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第1章 聖魔法?そんなの知らないのです!
11. 馬車の旅路
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11. 馬車の旅路
馬車の旅が始まり、小さな村や街を経由して2日ほど経ったのです。今のところは何も問題なく順調に進んでいるのです。
そして今日はいよいよシルクナートの街に到着するのです。どんなところなのかとても楽しみなのです!
ちなみにこの馬車は乗合馬車と言って決まったルートを定期的に行き来しているものらしいのです。
だから道中に他のお客さんもいるし、護衛の騎士やギルド冒険者の人も乗っているのです。
「ミルディ。あの剣士の方強そうなのです」
「えっ?あっうん。そうだね……って言うかあまりはしゃがないでよ。子供じゃないんだし恥ずかしいから。というかアリーゼっていくつなの?」
「私は14なのです」
「はぁ?もしかしてあたしの事バカにしてる?」
ミルディがなぜか少し怒っているのです。おかしいのです。世の中の女性は少し自分の年齢を若く言うと本に書いてあったのです!それなのになんで怒ってるのかわからないのです。
「もしかしてアリーゼさ……サバ読んでるの?」
「え……本に書いてあったのです!違うのですか!?」
「いや、アリーゼくらいの年齢は無駄なの。それはもっと年上の方なら通用する方法だから。あたしは17。アリーゼの本当の年齢は?」
「今年19なのです。私の方がお姉さんなのです!」
私は笑顔で答えるがミルディは大きなため息をつき、頭を横に振っていたのです。失礼だと思うのです!そんな感じで和気あいあいと話しながら馬車は進んで行く。
しばらくすると道が悪くなりガタゴト揺れだしたのです。そして馬車が止まる。
「すいませんお客様!少し待っていていただけますか?」
「何かあったのかな?でも仕方ないか」
「なんでしょう?気になるのです」
馬車の中がざわつき始める。私が気になり窓からヒョコっと顔を出すと馬車を引いているお馬さんが動けなくなっていました。
こういう時は疲労による衰弱状態というのが普通なのですが、その様子を見る限り違うようなのです。
私は馬車を降りそのお馬さんを確認することにしました。
「あなた獣医様ですか?私にも原因が分からなくて…こんなこと初めてです」
「私はただの聖女なのです」
「えっ聖女様?」
馬車を引いていた男性はあの時のミルディと同じ反応をしています。でも、もう慣れてきたのです。とりあえず引き続きお馬さんの様子を確認してみる事にするのです。するとそのお馬さんは右前足で一生懸命地面を掻いているのです。
私が右側に回り込むとすぐに原因がわかったのです。本に書いてあったのです!私はすぐに馬車の窓から中にいるミルディを呼ぶことにしたのです。
「あのミルディ。すり鉢を持ってますか?」
「すり鉢?あるけど……」
「あと皆さんの中にクコの実とポーションを持っている方はいますか!」
私の呼び掛けに1人の若奥様がクコの実を持っていたので分けてもらいました。あとはポーションなのですが……
「ポーションならオレが持っている。これでいいのか聖女様?」
「助かるのです!ありがとうございます」
先程の剣士さんがポーションを分けてくれました。あとはクコの実をすり鉢で細かく潰してポーションと完全に混ざるように混ぜ合わせる。完成なのです!
私はその完成した液体をお馬さんの右目に何回かに分けてかける。するとお馬さんは走りたそうに元気になったのです。その様子を見て馬車の中にいた他の人達も歓声を上げる。
「聖女様今のは一体……」
「粉塵病なのです!お馬さんが一生懸命走ってくれてたので、土埃などが右目に溜まってしまったのですよ。人間と違って目を掻けないので、視界が見えなくなって走れなくなったのです!」
「獣医様でもないのに凄い……ありがとうございます聖女様!」
いい気分なのです!やっぱり本の知識は優秀なのです!さっきの年齢の件は違ったみたいですけど……。
まぁこういうこともあるのです!細かいことは気にしないことにしておくのです!
