【おしかの】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

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71. 波乱の幕開け

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71. 波乱の幕開け


 今日は夏帆と買い物に出掛けている。なんか調理器具を買いたいと言われ無理矢理連れ出された。まぁ週末に夕飯を作ってもらってるので文句は言えないが。

「うーん。ねぇ先輩これとこれどっちがいいと思いますか?」

 そう言って見せてきたのは包丁だった。正直分からない。面倒だから適当に答えておくか。

「こっちの方が切れ味良さそうだな」

 オレは適当に指差した。すると夏帆はニヤリとした顔を見せた。

「なるほど……分かりました!」

 夏帆は笑顔でレジに向かった。なんだ? なんでそんな嬉しそうなんだよ。

「先輩!次はお鍋買いましょ!寒くなる前に用意しておきたいんです!ほらほら早く」

 急かすように腕を掴まれ、引っ張られる。

「ちょっ!?待てって!まだ買うのかよ……」

「当たり前じゃないですか!せっかくならいいものを揃えたいですからね!」

 そして鍋コーナーに着くと色々と吟味し始めた。

「あ、この土鍋可愛いですね……でもちょっと高いかなぁ……あっ!この片手鍋もいいかも……いやでもやっぱり大きい方がいいよね……」

 ぶつくさ言いながら真剣に選んでいる。そんな様子を見ていると可愛らしいところもあるなと思ってしまう。

「おい、夏帆。もうよくないか?そろそろ帰ろうぜ」

「ダメですよ!ちゃんといいものを買っていかないと!私と先輩のラブラブなお鍋なんですから!」

 何を言っているんだこいつは……。相変わらず変なことばかり言う奴だ。

「よし決めた!これにします!これで美味しい美味しいご飯食べられますね!嬉しいです!」

 はしゃぎながら夏帆はレジに向かう。その姿を見てオレは思った。

「あのバカ……本当にしょうがないやつだな……」

 思わず笑みがこぼれた。そしてオレ達は店を後にする。帰り道の途中、オレは夏帆に言った。

「お前、本当料理好きだよな」

「はい!大好きです!」

 満面の笑みで答える。いつも見ているはずの笑顔なのに何故かドキッとする自分がいた。そんな時、新たな始まりに波乱が起きることになる……

「あれ神原君?」

「ん?黒崎!?」

「誰ですか先輩?」

 そこに立っていたのは同じクラスの黒崎冬花だった。どうやら偶然通りかかったらしい。ヤバい……恐れていたことが起きてしまった……よりによって学級委員の黒崎に見つかるとは……

「えっと……ああ。その子が噂の1年生の彼女?」

「いやこいつは……」

「あなた先輩の何なんですか?もしかして彼女の座を狙っているんですか?残念ですけど譲りませんからね!」

「お前は彼女じゃねぇだろ!もう黙ってろ!」

「ふぅ~ん。そうなんだ。へぇ~」

 黒崎の顔つきが変わる。まずいな……このままだと夏帆との関係がバレてしまう。どうにかしないと……
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