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第1章 聖魔法?そんなの知らないのです!
20. マールウッド家
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20. マールウッド家
港町クレスタに着いて翌日になりました。今日から本格的に次の目的のための新たな旅が始まるのです!
でもまずはシルクナートでアルグラッドさんから譲り受けた貴族紋のブレスレットをマールウッド家の方に返さないとなのです。大丈夫忘れていないのです。
「それでは出発なのです!」
「元気じゃのう……お主は……」
「そうだね。アリーゼはいつも元気だよね」
「ロゼッタ様、もっとシャキッとするのです!これからまた長旅になるのですよ!気合いを入れるのです!」
私がそう言うとロゼッタ様が嫌々ながら返事をする。昨日もそうだったけどロゼッタ様は朝が弱いのです。というより寝起きが悪いのです。だからいつもお昼近くに出発することになるのです。
それで大体私とミルディが起こしに向かうのです。だらしない魔女様なのです。とりあえず私たちは貴族マールウッド家に向かうことにします。マールウッド家は、私たちが泊まっていた宿からそれほど離れていなかったのです。
貴族のお屋敷だけあって、街の中でも一際目立つ大きな建物でした。私は門番さんに声をかけてみる。
「こんにちは。私はマールウッド家の領主様にお会いしたく、来たのです!」
「帰れ」
「え?」
「帰れと言っている。今、領主様は不在だ!」
となんと門前払いされてしまいました。えぇ……ひどいのです……なんでも今は当主が不在で誰もいないとの一点張りでした。それを見たロゼッタ様が一言呟く。
「……何かあったのじゃな。門前払いなど、対応が異常なのじゃ」
確かにおかしいのです。これは何かトラブルの気配なのです。私たちはとりあえず街で情報を集めることにするのです。
とは言ってもどこで情報を集めましょうか……まぁこういうのは大体相場は決まっているのですけどね。
「こういう時は酒場なのです!本に書いてあったのです!」
「まぁ……アリーゼ、確かにそうかもだけど、でもロゼッタ様の見た目じゃ中に入れないんじゃない?どう見ても幼女だし。酒場でも門前払いを受けそうなんだけど……」
「失礼な!ミルディ!ワシは幼女じゃないぞ!」
プンスカと怒るロゼッタ様に私は頭を撫でてあげると、子供扱いするでない!と言って杖を振り回して更に怒りだしたのです。おかしいのです。本に書いてあった通りにしたのです……
とりあえずミルディがギルドなら情報が手に入るんじゃない?と言ったので、仕方なくギルドに行くことにしたのです。ギルドならロゼッタ様も入れるので、受付嬢のお姉さんを捕まえて話をすることにしたのです。
「あの少しお尋ねします。貴族のマールウッド家で何かありま……」
「こらこらアリーゼ!こほん。すいません最近貴族絡みの事件か何かありましたか?」
私の発言を遮りミルディが質問をする。何かダメだったのですかね?ロゼッタ様が小声で私に言う。
「お主。もう少し言葉を考えよ。マールウッド家はこの港町クレスタの領主じゃぞ?直接的じゃバカ者。ミルディに任せてお主は黙っておれ」
「うぅ……ヒドイのです……」
なんかロゼッタ様からヒドイ扱いを受けるのです。するとお姉さんと段々打ち解けてきた頃、後ろの方にいた男性が近寄ってきて話しかけてきたです。
「君たちは一体何の話をしているんだ?それに見慣れない顔だが、この街の住人か?」
「あぁ申し訳ありません。あたしたち旅の冒険者でして。少し聞きたいことがあって。最近マールウッド家のことで何か変わったことはありませんでしたか?」
「マールウッド家か……」
ミルディが代表して話を進めるようですね。さすがなのです。男性は顎に手を当て考える仕草をして答えてくれたのです。
そのギルドの男性の話では、なんでも少し前まで普通だったらしいのですが、突然当主であるマールウッド公爵が急死し、長男のクリスフォード=マールウッドが跡を継ぐことになった途端に、彼はなぜか豹変し暴君と化してしまったみたいですね。
そのため、当主であるクリスフォード=マールウッドは街の人からの評判はかなり悪くなっており、そしてその横暴さは街の人にも影響が出ているとか……
その後も私たちはギルドでいくつか話を聞いたのですが、有力な情報は得られなかったのです。
港町クレスタに着いて翌日になりました。今日から本格的に次の目的のための新たな旅が始まるのです!
