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第2章 聖女。灼熱の王国を駆け巡るのです!
5. 自信を持って ~フィオナ視点~
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5. 自信を持って ~フィオナ視点~
ボクはフィオナ=マクスウェル。ボクの家は代々有能な魔法士の家系なの。自慢じゃないけど生まれた時から結構優秀な魔力があって将来は王家に仕えるんじゃないか?ってよく言われてたんだ。でもボクは魔力はあったけど、魔法を使うのが苦手だったの。だって魔法は使い方を間違えたら凄く危険なものだから……だから怖くなった。
そして次第に家族からも見離されついに捨てられた。強くなりたい。そう願っているのに怖くて身体が動かない。ただそれだけなのに……
ボクはせっかく優しくしてくれて弟子にもしてくれた2人の師匠からも見離されてしまった。しかも怒って部屋の外に出ていってしまった。言われたことが正論で何も言えなかった。また同じことの繰り返し……
それが悔しくて涙が止まらないよ。部屋に残ってくれたミルディさんがボクに言ってくれる。
「フィオナ。とりあえず座ろう」
涙を何度も何度も拭っても止まることがなかった。ボクは泣きながら座る。ミルディさんは何も言わずボクが泣き止むのを待ってくれている。本当に優しい人。
「あのさ。あたしはフィオナの気持ちわかるよ。あたしも戦えないしさ?」
その言葉にボクは顔をあげる。ボクは本当にダメな子だ。こんなに優しいミルディさんに気を使わせてしまった。そして更にこうも言ってくれたの。
「だからさ。本当に心の底から自分の無力さを嘆いてるんだよね。それでも頑張っているのを褒めて欲しいんだよね?」
「……うん」
その言葉がとても嬉しかったの。ボクの事をわかってくれて。やっと出てくれた声はそれしか出ないぐらい小さいものだったけれど、しっかりと答えることができた。ボクの言葉を聞いてミルディさんが自分の気持ちを伝えてくれる。
「あたしね、戦いたくないわけじゃない。むしろ強くなりたいと思っている。でも怖いんだよね。もし怪我をした時とか、そんなことを想像してしまうと足がすくんじゃう」
「ミルディさん……」
魔法鍛冶屋のミルディさんだって戦いたいって、みんなの力になりたいって思ってるんだ。なのに魔法騎士のボクは……本当に情けないよ……でもこの怖さは簡単に消せない。
「でもさ……フィオナは違う。フィオナはあたしとは違って魔物と戦える能力がある。だから逃げているだけじゃダメだよ」
「でもボク……怖いの。どうしても魔物と戦える自信がない……」
また泣いてしまった。もうボクはどうしたらいいかわからないよ。そんなボクの様子を見てミルディさんはボクに提案をしてくれる。
「それならさ!明日はあたしと一緒に魔物討伐しない?さっきの感じだとロゼッタ様はアリーゼと一緒に朝早くからギルドに行きそうだし!」
「え。ミルディさんとボクで!?」
「うん!大丈夫!あたしだって、戦えるように魔法アイテム持っていくし!絶対に大丈夫!一緒に行こう!」
そうミルディさんはボクに言ったの。ミルディさんだって怖いのにこんなにもボクのために……なのにボクは。いつまでも逃げているだけじゃダメだよね。ボクは勇気を振り絞って答える。
「……わかった。行く。ミルディさんと一緒に行きます」
「よし!約束!」
ミルディさんは小指を出すボクは同じく小指を出してお互いの小指を結び合う。その時のミルディさんの顔は優しい微笑みをボクにくれた。
そして翌日。ボクが起きたらもうアリーゼ様と師匠の姿はなかった。やっぱり怒って2人で魔物討伐をしているのかな……そんな事を考えるけど、今日はミルディさんがせっかくボクに言ってくれたから頑張らないと。ボクは魔法騎士なんだから。
ギルドにつくとボクたちは色々な初心者魔物討伐の依頼の中からサンドスライム討伐を受けることになったの。でもいざ依頼を受けるとなると少し気が引けてしまう。ボクが心配そうな顔をしているとミルディさんはボクの腕を掴んで「大丈夫」といって引っ張ってくれた。そして砂漠にたどり着き目的のサンドスライムを見つける。
「おお!いたいた。あれがそうみたいだね」
「本当だ。なんかプニプニしてる。だっ大丈夫かな……」
「とにかくやってみよう。フィオナ」
いざ目の前にするとやっぱり怖い。ミルディさんがボクの背中を押してくれる。そうだよいつまでも逃げているだけじゃダメだ。ボクは剣を抜き構える。手が震える……そしてサンドスライムに剣で一閃を放つ。
