絶体絶命ルビー・クールの逆襲<炎の反逆者編>

蛇崩 通

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<第六章 第3話>

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   <第六章 第3話>
 倒した。前列中央の警官を。
 すぐに、身を隠した。窓脇の壁に。
 その直後、銃声が響いた。四発。五月雨式さみだれしきに。
 二発、窓に飛び込んだ。銃弾が。
 やはり、この距離は危険だ。
 そう思いながら、空薬莢からやっきょうを排出した。
 同時に、口にくわえていた銃弾を、落下させた。
 右手で受け取った。狙撃銃と同じ高さで。
 ほぼ同時に、右足で踏んだ。床に落ちた空薬莢を。あとで回収するためだ。
 完了した。次弾の装填を。
 ここまでにかかった時間は、わずか三秒。
 警官たちは、次弾の装填に、五秒か六秒、あるいはそれ以上、かかるはずだ。
 そのすきを、く。
 窓から、上半身を出した。狙撃銃を構えて。
 発砲した。
 射殺した。ライフル銃を持つ警官を。次弾の装填の最中だった。
 すぐに、壁に身を隠した。
 銃声が響いた。二発。
 三人目は、発砲していない。まだ。
 ルビー・クールが顔を出すのを、待っているのだ。
 ポケットから、銃弾を二発取り出した。
 一発を口にくわえ、もう一発を装填した。
 床に置いた帽子を手に取った。
 幅広のツバをつかみ、窓枠の左下から、帽子の一部を出した。
 銃声が響いた。二発。
 窓から上半身を出した。狙撃銃を構えながら。
 最初に射殺した警官のライフル銃を、別の警官が持っていた。
 発砲した。
 射殺した。次弾の装填を、終えたばかりの警官を。
 別の警官が装填を終え、銃口を向けた。
 すぐに身を隠した。窓脇の壁に。
 銃弾が、飛び込んできた。窓枠の中に。
 すぐに窓から顔を出した。次弾の装填を開始しながら。
 警官たちを観察した。
 すでに、警官三名を射殺した。
 その三名のライフル銃は、すぐに別の警官たちが拾った。
 死亡した警官の腰のベルトには、弾薬ケースが装着されている。そのケースから、銃弾を取り出そうとしている。
 だが、慌てているせいか、ケースのふたを開けたとたんに、銃弾を石畳に、ばらまいてしまった者もいる。
 装填を、完了した。
 発砲した。四人目を射殺した。
 五人目の警官が、発砲した。
 その直前、壁に身を隠した。
 すぐ近くを、かすめた。銃弾が。身を隠さなければ、あたっていた。
 ふたたび銃弾を二発取り出し、一発を口にくわえた。
 装填するやいなや、五人目の警官を射殺した。
 すでに四名の警官が、射殺された警官のライフル銃を手にしていた。
 だが、次弾の装填に、時間がかかっている。死亡した警官の弾薬ケースから、銃弾を取り出すのに、手間取っているようだ。
 警官たちの装填作業を監視しながら、ルビー・クールも、次弾を装填した。
 発砲した。
 射殺した。最も早く装填を終えた警官を。
 これで、六人目だ。
 身を隠さずに、銃弾を二発、ポケットから取り出した。
 警官の一人が、銃口を向けた。
 すぐさま、身を隠した。窓脇の壁に。
 発砲した。その警官が。
 ルビー・クールは、次弾の装填を終えた。
 顔を出した。窓の外に。
 銃声が響いた。
 飛んで来た。銃弾が。顔から三十センチメートルほど先を。
 上半身を出した。窓から。
 射殺した。次弾の装填を終えたばかりの警官を。
 これで、七人目。
 身を隠さずに、くわえていた銃弾を、すぐさま装填した。
 発砲した。
 射殺した。八人目の警官を。
 残り四名の警官は、皆すでに、ライフル銃を手に取っている。
 二名の警官が、銃口を向けた。装填を終えて。
 身を隠した。
 その直後、銃弾が飛び込んできた。銃声と共に。
 銃声は二発だったが、窓に飛び込んできたのは、一発だ。
 警官たちも、だいぶ気が動転しているようだ。
 銃弾を装填した。
 顔を出した瞬間、銃声が響いた。二発。
 二発とも、窓の中に飛び込んできた。
 だが、顔から三十センチメートル以上、離れていた。
 上半身を、窓から出した。
 発砲した。
 射殺した。
 これで、九人目。
 身を隠さずに、装填した。
 十人目を射殺した。
 残り、二名だ。
 上半身をさらしたまま、銃弾を二発取り出した。
 二名の警官が、銃口を向けた。装填を終えて。
 身を隠した。すぐさま。
 銃声が響いた。二発。
 上半身を窓から出した。
 二名の警官は、死亡した警官の弾薬ケースから、銃弾を取り出そうとしていた。
 射殺した。三秒で、残りの二名を。
 全滅した。十二名の警官が。
 かかった時間は、最初の発砲から、五十秒から六十秒か。
 リビングルームに戻った。一階の受付係に、内線電話をかけた。ライフル銃五挺と、弾薬ケースを回収するように、指示した。
 サファイア・レインが、尋ねてきた。
 「どうなったの? 裏手の警官隊は」
 「全滅させたわ」
 歓声をあげた。パール・スノーが。
 「あんた一人で、全部解決できるんじゃない?」
 「そんなことないわ。あなたたちの協力が、必要よ。警察署に動きは?」
 「足を撃ったよ。玄関から出てきたヤツの。そうしたら、負傷者を救出しようとして、次々に警官が出てきた。結局、三名の足を撃ったよ」
 そのときだった。
 サファイア・レインが叫んだ。
 「警察署に、動きあり!」
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