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44. 謁見
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44. 謁見
そのまま宿屋に戻り考える。このままだとカトラス王国は滅びる。それも近いうちに確実に。ルージュさんが言っていた話しは本当らしい。もしかしたらただの魔物ではなく、魔王軍の幹部がいる可能性もある。
それにしてもなぜ今まで思い出せなかったんだろう。どうして急に記憶を取り戻したのだろうか?分からない。だけど……このまま何もしないわけにもいかない。
「よし……行くしかない」
そして翌日、私たちは国王陛下との謁見の予定がある。だが、私にとっては好都合だ。そこでフレデリカ姫様と一緒に王城に向かう。そして謁見の間に通される。
「おお!これはこれはフレデリカ姫様。お久しゅうございますな。また一段とお美しくなられたようで、我が息子ジギルも喜んでおりますぞ」
「ありがとうございます。バイデル王もお元気そうで何よりです」
「ところでそちらの御仁はどなたですかな?フレデリカ姫様の従者にしては見ない顔ですが……」
「彼女はイデア=ライオット。この度、私が直々に姫騎士として任命しましたの。とても優秀な人材なので、ぜひ護衛にと思いまして」
「ほほう。イデア殿といいましたかな?確かにその目つきは只者ではないようじゃのう。まぁよいでしょう。それではフレデリカ姫様、こちらへ」
「ええ。それじゃあ行きましょう、イデア。」
「はい。フレデリカ姫様」
こうして私たちは謁見を済ませると、部屋を出て、城の中庭へと向かう。今はこのカトラス王国の王子ジギル様とフレデリカ姫様が対面しているところだ。
「あれが王子と姫様か……うーん。さすが絵になるわ」
「あなたはフレデリカ姫様の姫騎士の方ですか?」
そんなことを思っていると、1人の青年騎士が私に声をかけてくる。この人はもしかしたらジギル王子の側近の騎士なのかも。
「リアンです。ジギル王子の側近騎士をしています。よろしく」
「あ。イデアです。よろしく」
やっぱりこの人が……高身長でイケメンだな。しかも爽やかな雰囲気で紳士的だし、いかにもモテそうな人って感じだよね。
「イデアさんは姫騎士なのに随分若いんですね」
「はい。私はまだまだ未熟者で……」
「ははは。ご謙遜を。」
なんかちょっと気まずいな。私はこうやって男の人と話すの苦手なんだよね。早く終わらないかな~。そんなことを思っているとフレデリカ姫様が戻ってくる。すると私とリアンさんを交互に見ながら言う。
「あら?お邪魔だったかしら?」
「ちょっと変なことを言わないでくださいよ!リアンさんに迷惑ですよ!」
「いや私は迷惑では。むしろあなたみたいな美しい方と話すことができて光栄だと思っていますよ?」
「は、はぁ!?」
うわ!この人も天然!?というかそんなこと言われても嬉しくないし、むしろ恥ずかしい……。なんでこんなセリフをさらっと言えるのよ。
「ふーん。なるほどね。そういうことならイデアは任せますわ」
「ちょっ!なんでそうなるんですか!!」
「だってあなた、男慣れしてなさそうですし。たまにはいいじゃない。私はまだジギル王子と話すことがありますので。ごゆっくり」
そう言ってニヤッとするフレデリカ姫様を見て、少しムカつくけど、実際、図星なのが悔しかったりする。
「どうしますかイデアさん。せっかくなので城を案内しますよ?」
「あ、ありがとうございます。なんかすいません。」
「いえ。では行きましょう」
こうして私はフレデリカ姫様とジギル王子の話が終わるまで、側近騎士のリアンさんにカトラス王城を案内してもらうことにするのだった。
そのまま宿屋に戻り考える。このままだとカトラス王国は滅びる。それも近いうちに確実に。ルージュさんが言っていた話しは本当らしい。もしかしたらただの魔物ではなく、魔王軍の幹部がいる可能性もある。
それにしてもなぜ今まで思い出せなかったんだろう。どうして急に記憶を取り戻したのだろうか?分からない。だけど……このまま何もしないわけにもいかない。
「よし……行くしかない」
そして翌日、私たちは国王陛下との謁見の予定がある。だが、私にとっては好都合だ。そこでフレデリカ姫様と一緒に王城に向かう。そして謁見の間に通される。
「おお!これはこれはフレデリカ姫様。お久しゅうございますな。また一段とお美しくなられたようで、我が息子ジギルも喜んでおりますぞ」
「ありがとうございます。バイデル王もお元気そうで何よりです」
「ところでそちらの御仁はどなたですかな?フレデリカ姫様の従者にしては見ない顔ですが……」
「彼女はイデア=ライオット。この度、私が直々に姫騎士として任命しましたの。とても優秀な人材なので、ぜひ護衛にと思いまして」
「ほほう。イデア殿といいましたかな?確かにその目つきは只者ではないようじゃのう。まぁよいでしょう。それではフレデリカ姫様、こちらへ」
「ええ。それじゃあ行きましょう、イデア。」
「はい。フレデリカ姫様」
こうして私たちは謁見を済ませると、部屋を出て、城の中庭へと向かう。今はこのカトラス王国の王子ジギル様とフレデリカ姫様が対面しているところだ。
「あれが王子と姫様か……うーん。さすが絵になるわ」
「あなたはフレデリカ姫様の姫騎士の方ですか?」
そんなことを思っていると、1人の青年騎士が私に声をかけてくる。この人はもしかしたらジギル王子の側近の騎士なのかも。
「リアンです。ジギル王子の側近騎士をしています。よろしく」
「あ。イデアです。よろしく」
やっぱりこの人が……高身長でイケメンだな。しかも爽やかな雰囲気で紳士的だし、いかにもモテそうな人って感じだよね。
「イデアさんは姫騎士なのに随分若いんですね」
「はい。私はまだまだ未熟者で……」
「ははは。ご謙遜を。」
なんかちょっと気まずいな。私はこうやって男の人と話すの苦手なんだよね。早く終わらないかな~。そんなことを思っているとフレデリカ姫様が戻ってくる。すると私とリアンさんを交互に見ながら言う。
「あら?お邪魔だったかしら?」
「ちょっと変なことを言わないでくださいよ!リアンさんに迷惑ですよ!」
「いや私は迷惑では。むしろあなたみたいな美しい方と話すことができて光栄だと思っていますよ?」
「は、はぁ!?」
うわ!この人も天然!?というかそんなこと言われても嬉しくないし、むしろ恥ずかしい……。なんでこんなセリフをさらっと言えるのよ。
「ふーん。なるほどね。そういうことならイデアは任せますわ」
「ちょっ!なんでそうなるんですか!!」
「だってあなた、男慣れしてなさそうですし。たまにはいいじゃない。私はまだジギル王子と話すことがありますので。ごゆっくり」
そう言ってニヤッとするフレデリカ姫様を見て、少しムカつくけど、実際、図星なのが悔しかったりする。
「どうしますかイデアさん。せっかくなので城を案内しますよ?」
「あ、ありがとうございます。なんかすいません。」
「いえ。では行きましょう」
こうして私はフレデリカ姫様とジギル王子の話が終わるまで、側近騎士のリアンさんにカトラス王城を案内してもらうことにするのだった。
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