40 / 158
第2章 聖女。灼熱の王国を駆け巡るのです!
4. 自信を持って ~ロゼッタ視点~
しおりを挟む
4. 自信を持って ~ロゼッタ視点~
ワシは部屋を出たがアリーゼに呼び止めらて、今アリーゼと共に夜の街を歩いておる。ふむ。ワシに気をつかったというよりフィオナに気をつかったというところじゃろ。
それにしても……今日のフィオナは散々じゃった。魔物とは戦わないし、ワシの後ろに隠れる。そして『さすが師匠!』なんて言葉を平気で話す。そもそもあやつには戦うという意志が感じられん。
なぜあそこまでの力を持っていながらも戦おうとしないのか…… フィオナは逃げているだけじゃ。気持ちは分かるが、それを払拭できんのなら魔物討伐などやらせるべきじゃない。
それは今日一日見て思ったが、あのままなら間違いなく命取りになりかねん。そう思うのも当たり前の事じゃろう?
「ロゼッタ様は何が食べたいのです?」
「お主のおごりなのじゃ。決めて良いぞ。酒は飲まんからな。余計なことを喋らされるのは勘弁じゃしな」
「別に聞かないのです。ロゼッタ様がフィオナの事を思ってああ言ったのは理解してるのです!だからミルディにお願いしてきたのです!」
ミルディならフィオナを何とかできる。そう思っているのはワシと同じか……とりあえずアリーゼと夕飯でも食べるかの。繁華街の中でも高そうな店を選ぶのじゃ。
ここは少しくらい散財しても構わんからのう。アリーゼのおごりなのだし。ワシは外観がどう見ても高級そうなレストランを指さす。
「あそこが良いのじゃ。香辛料を使った料理が自慢らしいからの!」
「え……高そうなのです。ロゼッタ様その向かいの店にするのです!そうするのです!行くのです!」
そういうとアリーゼは先に歩いていく。全く仕方ないやつじゃの。ワシは後について店の中に入っていく。
中に入るとここは大衆酒場のようじゃの。いい香りに満たされた店の内装を見る分だと悪くはないのじゃ。そして個室に案内され、とりあえず注文をすることにした。料理が運ばれワシはアリーゼと話す。
「わぁ美味しそうなのです!いただきますなのです!」
「アリーゼ。お主フィオナをどうするつもりじゃ?このままでは危険でとても魔物討伐になど連れていけんぞ?」
「やっぱりなのです。ロゼッタ様は優しいのですね。厳しい事を言ってもやはりフィオナの事を思っているのです!」
「当たり前じゃろ。フィオナはこのままでは戦うことができん。……お主の考えを聞かせるのじゃ」
ワシはアリーゼに問いただす。まずここに来た理由はこの話をするためなのは間違いないが、まだ本題に入っとらんはずじゃ。だからこそ早めに聞いておかねばならぬだろうと思うて聞いたのじゃ。
するとアリーゼは食べていた箸を止めキョトンとした顔をしてワシを見てから話し始める。
「もちろん強くするですよ?」
「それはわかっておる。フィオナは戦えんと言っているのじゃ」
「それはミルディが何とかしてくれるのです。大丈夫。それに……これはミルディにもいい機会なのです。」
「ほう…」
アリーゼの話を黙って聞くことにする。
「さっきは意地悪を言いましたが、フィオナのあの時のあの目あの言葉に嘘偽りはありませんでした。だから必要なのは「自信」だけなのです。そしてミルディも戦えない自分に負い目を持っているならフィオナと一緒に魔物討伐をすればそれが「自信」になるです!」
ワシはその言葉を聞き、アリーゼの考えの深さに驚く。こやつそこまで考えておるのか……
「魔物討伐をするとは限らんじゃろ?」
「いえ。あの2人は必ず明日魔物討伐をするのです!だってあの2人は負けず嫌いなのです!そうじゃなきゃ、本来戦闘職じゃない魔法鍛冶屋のミルディが戦いの補助をしたいとは言わないですし、フィオナもあんなに大きな声で反論しないのです」
「……確かにアリーゼの言う通りなのかも知れぬな」
「それに人は自分のコンプレックスに負い目を感じるものなのです。私も「聖痕」が消え聖魔法と聖女という立場を失ったのです……だからもがくのです!自分の存在を示すように!」
そういうアリーゼは寂しそうな笑顔をワシに向ける。いつも明るく気丈に振る舞っておるが、やはりまだ若いの。そのあとは雑談を交え食事を終え宿屋に戻ることにする。
「ぐすっ……お金なくなったのです……」
「泣くんじゃない。なら簡単に奢るなんて言わんことじゃな?」
部屋のドアノブに手をかけた時、中からミルディの声が聞こえてくる。まるでワシたちに聞こえるように大きな声で。
《それならさ!明日はあたしと一緒に魔物討伐しない?さっきの感じだとロゼッタ様はアリーゼと一緒に朝早くからギルドに行きそうだし!》
「む。」
「ほら行った通りなのです。うーんロゼッタ様これは明日は早起きです。大丈夫なのです?」
「バカ者。お主が起こせばいいことじゃろ。ったく……世話が焼けるの」
その日はフィオナとは一言も会話をせず就寝することにしたのじゃ。ワシが話せばせっかくの決意が鈍るからの。そして翌日。アリーゼに叩き起こされまだ覚醒していない頭でギルドの近くで隠れて待つことにする。
しばらくしてミルディとフィオナはギルドにやって来て中に入り、そして何かの依頼を受けて出ていく。アリーゼがギルド受付嬢に何の依頼を受けたのか聞きにいく。すると2人が向かった先は砂漠。サンドスライム討伐の依頼のようじゃ。
「ロゼッタ様。これを飲むのです!」
「断る。それは不味くて飲みたくないのじゃ」
「ワガママはダメなのです!良薬口に苦しなのです!本に書いてあったのです!」
良薬?ただのお手製耐熱ドリンクじゃろ?そんなもの飲むくらいならワシは何も飲まん方がいい気がしてきたのじゃ……アリーゼの顔を見ると寂しそうな顔をしていたので、結局飲んでしまったのだがのう……苦いうえ酸っぱすぎるのじゃ……
そして砂漠につくとミルディとフィオナが戦っているのを見つけ、離れて見ていることにする。なんじゃフィオナのあの攻撃は!全然サンドスライムを見ておらん!ミルディの攻撃は打撃じゃ。打撃じゃサンドスライムは倒せん!やはりあの2人じゃ無理なのじゃ!
ワシは我慢ならなくなり魔法の詠唱を始めようとするとアリーゼがワシのその腕を掴む。
「ダメなのですロゼッタ様。ここで助けてはいけないのです」
「アリーゼ!フィオナがあれじゃ無理なのじゃ!ミルディがいくら頑張っても勝てんのじゃぞ!?」
「大丈夫なのです。フィオナも気づいたのです。何が一番大事なのかミルディが気づかせてくれた。あの2人をよく見てくださいなのです」
アリーゼに言われた通りワシはあの2人を見る。そこには魔物を怖がり後ろに隠れていたフィオナが、サンドスライムと対峙する姿。
ふん。バカ者……今頃遅いのじゃ……
その姿を見た今のワシは、もしかしたら少し笑みを浮かべているかもしれん。さて……仕方ないから見届けるのじゃ。ワシの弱虫な弟子の活躍する姿をのぉ。
ワシは部屋を出たがアリーゼに呼び止めらて、今アリーゼと共に夜の街を歩いておる。ふむ。ワシに気をつかったというよりフィオナに気をつかったというところじゃろ。
それにしても……今日のフィオナは散々じゃった。魔物とは戦わないし、ワシの後ろに隠れる。そして『さすが師匠!』なんて言葉を平気で話す。そもそもあやつには戦うという意志が感じられん。
なぜあそこまでの力を持っていながらも戦おうとしないのか…… フィオナは逃げているだけじゃ。気持ちは分かるが、それを払拭できんのなら魔物討伐などやらせるべきじゃない。
それは今日一日見て思ったが、あのままなら間違いなく命取りになりかねん。そう思うのも当たり前の事じゃろう?
