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第五章 女殺し屋登場で絶体絶命 <第1話>
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<第五章 第1話>
高さ三メートルの梁の上で、ルビー・クールは、打ちのめされていた。時間にすれば、三分間か、四分間だが。
ジャン=ジャックとその部下たちは、ルビー・クールの脅し文句に、恐怖を感じただろうか。もしそうならば、子どもたちを、すぐには殺さないはずだ。
本当は、すぐにでも追いかけて、拉致された子ども十名を救いたいところだ。
だがまずは、救うことができた四十数名の子どもたちの安全を、確保するべきだ。
すでに、一番右端の中隊は、ジャン=ジャックたちと共に、右側出入り口から撤退している。
視線を左に転じると、一番左端の中隊も、ジャン=ジャックが撤退するのを見て、左側出入り口から撤退した。
広場の後方には、まだ党友と党員の一部が残っているが、車道に向かって逃げようとしている。振り返る余裕などないだろう。
ルビー・クールは、リボルバーを足首のホルスターにしまうと、絞首刑用のロープを使って、絞首刑台上に降りた。
すぐに、子どもたちのもとに駆け寄り、抱きしめた。
「さあ、帰りましょう。おうちへ」
シスターが涙ぐみながら、神に祈った。拉致された子どもたちの身の安全を。
ルビー・クールが、シスターに声をかけた。
「拉致された子どもたちは、あたしが必ず奪還するわ」
「でも、どうやって……」
「その前に、この子たちの安全確保が先よ。早く孤児院に戻りましょう」
* * * * * *
ルビー・クールは両手にリボルバーを持ち、警戒しながら孤児院に戻った。子どもたちを引き連れて。
無事に、孤児院に戻ることができた。絞首刑台広場と孤児院は、徒歩十五分ほどの距離だ。途中で、無産者革命党の党員党友と遭遇することは、ほとんどなかった。数回、数人のグループと遭遇したが、銃口を向けると、皆、逃げていった。
孤児院に戻ると、戸締まりを厳重にした。
かつてこの地域は、治安が良かったそうだ。母が学生時代の頃までは。だが、十数年前から、治安が悪化した。近所の民家や店舗に、深夜、泥棒や押し込み強盗が入るようになった。
そこで、十年ほど前に、孤児院の防犯設備を強化した。すべての窓に、外側に鉄格子を設置した。玄関と裏口のドアの外側には、鋼鉄製の鎧戸を設置した。これで、ふつうの泥棒や強盗は、建物内に侵入できなくなった。
シスターと、最年長の十一歳の子どもたちを集めて、作戦を指示した。作戦名は、「居留守作戦」だ。すべての窓のカーテンを閉めきり、灯りを灯さず、暖炉もストーブも使わず、料理の火も使わない。ルビー・クール以外の他人が来た場合は、居留守を使う。それにより、外部の人間には、無人のように思わせる。
この作戦を、四日間から八日間続けることを指示した。もし無産者革命党が再び孤児院を訪れても、無人だと思えば、建物内に侵入してくることはない。一般の犯罪者も、孤児院に金目のものがないのは自明のため、無人の孤児院に、わざわざ鎧戸や鉄格子を破壊して、建物内に侵入してくることはないはずだ。
もし、警察と名のる者が来ても、居留守を使うことを指示した。犯罪者が、警察を名のる可能性もあるからだ。四日間から八日間を指示したのは、帝国陸軍の治安出動は、早ければ四日目、遅ければ八日目だからだ。
この作戦で、孤児院の子どもたちの安全を、確保できるはずだ。
孤児院が先ほど、無産者革命党の党員たちに占拠されてしまったのは、アンジェリカが原因だ。
午後一時過ぎだった。アンジェリカが、孤児院を訪れた。四年ぶりの再会で、懐かしかった。いや、正確には、四年と九ヶ月ぶりだ。
懐かしくて、思わず、こう言葉をかけた。
「ちょうど良かったわ。二羽目の七面鳥を焼いているところなのよ。もうすぐ焼けるから、一口食べていきなさいよ」
今日は一人で、てんてこ舞いだった。
いつもは、数人のボランティアが来るのだが、今回は、ルビー・クール一人だけだった。母は毎月、孤児院を訪れている。だが、十月の市民ホール占拠事件以来、精神的に参ってしまい、寝込みがちになっていた。今月も、体調が悪いのに、無理を押して参加しようとした。そこでルビー・クールが、なんとか押しとどめた。
結果的に幸運だった。今日の孤児院訪問を、母に断念させたことは。それにより、母を守ることができたのだから。
アンジェリカに声をかけたあと、ルビー・クールは台所に戻った。七面鳥を焼いたあとは、ケーキも焼かなければならない。シスターにも手伝ってもらっていたが、やることが多すぎて、時間が飛ぶように過ぎた。
しばらくしてからだった。居間で、男の怒鳴り声が聞こえた。それに、子どもたちの泣き叫ぶ声。
