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129. 感謝してます
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129. 感謝してます
ショッピングをして、お昼ご飯を食べて、普通のカップルのデートを楽しんだあと、目的のイルミネーションを見るためにオレと夏帆は公園に向かった。
「綺麗ですね……」
「ああ……」
夜の風景に光輝く無数の光の粒を眺めながら、夏帆が言った。
正直なところ、その光景はとても幻想的で美しくて……まるで夏帆と二人だけの世界に迷い込んだような感覚に陥ってしまうほどだ。
「あの……先輩」
「ん?」
「私……幸せです。本当に幸せすぎて怖いくらいです」
「えっ?」
突然の言葉に、オレは少し驚いてしまった。でも、そういえばこの前も同じようなことを言っていた気がする……。
「あのですね先輩。私、初めは先輩の家に行くの緊張してたし、迷惑かなって思ってました。でも先輩はそんな私に何も言わなかった。」
「そりゃ……言い方悪くなるが、別になんとも思ってなかったんだ。ただ、初めての場所で大変だと思ったから」
「でも毎日毎日、部屋に行って、ただいつも文句は言うけど迎えてくれて。そんな日々が楽しくて、いつの間にか私は先輩のことが大好きになっていたんです。毎日一緒にいたいと思うほどに。」
夏帆の言葉に胸が熱くなった。それはきっとオレも同じだったからだろう。夏帆と過ごしていくうちに、オレもまた夏帆のことを好きになっていったのだ。
そして夏帆はゆっくりと深呼吸をして再び口を開いた。
「だから、ありがとうございます。こんな私を受け入れてくれて。私なんかと一緒にいてくれて、付き合ってくれて」
「……そんなことねぇだろ。お互い様だ。オレの方こそありがとな。夏帆のおかげで毎日楽しいよ」
お互いに感謝を伝え合い、しばらく沈黙が続いた。その握る手はとても温かい。そして、オレたち二人のこれからを祝福するかのように、その時期外れのイルミネーションは光輝いているのだった。
ショッピングをして、お昼ご飯を食べて、普通のカップルのデートを楽しんだあと、目的のイルミネーションを見るためにオレと夏帆は公園に向かった。
「綺麗ですね……」
「ああ……」
夜の風景に光輝く無数の光の粒を眺めながら、夏帆が言った。
正直なところ、その光景はとても幻想的で美しくて……まるで夏帆と二人だけの世界に迷い込んだような感覚に陥ってしまうほどだ。
「あの……先輩」
「ん?」
「私……幸せです。本当に幸せすぎて怖いくらいです」
「えっ?」
突然の言葉に、オレは少し驚いてしまった。でも、そういえばこの前も同じようなことを言っていた気がする……。
「あのですね先輩。私、初めは先輩の家に行くの緊張してたし、迷惑かなって思ってました。でも先輩はそんな私に何も言わなかった。」
「そりゃ……言い方悪くなるが、別になんとも思ってなかったんだ。ただ、初めての場所で大変だと思ったから」
「でも毎日毎日、部屋に行って、ただいつも文句は言うけど迎えてくれて。そんな日々が楽しくて、いつの間にか私は先輩のことが大好きになっていたんです。毎日一緒にいたいと思うほどに。」
夏帆の言葉に胸が熱くなった。それはきっとオレも同じだったからだろう。夏帆と過ごしていくうちに、オレもまた夏帆のことを好きになっていったのだ。
そして夏帆はゆっくりと深呼吸をして再び口を開いた。
「だから、ありがとうございます。こんな私を受け入れてくれて。私なんかと一緒にいてくれて、付き合ってくれて」
「……そんなことねぇだろ。お互い様だ。オレの方こそありがとな。夏帆のおかげで毎日楽しいよ」
お互いに感謝を伝え合い、しばらく沈黙が続いた。その握る手はとても温かい。そして、オレたち二人のこれからを祝福するかのように、その時期外れのイルミネーションは光輝いているのだった。
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