122 / 156
121. 吹きすさぶ春一番
しおりを挟む
121. 吹きすさぶ春一番
オレは従妹の雛山千春を家に泊めることになった。とりあえず夏帆に連絡はしないほうがいいだろ。面倒なことにしかなりかねんからな。
というより、千春はまだ中学3年生だ。何かあるほうがヤバい。変なこと考えるなオレ。オレは千春と夕食を食べることにする。
「ん。この煮物美味しい。秋兄、ちゃんと自炊してるんだね?」
「え?あっいやそれは夏帆が……」
「夏帆?秋兄の彼女?」
「ああ。あいつ料理だけは得意なんだよ」
本当に料理だけは得意なんだよな夏帆は。まぁ一応オレよりは家事全般万能ではあるけどさ。
「へぇ……あ!じゃあさ、今度教えてもらいたいな」
「はっ!?お前何言ってんだよ?」
「だって私も料理できるようになりたし、それにほら、私もうすぐ高校生になるでしょ?そしたらお弁当とか作りたいし」
「……」
こいつマジかよ……。こんな可愛い子が作ったお弁当だと……もし彼氏になるやつがいたら喜びそうだな。
「あの秋兄。迷惑かけてごめん」
「え?」
「今日。いきなり押し掛けちゃったわけだし迷惑だったよね?」
「いや押し掛けには慣れてるから気にするなよ。それで、いきなりどうしたんだ?」
「一応春から通うことになってるから秋兄の学校とか通学路とか見ておきたくて」
「受かるかわからんだろ?」
「推薦でもう受かったから。」
……頭いいんだな千春は。ん?通学路って?
「千春はこのアパートに引っ越してくるのか?」
「うん。しかも秋兄のとなりの部屋。両親が心配だからって。」
マジかよ。隣に千春と夏帆がいるのか?なんか色々ヤバイ気がしてきたぞ。それから雑談を挟んで寝る準備をする。今千春はお風呂に入っている。静かな部屋にシャワーの音だけが響く。
「何緊張してんだよオレ。千春は従妹だし中学3年生だぞ?」
そう自分に言い聞かせるが心臓の鼓動が激しくなるばかりだ。そしてしばらくして千春が出てくる。パジャマ姿の千春は髪がまだ濡れていてシャンプーの良い香りが漂ってくる。
「ふぅ気持ちよかった~」
「おっおう。なら良かったな」
「私の布団は?どこに敷けばいいかな?」
「えっとその辺に転がってくれれば良いんだけど……」
「わかった」
黙々と自分のことをする千春を見てるとなんだか悪い気しかしない。というより千春の姿を見ていると理性が崩壊しそうになる。落ち着けオレ!千春は従妹だぞ!?そんな目で見てはいけない。
「ねぇ秋兄。ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」
「なっなんだ?」
「彼女さんどんな人?」
「え?夏帆?えっと……一言で言うとウザい。毎日オレの部屋に押し掛けてきて、ガタガタ言ってて……でも可愛くて憎めないやつだよ」
「へぇ……私も押し掛けてたら秋兄の彼女に慣れたかな……」
「え?」
「なんでもない。おやすみなさい。」
「おやすみ……」
オレは自分の部屋に戻りベッドに入る。今日の千春の様子が少し変だったが大丈夫だろうか?
「千春……まさかとは思うけど……いやそんなはずないか……」
オレはそのまま眠りに着くのだった。
オレは従妹の雛山千春を家に泊めることになった。とりあえず夏帆に連絡はしないほうがいいだろ。面倒なことにしかなりかねんからな。
というより、千春はまだ中学3年生だ。何かあるほうがヤバい。変なこと考えるなオレ。オレは千春と夕食を食べることにする。
「ん。この煮物美味しい。秋兄、ちゃんと自炊してるんだね?」
「え?あっいやそれは夏帆が……」
「夏帆?秋兄の彼女?」
「ああ。あいつ料理だけは得意なんだよ」
本当に料理だけは得意なんだよな夏帆は。まぁ一応オレよりは家事全般万能ではあるけどさ。
「へぇ……あ!じゃあさ、今度教えてもらいたいな」
「はっ!?お前何言ってんだよ?」
「だって私も料理できるようになりたし、それにほら、私もうすぐ高校生になるでしょ?そしたらお弁当とか作りたいし」
「……」
こいつマジかよ……。こんな可愛い子が作ったお弁当だと……もし彼氏になるやつがいたら喜びそうだな。
「あの秋兄。迷惑かけてごめん」
「え?」
「今日。いきなり押し掛けちゃったわけだし迷惑だったよね?」
「いや押し掛けには慣れてるから気にするなよ。それで、いきなりどうしたんだ?」
「一応春から通うことになってるから秋兄の学校とか通学路とか見ておきたくて」
「受かるかわからんだろ?」
「推薦でもう受かったから。」
……頭いいんだな千春は。ん?通学路って?