チンピラが押し入ってきたのかと思った。
ルビー・クールはエプロン姿のまま、フライパン片手に、居間に駆けつけた。
見知らぬ男たちが、視界に入った。人相の悪い若い男たちだ。
その直後、無言で襲いかかった。ルビー・クールが、フライパンで。男たちに。
十数秒間で、十人以上の男たちを、フライパンで倒した。フライパンは練習用の木剣よりもだいぶ短いが、同じ戦い方で、男たちを倒すことができた。
手近にいた男たちを、あらかた倒した直後だった。
「抵抗をやめろ、赤毛の女! さもないと、ガキどもを殺すぞ!」
ルビー・クールは、視線を向けた。
黒いあごひげの男が、子どもたちを人質に取っていた。ナイフを手にして。
「子どもたちを放しなさい。そして、孤児院から出て行きなさい。さもないと……」
そう言ってルビー・クールは、左手を前に伸ばした。逆手でキッチンナイフを握っていた。
「さもないと、あなたの喉を切り裂くわよ」
そのナイフでは、まだ誰も切り裂いていない。だが、ルビー・クールの殺気に、男たちの多くは、動揺したようだった。
黒いあごひげの男、無産者革命党の司令官が、ニヤリと笑った。
「それなら、取引だ。我々無産者革命党は、貴族のおまえに用がある。おまえが抵抗をやめて降伏し、我々と共に来るなら、ガキどもには危害を加えないし、孤児院からもすぐに出て行く」
取引は成立した。無産者革命党の司令官とその部下たちは、子どもたちを解放し、孤児院の外に出た。ルビー・クールは、エプロンを取り、フライパンとキッチンナイフを置いて、外に出た。
彼らにうながされ、歩き始めた。十二月なのに、コートもマフラーも孤児院に忘れて、外に出てしまった。制服の上着のポケットに、薄手の黒革の手袋を入れっぱなしにしてあったので、手袋をはめた。
十五分ほどで、絞首刑台広場に着いた。
数十年前までは、凶悪な犯罪者を、公開絞首刑にしていた。庶民の眼前で。そのため絞首刑台広場は、南二区と南三区にもある。だが近年は、公開絞首刑は残酷すぎるとの理由で、行われていない。絞首刑台は、いつでも使えるように、手入れだけは行われているが。
司令官が絞首刑台に上がったため、ルビー・クールも、そのあとについて上がった。
広場は、すでに満員だった。司令官は絞首刑台の中央に立ち、演説を始めた。
司令官は演説をしながら、ルビー・クールに、「こっちへ来い」と指示した。
指示された位置に立った。
その直後、後ろ手に、手錠をかけられた。首に、絞首刑用ロープをかけられた。
ハッと気づいたときには、絞首刑直前だった。
高さ三メートルの梁の上で、ルビー・クールは、打ちのめされていた。時間にすれば、三分間か、四分間だが。
ジャン=ジャックとその部下たちは、ルビー・クールの脅し文句に、恐怖を感じただろうか。もしそうならば、子どもたちを、すぐには殺さないはずだ。
本当は、すぐにでも追いかけて、拉致された子ども十名を救いたいところだ。
だがまずは、救うことができた四十数名の子どもたちの安全を、確保するべきだ。
すでに、一番右端の中隊は、ジャン=ジャックたちと共に、右側出入り口から撤退している。
視線を左に転じると、一番左端の中隊も、ジャン=ジャックが撤退するのを見て、左側出入り口から撤退した。
広場の後方には、まだ党友と党員の一部が残っているが、車道に向かって逃げようとしている。振り返る余裕などないだろう。
ルビー・クールは、リボルバーを足首のホルスターにしまうと、絞首刑用のロープを使って、絞首刑台上に降りた。
すぐに、子どもたちのもとに駆け寄り、抱きしめた。
「さあ、帰りましょう。おうちへ」
シスターが涙ぐみながら、神に祈った。拉致された子どもたちの身の安全を。
ルビー・クールが、シスターに声をかけた。
「拉致された子どもたちは、あたしが必ず奪還するわ」
「でも、どうやって……」
「その前に、この子たちの安全確保が先よ。早く孤児院に戻りましょう」
* * * * * *
ルビー・クールは両手にリボルバーを持ち、警戒しながら孤児院に戻った。子どもたちを引き連れて。
無事に、孤児院に戻ることができた。絞首刑台広場と孤児院は、徒歩十五分ほどの距離だ。途中で、無産者革命党の党員党友と遭遇することは、ほとんどなかった。数回、数人のグループと遭遇したが、銃口を向けると、皆、逃げていった。
孤児院に戻ると、戸締まりを厳重にした。
かつてこの地域は、治安が良かったそうだ。母が学生時代の頃までは。だが、十数年前から、治安が悪化した。近所の民家や店舗に、深夜、泥棒や押し込み強盗が入るようになった。
そこで、十年ほど前に、孤児院の防犯設備を強化した。すべての窓に、外側に鉄格子を設置した。玄関と裏口のドアの外側には、鋼鉄製の鎧戸を設置した。これで、ふつうの泥棒や強盗は、建物内に侵入できなくなった。
