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本編
-440- ハワード家の神器様
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「大丈夫だ。腹は時間をかけて大きくなるし、ちゃんと中で動くのを感じる。
だから、戸惑いも時間が解消してくれるさ。
母性本能……と言っても良いのかな、この子を私が産むのだとある種の喜びみたいなものを感じたし、だからこそ痛みも耐えられた。
私の場合は、ただ妊娠して出産することよりも、二人目以降のそれに至るまでの方が正直辛かったよ。
本人たちにはとても言えなかったが、泣いて吐き戻していたくらいだ。
エリーにはばれてしまってね……だから、とても困らせたけれど、それが私には嬉しかったみたいなんだ。
すごく気遣ってくれて、なんとか乗り越えられたよ。
君はお相手が一人だし、既に恋愛関係で互いに愛情もあるのだろう?」
「はい」
「ならば、心配いらないよ。今から妊娠した後のことを心配していたら、気持ち良いものも気持ちよくないだろう?」
「確かに」
「だろう?」
面白そうに笑う満さんにつられて、僕も笑みをひく。
実際には、エリー先生以外に抱かれたことに、心から受け付けなかった話は聞いていてちょっとばかり辛いものがあった。
けれど、満さんはすでに懐かしさを感じているようで話しぶりからは痛みを感じはしなかった。
だから、僕がそれに対して同情するのも苦痛を感じるのもおこがましい話だ。
「自分で育てたいって思ったことは?」
「うーん……それは、私には最初からなかったな。
子供があまり得意でなくてね。
小さすぎる時はか弱いし、大声で泣かれても分かってやれない。
それに正直だろう?
言わないでいて欲しいことも、気になったら聞いてくる。
知らないのだから仕方ない。
ただ、他人の心の踏み込まれたくないことまで純粋な気持ちで立ち入ってくる無垢な子供が苦手なんだ」
それでも、最初から『子供は苦手だ』と伝えていたから、必要以上に満さんに顔を合わせることもなかったと言う。
『あのお部屋は神器様のお部屋だから会いに行ってはいけません』そう教え込まれて育てば、気になることはあっても遠慮する。
幸いハワード家の子供たち三人は、それを破ることはなかったみたい。
「今でこそ、顔を合わせたら挨拶くらいするけれどね。向こうが結構気を遣っているのがわかるよ。
私と顔を合わせることへの抵抗はなくなったみたいだけれど」
「小さい頃から会いに行ってはいけないと言われて育ったなら、会ったらいけない感じがしちゃうのかも」
「それもそうだね。ただ、三人が皆私を大切にしているのがわかるから、子供たちもそれに倣ってくれているよ」
「週に一度の家族全員の食事では、私も参加しているんだ。
子供たちも大きくなった頃に誘いを受けてね。
彼らを見て何も思わないわけじゃないよ。
特にユージーンは、私に姿かたちが似ているからね、血のつながりを感じざるを得ない。
彼から『ミツルも家族だ』と言ってもらった時は凄く嬉しかった」
性格や声はエリーそっくりだけれどね、と笑う満さんは、父でも母でもない。
親としてユージーンさんの成長を喜んでいるいうより、ただ家族としての繋がりを喜んでいるようだ。
満さんは、確かにハワード家の神器様なんだと思う。
特別の自室を与えられて、ハワード伯爵と二人の夫人の間に別々の子供を産んだ。
けれど、この世界の神器様としての扱いが、彼とみな同じではないのだろう。
神器様は、所有者のものだと教会では言われていたから、家族としての概念はないはずだ。
僕とはまた違った境遇だけれど、満さん自身がちゃんと『家族』として思えることが出来ているのを知って、なんだかとても安心した。
彼は……満さんは少しだけ遠いというか、危うい感じがする。
それは、生きてきた境遇が違うから。
病気を抱えていたから。
辛い時代を生きていたから、その間に何度か生きることをあきらめてしまったこともあるかもしれないし、戦時中で死を覚悟したことがあったからかもしれない。
一人では生きていけないというか……うん、別に今死んでも良いと思っていそうな、そんな感じがある。
でも、自分のためじゃなくて、大切な人のためになら一緒に生きていこうと思えるような人だ。
だから、満さんに愛し愛される人がいて、ちゃんと家族の一員であると自覚出来ていることが、彼の生きる理由でもある、そんな気がする。
気がする、だけだけれど。
そう、ただ僕が感じただけ。
だから、エリー先生は僕を会わせたかったのかな、なんてそんなところまで考えてしまう。
家族とは違った、友人としての繋がりを満さんにあげるために。
直接的な言葉は無くても、受け止め方一つで変わってくるものだ。
僕の思い込みであったって、今はそれで良いと思う。
僕たちは他にも色々な話をした。
満さんが向こうの世界で好きだった本や演劇の話は、僕でも知っているものもあった。
好きだったものを話す満さんはとてもキラキラしていて、言葉選びが色彩が豊かだ。
この部屋のように、聞くだけで懐かしさを感じるロマンがあって、語りを聞いているような
日本史から飛び出てきて目の前に広がるような、そんな感覚を味合わせてくれた。
満さんは僕自身の話もたくさん聞いてくれたよ。
役者をしていたことや、歌とピアノが得意なこと、カンフー…中国武術も習っていたことなんかも。
興味深げに相槌を打って話の先を促してくれた満さんは、話し上手でもあり聞き上手でもあった。
「───時間かな」
時間を気にせず話に花を咲かせていると、扉のノックの音が耳に入り、名残惜しくも中断される。
『時間かな』と呟く満さんもどこか残念そうに見えて、それが僕にとってとても嬉しく思えた。
ノックの音でエリー先生だと気が付いた満さんは、『私が』と、セオを軽く制して扉を開いた。
扉の前で自然にハグをする二人を見て、もしセオが扉を開いていたら、エリー先生とセオが互いにびっくりしたかもしれない。
「二人とも話は出来たかい?」
「ああ、楽しい時間をありがとう、蓮君」
「僕の方こそありがとうございました。まだまだ話足りないくらい。とても楽しかったです」
「また───……」
「また是非遊びに来て、ミツルとお茶をしてくれるかい?」
言葉を噤んだ満さんに、エリー先生がすかさず僕に聞いて来た。
立場上、満さんは『来てくれ』とは言いづらかったのだと思う。
「はい、勿論です。手紙も書きますね」
「ああ、私も返事を書こう。この年になってこちらで友人が出来るとは思っていなかったからとても嬉しいよ」
「僕も対等に話ができる友人は元の世界からきたみんなくらいだから、凄く嬉しいです」
本当に嬉しそうに笑ってくれるから、僕まで温かい気持ちになる。
「そうだ───」
満さんは思い出したようにそっとエリー先生から離れて、机の一番上の引き出しを開けると、正方形の黒い厚紙を数枚とりだしてその中から二枚選びだし、他をまた引き出しにしまう。
『これを、今日の記念に』そう言って手の中にある二枚を、僕とセオに一枚ずつ手渡してくれた。
「わ……綺麗」
裏から見て黒い厚紙だと思ったのは、切り絵だった。
黒い正方形の袋状の厚紙の表側が繊細に切り抜かれていて、その内側に背景を白として、他にも色々な色の切り抜かれた紙が重ねられている。
まるでステンドグラスのような、とても繊細な作りだ。
「数年前から始めた趣味でね。特に何が出来るわけじゃないんだけれど」
「綺麗です、とても。ありがとうございます」
何が出来るわけじゃないなんて満さんは言うけれど、これは、“芸術品”そのものだと思う。
僕のは、色とりどりの紅葉の中を燕が飛んでいる切り絵だ。
「俺も、いいんですか?」
「ああ、勿論」
「───ありがとうございます」
嬉しそうに笑うセオは、綺麗なものが好きだって知ってる。
きっと、とても気に入ったのだと思う。
セオのはどんなのかと見せて貰ったら、星空と森と蝶々の切り絵だった。
僕のもセオのもどちらともノスタルジックで繊細な出来栄えだと思った。
「こういったものは初めて見ます」
「こっちには切り絵は無いの?」
「ない……と思います。版画は見たこともあるのですが、キリエは聞いたことがないですね」
「じゃあ、元の世界特有のものかな」
たしか、エリー先生は満さんの知識を元に、いくつか特許を持ってるんだよね。
こういうのも技術として特許を取っていたりするのかな?
特許がないうちから誰かに見せるのは良くないかもしれないし、同じものや模倣をつくられるのは避けたい。
「これを他の人に見せても大丈夫?しない方が良いですか?」
「え?構わないよ?ただの、私の趣味の作品だ」
満さんはなんとも思っていないというか、価値がなさそうな口調で呟く。
ただ、自分が作ったものだから少し照れ気味ではあったけれど。
僕が確認のためにエリー先生を見ると、先生は小さく頷いた。
「ああ、外に出しても大丈夫だよ」
にっこりと笑うエリー先生に、僕とセオはちらりとお互いを見つめる。
うん、この感じは、エリー先生は既に何かしらの特許を取った後だ。
切り絵の技法の特許かな?
もし何かしらの商品にこの切り絵を使いたいってなったら、使用料を払うようだろう。
それだけの価値が、これにある。
満さんはそういうところはちょっとだけ抜けているのかもしれない。
そこをエリー先生は抜かりなくカバーしてるんだろうなあ。
エリー先生の懐が潤うんじゃなくて、満さんの身の回りが潤うんだと思うし。
切り絵だけじゃなくて、デザインも良いんだよね。
満さんは絵心があるみたいだ。
独特の色使いと構図が、小さな正方形の中に世界が広がってるし、その先を想像させて楽しませてくれる。
「今度お邪魔するときは他の作品もゆっくり見せてくれると嬉しいです」
「ああ、是非」
神器様と会うことに不安がなかったといったら嘘だった。
けれど、蓋を開けてみたらなんてことはない。
元の世界の友人が一人増えただけだった。
だから、戸惑いも時間が解消してくれるさ。
母性本能……と言っても良いのかな、この子を私が産むのだとある種の喜びみたいなものを感じたし、だからこそ痛みも耐えられた。
私の場合は、ただ妊娠して出産することよりも、二人目以降のそれに至るまでの方が正直辛かったよ。
本人たちにはとても言えなかったが、泣いて吐き戻していたくらいだ。
エリーにはばれてしまってね……だから、とても困らせたけれど、それが私には嬉しかったみたいなんだ。
すごく気遣ってくれて、なんとか乗り越えられたよ。
君はお相手が一人だし、既に恋愛関係で互いに愛情もあるのだろう?」
「はい」
「ならば、心配いらないよ。今から妊娠した後のことを心配していたら、気持ち良いものも気持ちよくないだろう?」
「確かに」
「だろう?」
面白そうに笑う満さんにつられて、僕も笑みをひく。
実際には、エリー先生以外に抱かれたことに、心から受け付けなかった話は聞いていてちょっとばかり辛いものがあった。
けれど、満さんはすでに懐かしさを感じているようで話しぶりからは痛みを感じはしなかった。
だから、僕がそれに対して同情するのも苦痛を感じるのもおこがましい話だ。
「自分で育てたいって思ったことは?」
「うーん……それは、私には最初からなかったな。
子供があまり得意でなくてね。
小さすぎる時はか弱いし、大声で泣かれても分かってやれない。
それに正直だろう?
言わないでいて欲しいことも、気になったら聞いてくる。
知らないのだから仕方ない。
ただ、他人の心の踏み込まれたくないことまで純粋な気持ちで立ち入ってくる無垢な子供が苦手なんだ」
それでも、最初から『子供は苦手だ』と伝えていたから、必要以上に満さんに顔を合わせることもなかったと言う。
『あのお部屋は神器様のお部屋だから会いに行ってはいけません』そう教え込まれて育てば、気になることはあっても遠慮する。
幸いハワード家の子供たち三人は、それを破ることはなかったみたい。
「今でこそ、顔を合わせたら挨拶くらいするけれどね。向こうが結構気を遣っているのがわかるよ。
私と顔を合わせることへの抵抗はなくなったみたいだけれど」
「小さい頃から会いに行ってはいけないと言われて育ったなら、会ったらいけない感じがしちゃうのかも」
「それもそうだね。ただ、三人が皆私を大切にしているのがわかるから、子供たちもそれに倣ってくれているよ」
「週に一度の家族全員の食事では、私も参加しているんだ。
子供たちも大きくなった頃に誘いを受けてね。
彼らを見て何も思わないわけじゃないよ。
特にユージーンは、私に姿かたちが似ているからね、血のつながりを感じざるを得ない。
彼から『ミツルも家族だ』と言ってもらった時は凄く嬉しかった」
性格や声はエリーそっくりだけれどね、と笑う満さんは、父でも母でもない。
親としてユージーンさんの成長を喜んでいるいうより、ただ家族としての繋がりを喜んでいるようだ。
満さんは、確かにハワード家の神器様なんだと思う。
特別の自室を与えられて、ハワード伯爵と二人の夫人の間に別々の子供を産んだ。
けれど、この世界の神器様としての扱いが、彼とみな同じではないのだろう。
神器様は、所有者のものだと教会では言われていたから、家族としての概念はないはずだ。
僕とはまた違った境遇だけれど、満さん自身がちゃんと『家族』として思えることが出来ているのを知って、なんだかとても安心した。
彼は……満さんは少しだけ遠いというか、危うい感じがする。
それは、生きてきた境遇が違うから。
病気を抱えていたから。
辛い時代を生きていたから、その間に何度か生きることをあきらめてしまったこともあるかもしれないし、戦時中で死を覚悟したことがあったからかもしれない。
一人では生きていけないというか……うん、別に今死んでも良いと思っていそうな、そんな感じがある。
でも、自分のためじゃなくて、大切な人のためになら一緒に生きていこうと思えるような人だ。
だから、満さんに愛し愛される人がいて、ちゃんと家族の一員であると自覚出来ていることが、彼の生きる理由でもある、そんな気がする。
気がする、だけだけれど。
そう、ただ僕が感じただけ。
だから、エリー先生は僕を会わせたかったのかな、なんてそんなところまで考えてしまう。
家族とは違った、友人としての繋がりを満さんにあげるために。
直接的な言葉は無くても、受け止め方一つで変わってくるものだ。
僕の思い込みであったって、今はそれで良いと思う。
僕たちは他にも色々な話をした。
満さんが向こうの世界で好きだった本や演劇の話は、僕でも知っているものもあった。
好きだったものを話す満さんはとてもキラキラしていて、言葉選びが色彩が豊かだ。
この部屋のように、聞くだけで懐かしさを感じるロマンがあって、語りを聞いているような
日本史から飛び出てきて目の前に広がるような、そんな感覚を味合わせてくれた。
満さんは僕自身の話もたくさん聞いてくれたよ。
役者をしていたことや、歌とピアノが得意なこと、カンフー…中国武術も習っていたことなんかも。
興味深げに相槌を打って話の先を促してくれた満さんは、話し上手でもあり聞き上手でもあった。
「───時間かな」
時間を気にせず話に花を咲かせていると、扉のノックの音が耳に入り、名残惜しくも中断される。
『時間かな』と呟く満さんもどこか残念そうに見えて、それが僕にとってとても嬉しく思えた。
ノックの音でエリー先生だと気が付いた満さんは、『私が』と、セオを軽く制して扉を開いた。
扉の前で自然にハグをする二人を見て、もしセオが扉を開いていたら、エリー先生とセオが互いにびっくりしたかもしれない。
「二人とも話は出来たかい?」
「ああ、楽しい時間をありがとう、蓮君」
「僕の方こそありがとうございました。まだまだ話足りないくらい。とても楽しかったです」
「また───……」
「また是非遊びに来て、ミツルとお茶をしてくれるかい?」
言葉を噤んだ満さんに、エリー先生がすかさず僕に聞いて来た。
立場上、満さんは『来てくれ』とは言いづらかったのだと思う。
「はい、勿論です。手紙も書きますね」
「ああ、私も返事を書こう。この年になってこちらで友人が出来るとは思っていなかったからとても嬉しいよ」
「僕も対等に話ができる友人は元の世界からきたみんなくらいだから、凄く嬉しいです」
本当に嬉しそうに笑ってくれるから、僕まで温かい気持ちになる。
「そうだ───」
満さんは思い出したようにそっとエリー先生から離れて、机の一番上の引き出しを開けると、正方形の黒い厚紙を数枚とりだしてその中から二枚選びだし、他をまた引き出しにしまう。
『これを、今日の記念に』そう言って手の中にある二枚を、僕とセオに一枚ずつ手渡してくれた。
「わ……綺麗」
裏から見て黒い厚紙だと思ったのは、切り絵だった。
黒い正方形の袋状の厚紙の表側が繊細に切り抜かれていて、その内側に背景を白として、他にも色々な色の切り抜かれた紙が重ねられている。
まるでステンドグラスのような、とても繊細な作りだ。
「数年前から始めた趣味でね。特に何が出来るわけじゃないんだけれど」
「綺麗です、とても。ありがとうございます」
何が出来るわけじゃないなんて満さんは言うけれど、これは、“芸術品”そのものだと思う。
僕のは、色とりどりの紅葉の中を燕が飛んでいる切り絵だ。
「俺も、いいんですか?」
「ああ、勿論」
「───ありがとうございます」
嬉しそうに笑うセオは、綺麗なものが好きだって知ってる。
きっと、とても気に入ったのだと思う。
セオのはどんなのかと見せて貰ったら、星空と森と蝶々の切り絵だった。
僕のもセオのもどちらともノスタルジックで繊細な出来栄えだと思った。
「こういったものは初めて見ます」
「こっちには切り絵は無いの?」
「ない……と思います。版画は見たこともあるのですが、キリエは聞いたことがないですね」
「じゃあ、元の世界特有のものかな」
たしか、エリー先生は満さんの知識を元に、いくつか特許を持ってるんだよね。
こういうのも技術として特許を取っていたりするのかな?
特許がないうちから誰かに見せるのは良くないかもしれないし、同じものや模倣をつくられるのは避けたい。
「これを他の人に見せても大丈夫?しない方が良いですか?」
「え?構わないよ?ただの、私の趣味の作品だ」
満さんはなんとも思っていないというか、価値がなさそうな口調で呟く。
ただ、自分が作ったものだから少し照れ気味ではあったけれど。
僕が確認のためにエリー先生を見ると、先生は小さく頷いた。
「ああ、外に出しても大丈夫だよ」
にっこりと笑うエリー先生に、僕とセオはちらりとお互いを見つめる。
うん、この感じは、エリー先生は既に何かしらの特許を取った後だ。
切り絵の技法の特許かな?
もし何かしらの商品にこの切り絵を使いたいってなったら、使用料を払うようだろう。
それだけの価値が、これにある。
満さんはそういうところはちょっとだけ抜けているのかもしれない。
そこをエリー先生は抜かりなくカバーしてるんだろうなあ。
エリー先生の懐が潤うんじゃなくて、満さんの身の回りが潤うんだと思うし。
切り絵だけじゃなくて、デザインも良いんだよね。
満さんは絵心があるみたいだ。
独特の色使いと構図が、小さな正方形の中に世界が広がってるし、その先を想像させて楽しませてくれる。
「今度お邪魔するときは他の作品もゆっくり見せてくれると嬉しいです」
「ああ、是非」
神器様と会うことに不安がなかったといったら嘘だった。
けれど、蓋を開けてみたらなんてことはない。
元の世界の友人が一人増えただけだった。
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