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第1章 聖魔法?そんなの知らないのです!
25. 救い
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25. 救い
マールウッド家を支配していた悪魔の依代はアリーゼの突然の聖魔法で浄化することができた。そして次の日、アリーゼはまだ目を覚まさない。
「アリーゼ……」
「ミルディ心配するでない。アリーゼは少し無理をしただけじゃ。いずれ目を覚ますじゃろ」
そう微笑みながらロゼッタ様はミルディに伝える。しかしロゼッタも内心穏やかではなかった。
(一体どういうことなんじゃ?確かにアリーゼは聖女。「聖痕」が消えてなければ聖魔法を使う素質はある。しかし……あの威力。これほどとは思わなかったぞ……アリーゼ本当にお主は……)
すると、部屋にノック音が響く。誰だろうかと思いドアを開けると見知った顔があった。ミルディとロゼッタは驚く。そこには憲兵につれられた、クリスフォードの姿があったのだ。
「クリスフォード=マールウッド!?」
「……なんの用じゃ?」
「無礼を承知で尋ねた。色々迷惑をかけてすまなかった。そこの聖女アリーゼ様に私は救われた」
深々とクリスフォードは頭を下げる。これにはロゼッタも驚く。そして、クリスフォードはそのまま話続ける。
クリスフォードが言うには、自分の父親がなくなって精神的に不安定になっていた時に、露天で何故か目を惹かれて買ってしまった人形に取り憑かれてしまったらしい。そして悪魔憑きになった後、自分の意識が徐々に薄れていく中で、自分はこのまま精神が死ぬんだと思ったらしい。そして自分の精神が死んだ後に悪魔に乗っ取られることを恐れたのだが、それをアリーゼに救われて感謝をしているとのこと。それを聞いてミルディは話す。
「……あんたのせいじゃないけど、あんたを助けるためにアリーゼは無理したんだから!」
「それは承知している。許してほしいとは言わない」
「あたしは納得できない!」
「ミルディ。そやつを責めても仕方あるまい。救うと決めたのはアリーゼなのじゃからな」
ロゼッタの言葉を聞き黙り込むミルディ。クリスフォードは再び口を開く。クリスフォードはこれから罪を償っていくつもりだと言う。
そんな時アリーゼが目を覚ます。
「うぅっ……ここはどこなのです?」
「アリーゼ!!良かった……あたし……心配で……」
「目が覚めたか。全く迷惑をかけおって」
「?……あっクリスフォード=マールウッド様!?あのあの失礼を……申し訳ありませんなのです!」
アリーゼは自分の状況を思い出して慌ててベッドから出て土下座をする。その姿を見たクリスフォードは慌てる。その光景はどっちが正しくてどっちが悪いのかもうわからない状況だったのだ。
その光景を見てミルディとロゼッタ様はクスッと笑う。そしてバックの中からあるものを取り出しクリスフォード様に渡す。
「これをお返しするのです。信頼できる方から預かっていたのです」
「これは……アルグラッドか……ありがとう聖女アリーゼ様」
「いえ。私はただの聖女なのです。困った人のお願いは聞きたいのです。だからあなたはこれから罪を償うのです。もしも挫けることがあれば私がいつでも助けるのです」
「そうか……私はまだやり直せるのだな……」
「はい。大聖女ディアナ様は信じる者の味方なのです!」
私は笑顔で答える。その言葉を聞いたクリスフォード様は目頭を熱くする。こうしてこの事件は幕を閉じるのでした。
その後、クリスフォード様はマールウッド公爵家の爵位を剥奪されて国外追放となりました。そしてマールウッド家は取り潰されることに。そして数日後、マールウッド家に居た使用人たちは全員無罪放免となり、マールウッド家から追い出される形となりました。
「……これで良かったのです。クリスフォード様はまたやり直せるのです。さぁ今日もいい天気なのです!」
そう言って私は空を見上げる。そこには青い綺麗な青空が広がっていた。さて次はどんな事が待っているのでしょうか。楽しみなのです!
