の女に負けたんだってな?魔女の末裔が聞いて呆れるぜ。」
「はぁ!?負けてないし!てか私の方が絶対美人だし!」
「はいはい。まぁでも仕方ないさ。お前が昨日揉めてた女、聖女らしいぜ?名前は確かディアナって言ったかな?」
聖女。それなら私の魔法もあっさりと打ち消すわ。女神の力を持つ者だとは……侮れない相手ね。聖女ディアナ覚えておくわ。次に会った時は真っ黒焦げにしてやるんだから!
「というか、なんで聖女がこんなところにいるのよ?」
「巡礼の旅の途中らしいぞ?聖エルンストの聖女様はやることがちがうねぇ?」
バカにしてる。私は頬を膨らませながらガウェインに少し不機嫌そうに尋ねる。
「っで話ってなに?」
「ああ。その前に中に来い」
そう言うとガウェインは教会の中に入っていく。はぁ……なんなのよ一体?もしかして私に告白!?……いや絶対ない。だから淡い期待は持たないように私もあとについで中に入ることにする。
教会に入るとそこは祭壇があるだけで誰もいない。そこには古びた石板がおいてあった。
「なにその汚い石板は?」
「これは魔法の石板だ。ここに魔力をストックすることができるんだよ」
「は?わざわざ自分の魔力をそこに預けて弱くなれって事?私はお断り!」
そんなことをしたらいざという時に困るもの。するとガウェインはニヤリと笑いながらこう言ってきた。
「安心しろ。何も全部預けると言ってないだろ?ほら手を貸せよ!」
「ちょっと!何すんの……」
ガウェインは強引に私の手を掴み魔法の石板に手を置かせる。すると魔力がその石板にたまるのが分かる。私はすぐに手を放す。
「ちょっと!少し痛かったんだけど!」
「悪い悪い。まぁこれでよしっと。じゃあ本題に入ろうか。実は俺、明日ここを出ることにしたんだ」
「え?どういうこと?」
突然の言葉に頭がついていかない。どうして急に……
「俺は元々冒険者だろ?ある依頼があってこの街にやってきたんだ。それがもうすぐ終わるから俺は明日には出ようと思う」
確かにガウェインはこの国に来る前は別の大陸にいたと言っていたわね。それでたまたまこの街に来てこのキルシュ古城で私と出会ったと。でも、また別の依頼で旅に出ると言うことか。寂しいけど仕方がないわね。
それにしても、この男と一緒に旅ができたら楽しかっただろうな……なんて思ったりして。
ガウェインとは出会ってまだ間もないしお互いのこともよく知らない。それでも一緒にいる時間は楽しく感じていた。こんな感情は初めてだった。これが恋なのかしら?分からない……でも離れるのは嫌! 私は意を決して彼に告げる。
本当はもっとロマンチックな雰囲気で言うつもりだったのに……まぁいいか! 私は彼の顔を見ながらはっきりと伝える。私の想いを!
「私は認めないから。必ず帰ってきてよね。もう一度私に会う前に死ぬなんて許さないから!」
そして私は彼に抱きつく! 私の精一杯の勇気を込めて! そして彼は私の頭を撫でながら優しく微笑む。
「あーはいはい。わかったよ。ったく、心配性なんだからよ。ローズは、俺は必ず帰ってくる」
これが今の私の精一杯の言葉。そして私の初恋の終わりを告げる言葉でもあった。
次の日の朝早くにガウェインは王都を出て行った。私は最後まで笑顔を崩さず彼を見送ったつもりだけど、内心では泣きたい気持ちを抑えながら必死に堪えるのにいっぱいいっぱいだった。
そしてガウェインは帰ってくることはなかった。
~現在~
その石板の魔力がワシを包み込んでいく。なんて温かい光なのじゃ。そしてその魔力が間違いなくガウェインのものだと。しかもこの量、あやつあの時にどれだけ……もしかしてワシの為に……?
