28 / 51
第4章 アイテム屋を救え!元商人のポーション大作戦!
5. ギルドマスターとして
しおりを挟む
5. ギルドマスターとして
あれからメルさんからポーションとマナポーションを100個ずつ用意してもらい、ギルドの受付の仕事をしながら暇な時に、リリスさんに調合をしてもらうことにした。
ちなみにあのデフォルメされたリリスさんのラベルシールはジェシカさんやエドガーさん、アンナ、そしてオレが時間をみて貼っている。と言っても暇なのはオレくらいなんだけどね……。
「あのエミルくん。このシール曲がってます」
「え?ごめんなさい」
「まったく。性格が曲がってるとこういう簡単な作業に出るんですから気をつけてくださいよ。これは私です。もっと優しく扱ってください。本当にダメですねエミルくんは!そんなんだからジェシカちゃんくらいのチョロい女にしか好かれないんですよ?」
リリスさんは少し膨れながら華麗にオレに毒を吐く。性格曲がってるってオレよりリリスさんの方じゃ……とか言うと星になりそうなので黙っておく。あとジェシカさんはチョロいわけじゃないと思う。
そんなこんなで準備は進んでいき、ついにメルさんのお店で初めてリリスさんのポーションこと『リリスポーション』を販売するを迎えることになった。
あれからメルさんと更に話し合い、集客をあげる方法として、ギルド『フェアリーテイル』の依頼を受けた冒険者にはメルさんのお店で銅貨1枚分割引できるチケットを配ることに決まった。
そしてオレとアンナはこの前のように、メルさんのお店を手伝うことにしている。提案したのはオレだしな。なんとか成功させたいものだ。
「メルさん。いよいよですね」
「はい。これで上手くいけばいいのですけど……」
「大丈夫ですよ。絶対いけます」
「安心しなさいメル!この天才魔法少女のアタシが販売するんだからね!」
「はい。ありがとうございます。お二人とも頑張りましょう!」
ポーションの棚にはきちんと『リリスポーション』が並んでおり、その横には解毒剤も置いてある。更に可愛い丸文字で『新発売』と書いてある。これなら買ってくれそうだな。
こうしてメルさんのアイテム屋は開店する。すると2人組の冒険者が早速ポーションを選び始める。
「いらっしゃいませ。ポーションですか?マナポーションですか?」
「あー。とりあえずどっちもなんですけど、これ新発売なんですか?」
「はい。そうですよ。それはポーションの倍の効果があるんです。おすすめですよ?」
「へぇ~そうなんだ。そしたらオレたちは魔法がメインだから、普通のポーションとこのリリスマナポーションを2つ貰おうかな」
「!?……はい!ありがとうございます!」
2人はそう言って購入してくれた。よし!初客ゲットだ!そのあともお客様は来てくれる。
「効果が倍なのか……でも銅貨8枚ならこのハイポーションの方が得だよな。こっちをくれ」
という大柄な戦士の男性。
「じゃあこのリリスポーションと……毒になると危ないよな。この解毒剤もください」
という細身の狩人の青年。
「私は回復メインだからね。このリリスマナポーションを下さい」
というクレリックの女性。
「じゃあパーティー4人分のリリスポーションをください」
という仲の良い4人組の冒険者パーティーもいた。
みんな口々に『リリスポーション』の効果を認めてくれている。普通のポーションでいいと言う人も多い。それでも間違いなく効果はでている。もちろんメルさんの接客やアンナも頑張っておすすめしてくれていることも大きい。これなら期待できそうだ。
そして昼過ぎには、ギルド『フェアリーテイル』の依頼を受けた冒険者たちも次々と訪れて、色々なアイテムを買ってくれた。
更に夕方になる頃には、リリスポーションもリリスマナポーションも在庫は半分くらいになっていた。
「予想以上でしたね。オレもここまで売れるとは思いませんでした」
「はい。これも全てエミルさんのおかげです。ありがとうございます。これでまだこのアイテム屋を続けられます!」
「いえ。オレは何もしてませんよ。ただ理論を説明しただけです」
メルさんはとても嬉しそうに話している。やっぱり自分の店の商品が売れていく姿を見ると嬉しいよな。こうしてメルさんのアイテム屋は大盛況で閉店時間を迎えた。
オレとアンナはギルド『フェアリーテイル』に戻ることにする。そしてその手には大量のポーションとマナポーションが。
