【おしかの】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます！！？

60. 出る杭は打たなくては

60.　出る杭は打たなくては



「先輩。お風呂あがりましたよ」

「っていうか……お前まさかオレが帰るまでここに泊まるつもりなの？」

「本当は駅の近くのホテルとかに泊まろうかなと思ってんですけど、先輩のご両親がせっかくだから泊まってきなって言ったんですよ？付き合ってるなら秋人の部屋で問題ないわよねって！」

「付き合ってねぇから問題なんだよ！」

「え？問題って？またそれですか、先輩……私に何かするつもりですか？いやーん。一応私も……その時のために準備はしてますけど……」

「お前は何を言ってんだよ！？」

　うぜぇ……マジでこいつはうざい……でもこんなこと言ってても別に白石のことを嫌じゃないと思うのは異常なのかも知れないが。

「あっそうだ！先輩に聞きたいことあったんですけど」

「なんだよ？」

「先輩の女の子のお友達とか幼馴染みとかいないんですか？私あってみたいです！」

「は？何でそんなこと聞くんだ？」

「だって気になるじゃないですか？さぞかし可愛いんでしょうね？先輩がこの私に素直にならないくらいですから！さすがに先輩ぼっちなのは分かりますけどお友達くらいいますよね？」

「お前バカにしてるだろ？まぁ別にしばらく会ってねぇから分からんが、普通だと思うぞ……」

　お前と違ってな。と口に出しそうになったが、ギリギリのところで飲み込んだ。でも……こいつが一番可愛いのは認めるかもな。

「へぇそうなんですか……きっとその中に先輩の初恋の人もいるかもしれないですよね……？さぞかし甘酸っぱかったんでしょうね？」

「なんだよその含みを持たせた言い方は？」

「いいえなんでもありませんよ？ただ、出る杭は打っておかないとと思って」

「別にオレがどうあれ、オレのこと好きなやつなんていないと思うけどな」

「そうかもしれませんね！こんな先輩を好きなのは私くらいですよ！自慢したり、喜んだりしていいですからね？」

　あっさり肯定しやがったなコイツ……それはそれでムカつくんだが……だっちら尚更なんでこいつはオレのことが好きなのか理解できないんだよな……

「じゃあ私は寝ますね。お休みなさい」

「ああ、お休み」

「……先輩、遠慮せずに私の布団に入ってきてもいいんですよ？先輩のご実家で……ドキドキしますね？」

「入らねえよ！親がいるのに！」

「え？あー……いなかったらかぁ……もしかして……アパートに帰ったらついにお互い卒業しますか？色々勉強しときますね！」

「うるせぇ！もう寝ろ！」

　本当にこいつはうぜぇ……もう無視しよう。オレはそのままベッドに横になり眠りについた