「千春はこのアパートに引っ越してくるのか?」
「うん。しかも秋兄のとなりの部屋。両親が心配だからって。」
マジかよ。隣に千春と夏帆がいるのか?なんか色々ヤバイ気がしてきたぞ。それから雑談を挟んで寝る準備をする。今千春はお風呂に入っている。静かな部屋にシャワーの音だけが響く。
「何緊張してんだよオレ。千春は従妹だし中学3年生だぞ?」
そう自分に言い聞かせるが心臓の鼓動が激しくなるばかりだ。そしてしばらくして千春が出てくる。パジャマ姿の千春は髪がまだ濡れていてシャンプーの良い香りが漂ってくる。
「ふぅ気持ちよかった~」
「おっおう。なら良かったな」
「私の布団は?どこに敷けばいいかな?」
「えっとその辺に転がってくれれば良いんだけど……」
「わかった」
黙々と自分のことをする千春を見てるとなんだか悪い気しかしない。というより千春の姿を見ていると理性が崩壊しそうになる。落ち着けオレ!千春は従妹だぞ!?そんな目で見てはいけない。
「ねぇ秋兄。ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」
「なっなんだ?」
「彼女さんどんな人?」
「え?夏帆?えっと……一言で言うとウザい。毎日オレの部屋に押し掛けてきて、ガタガタ言ってて……でも可愛くて憎めないやつだよ」
「へぇ……私も押し掛けてたら秋兄の彼女に慣れたかな……」
「え?」
「なんでもない。おやすみなさい。」
「おやすみ……」
オレは自分の部屋に戻りベッドに入る。今日の千春の様子が少し変だったが大丈夫だろうか?
「千春……まさかとは思うけど……いやそんなはずないか……」
オレはそのまま眠りに着くのだった。
0
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「南風の頃に」~ノダケンとその仲間達~
kitamitio
青春
合格するはずのなかった札幌の超難関高に入学してしまった野球少年の野田賢治は、野球部員たちの執拗な勧誘を逃れ陸上部に入部する。北海道の海沿いの田舎町で育った彼は仲間たちの優秀さに引け目を感じる生活を送っていたが、長年続けて来た野球との違いに戸惑いながらも陸上競技にのめりこんでいく。「自主自律」を校訓とする私服の学校に敢えて詰襟の学生服を着ていくことで自分自身の存在を主張しようとしていた野田賢治。それでも新しい仲間が広がっていく中で少しずつ変わっていくものがあった。そして、隠していた野田賢治自身の過去について少しずつ知らされていく……。
鷹鷲高校執事科
三石成
青春
経済社会が崩壊した後に、貴族制度が生まれた近未来。
東京都内に広大な敷地を持つ全寮制の鷹鷲高校には、貴族の子息が所属する帝王科と、そんな貴族に仕える、優秀な執事を育成するための執事科が設立されている。
物語の中心となるのは、鷹鷲高校男子部の三年生。
各々に悩みや望みを抱えた彼らは、高校三年生という貴重な一年間で、学校の行事や事件を通して、生涯の主人と執事を見つけていく。
表紙イラスト:燈実 黙(@off_the_lamp)

切り札の男
古野ジョン
青春
野球への未練から、毎日のようにバッティングセンターに通う高校一年生の久保雄大。
ある日、野球部のマネージャーだという滝川まなに野球部に入るよう頼まれる。
理由を聞くと、「三年の兄をプロ野球選手にするため、少しでも大会で勝ち上がりたい」のだという。
そんな簡単にプロ野球に入れるわけがない。そう思った久保は、つい彼女と口論してしまう。
その結果、「兄の球を打ってみろ」とけしかけられてしまった。
彼はその挑発に乗ってしまうが……
小説家になろう・カクヨム・ハーメルンにも掲載しています。

パラメーターゲーム
篠崎流
青春
父子家庭で育った俺、風間悠斗。全国を親父に付いて転勤引越し生活してたが、高校の途中で再び転勤の話が出た「インドだと!?冗談じゃない」という事で俺は拒否した
東京で遠い親戚に預けられる事に成ったが、とてもいい家族だった。暫く平凡なバイト三昧の高校生活を楽しんだが、ある日、変なガキと絡んだ事から、俺の人生が大反転した。「何だこれ?!俺のスマホギャルゲがいきなり仕様変更!?」
だが、それは「相手のパラメーターが見れる」という正に神ゲーだった
執事👨一人声劇台本
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
青春
執事台本を今まで書いた事がなかったのですが、機会があって書いてみました。
一作だけではなく、これから色々書いてみようと思います。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる