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本編

-366- 失言**

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「眠いか?」
「ううん、まだ大丈夫」

丁寧に清められて、裸のまま布団にくるまってると優しい手つきでアレックスが髪を梳くように頭を撫でてくれる。
えっちの後は、朝に綺麗にすることもあれば、今日みたいに夜に綺麗にすることもある。
洗浄の時の気恥ずかしさは慣れないけれど、えっちの後には洗浄具を使って綺麗にするっていう行為そのものには身構えなくなってきた。

今日は、アレックスは温かいタオルで全身優しく拭いてくれたよ。
別に、身体の中はともかく、外は浄化で良いのになって思うんだけれど、この方がさっぱりするから、って。
因みに、僕が浄化を使うのは、疲れただろうから、でやんわりと脚下された。
なんとなく、身体を拭くことすら楽しそうにしてるから、アレックスのしたいように任せちゃったのだけれど、自分だけさっさと浄化しちゃうところがアレックスだなあと思った。

際どいところを拭かれて、また感じそうになちゃったのはきっとお見通しだったと思う。
間近でくくっと笑われた。
『笑わないで』と言ったら、『すまない、つい』と言って、慰めるように額に口づけをくれた。
つい、の後は、可笑しかったからじゃなくて、可愛かったから、なんだと思うとそれ以上言えなかった。

僕の上で絶頂を迎える寸前、アレックスは、余裕のなさが見え隠れしてた。
それが凄くセクシーで色濃く野性的な視線で、たまらない気持ちになった。
けれど、終わるとすぐにこうやって穏やかで優しい視線を向けてくる。
僕も満たされてる気持ちでいっぱいだけれど、アレックスもとても満ち足りてる顔をしてる。

アレックスは、毎日ちゃんと丁寧だ。
毎日してるのに、前戯もおざなりにしない。
しっかり潤して、柔らかくなってから入れてくれる。
僕がやる前に解しておけばいいんじゃないかな?って思ったけれど、もうさせないとも言われていて、全部任せてくれって言われたら、それが一番良い。
誰だって、気持ちがいいほうが良いよね。
自分でするのと、アレックスがしてくれるのとじゃぜんぜん違うもん。
毎日身体も心も満たされて気持ちがいい。

けれど、毎日しているせいか、特別な感じはしなくなってきた。
勿論、ドキドキはするんだけれど、もう安心して任せられるっていうか。
これからどうなっちゃうんだろうっていう未知な感情というか、スリル的なものはなくなった。
毎回気持ちよくされて、毎回喘ぎに喘いで、毎回前でも後ろでもイかせてもらってる。
このまま日々のルーティンと化してしまうんだろうか?と思うとちょっぴりそれはそれで不安になる。

何が不安かって、アレックスが飽きないか、だ。
義務感じゃないって言ってくれたし、抱きたいから抱くとも言ってくれたし、毎日言葉でもちゃんとくれる。
でも、僕の反応はいつも同じになってる気がする。
かと言って、違う反応が出来る演技なんて最中に出来ない。
そんな余裕がないからだ。


「アレックス、厭きない?」
「は?……何にだ?」
「え?えっちが……その、毎日一緒で厭きないかなって思っ……」

そこまで言うと、アレックスは焦ったように僕をそのまま抱き上げるようにして抱きしめてきた。

「厭きない、厭きるわけない。レンは……飽きたのか?」
「え?」
「そんなことを聞いてくるってことは、そういう───」
「違うよ、そうじゃないよ!」

ぐいっと胸を押しやってアレックスを見上げると、凄く不安そうなアレックスの瞳とかち合った。

「僕は、毎日身体も心も満たされて気持ちがいいけど、毎回その、気持ちよくなって終わっちゃうから、いつも同じことしか言えてないし。
けど、違う反応が出来るかって言ったら、演技とかしてる余裕なんてないし……毎日おんなじことしか言えないから厭きないかなって思って」
「はあ……」

どうかな?ってアレックスを見ると、大きな安堵の息を吐いて、僕を抱えたままごろんと横になる。

「毎日一緒で厭きないかって聞くから、てっきりレンが飽きたのかと思っちまった」
「そんなことあるわけないよ!……んっ……あっ、アレックス?」
「厭きるわけないだろ?こうやってちょっと可愛がっただけで、反応してくれるんだから」

指の腹で胸の突起を転がされただけで、じんと感じてしまう。

「乳首、硬くなってる。こっちも」
「あっ!」

こっちもって言いながら、横抱きにしたまま後ろから腕を回すように僕のおちんちんをやんわりアレックスは手の中に包み込んでくる。

「あっ!待って待って、アレックス!さっき綺麗にしたばっかりだからっ!」
「また綺麗にすればいいだろ?」
「んんっ……けど」
「ほら」

ほら、と言いながら、僕の目の前にアレックスが右手を差し出す。
中指から人差し指にかけて、透明な液体が糸を引いてる。
全身に熱が上がるように羞恥心で顔を背けると、くすりを笑ってくる。
馬鹿にしてるわけじゃないけれど、凄く楽しそうだ。

「んんんっ、あっ、ああっ」
「ここ2,3日はスプラッシュまではさせてなかったか……」

左手でおちんちんを何度も擦り上げられて、右掌で先端をくるくると可愛がられると凄く気持ちが良くて、せりあがってきてるのが分かる。
腕を掴んでも辞めてくれないし、のけ反るように喘いでも、暖かくて頼もしいアレックスの胸元があるだけだ。

「ふうう……っあっああっ!っあっああっ!イく、いくうっ!あっ?!な、んなっなんで!出るっ!」

いつもならこのまま出させてくれるのに、アレックスは左手の親指で先端に蓋をしたままその下を抑えて、右手で僕のたまを揉み解してくる。
気持が良すぎてどうにかなっちゃいそうだし、せりあがっていきたいのにいけないっ!

「こっちもいっぱいだな」
「やあっ!良い、気持ちい、出る出る、出ちゃ」
「出るじゃなくて、イクんだろ?」
「うん、イクぅ……く、イクぅ、いきたい、ああっ、あああっ、擦ってっ!」
「もうちょっと我慢だ。ちゃんといっぱい、一回で全部いこうな」
「んんんっ!無理ぃ」
「無理じゃないだろ」
「ふうううっ……」

「腰、揺れてるぞ」
「ああっ、だって、アレックス、擦ってくれな」
「くそ可愛い……っ」
「っ……!!」

先端を解放されて強めにおちんちんを擦られて、さらに先端を右手でくるくると擦られると、もう我慢できない。
我慢っていつまで?
いつもなら、ぶしゃーっとその場で全部出しちゃうけれど、アレックスが我慢だって言うから、奥歯を噛みしめて無理矢理頑張ってる。
でも、先端からじょろじょろと垂れ流してるのが分かるし、全然我慢なんて出来てない。

「どうした?」

どうしたって、だって、もう無理だ。
これ以上出来ない。

「ふううっ……あああ、だってもう、がまん無理ぃ」
「ああ…っ悪かった。もうイっていいぞ」
「あああっ!!」

もうイっていい、との言葉を耳に、精液なのかスプラッシュなのか良く分からない大量の飛沫を上げて、あまりの気持ち良さと開放感にそのまま意識を手放した。
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