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本編
-394- 諦めが肝心 アレックス視点**
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「───ってば、おーい、アレックス?」
「っ……悪い」
いつの間にかユージーンが修復後の書類を回収に来ていたらしい。
今日は、新たな書類の束がないことに安堵する。
「……どうしたんだい?君、今日変だよ?
まあ、それでも他の誰よりも修復速度が早いのは違いないけどさ」
なかなか進まない魔法陣の修復を目にしながら、ユージーンはソファへと腰かけた。
これは、話せということだろう。
俺は諦めて筆を置く。
これは、スプラッシュ云々を相談したほうが良いのだろうか?
恋愛経験ど素人の俺よりも、こういうときはどうすべきが良いのかを知っているかもしれない。
「レンが……」
「レン君が?」
「俺のスプラッシュを見たいと言った」
「……それは、また───で?」
「今夜それをしなければならない」
「………」
さて、どうするべきか?とユージーンを目にすると、呆れを隠さないような顔つきで俺を見る。
「しなければならないって、そんな義務感でやることもないだろ?」
「約束を、してしまったんだ」
「なんでさ?」
「なんでも一つだけ言うことを聞くと言ったら、そう言ってきた」
「それに至った経緯は?」
「……やりすぎた」
「君さあ、あれ程……や、まあ、レン君がそれで許してくれるんなら、頑張るしかないね。諦めたら?」
「出来る気がしない。ユージーン、もし、恋人にスプラッシュが見たいと言われて了承し、相手の愛撫でそうならなかったときガッカリされないか?
レンの場合、“僕のやり方が悪い”と、自分を責めそうだ」
「そこを心配してるのかい?その時は、言葉を尽くすしかないだろう?
口下手な君だけど、レン君にはちゃんと言葉をかけているんだろうから、素直な気持ちを伝えればレン君だって納得してくれるはずだよ。
気持が良かったんならそう言えばいいし、して欲しいことがあるならそう言えばいい。
そこまで難しく考えなくたっていいと思うよ、僕は。
寧ろ、そうやって悩みながらじゃ気持ちよくいけないだろ?」
「そう、だな」
確かに、ユージーンの言う通りだ。
自分自身の行いにおいて、最初から出来なかった後のことを考えることは、今までの人生であまり経験がなかった。
今回が初めてとはいわない。
ただ、レンのこととなると、期待に沿えなかったときのことを考えてしまう。
今まで仕事ばかりだったからか、出来た後のことを考えることは山ほどしてきた。
後に出るだろう苦情、要望、新たな問題、それらにどう答えるか、もしくは折り合いをつけるか。
そして、このまま何もしなかったらどうなるか、という予測してきた。
そうならないために、領主として何が出来るか、だ。
最初から出来ること前提で考えているのだから、出来ない約束をしたことはなかった。
初めから出来ない場合はその理由とともに、出来ない、とはっきり告げてきた。
そして、出来るであろう別の案を提示してきた。
出来ると無謀なことを言って、実際やって出来なかった経験が俺にはあまりない。
「今日は帰って、それは明日にしたら?」
「ああ。なあ、ユージーン」
「なんだい?」
「出来ると約束したことが出来なかったことはあるか?」
「そんなの山ほどあるよ。
この日はデートが出来るかと言われて、出来ると言っていたのに、実際は休日返上で仕事になったりなんてざらだったし。
やってみて出来なかったことなんて、それこそ仕事もプライベートも数えきれないほどわんさかあるさ……え、君、もしかしてそういうのは」
「あまり記憶にない」
「嘘だろ?……や、確かに魔法士としては、やってみて出来なかったこと、僕の記憶の限りない、ね」
「領主としては出来ること前提で物を言う。ある程度のリスクは最初から考えうるだけ考えているが、やって出来ませんでした、やって失敗しました、なんて言えるか。信用を失うぞ」
「失敗から学ぶなんて普通のことだけれど……でも君の立場上しかたな……え?本当に仕方ないことなのか?いやいやそんなはず」
「失敗というか……思うように結果が出なかったときでも、その出なかった場合の次の手は予め複数考えておくだろ?」
「え?そんなの僕は考えないよ?その場その場でなんとかす……る───ああ、こういう僕の考えが、当主に向かないんだよねえ。
そこは……アレックスのそれは、変えなくていいところだと思う。
君は、理想を現実に落とし込んでから動くだろう?
理想はこうだが、実際に実現するならこっちだ、とか」
「まあ、そうだな」
「僕はね、あまりそこまで考えない。
魔法士というのは、僕みたいな方が多いと思う。
だから、採算が合わないなんていわれているのも事実だけれど、夢を追い求める魔法馬鹿な連中の集まりだよ?」
「確かに」
阿呆みたいに実験を繰り返してるやつもいるが、好きでのめり込んでる。
衣食住が後回しの奴なんてザラにいるな。
「少し、気が楽になった。ありがとう」
「そう?なら良かったよ」
今日は早く帰ったらどうだ、とのユージーンの勧めで、少しばかり早く帰ることにした。
とりあえずレンの好きにさせて、出来なければ出来ないなりに、言葉を尽くすしかないな。
ため息を飲み込み、意を決して屋敷へと戻った。
「……レン、すまないっ……その、そろそろ、諦めてくれないか?」
「え……」
ゆっくりと一緒に風呂へ入った後は、レンにとってお待ちかね“アレックスのスプラッシュタイム”だったわけだが。
それは、いくら頑張ってもらっても訪れなかった。
無理かもしれないと思っていたが、俺には無理なようだ。
射精後も手や唇で何度も良いように刺激されても、出るのは精液だった。
先に根をあげたのは俺の方だ。
毎回1,2回、多くて3回の射精で終えているにもかかわらず、今日はもう5回も射精している。
俺はレン程若くない。
正直、もう全てを搾り取られたような気がする。
勃つか?
もう、無理か?
勃ったとしても、もう何も出ないぞと言っている気がする。
「でも、まだ出来てないよ?……気持ちよくなかった?」
「気持ちいいと言っただろう?それに良くなかったら、5回もイってない」
「……もう勃たない?」
「限界だ」
「そっか」
そんな、しゅんとして、とっても残念そうな顔で言わないで欲しい。
俺ばかりイかされていたが、レンは今日は一度もイってないじゃないか。
「俺には向ていないみたいだ。期待に沿えず悪いが、レンの手はとても気持ちが良かった。
5回もイったんだ。それで、許してくれないか?」
「……うん、わかった。今日はもう終わりにするね」
「………ありがとう」
渋々俺の股間から両手を放すレンは、残念そうに呟いた。
ってか、今日はもうってなんだ?
今日じゃないが、また次があるのか?
勘弁してくれ。
「交代しよう」
「え?」
「俺ばっかだったろ?」
俺の股間を弄りながらも、レンの股間は少し頭を擡げているのがわかった。
今日はレンの頭しか撫でていない。
にもかかわらず、俺のを弄りながら興奮するだなんて、マジで可愛い。
レンを引き寄せ、立膝になる姿そのまま、目の前のパジャマと下着の紐を解き、膝まで落とす。
パジャマの裾から、俺の方へ頭を擡げるレン自身を目にし、可愛すぎて思わず笑ってしまった。
「なんで笑うの?」
「可愛すぎて。俺のを弄ってこうなったんだろ?」
「んんっ……ぁ……」
「ここ、欲しそうにパクパクしてる」
振るえる尻の蕾に人差し指の腹でくるくると撫でると、ぷつりと指先を飲み込んだ。
レンは抱かれることに少しずつ慣れてきたようだ。
毎日可愛がれば、そりゃそうだろうな。
まして、吸収力と進歩が高いレンだ。
「してない」
「してる。後ろも、中、気持ちよくしてやるから」
レンを横たわらせてズボンと下着を取り去る。
空間からポーションを取り出し、いつものように一度唾液を含ませて手に取ると、レンが大人しく膝を割り従順になったのがわかった。
なぜか、レンは俺がポーションを口に含んでから使うところを目にするのが好きらしい。
頬に赤みが差すも、両腕を俺の頭へと伸ばしてくる。
本当に可愛いな。
甘い蜂蜜の香りに誘われて、レンの中心へそっとと口づける。
今宵はまだ長い。
レンが欲するだけ、たくさん愛情を注いでやりたいと思った。
「っ……悪い」
いつの間にかユージーンが修復後の書類を回収に来ていたらしい。
今日は、新たな書類の束がないことに安堵する。
「……どうしたんだい?君、今日変だよ?