馬車の旅が始まり、小さな村や街を経由して2日ほど経ったのです。今のところは何も問題なく順調に進んでいるのです。
そして今日はいよいよシルクナートの街に到着するのです。どんなところなのかとても楽しみなのです!
ちなみにこの馬車は乗合馬車と言って決まったルートを定期的に行き来しているものらしいのです。
だから道中に他のお客さんもいるし、護衛の騎士やギルド冒険者の人も乗っているのです。
「ミルディ。あの剣士の方強そうなのです」
「えっ?あっうん。そうだね……って言うかあまりはしゃがないでよ。子供じゃないんだし恥ずかしいから。というかアリーゼっていくつなの?」
「私は14なのです」
「はぁ?もしかしてあたしの事バカにしてる?」
ミルディがなぜか少し怒っているのです。おかしいのです。世の中の女性は少し自分の年齢を若く言うと本に書いてあったのです!それなのになんで怒ってるのかわからないのです。
「もしかしてアリーゼさ……サバ読んでるの?」
「え……本に書いてあったのです!違うのですか!?」
「いや、アリーゼくらいの年齢は無駄なの。それはもっと年上の方なら通用する方法だから。あたしは17。アリーゼの本当の年齢は?」
「今年19なのです。私の方がお姉さんなのです!」
私は笑顔で答えるがミルディは大きなため息をつき、頭を横に振っていたのです。失礼だと思うのです!そんな感じで和気あいあいと話しながら馬車は進んで行く。
しばらくすると道が悪くなりガタゴト揺れだしたのです。そして馬車が止まる。
「すいませんお客様!少し待っていていただけますか?」
「何かあったのかな?でも仕方ないか」
「なんでしょう?気になるのです」
馬車の中がざわつき始める。私が気になり窓からヒョコっと顔を出すと馬車を引いているお馬さんが動けなくなっていました。
こういう時は疲労による衰弱状態というのが普通なのですが、その様子を見る限り違うようなのです。
私は馬車を降りそのお馬さんを確認することにしました。
「あなた獣医様ですか?私にも原因が分からなくて…こんなこと初めてです」
「私はただの聖女なのです」
「えっ聖女様?」
馬車を引いていた男性はあの時のミルディと同じ反応をしています。でも、もう慣れてきたのです。とりあえず引き続きお馬さんの様子を確認してみる事にするのです。するとそのお馬さんは右前足で一生懸命地面を掻いているのです。
私が右側に回り込むとすぐに原因がわかったのです。本に書いてあったのです!私はすぐに馬車の窓から中にいるミルディを呼ぶことにしたのです。
「あのミルディ。すり鉢を持ってますか?」
「すり鉢?あるけど……」
「あと皆さんの中にクコの実とポーションを持っている方はいますか!」
私の呼び掛けに1人の若奥様がクコの実を持っていたので分けてもらいました。あとはポーションなのですが……
「ポーションならオレが持っている。これでいいのか聖女様?」
「助かるのです!ありがとうございます」
先程の剣士さんがポーションを分けてくれました。あとはクコの実をすり鉢で細かく潰してポーションと完全に混ざるように混ぜ合わせる。完成なのです!
私はその完成した液体をお馬さんの右目に何回かに分けてかける。するとお馬さんは走りたそうに元気になったのです。その様子を見て馬車の中にいた他の人達も歓声を上げる。
「聖女様今のは一体……」
「粉塵病なのです!お馬さんが一生懸命走ってくれてたので、土埃などが右目に溜まってしまったのですよ。人間と違って目を掻けないので、視界が見えなくなって走れなくなったのです!」
「獣医様でもないのに凄い……ありがとうございます聖女様!」
いい気分なのです!やっぱり本の知識は優秀なのです!さっきの年齢の件は違ったみたいですけど……。
まぁこういうこともあるのです!細かいことは気にしないことにしておくのです!
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