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<第一章 第3話>
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<第一章 第3話>
サファイア・レインが、叫んだ。
「お巡りさん!」
制服警官を、見つけたのだ。人混みの中に。
大声で、呼びかけた。
「こっちです! すぐに来てください!」
だが、顔をそむけた。二名の制服警官が、二人とも。
サファイア・レインの呼び声に、気づいたのに。
さらに、叫んだ。彼女が。大きな声で。
「ナイフ男が、少女を人質に取っています! 早く来てください!」
だが、制服警官たちは、二人とも背を向け、立ち去った。人混みの中へ、姿を消した。
「どうなってるのよ! 事件なのよ! 犯罪事件よ! ちょっと、戻って来てよ!」
必死に叫ぶサファイア・レインを見て、ニコラウスが笑い始めた。声をあげて。
「オレ様は、なにをやっても、逮捕される事は、ないのだ!」
「それは、なぜかしら?」
無表情を保ちながら、ルビー・クールが尋ねた。
ニコラウスは、勝ち誇ったような表情で、答え始めた。
「おまえらは、よそ者だろうから、教えてやろう。オレ様のパパは、この町の市長で、絶対権力者なのだ! そのため、この町の警察署長は、パパの言いなりだ。だから警察は、オレ様がなにをやっても、逮捕する事ができないのだ!」
吐き捨てた。パール・スノーが。
「三文小説に出てくる悪役のようなセリフね。まさか、現実に存在するなんて」
ルビー・クールが、さらに尋ねた。
「それで白昼堂々、少女を拉致する行為を、繰り返しているってわけね。それで、今までに、何人くらい拉致したの?」
「そんなの、覚えているわけないだろ! おまえは、今までに自分が喰ったブタの数を、覚えているのか?」
「あなたが人質にしている少女は、ブタではなく人間よ。拉致した少女たちは、そのあと、どうしたの? 解放したの? それとも、殺したの?」
「そんな事、聞いてどうする? 警察に訴えても、オレ様が逮捕される事は、ないんだぞ!」
にらみつけた。ルビー・クールが。
「それで、何人、殺したの?」
「三十名から先は、覚えてないなあ」
そう言って、笑い転げた。ニコラウスが。
怒気を強めた。ルビー・クールの口調が。
「あなたは、三十までしか、数字を数えられないのかしら」
激昂した。ニコラウスが。
「そんなわけあるか! オレ様をバカにすんじゃねえ! 屋敷の裏庭は、三十人埋めたら、一杯になったんだ。だからそれ以降は、川に捨てている」
パール・スノーが、小声でささやいた。
「ルビー、殺しちゃう? この男」
「ダメよ。口で言っている事が、真実とは限らないし」
サファイア・レインも、小声でささやいた。
「だけど今の話は、信憑性がありそうよ」
「そうね」
小声でそう答えながら、ルビー・クールは、ニコラウスに呼びかけた。
「屋敷には、まだ生きている少女は、いないのかしら?」
「十数人は、いるかなぁ。オレ様は寛大だから、おとなしく良い子にしている女は、殺さない。たっぷりと、かわいがったあと、そのあと、どうすると思う?」
極悪そうな表情で、尋ねてきた。ニコラウスが、ルビー・クールに。
「さあ、わからないわ。どうするのかしら?」
大声で叫んだ。ニコラウスが、勝ち誇ったように。
「売り飛ばすんだよ! スラム街の娼館にな! おまえら三人も、たっぷりとかわいがったあと、売り飛ばしてやる! 金持ちお嬢様が、みじめな娼婦生活に、耐えられるかなぁ?」
そう言って、大笑した。
尋ねた。ルビー・クールが、無表情で。
「あなたは、マフィアとも、付き合いがあるのね」
「そうだ。恐ろしいだろ。ヴィクトールはマブダチだ!」
「ヴィクトールって、誰かしら?」
「この町の裏社会を牛耳っているギャング組織、死神団のボスの息子だ」
「死神団って、メンバーは、どのくらい、いるの?」
「聞いて驚け! 五百名以上だ!」
ニコラウスが、叫んだ。高揚した表情で。
「どうだ、怖いだろ! 恐ろしいだろ! おまえはもう、絶体絶命だ! オレ様に喧嘩を売った自分の愚かさを、呪うがいい!」
本当に自分は、運が悪い。こんな、ろくでもない悪党に、出合ってしまうなんて。
ルビー・クールは、心の中で、肩をすくめた。
サファイア・レインが、叫んだ。
「お巡りさん!」
制服警官を、見つけたのだ。人混みの中に。
大声で、呼びかけた。
「こっちです! すぐに来てください!」
だが、顔をそむけた。二名の制服警官が、二人とも。
サファイア・レインの呼び声に、気づいたのに。
さらに、叫んだ。彼女が。大きな声で。
「ナイフ男が、少女を人質に取っています! 早く来てください!」
だが、制服警官たちは、二人とも背を向け、立ち去った。人混みの中へ、姿を消した。
「どうなってるのよ! 事件なのよ! 犯罪事件よ! ちょっと、戻って来てよ!」
必死に叫ぶサファイア・レインを見て、ニコラウスが笑い始めた。声をあげて。
「オレ様は、なにをやっても、逮捕される事は、ないのだ!」
「それは、なぜかしら?」
無表情を保ちながら、ルビー・クールが尋ねた。
ニコラウスは、勝ち誇ったような表情で、答え始めた。
「おまえらは、よそ者だろうから、教えてやろう。オレ様のパパは、この町の市長で、絶対権力者なのだ! そのため、この町の警察署長は、パパの言いなりだ。だから警察は、オレ様がなにをやっても、逮捕する事ができないのだ!」
吐き捨てた。パール・スノーが。
「三文小説に出てくる悪役のようなセリフね。まさか、現実に存在するなんて」
ルビー・クールが、さらに尋ねた。
「それで白昼堂々、少女を拉致する行為を、繰り返しているってわけね。それで、今までに、何人くらい拉致したの?」
「そんなの、覚えているわけないだろ! おまえは、今までに自分が喰ったブタの数を、覚えているのか?」
「あなたが人質にしている少女は、ブタではなく人間よ。拉致した少女たちは、そのあと、どうしたの? 解放したの? それとも、殺したの?」
「そんな事、聞いてどうする? 警察に訴えても、オレ様が逮捕される事は、ないんだぞ!」
にらみつけた。ルビー・クールが。
「それで、何人、殺したの?」
「三十名から先は、覚えてないなあ」
そう言って、笑い転げた。ニコラウスが。
怒気を強めた。ルビー・クールの口調が。
「あなたは、三十までしか、数字を数えられないのかしら」
激昂した。ニコラウスが。
「そんなわけあるか! オレ様をバカにすんじゃねえ! 屋敷の裏庭は、三十人埋めたら、一杯になったんだ。だからそれ以降は、川に捨てている」
パール・スノーが、小声でささやいた。
「ルビー、殺しちゃう? この男」
「ダメよ。口で言っている事が、真実とは限らないし」
サファイア・レインも、小声でささやいた。
「だけど今の話は、信憑性がありそうよ」
「そうね」
小声でそう答えながら、ルビー・クールは、ニコラウスに呼びかけた。
「屋敷には、まだ生きている少女は、いないのかしら?」
「十数人は、いるかなぁ。オレ様は寛大だから、おとなしく良い子にしている女は、殺さない。たっぷりと、かわいがったあと、そのあと、どうすると思う?」
極悪そうな表情で、尋ねてきた。ニコラウスが、ルビー・クールに。
「さあ、わからないわ。どうするのかしら?」
大声で叫んだ。ニコラウスが、勝ち誇ったように。
「売り飛ばすんだよ! スラム街の娼館にな! おまえら三人も、たっぷりとかわいがったあと、売り飛ばしてやる! 金持ちお嬢様が、みじめな娼婦生活に、耐えられるかなぁ?」
そう言って、大笑した。
尋ねた。ルビー・クールが、無表情で。
「あなたは、マフィアとも、付き合いがあるのね」
「そうだ。恐ろしいだろ。ヴィクトールはマブダチだ!」
「ヴィクトールって、誰かしら?」
「この町の裏社会を牛耳っているギャング組織、死神団のボスの息子だ」
「死神団って、メンバーは、どのくらい、いるの?」
「聞いて驚け! 五百名以上だ!」
ニコラウスが、叫んだ。高揚した表情で。
「どうだ、怖いだろ! 恐ろしいだろ! おまえはもう、絶体絶命だ! オレ様に喧嘩を売った自分の愚かさを、呪うがいい!」
本当に自分は、運が悪い。こんな、ろくでもない悪党に、出合ってしまうなんて。
ルビー・クールは、心の中で、肩をすくめた。
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