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第3章 最強の天才魔法少女現る???
5. いつでも待ってますよ
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5. いつでも待ってますよ
オレとアンナは『適性試験』の途中でなぜかゴブリンロードと出くわしてしまうが謎の声が助けてくれた。でもどこかで聞いたことがある可愛い声だったような……
「ふふん!見なさい!この最強の天才魔法少女にかかればこんなものよ!やっぱりアタシって天才よね!」
「あ、ああそうだな……」
アンナのは不発だったような気もするが……本人が喜んでいるのでとりあえず良しとしよう。そんなことを考えていると、ギルドにいるはずのリリスさんがやってくる。
「探しましたよ。こんなところにいたんですね?ここは森の奥。『適性試験』のエリアを越えてます。危険ですよエミルくん。」
「リリスさん。すいません。」
「問題ないわよ!この最強の天才魔法少女がゴブリンロードを黒焦げにしてやったんだから!」
「……そうですか。それより、エミルくん。怪我してるじゃないですか。今、回復魔法をかけてあげますね」
リリスさんはそう言ってオレに近づき手を当てる。すると淡い光がオレの傷を癒していく。
「ありがとうございます。助かりました。ところでリリスさんはどうしてこんなところに?」
「ちょっとお散歩してただけです」
「え?あの……さっきの……本当は……」
どう考えてもリリスさんの魔法だよな?こんなところに散歩なんてあり得ないし。きっと心配して来てくれたんだろうな。オレがそう言いかけると、リリスさんは人差し指をオレの唇にそっと当てる。
「ふふ。それ以上はダメですよ?私はお散歩してただけ。あのゴブリンロードは天才魔法少女が倒したんです」
そう言ってニッコリ微笑む。それを見てオレはドキッとする。やっぱり……この人には敵わない。
「これでよし。それじゃあ帰りましょうか?」
「はい」
こうしてオレとアンナは、リリスさんと共にギルド『フェアリーテイル』に帰ることにした。そして早速アンナの冒険証を発行することにした。
「早く出しなさいよ!ちゃんとゴブリンを倒したし、ゴブリンロードだって倒したんだから!問題ないわよね!」
「はいはいわかったわかった。ジェシカさんお願いできますか?」
オレはジェシカさんにお願いするとジェシカさんは手続きを始めていく。
「じゃあこの冒険証に手を置いて」
アンナは言われるままに冒険証に触れると、冒険証は青白く光り輝く。そこには『アンナ=グランメール』と刻まれた。そしてその名前を見てエドガーさんが驚く。
「グランメール!?まさかあの大魔法使い……伝説のウォーロック アルバス=グランメールの孫娘なのか!?」
「ええ!?そうなのか!?」
これにはオレも驚く。確かに初めての魔物討伐の割には強いとは思ったけどまさかそこまでとは……。
「おじいちゃんそんなに凄い人だったんだ……あ。そっそうよ!だからもっと敬いなさい!だってアタシは最強の天才魔法少女なんだから!」
「アンナちゃん。嘘は良くないですよ?」
リリスさんは笑顔でそう言う。アンナはどうせ騒ぎだすに決まっているのに、なんで突っ掛かるんだ?