「ロゼッタ様は何が食べたいのです?」
「お主のおごりなのじゃ。決めて良いぞ。酒は飲まんからな。余計なことを喋らされるのは勘弁じゃしな」
「別に聞かないのです。ロゼッタ様がフィオナの事を思ってああ言ったのは理解してるのです!だからミルディにお願いしてきたのです!」
ミルディならフィオナを何とかできる。そう思っているのはワシと同じか……とりあえずアリーゼと夕飯でも食べるかの。繁華街の中でも高そうな店を選ぶのじゃ。
ここは少しくらい散財しても構わんからのう。アリーゼのおごりなのだし。ワシは外観がどう見ても高級そうなレストランを指さす。
「あそこが良いのじゃ。香辛料を使った料理が自慢らしいからの!」
「え……高そうなのです。ロゼッタ様その向かいの店にするのです!そうするのです!行くのです!」
そういうとアリーゼは先に歩いていく。全く仕方ないやつじゃの。ワシは後について店の中に入っていく。
中に入るとここは大衆酒場のようじゃの。いい香りに満たされた店の内装を見る分だと悪くはないのじゃ。そして個室に案内され、とりあえず注文をすることにした。料理が運ばれワシはアリーゼと話す。
「わぁ美味しそうなのです!いただきますなのです!」
「アリーゼ。お主フィオナをどうするつもりじゃ?このままでは危険でとても魔物討伐になど連れていけんぞ?」
「やっぱりなのです。ロゼッタ様は優しいのですね。厳しい事を言ってもやはりフィオナの事を思っているのです!」
「当たり前じゃろ。フィオナはこのままでは戦うことができん。……お主の考えを聞かせるのじゃ」
ワシはアリーゼに問いただす。まずここに来た理由はこの話をするためなのは間違いないが、まだ本題に入っとらんはずじゃ。だからこそ早めに聞いておかねばならぬだろうと思うて聞いたのじゃ。
するとアリーゼは食べていた箸を止めキョトンとした顔をしてワシを見てから話し始める。
「もちろん強くするですよ?」
「それはわかっておる。フィオナは戦えんと言っているのじゃ」
「それはミルディが何とかしてくれるのです。大丈夫。それに……これはミルディにもいい機会なのです。」
「ほう…」
アリーゼの話を黙って聞くことにする。
「さっきは意地悪を言いましたが、フィオナのあの時のあの目あの言葉に嘘偽りはありませんでした。だから必要なのは「自信」だけなのです。そしてミルディも戦えない自分に負い目を持っているならフィオナと一緒に魔物討伐をすればそれが「自信」になるです!」
ワシはその言葉を聞き、アリーゼの考えの深さに驚く。こやつそこまで考えておるのか……
「魔物討伐をするとは限らんじゃろ?」
「いえ。あの2人は必ず明日魔物討伐をするのです!だってあの2人は負けず嫌いなのです!そうじゃなきゃ、本来戦闘職じゃない魔法鍛冶屋のミルディが戦いの補助をしたいとは言わないですし、フィオナもあんなに大きな声で反論しないのです」
「……確かにアリーゼの言う通りなのかも知れぬな」
「それに人は自分のコンプレックスに負い目を感じるものなのです。私も「聖痕」が消え聖魔法と聖女という立場を失ったのです……だからもがくのです!自分の存在を示すように!」
そういうアリーゼは寂しそうな笑顔をワシに向ける。いつも明るく気丈に振る舞っておるが、やはりまだ若いの。そのあとは雑談を交え食事を終え宿屋に戻ることにする。
「ぐすっ……お金なくなったのです……」
「泣くんじゃない。なら簡単に奢るなんて言わんことじゃな?」
部屋のドアノブに手をかけた時、中からミルディの声が聞こえてくる。まるでワシたちに聞こえるように大きな声で。
《それならさ!明日はあたしと一緒に魔物討伐しない?さっきの感じだとロゼッタ様はアリーゼと一緒に朝早くからギルドに行きそうだし!》
「む。」
