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第1章 聖魔法?そんなの知らないのです!

4. あなたも博識なのですね

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4. あなたも博識なのですね




 ふぅ。満腹なのです。ミルディも結局は色々言っていたけど、美味しくお肉を頬張っていたので良かったのです!というか、なんでこんな森の街道で倒れていたんですかね?

「そういえばミルディはなんでこんなところで倒れていたのです?」

「え。ああ……恥ずかしい話なんだけどさ、この森のロウム石を採取してたら夢中になっちゃってさ。いつの間にかポイズンビートルに囲まれてて何匹か倒したんだけど、最後に刺されちゃって。あはは」

「なるほどなのです。それなら次からは角が赤いポイズンビートルを狙うといいのです。そのポイズンビートルが群れを構成しているのです。だから倒せば逃げていくのですよ?」

「へぇ~……あっ。これも本の知識?」

「もちろんなのです」

 私は自慢気にミルディに伝える。また人助けをしたのです。やっぱり聖女はこうでないと。まぁ……ミルディは私が聖女なのをあまり納得しているような様子ではないのですが……するとミルディが私に質問してくる。

「そう言えばアリーゼはなんでここに?」

「私はルベルタに向かう途中だったのです。今朝、カトリーナ教会を追い出されてしまったのです」

「え。追い出された?」

「はい。聖女の証である「聖痕」が消えてしまったのです。聖魔法が使えないのだから私は聖女じゃないと。しかも「異端の魔女」呼ばわりだったのです!私の話も聞いてくれずに……思い出すだけでも腹が立つのです!」

 私がそういうとミルディは俯いて黙ってしまったのです。あれ?何かまずかったですかね……。少し不安になってくると突然顔を上げて真剣な表情になる。そして口を開く。

「そっか……大変だったんだね。アリーゼが聖女かどうかは関係なしに、あたしを助けてくれてありがとう」

 そう言って、ミルディは笑顔を私にくれる。なんだか照れくさいけど悪くない気分なのです。でも、今思い出したけど私お金持ってなかった気がするのです!?これからどうしよう……

 まぁそんなことを考えても仕方ないのです!旅は風のように気ままに。立ち止まらず前に進め。そう昔読んだ本に書いてあったのです。

「さて。そろそろ行くのです。ミルディもポイズンビートルに気をつけて鉱石集め頑張ってくださいなのです」

「あっ。あのさアリーゼ。行く当てあるの?良かったら今日はあたしのうちに来ない?助けてもらったし」

「え?いいのですか?」

「もちろん。それじゃルベルタに行こうか」

 ここは多少強引だけども、誰かを助けて、ご馳走していただくしか無いみたいなのです!って思ってたのに、泊まらせてもらえるなんてこれは予想以上なのです。大聖女ディアナ様はやっぱり見てくれているんですね!ありがとうなのです!

 こうしてルベルタに向かってミルディと共に向かって歩き始めると、再び分かれ道にぶつかる。

「えい!なのです……右です!」

「ちょっとちょっと!ルベルタは左だよ?というかもしかしてアリーゼ……カトリーナ教会からずっとこの方法で森の街道を歩いて来たの!?」

「はい。間違いなく本に書いてあったのですけど?」

「はぁ……そりゃ何時間も森の街道を歩くわけだよ。あのねアリーゼ……」

 本の通りの方法が違うことをミルディが教えてくれたのです。本来なら歩いて30分程度でルベルタに着くことを聞いてとても驚いたのです!感心しました。ミルディもまた博識なのですね。
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