「ちょっとエミル!もっと持ちなさいよ!アタシは女の子なんだから!」
「いや……これ以上は無理だぞ……」
「本当に使えないわね!もう疲れた!エドガー呼んできてよ!」
そう。メルさんからまた大量に注文が入ったのだ。しかも今日よりもさらに多くの数をだ。今日の売り上げをみて、今のうちにたくさん作っておきたいそうだ。確かに毎日これだけの量を販売したらすぐに無くなってしまうだろうな。
それにしてもメルさんは息を吹き替えしたように目がキラキラと輝いていた。本当に力になれて良かった。
「ねぇエミル?」
「なんだ?」
「こうやってメルのアイテム屋も儲かって、ギルド『フェアリーテイル』もお得になるなんて方法考えるなんて見直したわ!さすがアタシたちのギルドマスターよね!」
そう明るい笑顔でオレにアンナは言ってくれる。その言葉は今のオレが一番欲しかった言葉かもしれない。……そうか。オレも『フェアリーテイル』のために仕事できているんだな。少しだけ認められた気がする。
「……そうだな。アンナ。アイス食べるか?」
「いいの!?もちろん食べるわ!……って。どうしたの怪しいわね?何か隠してるんじゃないでしょうね!?」
「いや……なんでもない。行こうぜ!」
「あっ!待ちなさいよ!だからこれ重いって言ってるじゃない!」
オレはギルド『フェアリーテイル』のギルドマスターとして、これからもギルドのため、そして仲間の為に頑張ろうと思ったのだった。
あれからメルさんからポーションとマナポーションを100個ずつ用意してもらい、ギルドの受付の仕事をしながら暇な時に、リリスさんに調合をしてもらうことにした。
ちなみにあのデフォルメされたリリスさんのラベルシールはジェシカさんやエドガーさん、アンナ、そしてオレが時間をみて貼っている。と言っても暇なのはオレくらいなんだけどね……。
「あのエミルくん。このシール曲がってます」
「え?ごめんなさい」
「まったく。性格が曲がってるとこういう簡単な作業に出るんですから気をつけてくださいよ。これは私です。もっと優しく扱ってください。本当にダメですねエミルくんは!そんなんだからジェシカちゃんくらいのチョロい女にしか好かれないんですよ?」
リリスさんは少し膨れながら華麗にオレに毒を吐く。性格曲がってるってオレよりリリスさんの方じゃ……とか言うと星になりそうなので黙っておく。あとジェシカさんはチョロいわけじゃないと思う。
そんなこんなで準備は進んでいき、ついにメルさんのお店で初めてリリスさんのポーションこと『リリスポーション』を販売するを迎えることになった。
あれからメルさんと更に話し合い、集客をあげる方法として、ギルド『フェアリーテイル』の依頼を受けた冒険者にはメルさんのお店で銅貨1枚分割引できるチケットを配ることに決まった。
そしてオレとアンナはこの前のように、メルさんのお店を手伝うことにしている。提案したのはオレだしな。なんとか成功させたいものだ。
「メルさん。いよいよですね」
「はい。これで上手くいけばいいのですけど……」
「大丈夫ですよ。絶対いけます」
「安心しなさいメル!この天才魔法少女のアタシが販売するんだからね!」
「はい。ありがとうございます。お二人とも頑張りましょう!」
ポーションの棚にはきちんと『リリスポーション』が並んでおり、その横には解毒剤も置いてある。更に可愛い丸文字で『新発売』と書いてある。これなら買ってくれそうだな。
こうしてメルさんのアイテム屋は開店する。すると2人組の冒険者が早速ポーションを選び始める。
「いらっしゃいませ。ポーションですか?マナポーションですか?」
「あー。とりあえずどっちもなんですけど、これ新発売なんですか?」
「はい。そうですよ。それはポーションの倍の効果があるんです。おすすめですよ?」
「へぇ~そうなんだ。そしたらオレたちは魔法がメインだから、普通のポーションとこのリリスマナポーションを2つ貰おうかな」
「!?……はい!ありがとうございます!」
2人はそう言って購入してくれた。よし!初客ゲットだ!そのあともお客様は来てくれる。
「効果が倍なのか……でも銅貨8枚ならこのハイポーションの方が得だよな。こっちをくれ」
という大柄な戦士の男性。
「じゃあこのリリスポーションと……毒になると危ないよな。この解毒剤もください」
という細身の狩人の青年。
「私は回復メインだからね。このリリスマナポーションを下さい」