「ほら行った通りなのです。うーんロゼッタ様これは明日は早起きです。大丈夫なのです?」
「バカ者。お主が起こせばいいことじゃろ。ったく……世話が焼けるの」
その日はフィオナとは一言も会話をせず就寝することにしたのじゃ。ワシが話せばせっかくの決意が鈍るからの。そして翌日。アリーゼに叩き起こされまだ覚醒していない頭でギルドの近くで隠れて待つことにする。
しばらくしてミルディとフィオナはギルドにやって来て中に入り、そして何かの依頼を受けて出ていく。アリーゼがギルド受付嬢に何の依頼を受けたのか聞きにいく。すると2人が向かった先は砂漠。サンドスライム討伐の依頼のようじゃ。
「ロゼッタ様。これを飲むのです!」
「断る。それは不味くて飲みたくないのじゃ」
「ワガママはダメなのです!良薬口に苦しなのです!本に書いてあったのです!」
良薬?ただのお手製耐熱ドリンクじゃろ?そんなもの飲むくらいならワシは何も飲まん方がいい気がしてきたのじゃ……アリーゼの顔を見ると寂しそうな顔をしていたので、結局飲んでしまったのだがのう……苦いうえ酸っぱすぎるのじゃ……
そして砂漠につくとミルディとフィオナが戦っているのを見つけ、離れて見ていることにする。なんじゃフィオナのあの攻撃は!全然サンドスライムを見ておらん!ミルディの攻撃は打撃じゃ。打撃じゃサンドスライムは倒せん!やはりあの2人じゃ無理なのじゃ!
ワシは我慢ならなくなり魔法の詠唱を始めようとするとアリーゼがワシのその腕を掴む。
「ダメなのですロゼッタ様。ここで助けてはいけないのです」
「アリーゼ!フィオナがあれじゃ無理なのじゃ!ミルディがいくら頑張っても勝てんのじゃぞ!?」
「大丈夫なのです。フィオナも気づいたのです。何が一番大事なのかミルディが気づかせてくれた。あの2人をよく見てくださいなのです」
アリーゼに言われた通りワシはあの2人を見る。そこには魔物を怖がり後ろに隠れていたフィオナが、サンドスライムと対峙する姿。
ふん。バカ者……今頃遅いのじゃ……
その姿を見た今のワシは、もしかしたら少し笑みを浮かべているかもしれん。さて……仕方ないから見届けるのじゃ。ワシの弱虫な弟子の活躍する姿をのぉ。
47
お気に入りに追加
376
あなたにおすすめの小説

婚約破棄された国から追放された聖女は隣国で幸せを掴みます。
なつめ猫
ファンタジー
王太子殿下の卒業パーティで婚約破棄を告げられた公爵令嬢アマーリエは、王太子より国から出ていけと脅されてしまう。
王妃としての教育を受けてきたアマーリエは、女神により転生させられた日本人であり世界で唯一の精霊魔法と聖女の力を持つ稀有な存在であったが、国に愛想を尽かし他国へと出ていってしまうのだった。
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
黎
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。

私は聖女(ヒロイン)のおまけ
音無砂月
ファンタジー
ある日突然、異世界に召喚された二人の少女
100年前、異世界に召喚された聖女の手によって魔王を封印し、アルガシュカル国の危機は救われたが100年経った今、再び魔王の封印が解かれかけている。その為に呼ばれた二人の少女
しかし、聖女は一人。聖女と同じ色彩を持つヒナコ・ハヤカワを聖女候補として考えるアルガシュカルだが念のため、ミズキ・カナエも聖女として扱う。内気で何も自分で決められないヒナコを支えながらミズキは何とか元の世界に帰れないか方法を探す。
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星里有乃
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる