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第1章 聖魔法?そんなの知らないのです!
3. 聖女。投げる
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3. 聖女。投げる
私は森の街道で倒れていた鍛冶屋さんの女性を助けたのです。やはり聖女というものは困っている人を救う存在なのです。
「もう大丈夫なのですね。良かったのです」
「あの……ありがとう。あたしはミルディ。この先のルベルタで魔法鍛冶屋をやってるの。あなたは?」
「私はアリーゼなのです。ただの聖女なのです」
「えっ聖女?」
明らかにこのミルディは驚いている様子なのですが……なぜでしょう?私はよくわかりませんって表情をしながらキョトンとした雰囲気を出してみる。
それよりも今はそれよりも聞きたいことがあるのです。それは「ご飯」の話についてなんです。まず最初に言っておく事があるのです。
「あの私はお腹がすいているのです。何か持ってませんか?もう動きたくないのです」
「ああ……ごめん。あたし食糧は持ってないんだ」
ガーン……なのです。はぁ……なんて無慈悲な……大聖女ディアナ様……私を見捨てるのですか。そんな時上空にモンスターが現れる。
「ありゃスカイバードじゃん。でもかなり上の方に飛んでいるから安全だけど」
「……スカイバード。あの鳥食べれるのです?」
「え?うん。普通に狩ったスカイバードは食用として市場でも出回ってるけど……」
それなら我慢の限界なのです。あの鳥をお昼御飯にしましょう!ここはミルディにも手伝ってもらうのです!先ほど助けたのでせめてものお礼も兼ねてもらうべきなのです。
「ミルディ手伝ってくださいなのです。あのスカイバードを倒すのです」
「いいけど、あたしはこの金槌しか持ってないよ?しかもあんな高いところにいるし」
「えっと……ありました。このくらいの石を集めてください」
「はい?もしかして投石で落とすつもり!?」
「止めはその金槌でお願いなのです」
ミルディは怪訝そうな顔をしていましたが私がお願いした石を探してくれる。
多分これだろうという大きさを見つけてきてくれると、それを手に持ち、昔読んだ本だとこの角度でこの向きで……力一杯投げるのです!!!
ザクッ──私の投げた石は見事にスカイバードの翼に当たり落ちて来る。そのまま落下して羽ばたくこともできなくなり地面へと衝突し、そのまま息絶えてしまったのです。
「ふふん。どんなもんなのです!金槌の出番はありませんでしたね!」
「ははっ……」
「さていただくのです!ナイフで捌かないと。あっミルディ手伝ってください。スカイバードの羽根を綺麗に傷つけないようにむしっておいてください。それと嘴は金槌で叩いて綺麗に削り粉末状にしておいてなのです」
「あっうん。わかった」
私はナイフで綺麗にスカイバードを捌く。ミルディは私に頼まれたように事を進めている。
そしてその下準備が整ったところで火を起こすことにする。薪を集めてきて枝葉を積み、それに私が拾ってきた木材を組み立てる。あとは火起こしなのです。この紐と木をこうしてあの本の通りに。
「うりゃああああぁぁぁぁなのです!」
豪快に火がつく。やはり本の知識は優秀なのです!
そして串に刺した肉を焼いていく。ジュージューといい音と香ばしい匂いが漂ってくる。そして焼けたことを確認してから食べる。
う~ん!美味しいのです。調味料がないのが少し残念なのですが、それは無粋というものでしょう。笑顔でお肉を頬張っているとミルディが私に質問をしてくる。
「あのさ。アリーゼって何者?」
「えっ?私はただの聖女なのです」
私は自分の姿を見る。白いローブ、鉄のロッド、あとは……聖女のオーラ(?)どこから見ても教会の人間。だからそう答えたのです。だってそれが事実なのですから。
「いやいやおかしいでしょ!どう見ても熟練冒険者じゃん。あたしを助けてくれたあの方法や、投石技術、この獲物を軽く捌く技術や火起こしもだけど。それにこの羽根や嘴は何に使うのよ!?」
なぜこんな勢いで確認されているのかは意味がわからないのですが、教えてほしいと言うことなら教えてあげるのです!
「あれは以前本で読んだことを今日初めて実践したのです。成功して良かったのです!あとお願いしたものは換金所に持っていくのです。スカイバードの羽根は染め物に使えるのです、嘴は神経毒に効果があるのですよ?」
「だからそれが熟練冒険者だと言ってんのよ……しかも本の知識って……」
ミルディは額に手を押さえて何故か困っていますが、とりあえずミルディを助けることができて良かったのです!
