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本編

-351- 医者の見解 アレックス視点***

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昼の時間を10分早く切り上げて戻ってきたのは、レンの診察が気になって仕方なかったからだ。
『レンを医者に診せていたから少し早めに戻る』と告げると、『え?!うん、わかった、お大事に』とユージーンに言われて、少しばかり心苦しい気持ちになった。
や、けして疚しいことはしていないはずなんだが。

戻る場所は、勿論セバスを拠点にする。

「おかえりなさいませ」
「ああ、今戻った。───で」
「どうぞ、こちらです。レン様は至って健康そのものだそうですよ」
「そうか」

全てを言わずとも、セバスはイーサン先生が俺に宛てた手紙をよこしてくる。
とりあえず健康だと聞いてほっとしたが、すぐに封を切り、目を通す。

「……マジか」
「いかがなさいました?」

思わず呟いてしまったが、セバスに心配をかけてしまった。
だが、一応知らせておく必要はあるかもしれないな。
セバスとセオには伝えておかないと、後々俺が怒られそうだ。

「レンは魔力がかなり高いから、少しでも俺の魔力が足らないと不安になりやすいそうだ」
「つまり、足りていない……と」
「ああ。すぐにあの魔道具を取り去ってしまったのも原因らしいが」

手紙をそのままセバスに渡す。
呼んでもらった方が早いし、納得するだろう。
『よろしいので?』と一度確認してきたセバスだったが、俺が頷くとすぐに手紙に目を走らせた。
……いつも思うが、文章を読むこのスピードはどうなってんだ?と思うほど速くて正確なんだよな。

「この、『毎日たくさんたくさん愛してあげなされ』───というのは、爺には、毎日致しなさいと受け取れますが?」
「まあ、そういうことだろ?」
「寧ろレン様のご負担になりそうですが……」
「そこは俺も一番に気遣うぞ」
「他にやり用もございますが」

確かにある。
セックスせずともレンに体の負担を与えず、俺の精液を体内に取り込んでもらう方法は、手っ取り早く口から飲み込んでもらえばいいだけだ。
───が。

「それは駄目だろ、俺が無理だ、させたくない」
「まあそうでしょうとも。しかし……ここには書いてございませんが、アレックス様は言葉が足りません。
よろしいですか?医者に言われたから毎日なされる等、義務感からと思われてもおかしくない状況でございます」
「………」

確かに、言われてみればセバスの言う通りだ。より不安にさせかねない状況かもしれない。
セバスの視線が痛い。

「そう思われないように、よくよく留意なさってください」
「わかった」



「レン君の様子は大丈夫かい?」
戻って早々にユージーンが尋ねてきた。
一度やらかしてるからか、かなり心配をかけてしまったようだ。

「ああ。健康そのものだそうだ」
「そっか、なら良かったよ。神器様だって、頑丈じゃない、病気にもなるからね。何もなくて良かった。……その、おめでたでも無いんだろ?」
「ああ。ただ、魔力が足りなかったようだ」
「はい?……アレックス、君は───」
「正直二日と置いてない。だが、レンの魔力が高すぎるせいか、与えすぎくらいで丁度良いそうなんだ」
「あーなるほど……でも、それはそれで伝え方を間違えれば、より不安にさせかねやしないかい?」

セバスと同じような顔をしてユージーンが呟く。
俺の性格を知ってて言うんだから、二人とも人が良い。

「昼飯で話し合う内容でもないからな、夜にはきちんと話し合う」
「うん、それがいいよ」




「───レン、その、イーサン先生からの手紙を読んだ」
「うん」

風呂上りに、俺から話題にすることには、はっきりいって勇気がいった。
大の大人だが、『毎日やったほうが身体に良いので今日から毎日やるぞ』と直接的な言葉は言いづらい。
やったほうが良いってなんだ?ってことになるだろ?

「俺は正直毎日だってしたいくらいだが、レンは逆に負担じゃないか?」
「ううん、負担じゃないし僕は嬉しいよ?けど、毎日えっちなんていいのかな?」

いいぞ……と言いたいが、それは心の中だけにする。
レンが言っているのは、俺がどうなのかじゃなくて、モラル的にどうなのかって意味だからだ。
若いのにしっかりしてるな、マジで。

「毎朝ちゃんと起きて、きちんとやるべきことをすれば、爛れたりはしてないだろ?」
「うん」
「それに」
「ん?」

レンを誤解させないためにもきちんと言葉にしておかなくては。
より、不安にさせちまう。
今だって、可愛い顔してるが、ちょっと納得していないような、なんだか悲しそうな顔をしてる……気がする。

「必要だから抱くわけじゃない。別に抱かずとも方法はある。けど、義務感とかじゃなくて、したいからする」
「───うん」

伝わったか?……まだだな。

「あー……したいっていうのは、単に性欲がどうこうしてるわけじゃなくてだな」
「うん」
「レンのことが好きだからであって」
「うん」
「単に、俺が愛したいってことを分かってくれ」
「うん。嬉しい……ありがとう、アレックス」

ああ、ちゃんと伝わってくれたみたいだ。
すげー嬉しそうな顔で、お礼を言ってくるレンが可愛すぎる。
この顔は……他の奴にはあまり見せたくないな。
まして、ベッドの上だ。

「……んっ……っはあ……」

舌を味わう口づけを離すと、甘い吐息と共にとろんとした顔を見せてくる。
この顔は……ヤバいな、もっと可愛すぎる。

レンと視線がかち合う。
レンが、自らのパジャマのボタンを外すのを目に、俺も素早く脱ぎさる。
ちらちらと俺を見てくるレンには気が付いていたが、躊躇してもしょうがない。
先に脱ぎ去り、途中からレンの手と交代したい俺は、その欲望を叶えて心の内でほくそ笑んだ。



「ひああっ……はぁ、待って待って、待ってまた出ちゃうから待ってっ……ん──っ!」

俺だけのレンを見たいし、声をもっと聞きたい。
きゅうきゅうと気持ちよさげに後ろを締め上げてくるし、たっぷりと蜜で濡れて溢れてくる。
ナイトポーションのせいだけじゃないな、律動するたびエロい水音が響く。
あーすげー気持ちがいい。

待ってと言いながら、腰を揺らすレンが可愛すぎる。
前を勃たせて、先端からたらたらと露を零しているが、すでに二回射精していた。
良いところを突く。
奥深くより、その少し手前がレンは好きらしい。

「あっ、ああっ、そこばっかりぃ……んんんっはぁぁあっ」
「ああ、気持ちがいいな……っ」
「んんっ、気持ちいいっ……ふうぅっ……ああっあっあっ触っちゃ───」

俺が先にいきそうになり、奥まで突いてからレンの中心を両手で扱く。
じゃないと持たなかったからだ。
右で上下に扱きあげ、左で先端を掌で包み込んで強く撫でると、レンはぴゅうと精液を吐き出したその後に、勢いよく飛沫をあげてのけ反った。
今日は一段とまた凄い……っ、あーくっそ、感動してる余裕は俺にもない。

「っ……はー……」

搾り取るかのような蕾の奥に、精液を流し込む。
……些かやりすぎかもしれない。
だが、今日から毎日、だ。
今日が始めだとしたら、少しくらい……いいわけにはならないな。

「んっ……」

すぐに抜かずに互いの息が整うまで、互いっつーか、レンの、だ。
なるべく動かずにそっと抱きしめる。
いってすぐのレンは、ちょっとした動きに敏感で、また可哀そうなことになるからだ。
肩で息をつく中、時折可愛い鼻息が聞こえる。

落ち着いたのを見計らい、ゆっくりとレンの中から出ると、ちゅぷり、と尻穴から可愛いくも卑猥な音が聞こえた。
蕾が閉じるほんのわずかなの間、流れる蜜と俺の精液が交じり合ったもんがとろりと溢れ、ぽたり、とシーツに一滴落ちる。

官能的で、卑猥で、どこか神秘的に思えた。
レンに関しちゃ、俺も立派に変態だな。
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