恋演技

蛇崩 通

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第4章第2話 なんで二人きりに?

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 「ヤンキー鬼ヶ谷おにがやは、文芸部を呼んできてくれたまえ」
 その部長の言葉に、ヤンキー先輩が、文句を言った。
 「文芸部の書く原作、ストーリー的につまんねえよ」
 「彼らは純文学派だからな」
 その部長の言葉に、ヨシツネ先輩が相槌あいづちを打った。
 「ぼくは、彼らの書く純愛ストーリー、嫌いじゃないな」
 ヤンキー先輩は舌打ちをしたあと、吐き捨てた。
 「しかたねえな」
 「では、皆の者、頼んだぞ」
 部長たちが、部室を出て行った。
 けれども、ヤンキー先輩は、部室にとどまっていた。
 部室に、二人きりになってしまった。
 なんか、気まずい。
 というか、嫌な予感がするんですけど。
 このあと、どうなっちゃうの?
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