「嘘?なによ!文句あるわけ!?嘘なんかついてないわよ!」
「いやいや嘘をついてますよ。アンナちゃんは確かにアルバス=グランメールさんのお孫さんで天才魔法少女かも知れませんけど、『最強』じゃないですよね?ギルド冒険者になったのなら、誤解を産むようなことは言ってはダメです」
「アタシが最強じゃないって言いた……」
アンナの言葉を遮り、リリスさんはアンナにヒラヒラッと自分のギルド冒険証を見せる。
「これは私の冒険証です。私はSランク。アンナちゃんはFランク。分かりますか?誰がどう見ても『最強』なら私の方です。ランクが低い人がいくら最強と言っても笑われるだけですよ?そのくらい理解してください。これだから夢見る子どもは困ります。ちなみに、あなたのおじい様アルバス=グランメールさんは偉大な魔法使いでしたけど、それでもAランクでしたよ?まぁAでも素晴らしいことですけどね?でも『最強』は私ですね?」
リリスさんはアンナにどんどん毒を吐き続けていく。なぜここまで言うのか……でも、それはリリスさんなりの優しさなのだろう。
リリスさんはきっと誰よりも優しくて……そしてとても不器用なのだ。……ストレス発散とかではないはず。たぶん。
「くぅ~!!ムカつく!おじいちゃんをバカにしないでよ!なんなのあんた!」
「私はただの最強の美人ギルド受付嬢ですよ?」
「自分で言ってんじゃないわよ!」
「事実なので仕方ありません。それよりアンナちゃん。もし……『最強』の天才魔法少女になりたいのなら、自分の力で尊敬するおじい様も越えて私のところまで来るといいです。いつでも待ってますよ。でも……いつかそれが出来たのなら、アンナちゃんは『最強』になれるかも知れませんね?まぁ……それまで私が『最強』は預かっておきましょう。期待してますよ『最強』の天才魔法少女さん?」
「いいわ!そこまで言うなら絶対アタシはSランクになってやるんだから!見てなさいよ!天才魔法少女の力を見せてあげるわ!あんたなんかすぐに追い抜いてやるんだから!」
「そうですか。楽しみにしてますね。」
「エミル!ここに『天才魔法少女お貸しします』って貼り紙しなさい!いっぱい依頼をこなして、すぐにでもSランクになってやるんだから!断ったら承知しないわよ?もうアタシ決めたんだから!」
新たな目標ができたアンナはとても嬉しそうな表情をしている。アンナはまだ子どもだ。ギルド冒険者の世界は甘くない。それこそ年齢など関係ない実力主義の厳しい世界だ。
もしかしてリリスさん初めからアンナのこと……?オレがリリスさんの方を見ると目が合う。すると可愛くウインクをしながら口に人差し指を当てる。
やっぱり……この人には敵わない。改めてそう思うのと同時に、オレたちの冒険者ギルド『フェアリーテイル』は『天才魔法少女』を雇うことになったのだった。
オレとアンナは『適性試験』の途中でなぜかゴブリンロードと出くわしてしまうが謎の声が助けてくれた。でもどこかで聞いたことがある可愛い声だったような……
「ふふん!見なさい!この最強の天才魔法少女にかかればこんなものよ!やっぱりアタシって天才よね!」
「あ、ああそうだな……」
アンナのは不発だったような気もするが……本人が喜んでいるのでとりあえず良しとしよう。そんなことを考えていると、ギルドにいるはずのリリスさんがやってくる。
「探しましたよ。こんなところにいたんですね?ここは森の奥。『適性試験』のエリアを越えてます。危険ですよエミルくん。」
「リリスさん。すいません。」
「問題ないわよ!この最強の天才魔法少女がゴブリンロードを黒焦げにしてやったんだから!」
「……そうですか。それより、エミルくん。怪我してるじゃないですか。今、回復魔法をかけてあげますね」
リリスさんはそう言ってオレに近づき手を当てる。すると淡い光がオレの傷を癒していく。
「ありがとうございます。助かりました。ところでリリスさんはどうしてこんなところに?」
「ちょっとお散歩してただけです」
「え?あの……さっきの……本当は……」
どう考えてもリリスさんの魔法だよな?こんなところに散歩なんてあり得ないし。きっと心配して来てくれたんだろうな。オレがそう言いかけると、リリスさんは人差し指をオレの唇にそっと当てる。
「ふふ。それ以上はダメですよ?私はお散歩してただけ。あのゴブリンロードは天才魔法少女が倒したんです」
そう言ってニッコリ微笑む。それを見てオレはドキッとする。やっぱり……この人には敵わない。
「これでよし。それじゃあ帰りましょうか?」
「はい」
こうしてオレとアンナは、リリスさんと共にギルド『フェアリーテイル』に帰ることにした。そして早速アンナの冒険証を発行することにした。
「早く出しなさいよ!ちゃんとゴブリンを倒したし、ゴブリンロードだって倒したんだから!問題ないわよね!」
「はいはいわかったわかった。ジェシカさんお願いできますか?」
オレはジェシカさんにお願いするとジェシカさんは手続きを始めていく。
「じゃあこの冒険証に手を置いて」
アンナは言われるままに冒険証に触れると、冒険証は青白く光り輝く。そこには『アンナ=グランメール』と刻まれた。そしてその名前を見てエドガーさんが驚く。
「グランメール!?まさかあの大魔法使い……伝説のウォーロック アルバス=グランメールの孫娘なのか!?」
「ええ!?そうなのか!?」
これにはオレも驚く。確かに初めての魔物討伐の割には強いとは思ったけどまさかそこまでとは……。
「おじいちゃんそんなに凄い人だったんだ……あ。そっそうよ!だからもっと敬いなさい!だってアタシは最強の天才魔法少女なんだから!」
「アンナちゃん。嘘は良くないですよ?」
リリスさんは笑顔でそう言う。アンナはどうせ騒ぎだすに決まっているのに、なんで突っ掛かるんだ?