「せやぁ!!」
でもサンドスライムに掠りもしない。ただ空を斬るだけだ。
「うぅ。ごめんなさい」
「いや謝ることないけどさ。フィオナ、それじゃ当たらないよ?まずは相手を良く見る!とりあえず見てて!」
そういうとミルディさんはサンドスライムに向かって走り出し、そのまま金槌で殴りつけた。サンドスライムはプルンと震えながら小さくなっていたけど、ダメージを与えているようには見えない。
違う……ダメージを与えてるとかじゃない。ミルディさんは怖くてもその一歩を踏み出している。そんなミルディさんの姿を見て、ボクは胸の鼓動が速くなり身体が熱くなってくるのを感じる。
しかしその時サンドスライムが吐き出した液がミルディさんを襲う。さらにサンドスライムはその丸い体を震わせながら突進してくる。ボクたちはそれを避ける。
「ねぇフィオナ。この魔物に弱点とかあるの?」
「えっと……確かスライム系の魔物には核があるはずだと思う。その部分を攻撃するといいって聞いたことがあるような気がします」
「そうなんだ……あの身体の中にある青いやつじゃない?それならそこを狙うしかなさそうだね。あたしが囮になるからフィオナお願いできる?」
「えぇ!危ないですよ!」
ミルディさんはなんでそこまでして戦えないボクのために……そしてミルディさんはボクの手をとり優しく話す。
「大丈夫だよ。サンドスライムはあたしの金槌じゃ倒せないし、核までダメージを与えられそうにない。だからフィオナの剣で倒して。自信持って。あたしだって戦えてるんだから!」
その泥だらけの姿をしながらボクに言ってくれた言葉を聞いて理解したの。ミルディさんはボクに傷ついて欲しくないんだ。だから囮が怖くても囮になるんだ。それに師匠……今のままじゃ、ボクが危険な目に合うからわざと……師匠なりの優しさだったんだ。
ボクはミルディさんを真っ直ぐ見て答える。ボクはミルディさんを守る。誰かを守るために戦う!アリーゼ様も師匠もきっと同じ気持ちだから。
「ミルディさん……ううん。囮なんていらない!ボクがサンドスライムを倒すから!」
そうミルディさんに告げると、なぜか不思議と一歩前に踏み出すことができた。
ボクの前にはサンドスライム、背中にはミルディさんがいる。大丈夫。ありがとうアリーゼ様、師匠、ミルディさん。そして再び剣を構える。もう手の震えはない。ボクはもう逃げない!だから……見てて、これからボクが必ずみんなを守ってみせるから!
ボクはフィオナ=マクスウェル。ボクの家は代々有能な魔法士の家系なの。自慢じゃないけど生まれた時から結構優秀な魔力があって将来は王家に仕えるんじゃないか?ってよく言われてたんだ。でもボクは魔力はあったけど、魔法を使うのが苦手だったの。だって魔法は使い方を間違えたら凄く危険なものだから……だから怖くなった。
そして次第に家族からも見離されついに捨てられた。強くなりたい。そう願っているのに怖くて身体が動かない。ただそれだけなのに……
ボクはせっかく優しくしてくれて弟子にもしてくれた2人の師匠からも見離されてしまった。しかも怒って部屋の外に出ていってしまった。言われたことが正論で何も言えなかった。また同じことの繰り返し……
それが悔しくて涙が止まらないよ。部屋に残ってくれたミルディさんがボクに言ってくれる。
「フィオナ。とりあえず座ろう」
涙を何度も何度も拭っても止まることがなかった。ボクは泣きながら座る。ミルディさんは何も言わずボクが泣き止むのを待ってくれている。本当に優しい人。
「あのさ。あたしはフィオナの気持ちわかるよ。あたしも戦えないしさ?」
その言葉にボクは顔をあげる。ボクは本当にダメな子だ。こんなに優しいミルディさんに気を使わせてしまった。そして更にこうも言ってくれたの。
「だからさ。本当に心の底から自分の無力さを嘆いてるんだよね。それでも頑張っているのを褒めて欲しいんだよね?」
「……うん」
その言葉がとても嬉しかったの。ボクの事をわかってくれて。やっと出てくれた声はそれしか出ないぐらい小さいものだったけれど、しっかりと答えることができた。ボクの言葉を聞いてミルディさんが自分の気持ちを伝えてくれる。
「あたしね、戦いたくないわけじゃない。むしろ強くなりたいと思っている。でも怖いんだよね。もし怪我をした時とか、そんなことを想像してしまうと足がすくんじゃう」
「ミルディさん……」
魔法鍛冶屋のミルディさんだって戦いたいって、みんなの力になりたいって思ってるんだ。なのに魔法騎士のボクは……本当に情けないよ……でもこの怖さは簡単に消せない。
「でもさ……フィオナは違う。フィオナはあたしとは違って魔物と戦える能力がある。だから逃げているだけじゃダメだよ」