というクレリックの女性。
「じゃあパーティー4人分のリリスポーションをください」
という仲の良い4人組の冒険者パーティーもいた。
みんな口々に『リリスポーション』の効果を認めてくれている。普通のポーションでいいと言う人も多い。それでも間違いなく効果はでている。もちろんメルさんの接客やアンナも頑張っておすすめしてくれていることも大きい。これなら期待できそうだ。
そして昼過ぎには、ギルド『フェアリーテイル』の依頼を受けた冒険者たちも次々と訪れて、色々なアイテムを買ってくれた。
更に夕方になる頃には、リリスポーションもリリスマナポーションも在庫は半分くらいになっていた。
「予想以上でしたね。オレもここまで売れるとは思いませんでした」
「はい。これも全てエミルさんのおかげです。ありがとうございます。これでまだこのアイテム屋を続けられます!」
「いえ。オレは何もしてませんよ。ただ理論を説明しただけです」
メルさんはとても嬉しそうに話している。やっぱり自分の店の商品が売れていく姿を見ると嬉しいよな。こうしてメルさんのアイテム屋は大盛況で閉店時間を迎えた。
オレとアンナはギルド『フェアリーテイル』に戻ることにする。そしてその手には大量のポーションとマナポーションが。
「ちょっとエミル!もっと持ちなさいよ!アタシは女の子なんだから!」
「いや……これ以上は無理だぞ……」
「本当に使えないわね!もう疲れた!エドガー呼んできてよ!」
そう。メルさんからまた大量に注文が入ったのだ。しかも今日よりもさらに多くの数をだ。今日の売り上げをみて、今のうちにたくさん作っておきたいそうだ。確かに毎日これだけの量を販売したらすぐに無くなってしまうだろうな。
それにしてもメルさんは息を吹き替えしたように目がキラキラと輝いていた。本当に力になれて良かった。
「ねぇエミル?」
「なんだ?」
「こうやってメルのアイテム屋も儲かって、ギルド『フェアリーテイル』もお得になるなんて方法考えるなんて見直したわ!さすがアタシたちのギルドマスターよね!」
そう明るい笑顔でオレにアンナは言ってくれる。その言葉は今のオレが一番欲しかった言葉かもしれない。……そうか。オレも『フェアリーテイル』のために仕事できているんだな。少しだけ認められた気がする。
「……そうだな。アンナ。アイス食べるか?」
「いいの!?もちろん食べるわ!……って。どうしたの怪しいわね?何か隠してるんじゃないでしょうね!?」
「いや……なんでもない。行こうぜ!」
「あっ!待ちなさいよ!だからこれ重いって言ってるじゃない!」
オレはギルド『フェアリーテイル』のギルドマスターとして、これからもギルドのため、そして仲間の為に頑張ろうと思ったのだった。
0
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
強さがすべての魔法学園の最下位クズ貴族に転生した俺、死にたくないからゲーム知識でランキング1位を目指したら、なぜか最強ハーレムの主となった!
こはるんるん
ファンタジー
気づいたら大好きなゲームで俺の大嫌いだったキャラ、ヴァイスに転生してしまっていた。
ヴァイスは伯爵家の跡取り息子だったが、太りやすくなる外れスキル【超重量】を授かったせいで腐り果て、全ヒロインから嫌われるセクハラ野郎と化した。
最終的には魔族に闇堕ちして、勇者に成敗されるのだ。
だが、俺は知っていた。
魔族と化したヴァイスが、作中最強クラスのキャラだったことを。
外れスキル【超重量】の真の力を。
俺は思う。
【超重量】を使って勇者の王女救出イベントを奪えば、殺されなくて済むんじゃないか?
俺は悪行をやめてゲーム知識を駆使して、強さがすべての魔法学園で1位を目指す。
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
眠る竜は目覚めを知らない
狭山ひびき@バカふり160万部突破
ファンタジー
皮肉屋で唯我独尊、毎日をぐうたらと過ごしていた翆のもとに、突然彼を睡竜国の国主に迎えたいと使者が訪れた。
なにごとにもやる気のない翆は、それを断ろうと、幼なじみの葉姫を連れ、睡竜国に向かう。
そこで翆を待ち受けていたのは、どろどろした陰謀で……。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる