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プロローグ パーティー解散と前日譚
3. 拠点を探して
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3. 拠点を探して
ギルド設立の許可を得たオレとリリスさん。次の問題はギルドを営業する場所だ。王都にギルド拠点を置く必要があるのはわかるが何を基準に選べばいいか皆目検討もつかない。
「リリスさん、ギルドの拠点となる場所はどこが良いと思います?」
「王都だと良いところがいっぱいありすぎて迷いますね……冒険者が良く立ちいるところは避けたいですね。そこには競合の冒険者ギルドも多いと思いますし、なんか喧嘩になりそうですしね?ヘタしたら……ね?」
きっと手が出そうなのはリリスさんだけだと思いますよ……と言葉が出かかったがこれは心の中に閉まっておくことにする。
「となると、やっぱり選択肢としては少し離れた所にある場所ですね。ついてきてください。案内しますよ」
「あっはい」
あれ?なんかリリスさんの中で目ぼしい場所があるのかな?王都の中心部から離れた場所の通りを歩く。中心部ほどの賑やかさはないが、武器屋や酒場などもあり、それなりに栄えているようだ。そしてある一軒の家の前にたどり着く。
「ここは?」
「私の家です。3ヶ月前くらいに買いました。エミルくんの案がなければ、元からここをギルドにしようと思っていましたので。ここなら問題ありません」
「えっ!?ここ買ったんですか!?」
「そうですよ。ギルド経営はお金がかかりますからね。私は貯金がありますから大丈夫ですけど。私は、あの3バカみたいに計画性のない使い方とか散財しませんから。そんなのはただの人生の負け犬ですからね。」
また毒を吐いてるよこの人。相当鬱憤がたまってるのか?そう言ってリリスさんは家の扉を開ける。中は広々としていて、家具などもしっかりと揃っていた。キッチンも風呂もトイレもある。
「ここがリリスさんのギルドですか……。すごいですね!」
「私とエミルくんのです。しっかりしてくださいマスター?あ。これ見てください。ギルドの受付カウンターもちゃんとあるんですよ?さすがに椅子とかテーブルは用意してませんけど」
リリスさんは自慢げに話す。本当にギルド受付嬢になりたいんだな。
「さて、とりあえずギルドの拠点はこの家で決まりです。今日はもう遅いですから。明日は朝一で必要なものを買い出しに行きましょう。それと今後のギルドの方針について話し合っておきたいですね。」
「わかりました。それじゃまた明日の朝一に伺います」
「はい?ここがエミルくんの家ですよ?ここで私と寝泊まりするんです。」
「はい!?リリスさんと!?」
マジ!?この家で一緒に住むの!?いやいやいや!それはマズいだろ!?だってほら……
「……まさか嫌なんですか?」
「いえ!全然!そんなことないです!むしろ迷惑では……」
「迷惑ではありませんよ。ここはある程度部屋も余ってますし、エミルくんには無駄な資金を使ってほしくありません。それに、ここを拠点にした方がギルドマスターとして効率がいいですよ?更にお互いに情報も共有できますし、変なことしたら、アサシンのスキルで殺せばいいですしね!まぁエミル君にはそんな度胸はなさそうですけど」
ん?なんか怖いこと言われたし、毒も吐かれた気がするけど、確かにその通りかもしれない。オレはリリスさんと二人でこの家に住むことに決まった。
「ふぅ……疲れたなぁ……」
オレは自室のベッドで横になっている。今日は色々あったな……突然のパーティー解散、ギルド設立、そしてリリスさんと同棲……いや同居!いかんいかん。オレは煩悩を振り払うように首を左右に振る。
『コンコン』
ドアがノックされる。オレは起き上がり返事をする。
「はーい」
「エミルくん、お風呂沸いてますよ」
「え……今行きまーす」
なんか……新婚生活みたいじゃないか!?いやいかんいかん!そんなことを考えているのがリリスさんにバレたら殺される!
とにかく。明日からもやることは山積みだろうし、ゆっくり休んでおかないと。気合い入れていかないとな。よし明日も頑張ろう。
ギルド設立の許可を得たオレとリリスさん。次の問題はギルドを営業する場所だ。王都にギルド拠点を置く必要があるのはわかるが何を基準に選べばいいか皆目検討もつかない。
「リリスさん、ギルドの拠点となる場所はどこが良いと思います?」
「王都だと良いところがいっぱいありすぎて迷いますね……冒険者が良く立ちいるところは避けたいですね。そこには競合の冒険者ギルドも多いと思いますし、なんか喧嘩になりそうですしね?ヘタしたら……ね?」
きっと手が出そうなのはリリスさんだけだと思いますよ……と言葉が出かかったがこれは心の中に閉まっておくことにする。
「となると、やっぱり選択肢としては少し離れた所にある場所ですね。ついてきてください。案内しますよ」
「あっはい」
あれ?なんかリリスさんの中で目ぼしい場所があるのかな?王都の中心部から離れた場所の通りを歩く。中心部ほどの賑やかさはないが、武器屋や酒場などもあり、それなりに栄えているようだ。そしてある一軒の家の前にたどり着く。
「ここは?」
「私の家です。3ヶ月前くらいに買いました。エミルくんの案がなければ、元からここをギルドにしようと思っていましたので。ここなら問題ありません」
「えっ!?ここ買ったんですか!?」
「そうですよ。ギルド経営はお金がかかりますからね。私は貯金がありますから大丈夫ですけど。私は、あの3バカみたいに計画性のない使い方とか散財しませんから。そんなのはただの人生の負け犬ですからね。」
また毒を吐いてるよこの人。相当鬱憤がたまってるのか?そう言ってリリスさんは家の扉を開ける。中は広々としていて、家具などもしっかりと揃っていた。キッチンも風呂もトイレもある。
「ここがリリスさんのギルドですか……。すごいですね!」
「私とエミルくんのです。しっかりしてくださいマスター?あ。これ見てください。ギルドの受付カウンターもちゃんとあるんですよ?さすがに椅子とかテーブルは用意してませんけど」
リリスさんは自慢げに話す。本当にギルド受付嬢になりたいんだな。
「さて、とりあえずギルドの拠点はこの家で決まりです。今日はもう遅いですから。明日は朝一で必要なものを買い出しに行きましょう。それと今後のギルドの方針について話し合っておきたいですね。」
「わかりました。それじゃまた明日の朝一に伺います」
「はい?ここがエミルくんの家ですよ?ここで私と寝泊まりするんです。」
「はい!?リリスさんと!?」
マジ!?この家で一緒に住むの!?いやいやいや!それはマズいだろ!?だってほら……
「……まさか嫌なんですか?」
「いえ!全然!そんなことないです!むしろ迷惑では……」
「迷惑ではありませんよ。ここはある程度部屋も余ってますし、エミルくんには無駄な資金を使ってほしくありません。それに、ここを拠点にした方がギルドマスターとして効率がいいですよ?更にお互いに情報も共有できますし、変なことしたら、アサシンのスキルで殺せばいいですしね!まぁエミル君にはそんな度胸はなさそうですけど」
ん?なんか怖いこと言われたし、毒も吐かれた気がするけど、確かにその通りかもしれない。オレはリリスさんと二人でこの家に住むことに決まった。
「ふぅ……疲れたなぁ……」
オレは自室のベッドで横になっている。今日は色々あったな……突然のパーティー解散、ギルド設立、そしてリリスさんと同棲……いや同居!いかんいかん。オレは煩悩を振り払うように首を左右に振る。
『コンコン』
ドアがノックされる。オレは起き上がり返事をする。
「はーい」
「エミルくん、お風呂沸いてますよ」
「え……今行きまーす」
なんか……新婚生活みたいじゃないか!?いやいかんいかん!そんなことを考えているのがリリスさんにバレたら殺される!
とにかく。明日からもやることは山積みだろうし、ゆっくり休んでおかないと。気合い入れていかないとな。よし明日も頑張ろう。
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