「嘘?なによ!文句あるわけ!?嘘なんかついてないわよ!」
「いやいや嘘をついてますよ。アンナちゃんは確かにアルバス=グランメールさんのお孫さんで天才魔法少女かも知れませんけど、『最強』じゃないですよね?ギルド冒険者になったのなら、誤解を産むようなことは言ってはダメです」
「アタシが最強じゃないって言いた……」
アンナの言葉を遮り、リリスさんはアンナにヒラヒラッと自分のギルド冒険証を見せる。
「これは私の冒険証です。私はSランク。アンナちゃんはFランク。分かりますか?誰がどう見ても『最強』なら私の方です。ランクが低い人がいくら最強と言っても笑われるだけですよ?そのくらい理解してください。これだから夢見る子どもは困ります。ちなみに、あなたのおじい様アルバス=グランメールさんは偉大な魔法使いでしたけど、それでもAランクでしたよ?まぁAでも素晴らしいことですけどね?でも『最強』は私ですね?」
リリスさんはアンナにどんどん毒を吐き続けていく。なぜここまで言うのか……でも、それはリリスさんなりの優しさなのだろう。
リリスさんはきっと誰よりも優しくて……そしてとても不器用なのだ。……ストレス発散とかではないはず。たぶん。
「くぅ~!!ムカつく!おじいちゃんをバカにしないでよ!なんなのあんた!」
「私はただの最強の美人ギルド受付嬢ですよ?」
「自分で言ってんじゃないわよ!」
「事実なので仕方ありません。それよりアンナちゃん。もし……『最強』の天才魔法少女になりたいのなら、自分の力で尊敬するおじい様も越えて私のところまで来るといいです。いつでも待ってますよ。でも……いつかそれが出来たのなら、アンナちゃんは『最強』になれるかも知れませんね?まぁ……それまで私が『最強』は預かっておきましょう。期待してますよ『最強』の天才魔法少女さん?」
「いいわ!そこまで言うなら絶対アタシはSランクになってやるんだから!見てなさいよ!天才魔法少女の力を見せてあげるわ!あんたなんかすぐに追い抜いてやるんだから!」
「そうですか。楽しみにしてますね。」
「エミル!ここに『天才魔法少女お貸しします』って貼り紙しなさい!いっぱい依頼をこなして、すぐにでもSランクになってやるんだから!断ったら承知しないわよ?もうアタシ決めたんだから!」
新たな目標ができたアンナはとても嬉しそうな表情をしている。アンナはまだ子どもだ。ギルド冒険者の世界は甘くない。それこそ年齢など関係ない実力主義の厳しい世界だ。
もしかしてリリスさん初めからアンナのこと……?オレがリリスさんの方を見ると目が合う。すると可愛くウインクをしながら口に人差し指を当てる。
やっぱり……この人には敵わない。改めてそう思うのと同時に、オレたちの冒険者ギルド『フェアリーテイル』は『天才魔法少女』を雇うことになったのだった。
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