シスターと、最年長の十一歳の子どもたちを集めて、作戦を指示した。作戦名は、「居留守作戦」だ。すべての窓のカーテンを閉めきり、灯りを灯さず、暖炉もストーブも使わず、料理の火も使わない。ルビー・クール以外の他人が来た場合は、居留守を使う。それにより、外部の人間には、無人のように思わせる。
この作戦を、四日間から八日間続けることを指示した。もし無産者革命党が再び孤児院を訪れても、無人だと思えば、建物内に侵入してくることはない。一般の犯罪者も、孤児院に金目のものがないのは自明のため、無人の孤児院に、わざわざ鎧戸や鉄格子を破壊して、建物内に侵入してくることはないはずだ。
もし、警察と名のる者が来ても、居留守を使うことを指示した。犯罪者が、警察を名のる可能性もあるからだ。四日間から八日間を指示したのは、帝国陸軍の治安出動は、早ければ四日目、遅ければ八日目だからだ。
この作戦で、孤児院の子どもたちの安全を、確保できるはずだ。
孤児院が先ほど、無産者革命党の党員たちに占拠されてしまったのは、アンジェリカが原因だ。
午後一時過ぎだった。アンジェリカが、孤児院を訪れた。四年ぶりの再会で、懐かしかった。いや、正確には、四年と九ヶ月ぶりだ。
懐かしくて、思わず、こう言葉をかけた。
「ちょうど良かったわ。二羽目の七面鳥を焼いているところなのよ。もうすぐ焼けるから、一口食べていきなさいよ」
今日は一人で、てんてこ舞いだった。
いつもは、数人のボランティアが来るのだが、今回は、ルビー・クール一人だけだった。母は毎月、孤児院を訪れている。だが、十月の市民ホール占拠事件以来、精神的に参ってしまい、寝込みがちになっていた。今月も、体調が悪いのに、無理を押して参加しようとした。そこでルビー・クールが、なんとか押しとどめた。
結果的に幸運だった。今日の孤児院訪問を、母に断念させたことは。それにより、母を守ることができたのだから。
アンジェリカに声をかけたあと、ルビー・クールは台所に戻った。七面鳥を焼いたあとは、ケーキも焼かなければならない。シスターにも手伝ってもらっていたが、やることが多すぎて、時間が飛ぶように過ぎた。
しばらくしてからだった。居間で、男の怒鳴り声が聞こえた。それに、子どもたちの泣き叫ぶ声。
チンピラが押し入ってきたのかと思った。
ルビー・クールはエプロン姿のまま、フライパン片手に、居間に駆けつけた。
見知らぬ男たちが、視界に入った。人相の悪い若い男たちだ。
その直後、無言で襲いかかった。ルビー・クールが、フライパンで。男たちに。
十数秒間で、十人以上の男たちを、フライパンで倒した。フライパンは練習用の木剣よりもだいぶ短いが、同じ戦い方で、男たちを倒すことができた。
手近にいた男たちを、あらかた倒した直後だった。
「抵抗をやめろ、赤毛の女! さもないと、ガキどもを殺すぞ!」
ルビー・クールは、視線を向けた。
黒いあごひげの男が、子どもたちを人質に取っていた。ナイフを手にして。
「子どもたちを放しなさい。そして、孤児院から出て行きなさい。さもないと……」
そう言ってルビー・クールは、左手を前に伸ばした。逆手でキッチンナイフを握っていた。
「さもないと、あなたの喉を切り裂くわよ」
そのナイフでは、まだ誰も切り裂いていない。だが、ルビー・クールの殺気に、男たちの多くは、動揺したようだった。
黒いあごひげの男、無産者革命党の司令官が、ニヤリと笑った。
「それなら、取引だ。我々無産者革命党は、貴族のおまえに用がある。おまえが抵抗をやめて降伏し、我々と共に来るなら、ガキどもには危害を加えないし、孤児院からもすぐに出て行く」
取引は成立した。無産者革命党の司令官とその部下たちは、子どもたちを解放し、孤児院の外に出た。ルビー・クールは、エプロンを取り、フライパンとキッチンナイフを置いて、外に出た。
彼らにうながされ、歩き始めた。十二月なのに、コートもマフラーも孤児院に忘れて、外に出てしまった。制服の上着のポケットに、薄手の黒革の手袋を入れっぱなしにしてあったので、手袋をはめた。
十五分ほどで、絞首刑台広場に着いた。
数十年前までは、凶悪な犯罪者を、公開絞首刑にしていた。庶民の眼前で。そのため絞首刑台広場は、南二区と南三区にもある。だが近年は、公開絞首刑は残酷すぎるとの理由で、行われていない。絞首刑台は、いつでも使えるように、手入れだけは行われているが。
司令官が絞首刑台に上がったため、ルビー・クールも、そのあとについて上がった。
広場は、すでに満員だった。司令官は絞首刑台の中央に立ち、演説を始めた。
司令官は演説をしながら、ルビー・クールに、「こっちへ来い」と指示した。
指示された位置に立った。
その直後、後ろ手に、手錠をかけられた。首に、絞首刑用ロープをかけられた。
ハッと気づいたときには、絞首刑直前だった。
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