ワシは目を瞑りしばらくその温かい光の魔力の余韻を楽しむ。ああ。本当にあの時に帰ってきたんじゃな…… そう思うと涙が溢れてくる…… ガウェイン……ありがとう…… この魔力があればきっと大丈夫。ワシはアリーゼと共に前に進んでいける。
「”また”会えたのう」
そう呟きながらゆっくりと目を開ける。ワシはそのガウェインの魔力を感じながら目の前にいる、新たな仲間と共に旅立つ事を決意するのだった。
~過去~
私はロゼッタ=ロズウェル。大魔女の血を引く魔女の末裔よ。この広大な砂漠地帯が広がるソルファス王国に来てもう3ヶ月が経つわね。このソルファス王国での魔力集めは終わりそうだし、そろそろ違う街に向かおうかしらね。
それにしても……
私もまだまだ未熟者だわ。まさかあんなに簡単に私の魔法を防ぐなんて思わなかったわ。しかもクレープは食べ損ねるし!あの女は一体何者なのかしら?私の魔法をあっさりと打ち消すほどの力を持っているのだから只者ではないはずよね。
まぁあの女からは敵意や悪意を感じなかったから大丈夫だと思うけど……うーん。気になるわね。まぁ次は私の爆炎魔法で黒焦げにしてやるから!それよりも今は、この街での最後の仕事を終わらせることに集中しないと。
私は昨日の大広場での出来事を思い出しながら、いつも通りいつもの時間にキルシュ古城に向かう。そこには私の相棒(?)が待っているから。中に入り、隠し通路を通り天空のチャペルに向かう。
「おおローズ」
「ごめん待ったガウェイン?」
この男はガウェイン。私が初めてこのキルシュ古城に来たときに知り合った冒険者だ。そして私は恥ずかしながらこの男に惚れている。仕方ないの。不意をつかれたのよ……私が魔物に襲われた時颯爽と助けてくれたから。そのときの姿が今でも忘れられないのだ。まぁ私みたいな年下には興味なさそうだけどこの人。でも諦めたくない気持ちもあるわけで……
「おい聞いたぞ?昨日どこかの美人の女に負けたんだってな?魔女の末裔が聞いて呆れるぜ。」
「はぁ!?負けてないし!てか私の方が絶対美人だし!」
「はいはい。まぁでも仕方ないさ。お前が昨日揉めてた女、聖女らしいぜ?名前は確かディアナって言ったかな?」
聖女。それなら私の魔法もあっさりと打ち消すわ。女神の力を持つ者だとは……侮れない相手ね。聖女ディアナ覚えておくわ。次に会った時は真っ黒焦げにしてやるんだから!
「というか、なんで聖女がこんなところにいるのよ?」
「巡礼の旅の途中らしいぞ?聖エルンストの聖女様はやることがちがうねぇ?」
バカにしてる。私は頬を膨らませながらガウェインに少し不機嫌そうに尋ねる。
「っで話ってなに?」
「ああ。その前に中に来い」
そう言うとガウェインは教会の中に入っていく。はぁ……なんなのよ一体?もしかして私に告白!?……いや絶対ない。だから淡い期待は持たないように私もあとについで中に入ることにする。
教会に入るとそこは祭壇があるだけで誰もいない。そこには古びた石板がおいてあった。
「なにその汚い石板は?」
「これは魔法の石板だ。ここに魔力をストックすることができるんだよ」
「は?わざわざ自分の魔力をそこに預けて弱くなれって事?私はお断り!」
そんなことをしたらいざという時に困るもの。するとガウェインはニヤリと笑いながらこう言ってきた。
「安心しろ。何も全部預けると言ってないだろ?ほら手を貸せよ!」
「ちょっと!何すんの……」
ガウェインは強引に私の手を掴み魔法の石板に手を置かせる。すると魔力がその石板にたまるのが分かる。私はすぐに手を放す。
「ちょっと!少し痛かったんだけど!」
「悪い悪い。まぁこれでよしっと。じゃあ本題に入ろうか。実は俺、明日ここを出ることにしたんだ」
「え?どういうこと?」
突然の言葉に頭がついていかない。どうして急に……
「俺は元々冒険者だろ?ある依頼があってこの街にやってきたんだ。それがもうすぐ終わるから俺は明日には出ようと思う」
確かにガウェインはこの国に来る前は別の大陸にいたと言っていたわね。それでたまたまこの街に来てこのキルシュ古城で私と出会ったと。でも、また別の依頼で旅に出ると言うことか。寂しいけど仕方がないわね。
それにしても、この男と一緒に旅ができたら楽しかっただろうな……なんて思ったりして。
ガウェインとは出会ってまだ間もないしお互いのこともよく知らない。それでも一緒にいる時間は楽しく感じていた。こんな感情は初めてだった。これが恋なのかしら?分からない……でも離れるのは嫌! 私は意を決して彼に告げる。
本当はもっとロマンチックな雰囲気で言うつもりだったのに……まぁいいか! 私は彼の顔を見ながらはっきりと伝える。私の想いを!
「私は認めないから。必ず帰ってきてよね。もう一度私に会う前に死ぬなんて許さないから!」
そして私は彼に抱きつく! 私の精一杯の勇気を込めて! そして彼は私の頭を撫でながら優しく微笑む。
「あーはいはい。わかったよ。ったく、心配性なんだからよ。ローズは、俺は必ず帰ってくる」
これが今の私の精一杯の言葉。そして私の初恋の終わりを告げる言葉でもあった。
次の日の朝早くにガウェインは王都を出て行った。私は最後まで笑顔を崩さず彼を見送ったつもりだけど、内心では泣きたい気持ちを抑えながら必死に堪えるのにいっぱいいっぱいだった。
そしてガウェインは帰ってくることはなかった。
~現在~
その石板の魔力がワシを包み込んでいく。なんて温かい光なのじゃ。そしてその魔力が間違いなくガウェインのものだと。しかもこの量、あやつあの時にどれだけ……もしかしてワシの為に……?
ワシは目を瞑りしばらくその温かい光の魔力の余韻を楽しむ。ああ。本当にあの時に帰ってきたんじゃな…… そう思うと涙が溢れてくる…… ガウェイン……ありがとう…… この魔力があればきっと大丈夫。ワシはアリーゼと共に前に進んでいける。
「”また”会えたのう」
そう呟きながらゆっくりと目を開ける。ワシはそのガウェインの魔力を感じながら目の前にいる、新たな仲間と共に旅立つ事を決意するのだった。
24
お気に入りに追加
377
あなたにおすすめの小説
【宮廷魔法士のやり直し!】~王宮を追放された天才魔法士は山奥の村の変な野菜娘に拾われたので新たな人生を『なんでも屋』で謳歌したい!~
夕姫
ファンタジー
【私。この『なんでも屋』で高級ラディッシュになります(?)】
「今日であなたはクビです。今までフローレンス王宮の宮廷魔法士としてお勤めご苦労様でした。」
アイリーン=アドネスは宮廷魔法士を束ねている筆頭魔法士のシャーロット=マリーゴールド女史にそう言われる。
理由は国の禁書庫の古代文献を持ち出したという。そんな嘘をエレイナとアストンという2人の貴族出身の宮廷魔法士に告げ口される。この2人は平民出身で王立学院を首席で卒業、そしてフローレンス王国の第一王女クリスティーナの親友という存在のアイリーンのことをよく思っていなかった。
もちろん周りの同僚の魔法士たちも平民出身の魔法士などいても邪魔にしかならない、誰もアイリーンを助けてくれない。
自分は何もしてない、しかも突然辞めろと言われ、挙句の果てにはエレイナに平手で殴られる始末。
王国を追放され、すべてを失ったアイリーンは途方に暮れあてもなく歩いていると森の中へ。そこで悔しさから下を向き泣いていると
「どうしたのお姉さん?そんな収穫3日後のラディッシュみたいな顔しちゃって?」
オレンジ色の髪のおさげの少女エイミーと出会う。彼女は自分の仕事にアイリーンを雇ってあげるといい、山奥の農村ピースフルに連れていく。そのエイミーの仕事とは「なんでも屋」だと言うのだが……
アイリーンは新規一転、自分の魔法能力を使い、エイミーや仲間と共にこの山奥の農村ピースフルの「なんでも屋」で働くことになる。
そして今日も大きなあの声が聞こえる。
「いらっしゃいませ!なんでも屋へようこそ!」
と
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】聖女を害した公爵令嬢の私は国外追放をされ宿屋で住み込み女中をしております。え、偽聖女だった? ごめんなさい知りません。
藍生蕗
恋愛
かれこれ五年ほど前、公爵令嬢だった私───オリランダは、王太子の婚約者と実家の娘の立場の両方を聖女であるメイルティン様に奪われた事を許せずに、彼女を害してしまいました。しかしそれが王太子と実家から不興を買い、私は国外追放をされてしまいます。
そうして私は自らの罪と向き合い、平民となり宿屋で住み込み女中として過ごしていたのですが……
偽聖女だった? 更にどうして偽聖女の償いを今更私がしなければならないのでしょうか? とりあえず今幸せなので帰って下さい。
※ 設定は甘めです
※ 他のサイトにも投稿しています
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる
みおな
恋愛
聖女。
女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。
本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。
愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。
記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。
【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。
みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」
魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。
ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。
あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で運命的な出会いをする。
【2024年3月16日完結、全58話】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる