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エピソード2
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『なぁんか、しっくりこないのよねぇ…』
ヤエが、せっかくブローしてふんわりさせた髪の毛をわしゃわしゃとかき上げる。きちんと注文通り、トップにボリュームをつけ、サイドを後ろに流し、スプレーで固めたのに、これでは台無しだ。そのうえ、
『ちょっと櫛、貸して』
と、ワゴンから勝手にブラシを奪うと、力任せに梳かし、最後は手に唾を吐いて自らの髪の毛を固める始末。
『ま、こんなもんかなぁ』
ようやく納得がいったらしい。
ヤエの悪い癖だ。せっかく綺麗にセットした髪の毛を目の前で崩されて気持ちの良い美容師はいない。マリコも腹が立ったが、相手はヤエなのだからと自分に言い聞かせる。
『やっぱ、せっちゃんじゃなきゃねぇ』
『…』
じゃあ来るんじゃねぇよ、くそばばあ。
喉まで登りかけた言葉を、マリコはぐっと飲み込む。
『せっちゃんが逝って、2年?早すぎたわよねぇ。私より若かったのにさぁ』
もともとはセツコの客だったヤエが、セツコ亡き今もこうして通ってくれるのはありがたいのだが、来れば文句ばかりのヤエがマリコは苦手だった。3回カットのやり直しをさせられた時は、お金はいらないからもう二度と来ないで下さいと出禁宣言をしたこともあるのだが、忘れた頃に、ふらりとやって来るのだった。
『マリコ、あんたもう少しカットの腕磨きなさいよ。そうしたら、もっと頻繁に通ってあげてもいいわよ』
『はぁ、どうもう』
『じゃあね、ミッチャン、お先に失礼』
『ありがとうございましたぁ。はぁぁぁ』
だから、毎度、ヤエが帰った後はほっとして大きなため息が出る。つい、他にお客様がいることも忘れて。
『ふふふ。マリちゃん、よく頑張った』
週刊誌を読むふりをして一部始終見ていたミッチャンことミサコが、堪えきれず噴き出した。
ミサコもセツコから引き継いだお客様ではあるが、ヤエの意地悪ばあとは比べ物にならないほど優しい。見た目も、鶏ガラのように痩せて、ぎすぎすした雰囲気をまとったヤエとは対照的に、ミサコはふっくらと丸く、一筆書きしたように細い目は垂れ気味で、口元に笑みを絶やさない。まるでお地蔵様のようだ。
『本当、ヤエさんには参っちゃうよ。たまぁにしか来ないのに、文句ばっかり。切り直しは当たり前。この前なんかさ、自分で散々に切ってきた髪の毛を元に戻せなんて言うんだもの、呆れちゃったわよ。一番短い所に合わせるなら、バリカンで丸坊主にするしかありませんねって、耳元でバリカンをブイーンって鳴らしてやったら、さすがに大人しくなったけどさぁ』
『ふふふ。ヤエちゃんは、昔からああいう性格なの。物怖じしないって言うか、自分の意思を曲げないって言うか』
意思を曲げないと言えば聞こえがいいが、単に自分勝手で我儘なだけだ。
ヤエは町でも有名なクレーマーだ。スーパーで惣菜に髪の毛が入っていたと怒鳴り散らすのはしょっちゅうだし、役場に道路の舗装が悪くてつまづいて怪我をしたとか、家の前だけ除雪が雑だとかクレームの電話を入れる常連でもある。石油店の店主などは「お宅の灯油を使ったらストーブが壊れた。何か悪い物を混ぜているのではないか。弁償しろ」と文句をつけられたと困り果てていたっけ。
『ミサコさんとヤエさんは同じ村の出身ですもんね。確か、同級生でしたよね』
『そう。偶然同じこの町へ嫁いできたの。でも、ヤエちゃんはすぐに離婚して、もともとここに住んでいた旦那さんが出ていちゃった』
やえばあが町営住宅に一人暮らしなのは知っていたが、結婚していたことは知らなかった。
『そりゃ、あんな嫁なら、あたしが旦那でも出ていきますわ』
『ほほほ。マリちゃんったら』
そこでタイマーの電子音が鳴った。
『さぁ、ミサコさん、そろそろカラー流しましょうか。シャンプー台へどうぞ』
『待ってました。マリちゃんのシャンプーは世界一だもんね。正直、セツコさんより気持ちいわよ』
『そんなこと言ってくれるの、ミサコさんだけですよ』
ミサコの気遣いは嬉しいが、セツコの腕には遠く及ばないことくらいマリコもわかっている。セツコが死んでから「美容室セツコ」から離れていった客も多いが、「美容室マリコ」になっても、こうして変わらず通ってきてくれる人もいるのはありがたいことである。「客は店につくんじゃない、人につくんだ」というのがセツコの教えだったから、技術が及ばない分、真心こめて接客するよう心掛けてはいるが、なんせマリコも短気なものだから、ヤエのような客とは喧嘩になることも多いのだ。客に順位などつけたらセツコに叱られそうだが、月に一度はカラーカットに来てくれて文句も言わないミサコは上客。3ヶ月に一度カットに来るか来ないかでクレームばかりつけるヤエは最低ランクだ。
『はぁ、気持ちいわ。ここに来てシャンプーされてる時が一番幸せねぇ』
ミサコは、近所でも有名な出来た嫁である。浮気性で暴君だった夫に良く尽くし、意地悪な姑の面倒を見て、頻繁に実家を訪ねる口うるさい小姑たちにも決して嫌な顔を見せない、耐え忍ぶ昭和の女。まさに嫁の鏡。この辺りの姑たちが嫁と口論になるときは「ミサコさんの爪の垢でも煎じて飲ませたい」と名前が上がるほどだ。
そんなミサコは1年前に夫を亡くし、現在は高齢の義母と二人暮らしだ。なんでも夫は、妾の家で亡くなったらしい。そんな苦労人のミサコの唯一の息抜きは美容室へ来ているときだけだというのだから泣けてくる。マリコのシャンプーマッサージもいつも以上に気持ちがこもるというものだ。
『今日はお姑さん、デイサービスの日ですか?』
『そうなの。週に一度のお楽しみタイム。一人きりの時間よ。本当は週に3回くらいは通って欲しいんだけど、本人がどうしても嫌だって。主人の妹たちも、母さんが嫌がってるのに無理強いするなって言うものだから、これ以上は増やせないの』
『でも、面倒を見てるのはミサコさんでしょう?だったら、ミサコさんに任せてくれたらいいのに。このままじゃ、ミサコさんのほうが先に死んじゃう…』
言いかけて、マリコは唇を噛んだ。70歳を目前にしたミサコにとって、あながち冗談ですまされないような気がしたからだ。
『ふふふ。まったく、いっそ、病気にでもなって倒れてしまいたいと思うのだけど、なんせこの体格でしょう。体だけは丈夫で、いやんなっちゃう』
ミサコが、丸いお腹を撫でる。
『食べることしか楽しみがないものだから万年妊婦さん体系。出産なんて一度もしたことないのにねぇ』
ミサコは、子供ができないことでずいぶん辛い目にあったという話をセツコから聞いたことがある。その上、夫が死んだあと、隠し子の存在まで発覚したというのだから悲惨なことこの上ない。その隠し子が、遺産相続の権利を主張してきてひと悶着あったというのはヤエから聞いていた。お客様から聞いた話には守秘義務があると思っているで、当然、ミサコにそのことを確かめたりはしないが信ぴょう性は高い。
シャンプーを終え、セット面にミサコを通す。濡れた髪の毛をに育毛剤をプッシュし、頭皮から肩にかけてマッサージしてやると、ヤエはもともと細い目をさらに細め、頬を上気させた。
『極楽って、美容院にあるのね』
『そんな、大袈裟ですって』
肩までマッサージすると、ミサコの着ているTシャツの首回りがよれよれなのに気付く。ふと、足元を見ると、シューズの先っぽにも穴が開いているではないか。
あの人は、義理の妹たちのお下がりばかり着せられて新しい洋服一枚買ったこともないと、近所の人がうわさしているのを聞いたことがあるが、それも、あながち嘘じゃないかもしれない。
亡くなった旦那さんは、いつもびしっとスーツを着こなし、ピカピカの靴を履いていた。それに比べて、ミサコさんは…。
『あぁ、気持ちいい…』
その時、ミサコの携帯電話が震えた。今時ガラケーだ。ちょっと、失礼と画面を見たミサコの顔に陰りが浮かんだのを、マリコは見逃さなかった。
『ええ、あ、はい。わかりました。では、そうしてください』
どうやら、姑が駄々をこね、デイサービスから予定時間より早く帰ってくるらしい。
『大丈夫ですか?』
『残念だけど、すぐに帰らなくちゃ。お昼ご飯も食べずに帰ってくるんだもの。何か用意しないとね。』
『せめて髪の毛を乾かしてからにしませんか?風邪をひいてしまいます』
『ありがとう。でも、大丈夫。きっと、もうすぐ帰ってくるから』
『なら、今回は500円引きで…』
『そういうの、なしなし!こっちの都合で帰ることになったんだから』
ミサコはカラーカット代金ぴったりをマリコに握らせた。
『でも…』
『いいの。マリちゃんもシングルマザーで頑張ってるんだから、お金のことはしっかりしなくちゃ、ダメ』
『ありがたく頂戴します』
ミサコの心遣いに、マリコはいたく感動し甘えることにした。
『あぁ、早く自由になりたい。ヤエちゃんが羨ましい』
帰り際、ミサコはぽつりとつぶやいた。髪の毛から滴る水滴が背中を濡らし、ミサコの肌着を透けさせているのが、マリコには一層悲しかった。
ヤエが、せっかくブローしてふんわりさせた髪の毛をわしゃわしゃとかき上げる。きちんと注文通り、トップにボリュームをつけ、サイドを後ろに流し、スプレーで固めたのに、これでは台無しだ。そのうえ、
『ちょっと櫛、貸して』
と、ワゴンから勝手にブラシを奪うと、力任せに梳かし、最後は手に唾を吐いて自らの髪の毛を固める始末。
『ま、こんなもんかなぁ』
ようやく納得がいったらしい。
ヤエの悪い癖だ。せっかく綺麗にセットした髪の毛を目の前で崩されて気持ちの良い美容師はいない。マリコも腹が立ったが、相手はヤエなのだからと自分に言い聞かせる。
『やっぱ、せっちゃんじゃなきゃねぇ』
『…』
じゃあ来るんじゃねぇよ、くそばばあ。
喉まで登りかけた言葉を、マリコはぐっと飲み込む。
『せっちゃんが逝って、2年?早すぎたわよねぇ。私より若かったのにさぁ』
もともとはセツコの客だったヤエが、セツコ亡き今もこうして通ってくれるのはありがたいのだが、来れば文句ばかりのヤエがマリコは苦手だった。3回カットのやり直しをさせられた時は、お金はいらないからもう二度と来ないで下さいと出禁宣言をしたこともあるのだが、忘れた頃に、ふらりとやって来るのだった。
『マリコ、あんたもう少しカットの腕磨きなさいよ。そうしたら、もっと頻繁に通ってあげてもいいわよ』
『はぁ、どうもう』
『じゃあね、ミッチャン、お先に失礼』
『ありがとうございましたぁ。はぁぁぁ』
だから、毎度、ヤエが帰った後はほっとして大きなため息が出る。つい、他にお客様がいることも忘れて。
『ふふふ。マリちゃん、よく頑張った』
週刊誌を読むふりをして一部始終見ていたミッチャンことミサコが、堪えきれず噴き出した。
ミサコもセツコから引き継いだお客様ではあるが、ヤエの意地悪ばあとは比べ物にならないほど優しい。見た目も、鶏ガラのように痩せて、ぎすぎすした雰囲気をまとったヤエとは対照的に、ミサコはふっくらと丸く、一筆書きしたように細い目は垂れ気味で、口元に笑みを絶やさない。まるでお地蔵様のようだ。
『本当、ヤエさんには参っちゃうよ。たまぁにしか来ないのに、文句ばっかり。切り直しは当たり前。この前なんかさ、自分で散々に切ってきた髪の毛を元に戻せなんて言うんだもの、呆れちゃったわよ。一番短い所に合わせるなら、バリカンで丸坊主にするしかありませんねって、耳元でバリカンをブイーンって鳴らしてやったら、さすがに大人しくなったけどさぁ』
『ふふふ。ヤエちゃんは、昔からああいう性格なの。物怖じしないって言うか、自分の意思を曲げないって言うか』
意思を曲げないと言えば聞こえがいいが、単に自分勝手で我儘なだけだ。
ヤエは町でも有名なクレーマーだ。スーパーで惣菜に髪の毛が入っていたと怒鳴り散らすのはしょっちゅうだし、役場に道路の舗装が悪くてつまづいて怪我をしたとか、家の前だけ除雪が雑だとかクレームの電話を入れる常連でもある。石油店の店主などは「お宅の灯油を使ったらストーブが壊れた。何か悪い物を混ぜているのではないか。弁償しろ」と文句をつけられたと困り果てていたっけ。
『ミサコさんとヤエさんは同じ村の出身ですもんね。確か、同級生でしたよね』
『そう。偶然同じこの町へ嫁いできたの。でも、ヤエちゃんはすぐに離婚して、もともとここに住んでいた旦那さんが出ていちゃった』
やえばあが町営住宅に一人暮らしなのは知っていたが、結婚していたことは知らなかった。
『そりゃ、あんな嫁なら、あたしが旦那でも出ていきますわ』
『ほほほ。マリちゃんったら』
そこでタイマーの電子音が鳴った。
『さぁ、ミサコさん、そろそろカラー流しましょうか。シャンプー台へどうぞ』
『待ってました。マリちゃんのシャンプーは世界一だもんね。正直、セツコさんより気持ちいわよ』
『そんなこと言ってくれるの、ミサコさんだけですよ』
ミサコの気遣いは嬉しいが、セツコの腕には遠く及ばないことくらいマリコもわかっている。セツコが死んでから「美容室セツコ」から離れていった客も多いが、「美容室マリコ」になっても、こうして変わらず通ってきてくれる人もいるのはありがたいことである。「客は店につくんじゃない、人につくんだ」というのがセツコの教えだったから、技術が及ばない分、真心こめて接客するよう心掛けてはいるが、なんせマリコも短気なものだから、ヤエのような客とは喧嘩になることも多いのだ。客に順位などつけたらセツコに叱られそうだが、月に一度はカラーカットに来てくれて文句も言わないミサコは上客。3ヶ月に一度カットに来るか来ないかでクレームばかりつけるヤエは最低ランクだ。
『はぁ、気持ちいわ。ここに来てシャンプーされてる時が一番幸せねぇ』
ミサコは、近所でも有名な出来た嫁である。浮気性で暴君だった夫に良く尽くし、意地悪な姑の面倒を見て、頻繁に実家を訪ねる口うるさい小姑たちにも決して嫌な顔を見せない、耐え忍ぶ昭和の女。まさに嫁の鏡。この辺りの姑たちが嫁と口論になるときは「ミサコさんの爪の垢でも煎じて飲ませたい」と名前が上がるほどだ。
そんなミサコは1年前に夫を亡くし、現在は高齢の義母と二人暮らしだ。なんでも夫は、妾の家で亡くなったらしい。そんな苦労人のミサコの唯一の息抜きは美容室へ来ているときだけだというのだから泣けてくる。マリコのシャンプーマッサージもいつも以上に気持ちがこもるというものだ。
『今日はお姑さん、デイサービスの日ですか?』
『そうなの。週に一度のお楽しみタイム。一人きりの時間よ。本当は週に3回くらいは通って欲しいんだけど、本人がどうしても嫌だって。主人の妹たちも、母さんが嫌がってるのに無理強いするなって言うものだから、これ以上は増やせないの』
『でも、面倒を見てるのはミサコさんでしょう?だったら、ミサコさんに任せてくれたらいいのに。このままじゃ、ミサコさんのほうが先に死んじゃう…』
言いかけて、マリコは唇を噛んだ。70歳を目前にしたミサコにとって、あながち冗談ですまされないような気がしたからだ。
『ふふふ。まったく、いっそ、病気にでもなって倒れてしまいたいと思うのだけど、なんせこの体格でしょう。体だけは丈夫で、いやんなっちゃう』
ミサコが、丸いお腹を撫でる。
『食べることしか楽しみがないものだから万年妊婦さん体系。出産なんて一度もしたことないのにねぇ』
ミサコは、子供ができないことでずいぶん辛い目にあったという話をセツコから聞いたことがある。その上、夫が死んだあと、隠し子の存在まで発覚したというのだから悲惨なことこの上ない。その隠し子が、遺産相続の権利を主張してきてひと悶着あったというのはヤエから聞いていた。お客様から聞いた話には守秘義務があると思っているで、当然、ミサコにそのことを確かめたりはしないが信ぴょう性は高い。
シャンプーを終え、セット面にミサコを通す。濡れた髪の毛をに育毛剤をプッシュし、頭皮から肩にかけてマッサージしてやると、ヤエはもともと細い目をさらに細め、頬を上気させた。
『極楽って、美容院にあるのね』
『そんな、大袈裟ですって』
肩までマッサージすると、ミサコの着ているTシャツの首回りがよれよれなのに気付く。ふと、足元を見ると、シューズの先っぽにも穴が開いているではないか。
あの人は、義理の妹たちのお下がりばかり着せられて新しい洋服一枚買ったこともないと、近所の人がうわさしているのを聞いたことがあるが、それも、あながち嘘じゃないかもしれない。
亡くなった旦那さんは、いつもびしっとスーツを着こなし、ピカピカの靴を履いていた。それに比べて、ミサコさんは…。
『あぁ、気持ちいい…』
その時、ミサコの携帯電話が震えた。今時ガラケーだ。ちょっと、失礼と画面を見たミサコの顔に陰りが浮かんだのを、マリコは見逃さなかった。
『ええ、あ、はい。わかりました。では、そうしてください』
どうやら、姑が駄々をこね、デイサービスから予定時間より早く帰ってくるらしい。
『大丈夫ですか?』
『残念だけど、すぐに帰らなくちゃ。お昼ご飯も食べずに帰ってくるんだもの。何か用意しないとね。』
『せめて髪の毛を乾かしてからにしませんか?風邪をひいてしまいます』
『ありがとう。でも、大丈夫。きっと、もうすぐ帰ってくるから』
『なら、今回は500円引きで…』
『そういうの、なしなし!こっちの都合で帰ることになったんだから』
ミサコはカラーカット代金ぴったりをマリコに握らせた。
『でも…』
『いいの。マリちゃんもシングルマザーで頑張ってるんだから、お金のことはしっかりしなくちゃ、ダメ』
『ありがたく頂戴します』
ミサコの心遣いに、マリコはいたく感動し甘えることにした。
『あぁ、早く自由になりたい。ヤエちゃんが羨ましい』
帰り際、ミサコはぽつりとつぶやいた。髪の毛から滴る水滴が背中を濡らし、ミサコの肌着を透けさせているのが、マリコには一層悲しかった。
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