「でもボク……怖いの。どうしても魔物と戦える自信がない……」
また泣いてしまった。もうボクはどうしたらいいかわからないよ。そんなボクの様子を見てミルディさんはボクに提案をしてくれる。
「それならさ!明日はあたしと一緒に魔物討伐しない?さっきの感じだとロゼッタ様はアリーゼと一緒に朝早くからギルドに行きそうだし!」
「え。ミルディさんとボクで!?」
「うん!大丈夫!あたしだって、戦えるように魔法アイテム持っていくし!絶対に大丈夫!一緒に行こう!」
そうミルディさんはボクに言ったの。ミルディさんだって怖いのにこんなにもボクのために……なのにボクは。いつまでも逃げているだけじゃダメだよね。ボクは勇気を振り絞って答える。
「……わかった。行く。ミルディさんと一緒に行きます」
「よし!約束!」
ミルディさんは小指を出すボクは同じく小指を出してお互いの小指を結び合う。その時のミルディさんの顔は優しい微笑みをボクにくれた。
そして翌日。ボクが起きたらもうアリーゼ様と師匠の姿はなかった。やっぱり怒って2人で魔物討伐をしているのかな……そんな事を考えるけど、今日はミルディさんがせっかくボクに言ってくれたから頑張らないと。ボクは魔法騎士なんだから。
ギルドにつくとボクたちは色々な初心者魔物討伐の依頼の中からサンドスライム討伐を受けることになったの。でもいざ依頼を受けるとなると少し気が引けてしまう。ボクが心配そうな顔をしているとミルディさんはボクの腕を掴んで「大丈夫」といって引っ張ってくれた。そして砂漠にたどり着き目的のサンドスライムを見つける。
「おお!いたいた。あれがそうみたいだね」
「本当だ。なんかプニプニしてる。だっ大丈夫かな……」
「とにかくやってみよう。フィオナ」
いざ目の前にするとやっぱり怖い。ミルディさんがボクの背中を押してくれる。そうだよいつまでも逃げているだけじゃダメだ。ボクは剣を抜き構える。手が震える……そしてサンドスライムに剣で一閃を放つ。
「せやぁ!!」
でもサンドスライムに掠りもしない。ただ空を斬るだけだ。
「うぅ。ごめんなさい」
「いや謝ることないけどさ。フィオナ、それじゃ当たらないよ?まずは相手を良く見る!とりあえず見てて!」
そういうとミルディさんはサンドスライムに向かって走り出し、そのまま金槌で殴りつけた。サンドスライムはプルンと震えながら小さくなっていたけど、ダメージを与えているようには見えない。
違う……ダメージを与えてるとかじゃない。ミルディさんは怖くてもその一歩を踏み出している。そんなミルディさんの姿を見て、ボクは胸の鼓動が速くなり身体が熱くなってくるのを感じる。
しかしその時サンドスライムが吐き出した液がミルディさんを襲う。さらにサンドスライムはその丸い体を震わせながら突進してくる。ボクたちはそれを避ける。
「ねぇフィオナ。この魔物に弱点とかあるの?」
「えっと……確かスライム系の魔物には核があるはずだと思う。その部分を攻撃するといいって聞いたことがあるような気がします」
「そうなんだ……あの身体の中にある青いやつじゃない?それならそこを狙うしかなさそうだね。あたしが囮になるからフィオナお願いできる?」
「えぇ!危ないですよ!」
ミルディさんはなんでそこまでして戦えないボクのために……そしてミルディさんはボクの手をとり優しく話す。
「大丈夫だよ。サンドスライムはあたしの金槌じゃ倒せないし、核までダメージを与えられそうにない。だからフィオナの剣で倒して。自信持って。あたしだって戦えてるんだから!」
その泥だらけの姿をしながらボクに言ってくれた言葉を聞いて理解したの。ミルディさんはボクに傷ついて欲しくないんだ。だから囮が怖くても囮になるんだ。それに師匠……今のままじゃ、ボクが危険な目に合うからわざと……師匠なりの優しさだったんだ。
ボクはミルディさんを真っ直ぐ見て答える。ボクはミルディさんを守る。誰かを守るために戦う!アリーゼ様も師匠もきっと同じ気持ちだから。
「ミルディさん……ううん。囮なんていらない!ボクがサンドスライムを倒すから!」
そうミルディさんに告げると、なぜか不思議と一歩前に踏み出すことができた。
ボクの前にはサンドスライム、背中にはミルディさんがいる。大丈夫。ありがとうアリーゼ様、師匠、ミルディさん。そして再び剣を構える。もう手の震えはない。ボクはもう逃げない!だから……見てて、これからボクが必ずみんなを守ってみせるから!
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