やっぱり本の知識は優秀なのです!
私は森の街道で倒れていた鍛冶屋さんの女性を助けたのです。やはり聖女というものは困っている人を救う存在なのです。
「もう大丈夫なのですね。良かったのです」
「あの……ありがとう。あたしはミルディ。この先のルベルタで魔法鍛冶屋をやってるの。あなたは?」
「私はアリーゼなのです。ただの聖女なのです」
「えっ聖女?」
明らかにこのミルディは驚いている様子なのですが……なぜでしょう?私はよくわかりませんって表情をしながらキョトンとした雰囲気を出してみる。
それよりも今はそれよりも聞きたいことがあるのです。それは「ご飯」の話についてなんです。まず最初に言っておく事があるのです。
「あの私はお腹がすいているのです。何か持ってませんか?もう動きたくないのです」
「ああ……ごめん。あたし食糧は持ってないんだ」
ガーン……なのです。はぁ……なんて無慈悲な……大聖女ディアナ様……私を見捨てるのですか。そんな時上空にモンスターが現れる。
「ありゃスカイバードじゃん。でもかなり上の方に飛んでいるから安全だけど」
「……スカイバード。あの鳥食べれるのです?」
「え?うん。普通に狩ったスカイバードは食用として市場でも出回ってるけど……」
それなら我慢の限界なのです。あの鳥をお昼御飯にしましょう!ここはミルディにも手伝ってもらうのです!先ほど助けたのでせめてものお礼も兼ねてもらうべきなのです。
「ミルディ手伝ってくださいなのです。あのスカイバードを倒すのです」
「いいけど、あたしはこの金槌しか持ってないよ?しかもあんな高いところにいるし」
「えっと……ありました。このくらいの石を集めてください」
「はい?もしかして投石で落とすつもり!?」
「止めはその金槌でお願いなのです」
ミルディは怪訝そうな顔をしていましたが私がお願いした石を探してくれる。
多分これだろうという大きさを見つけてきてくれると、それを手に持ち、昔読んだ本だとこの角度でこの向きで……力一杯投げるのです!!!
ザクッ──私の投げた石は見事にスカイバードの翼に当たり落ちて来る。そのまま落下して羽ばたくこともできなくなり地面へと衝突し、そのまま息絶えてしまったのです。
「ふふん。どんなもんなのです!金槌の出番はありませんでしたね!」
「ははっ……」
「さていただくのです!ナイフで捌かないと。あっミルディ手伝ってください。スカイバードの羽根を綺麗に傷つけないようにむしっておいてください。それと嘴は金槌で叩いて綺麗に削り粉末状にしておいてなのです」
「あっうん。わかった」
私はナイフで綺麗にスカイバードを捌く。ミルディは私に頼まれたように事を進めている。
そしてその下準備が整ったところで火を起こすことにする。薪を集めてきて枝葉を積み、それに私が拾ってきた木材を組み立てる。あとは火起こしなのです。この紐と木をこうしてあの本の通りに。
「うりゃああああぁぁぁぁなのです!」
豪快に火がつく。やはり本の知識は優秀なのです!
そして串に刺した肉を焼いていく。ジュージューといい音と香ばしい匂いが漂ってくる。そして焼けたことを確認してから食べる。
う~ん!美味しいのです。調味料がないのが少し残念なのですが、それは無粋というものでしょう。笑顔でお肉を頬張っているとミルディが私に質問をしてくる。
「あのさ。アリーゼって何者?」
「えっ?私はただの聖女なのです」
私は自分の姿を見る。白いローブ、鉄のロッド、あとは……聖女のオーラ(?)どこから見ても教会の人間。だからそう答えたのです。だってそれが事実なのですから。
「いやいやおかしいでしょ!どう見ても熟練冒険者じゃん。あたしを助けてくれたあの方法や、投石技術、この獲物を軽く捌く技術や火起こしもだけど。それにこの羽根や嘴は何に使うのよ!?」
なぜこんな勢いで確認されているのかは意味がわからないのですが、教えてほしいと言うことなら教えてあげるのです!
「あれは以前本で読んだことを今日初めて実践したのです。成功して良かったのです!あとお願いしたものは換金所に持っていくのです。スカイバードの羽根は染め物に使えるのです、嘴は神経毒に効果があるのですよ?」
「だからそれが熟練冒険者だと言ってんのよ……しかも本の知識って……」
ミルディは額に手を押さえて何故か困っていますが、とりあえずミルディを助けることができて良かったのです!
やっぱり本の知識は優秀なのです!
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