でもまずはシルクナートでアルグラッドさんから譲り受けた貴族紋のブレスレットをマールウッド家の方に返さないとなのです。大丈夫忘れていないのです。
「それでは出発なのです!」
「元気じゃのう……お主は……」
「そうだね。アリーゼはいつも元気だよね」
「ロゼッタ様、もっとシャキッとするのです!これからまた長旅になるのですよ!気合いを入れるのです!」
私がそう言うとロゼッタ様が嫌々ながら返事をする。昨日もそうだったけどロゼッタ様は朝が弱いのです。というより寝起きが悪いのです。だからいつもお昼近くに出発することになるのです。
それで大体私とミルディが起こしに向かうのです。だらしない魔女様なのです。とりあえず私たちは貴族マールウッド家に向かうことにします。マールウッド家は、私たちが泊まっていた宿からそれほど離れていなかったのです。
貴族のお屋敷だけあって、街の中でも一際目立つ大きな建物でした。私は門番さんに声をかけてみる。
「こんにちは。私はマールウッド家の領主様にお会いしたく、来たのです!」
「帰れ」
「え?」
「帰れと言っている。今、領主様は不在だ!」
となんと門前払いされてしまいました。えぇ……ひどいのです……なんでも今は当主が不在で誰もいないとの一点張りでした。それを見たロゼッタ様が一言呟く。
「……何かあったのじゃな。門前払いなど、対応が異常なのじゃ」
確かにおかしいのです。これは何かトラブルの気配なのです。私たちはとりあえず街で情報を集めることにするのです。
とは言ってもどこで情報を集めましょうか……まぁこういうのは大体相場は決まっているのですけどね。
「こういう時は酒場なのです!本に書いてあったのです!」
「まぁ……アリーゼ、確かにそうかもだけど、でもロゼッタ様の見た目じゃ中に入れないんじゃない?どう見ても幼女だし。酒場でも門前払いを受けそうなんだけど……」
「失礼な!ミルディ!ワシは幼女じゃないぞ!」
プンスカと怒るロゼッタ様に私は頭を撫でてあげると、子供扱いするでない!と言って杖を振り回して更に怒りだしたのです。おかしいのです。本に書いてあった通りにしたのです……
とりあえずミルディがギルドなら情報が手に入るんじゃない?と言ったので、仕方なくギルドに行くことにしたのです。ギルドならロゼッタ様も入れるので、受付嬢のお姉さんを捕まえて話をすることにしたのです。
「あの少しお尋ねします。貴族のマールウッド家で何かありま……」
「こらこらアリーゼ!こほん。すいません最近貴族絡みの事件か何かありましたか?」
私の発言を遮りミルディが質問をする。何かダメだったのですかね?ロゼッタ様が小声で私に言う。
「お主。もう少し言葉を考えよ。マールウッド家はこの港町クレスタの領主じゃぞ?直接的じゃバカ者。ミルディに任せてお主は黙っておれ」
「うぅ……ヒドイのです……」
なんかロゼッタ様からヒドイ扱いを受けるのです。するとお姉さんと段々打ち解けてきた頃、後ろの方にいた男性が近寄ってきて話しかけてきたです。
「君たちは一体何の話をしているんだ?それに見慣れない顔だが、この街の住人か?」
「あぁ申し訳ありません。あたしたち旅の冒険者でして。少し聞きたいことがあって。最近マールウッド家のことで何か変わったことはありませんでしたか?」
「マールウッド家か……」
ミルディが代表して話を進めるようですね。さすがなのです。男性は顎に手を当て考える仕草をして答えてくれたのです。
そのギルドの男性の話では、なんでも少し前まで普通だったらしいのですが、突然当主であるマールウッド公爵が急死し、長男のクリスフォード=マールウッドが跡を継ぐことになった途端に、彼はなぜか豹変し暴君と化してしまったみたいですね。
そのため、当主であるクリスフォード=マールウッドは街の人からの評判はかなり悪くなっており、そしてその横暴さは街の人にも影響が出ているとか……
その後も私たちはギルドでいくつか話を聞いたのですが、有力な情報は得られなかったのです。
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