まあ、それでも他の誰よりも修復速度が早いのは違いないけどさ」
なかなか進まない魔法陣の修復を目にしながら、ユージーンはソファへと腰かけた。
これは、話せということだろう。
俺は諦めて筆を置く。
これは、スプラッシュ云々を相談したほうが良いのだろうか?
恋愛経験ど素人の俺よりも、こういうときはどうすべきが良いのかを知っているかもしれない。
「レンが……」
「レン君が?」
「俺のスプラッシュを見たいと言った」
「……それは、また───で?」
「今夜それをしなければならない」
「………」
さて、どうするべきか?とユージーンを目にすると、呆れを隠さないような顔つきで俺を見る。
「しなければならないって、そんな義務感でやることもないだろ?」
「約束を、してしまったんだ」
「なんでさ?」
「なんでも一つだけ言うことを聞くと言ったら、そう言ってきた」
「それに至った経緯は?」
「……やりすぎた」
「君さあ、あれ程……や、まあ、レン君がそれで許してくれるんなら、頑張るしかないね。諦めたら?」
「出来る気がしない。ユージーン、もし、恋人にスプラッシュが見たいと言われて了承し、相手の愛撫でそうならなかったときガッカリされないか?
レンの場合、“僕のやり方が悪い”と、自分を責めそうだ」
「そこを心配してるのかい?その時は、言葉を尽くすしかないだろう?
口下手な君だけど、レン君にはちゃんと言葉をかけているんだろうから、素直な気持ちを伝えればレン君だって納得してくれるはずだよ。
気持が良かったんならそう言えばいいし、して欲しいことがあるならそう言えばいい。
そこまで難しく考えなくたっていいと思うよ、僕は。
寧ろ、そうやって悩みながらじゃ気持ちよくいけないだろ?」
「そう、だな」
確かに、ユージーンの言う通りだ。
自分自身の行いにおいて、最初から出来なかった後のことを考えることは、今までの人生であまり経験がなかった。
今回が初めてとはいわない。
ただ、レンのこととなると、期待に沿えなかったときのことを考えてしまう。
今まで仕事ばかりだったからか、出来た後のことを考えることは山ほどしてきた。
後に出るだろう苦情、要望、新たな問題、それらにどう答えるか、もしくは折り合いをつけるか。
そして、このまま何もしなかったらどうなるか、という予測してきた。
そうならないために、領主として何が出来るか、だ。
最初から出来ること前提で考えているのだから、出来ない約束をしたことはなかった。
初めから出来ない場合はその理由とともに、出来ない、とはっきり告げてきた。
そして、出来るであろう別の案を提示してきた。
出来ると無謀なことを言って、実際やって出来なかった経験が俺にはあまりない。
「今日は帰って、それは明日にしたら?」
「ああ。なあ、ユージーン」
「なんだい?」
「出来ると約束したことが出来なかったことはあるか?」
「そんなの山ほどあるよ。
この日はデートが出来るかと言われて、出来ると言っていたのに、実際は休日返上で仕事になったりなんてざらだったし。
やってみて出来なかったことなんて、それこそ仕事もプライベートも数えきれないほどわんさかあるさ……え、君、もしかしてそういうのは」
「あまり記憶にない」
「嘘だろ?……や、確かに魔法士としては、やってみて出来なかったこと、僕の記憶の限りない、ね」
「領主としては出来ること前提で物を言う。ある程度のリスクは最初から考えうるだけ考えているが、やって出来ませんでした、やって失敗しました、なんて言えるか。信用を失うぞ」
「失敗から学ぶなんて普通のことだけれど……でも君の立場上しかたな……え?本当に仕方ないことなのか?いやいやそんなはず」
「失敗というか……思うように結果が出なかったときでも、その出なかった場合の次の手は予め複数考えておくだろ?」
「え?そんなの僕は考えないよ?その場その場でなんとかす……る───ああ、こういう僕の考えが、当主に向かないんだよねえ。
そこは……アレックスのそれは、変えなくていいところだと思う。
君は、理想を現実に落とし込んでから動くだろう?
理想はこうだが、実際に実現するならこっちだ、とか」
「まあ、そうだな」
「僕はね、あまりそこまで考えない。
魔法士というのは、僕みたいな方が多いと思う。
だから、採算が合わないなんていわれているのも事実だけれど、夢を追い求める魔法馬鹿な連中の集まりだよ?」
「確かに」
阿呆みたいに実験を繰り返してるやつもいるが、好きでのめり込んでる。
衣食住が後回しの奴なんてザラにいるな。
「少し、気が楽になった。ありがとう」
「そう?なら良かったよ」
今日は早く帰ったらどうだ、とのユージーンの勧めで、少しばかり早く帰ることにした。
とりあえずレンの好きにさせて、出来なければ出来ないなりに、言葉を尽くすしかないな。
ため息を飲み込み、意を決して屋敷へと戻った。
「……レン、すまないっ……その、そろそろ、諦めてくれないか?」
「え……」
ゆっくりと一緒に風呂へ入った後は、レンにとってお待ちかね“アレックスのスプラッシュタイム”だったわけだが。
それは、いくら頑張ってもらっても訪れなかった。
無理かもしれないと思っていたが、俺には無理なようだ。
射精後も手や唇で何度も良いように刺激されても、出るのは精液だった。
先に根をあげたのは俺の方だ。
毎回1,2回、多くて3回の射精で終えているにもかかわらず、今日はもう5回も射精している。
俺はレン程若くない。
正直、もう全てを搾り取られたような気がする。
勃つか?
もう、無理か?
勃ったとしても、もう何も出ないぞと言っている気がする。
「でも、まだ出来てないよ?……気持ちよくなかった?」
「気持ちいいと言っただろう?それに良くなかったら、5回もイってない」
「……もう勃たない?」
「限界だ」
「そっか」
そんな、しゅんとして、とっても残念そうな顔で言わないで欲しい。
俺ばかりイかされていたが、レンは今日は一度もイってないじゃないか。
「俺には向ていないみたいだ。期待に沿えず悪いが、レンの手はとても気持ちが良かった。
5回もイったんだ。それで、許してくれないか?」
「……うん、わかった。今日はもう終わりにするね」
「………ありがとう」
渋々俺の股間から両手を放すレンは、残念そうに呟いた。
ってか、今日はもうってなんだ?
今日じゃないが、また次があるのか?
勘弁してくれ。
「交代しよう」
「え?」
「俺ばっかだったろ?」
俺の股間を弄りながらも、レンの股間は少し頭を擡げているのがわかった。
今日はレンの頭しか撫でていない。
にもかかわらず、俺のを弄りながら興奮するだなんて、マジで可愛い。
レンを引き寄せ、立膝になる姿そのまま、目の前のパジャマと下着の紐を解き、膝まで落とす。
パジャマの裾から、俺の方へ頭を擡げるレン自身を目にし、可愛すぎて思わず笑ってしまった。
「なんで笑うの?」
「可愛すぎて。俺のを弄ってこうなったんだろ?」
「んんっ……ぁ……」
「ここ、欲しそうにパクパクしてる」
振るえる尻の蕾に人差し指の腹でくるくると撫でると、ぷつりと指先を飲み込んだ。
レンは抱かれることに少しずつ慣れてきたようだ。
毎日可愛がれば、そりゃそうだろうな。
まして、吸収力と進歩が高いレンだ。
「してない」
「してる。後ろも、中、気持ちよくしてやるから」
レンを横たわらせてズボンと下着を取り去る。
空間からポーションを取り出し、いつものように一度唾液を含ませて手に取ると、レンが大人しく膝を割り従順になったのがわかった。
なぜか、レンは俺がポーションを口に含んでから使うところを目にするのが好きらしい。
頬に赤みが差すも、両腕を俺の頭へと伸ばしてくる。
本当に可愛いな。
甘い蜂蜜の香りに誘われて、レンの中心へそっとと口づける。
今宵はまだ長い。
レンが欲するだけ、たくさん愛情を注いでやりたいと思った。
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