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第1章 聖魔法?そんなの知らないのです!
7. 意識の中の『世界書庫』
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7. 意識の中の『世界書庫』
次の日……朝起きて準備をする。そしてみんなでご飯を食べるのです。今日のメニューはパンにハムエッグを挟んだサンドイッチ。凄く美味しかったのです!
食事の後片付けが終わると、ミルディ達と一緒に外に出る。そしてそのまま街の外に向かって歩き出したのです。
しばらく歩くと、昨日ミルディと出会ったあの森にたどり着く。森に入るとすぐに辺りを見渡す。
「ロウム石はどんな場所にあるのです?」
「特に目印とかはないかな。少し赤茶色の柔らかい石なんだよね」
「アリーゼ様。この手袋をしてください。怪我すると大変ですから」
私はリオンさんから手袋を借りて、ロウム石があるところを探し始める。まずは草むらを調べるのです。それから岩場の方に移動していくのです。でも全然見つからないのです。
「なかなか見つからないのです……」
「まぁそんな簡単に見つかるものじゃないしね。気長に探そう!」
結局この日は少量しか見つけられずに帰ることになりました。また明日頑張ればいいのです!出発はお預けにするのです。ミルディの魔法鍛冶屋さんが、依頼をちゃんとできるか気になってしまったのです。私はミルディにお願いしてもう少し長居させてもらうことにしたのです。
その日の夜…… 夕食を終えた後、工房でブラック親方さんとミルディとリオンさんの会話が聞こえてきたので少しのぞいたのです。
「うーん。やっぱり難しいなぁ。鋼細工」
「でも魔力伝導率はいいと思うんですけど?」
「それは間違いないんだが……なぜうまくいかないんだ。もっとこう……違う素材を組み合わせる方法があるのか?」
ミルディ達の会話を邪魔しないように黙って聞いていたのですが、途中から聞こえてきた単語「魔力伝導率」という言葉が私の中で引っかかったのです。
確か以前読んだ本にも同じような言葉があった気がします。えっと……どこで見たんでしょう?鉱石を加工するための魔力伝導率…。
私は目を瞑り意識を集中させる。私には1つ人とは違う特技があるのです。それは自分の意識の中に『世界書庫』と呼ばれるものがあること。そこには今まで読んできた本の内容がすべて記憶されている。どんな些細な本でも全て。思い出せない時はこうやって意識を集中させるのです。
意識を深いところまで潜る……微かな記憶をたどりその単語を私は見つける。そして急いでそれを忘れないように私は工房に入りミルディに叫ぶ。
「ミルディ!紙とペンを貸してほしいのです!早く!」
「アリーゼ!?いきなりなんなの?」
「アリーゼ様。紙とペンならここに」
私はリオンさんから紙とペンを借りて、その紙に計算式を書いていく。これも本に書いてあったのです!それを見ていたブラック親方が一言呟く。
「それは…魔導力学?おいおい聖女様そんなこともできるのかい?」
私は集中し、その質問を無視して計算を続ける。そして答えが出た。
ミルディ、リオンさん、ブラック親方の3人にその答えを見せる。
そこに書かれていたものは……。
「これなのです!」
・魔力伝導率=(鉱材+原石の体積+水分量)×質量/密度 つまり ロウム石 > 鉄鉱石 となるのです。
これならば理論上、ロウム石に別の鉱石を加えることができるはず。
「しかしこれはあくまでも理論値なのです。実際にやってみないとわからないのです」
「いや、確かにこの公式に当てはめれば可能かも知れねぇ」
「凄いじゃんアリーゼ!これなら鋼細工ができるかもしれない!」
皆さんが抱き合いながら喜んでくれてます。私も力になれて良かったのです。やっぱり本の知識は優秀なのですね!
次の日……朝起きて準備をする。そしてみんなでご飯を食べるのです。今日のメニューはパンにハムエッグを挟んだサンドイッチ。凄く美味しかったのです!
食事の後片付けが終わると、ミルディ達と一緒に外に出る。そしてそのまま街の外に向かって歩き出したのです。
しばらく歩くと、昨日ミルディと出会ったあの森にたどり着く。森に入るとすぐに辺りを見渡す。
「ロウム石はどんな場所にあるのです?」
「特に目印とかはないかな。少し赤茶色の柔らかい石なんだよね」
「アリーゼ様。この手袋をしてください。怪我すると大変ですから」
私はリオンさんから手袋を借りて、ロウム石があるところを探し始める。まずは草むらを調べるのです。それから岩場の方に移動していくのです。でも全然見つからないのです。
「なかなか見つからないのです……」
「まぁそんな簡単に見つかるものじゃないしね。気長に探そう!」
結局この日は少量しか見つけられずに帰ることになりました。また明日頑張ればいいのです!出発はお預けにするのです。ミルディの魔法鍛冶屋さんが、依頼をちゃんとできるか気になってしまったのです。私はミルディにお願いしてもう少し長居させてもらうことにしたのです。
その日の夜…… 夕食を終えた後、工房でブラック親方さんとミルディとリオンさんの会話が聞こえてきたので少しのぞいたのです。
「うーん。やっぱり難しいなぁ。鋼細工」
「でも魔力伝導率はいいと思うんですけど?」
「それは間違いないんだが……なぜうまくいかないんだ。もっとこう……違う素材を組み合わせる方法があるのか?」
ミルディ達の会話を邪魔しないように黙って聞いていたのですが、途中から聞こえてきた単語「魔力伝導率」という言葉が私の中で引っかかったのです。
確か以前読んだ本にも同じような言葉があった気がします。えっと……どこで見たんでしょう?鉱石を加工するための魔力伝導率…。
私は目を瞑り意識を集中させる。私には1つ人とは違う特技があるのです。それは自分の意識の中に『世界書庫』と呼ばれるものがあること。そこには今まで読んできた本の内容がすべて記憶されている。どんな些細な本でも全て。思い出せない時はこうやって意識を集中させるのです。
意識を深いところまで潜る……微かな記憶をたどりその単語を私は見つける。そして急いでそれを忘れないように私は工房に入りミルディに叫ぶ。
「ミルディ!紙とペンを貸してほしいのです!早く!」
「アリーゼ!?いきなりなんなの?」
「アリーゼ様。紙とペンならここに」
私はリオンさんから紙とペンを借りて、その紙に計算式を書いていく。これも本に書いてあったのです!それを見ていたブラック親方が一言呟く。
「それは…魔導力学?おいおい聖女様そんなこともできるのかい?」
私は集中し、その質問を無視して計算を続ける。そして答えが出た。
ミルディ、リオンさん、ブラック親方の3人にその答えを見せる。
そこに書かれていたものは……。
「これなのです!」
・魔力伝導率=(鉱材+原石の体積+水分量)×質量/密度 つまり ロウム石 > 鉄鉱石 となるのです。
これならば理論上、ロウム石に別の鉱石を加えることができるはず。
「しかしこれはあくまでも理論値なのです。実際にやってみないとわからないのです」
「いや、確かにこの公式に当てはめれば可能かも知れねぇ」
「凄いじゃんアリーゼ!これなら鋼細工ができるかもしれない!」
皆さんが抱き合いながら喜んでくれてます。私も力になれて良かったのです。やっぱり本の知識は優秀なのですね!
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