マールウッド家を支配していた悪魔の依代はアリーゼの突然の聖魔法で浄化することができた。そして次の日、アリーゼはまだ目を覚まさない。
「アリーゼ……」
「ミルディ心配するでない。アリーゼは少し無理をしただけじゃ。いずれ目を覚ますじゃろ」
そう微笑みながらロゼッタ様はミルディに伝える。しかしロゼッタも内心穏やかではなかった。
(一体どういうことなんじゃ?確かにアリーゼは聖女。「聖痕」が消えてなければ聖魔法を使う素質はある。しかし……あの威力。これほどとは思わなかったぞ……アリーゼ本当にお主は……)
すると、部屋にノック音が響く。誰だろうかと思いドアを開けると見知った顔があった。ミルディとロゼッタは驚く。そこには憲兵につれられた、クリスフォードの姿があったのだ。
「クリスフォード=マールウッド!?」
「……なんの用じゃ?」
「無礼を承知で尋ねた。色々迷惑をかけてすまなかった。そこの聖女アリーゼ様に私は救われた」
深々とクリスフォードは頭を下げる。これにはロゼッタも驚く。そして、クリスフォードはそのまま話続ける。
クリスフォードが言うには、自分の父親がなくなって精神的に不安定になっていた時に、露天で何故か目を惹かれて買ってしまった人形に取り憑かれてしまったらしい。そして悪魔憑きになった後、自分の意識が徐々に薄れていく中で、自分はこのまま精神が死ぬんだと思ったらしい。そして自分の精神が死んだ後に悪魔に乗っ取られることを恐れたのだが、それをアリーゼに救われて感謝をしているとのこと。それを聞いてミルディは話す。
「……あんたのせいじゃないけど、あんたを助けるためにアリーゼは無理したんだから!」
「それは承知している。許してほしいとは言わない」
「あたしは納得できない!」
「ミルディ。そやつを責めても仕方あるまい。救うと決めたのはアリーゼなのじゃからな」
ロゼッタの言葉を聞き黙り込むミルディ。クリスフォードは再び口を開く。クリスフォードはこれから罪を償っていくつもりだと言う。
そんな時アリーゼが目を覚ます。
「うぅっ……ここはどこなのです?」
「アリーゼ!!良かった……あたし……心配で……」
「目が覚めたか。全く迷惑をかけおって」
「?……あっクリスフォード=マールウッド様!?あのあの失礼を……申し訳ありませんなのです!」
アリーゼは自分の状況を思い出して慌ててベッドから出て土下座をする。その姿を見たクリスフォードは慌てる。その光景はどっちが正しくてどっちが悪いのかもうわからない状況だったのだ。
その光景を見てミルディとロゼッタ様はクスッと笑う。そしてバックの中からあるものを取り出しクリスフォード様に渡す。
「これをお返しするのです。信頼できる方から預かっていたのです」
「これは……アルグラッドか……ありがとう聖女アリーゼ様」
「いえ。私はただの聖女なのです。困った人のお願いは聞きたいのです。だからあなたはこれから罪を償うのです。もしも挫けることがあれば私がいつでも助けるのです」
「そうか……私はまだやり直せるのだな……」
「はい。大聖女ディアナ様は信じる者の味方なのです!」
私は笑顔で答える。その言葉を聞いたクリスフォード様は目頭を熱くする。こうしてこの事件は幕を閉じるのでした。
その後、クリスフォード様はマールウッド公爵家の爵位を剥奪されて国外追放となりました。そしてマールウッド家は取り潰されることに。そして数日後、マールウッド家に居た使用人たちは全員無罪放免となり、マールウッド家から追い出される形となりました。
「……これで良かったのです。クリスフォード様はまたやり直せるのです。さぁ今日もいい天気なのです!」
そう言って私は空を見上げる。そこには青い綺麗な青空が広がっていた。さて次はどんな事が待っているのでしょうか。楽しみなのです!
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