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85. 変化する気持ち

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85. 変化する気持ち



 オレは結局着替えて夏帆の作ってくれた朝ごはんを食べた。オレはこいつに甘いのかもしれない……。

「で?遊ぶって何して遊ぶんだよ?」

「そうですね……とりあえず近くの公園に行きましょう!」

「えぇ……公園……?」

「いいじゃないですか!私、ブランコ乗りたいです!」

 まぁ、別にいいけどさ……なんとなく子供っぽい気がするんだが……。そして公園に着くや否や夏帆はブランコに乗って楽しそうに揺れていた。勢いよく漕いでるから……パンツが見えてるんだけどな……。

「ねぇ先輩!見てください!」

「おい、スカートなんだからそんな勢いよく乗ったら見えるぞ」

「え?もしかしてピンクの見えました?」

「は?ピンクじゃなくて水色だろ?」

「いやーん。先輩やっぱり見てるじゃないですかぁ~」

 あ、しまった……。つい本音が漏れてしまった……。くそっ。こんな単純な誘導尋問に引っ掛かっちまった。

「うるせぇ……見たくて見たんじゃねぇよ」

「もう!素直じゃないですね~。見たいならいつでも見せてあげますよ?」

「バカなこと言ってんじゃねぇよ」

 しばらく公園で楽しんだあとベンチでひと休みする。夏帆は相変わらずニコニコしていて楽しそうだ。

「お前って本当に楽しそうだな?」

「楽しいですよ?だって好きな人とこうして遊んでるんですもん」

 オレは好きと言われドキッとする。今までそんなことはなかった。こいつがオレの事好きなのは知っているはずなのに……。

「そっか……」

「先輩こそどうなんですか?私と一緒にいて楽しくないんですか?」

「楽しいというか……ウザい?」

「もう!それどういう意味ですか!?」

 そう言いながら夏帆はオレの腕に抱きついてくる。こいつまた胸当ててきやがって……。そのせいで腕に柔らかい感触があるのだが……。

「おい!当たってんだよ!」

「わざとやってるんですよ?」

「離せよ!」

「嫌です。もっと先輩とくっつきたいです」

「お前なぁ……いい加減にしろよ?」

「どうして怒るんですか?私はただ先輩と触れ合いたいだけなのに……」

 うぅ……そんな上目遣いで見るなって……。

「ダメですか……?」

「わ、わかったよ。少しだけだぞ」

 それから夏帆は満足するまでずっとくっついてきた。その度に心臓がドキドキした。なんだろう……いつもより緊張するというか……。こいつの事を女として意識しているのか?

 いやいや、それはあり得ない。こいつは後輩で友達なんだから。でも……。オレはなんか落ち着かない気持ちになってしまったのだった。
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