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本編
-326- ティッセルボナー
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僕のものより、先にヴィオラとステラのものをお願いしたいけれど、でも、その前にせっかくだからブルーノにも顔を出す。
ブルーノにも、既製品だけれどお祝いに私服をプレゼントすることを直接伝えたいし、折角来てくれたのだから挨拶くらいしておきたい。
「どうかされましたか?」
「あ、レン様!おはようございます!」
「おはよう、ブルーノ」
ブルーノは朝から元気いっぱいだ。
しっぽがぶんぶん振られていそうな眩しい笑顔で挨拶してくれる。
扉を開いたセバスは僕が来たことに少し驚いている様子だ。
予定になかったもんね。
「あ、うん。ブルーノの方は早く決まると思うけれど、お祝いに既製品で私服をプレゼントしたいんだ。
だから、採寸とデザインが選び終わったら、既製品の中からいくつか服を選んでほしくて」
「わー!良いんですか?!」
「うん、勿論」
「ありがとうございます!すげー嬉しいです。警備隊は制服も作業着も支給で、俺が持ってるのこれだけだったから助かります!」
「え?!」
「あ、ちゃんと毎日浄化はかけてます!綺麗です!」
そういう問題じゃない。
洋服がひとつだけなんて、いくら普段が制服だって言っても問題がある。
エリソン侯爵家の使用人見習いが、服も満足に与えられてないなんてあってはならないはずだ。
セバスもセオも、ティッセルボナーの店員さんもみんながびっくり顔だ。
「セバス、一緒に選んであげて。最低でも三着ずつね、あとアウターも」
「畏まりました」
にこにこ顔のブルーノはあまり気にならないみたいだ。
あ、でも今ブルーノが着ている服はブルーノにちゃんと大きさもぴったり合っていて、良いもので新しいものだろうなっていうのはわかるよ?
くたっと感というか、着古した感じはない。
それに、トラッド系のややかっちりしたスタイルだ。
裕福な商家か貴族のお坊ちゃん……黙っていたら、だけれど。
「その服は自分で買ったの?」
「辺境伯さまが面接用にって買ってくれました」
「ブルーノにすごく似合ってるし、ちゃんと体にあってるし良いものだね」
「今まで入ったことのないような高そうなお店でした!時間がないからって、既製品を詰め直して貰ったんです」
「そうなんだ」
そっか。一から作らなくても、詰めることは可能なんだ。
元の世界でも、対応してくれるお店はあったもんね。
「私共のお店でも、お直しできますので必要でしたらお申し付けくださいませ」
「ありがとう、助かるよ」
「っとんでもございません!」
ティッセルボナーでもお直し出来るみたいだ。
体にあった服のほうが良いもんね。
お礼を言うと、ぴゃっと慌てて頭を下げてくる。
お礼を言われるとは思っていなくてテンパっちゃったのかもしれない。
「じゃあ、ブルーノ、また後でね」
「はい!」
「レン様、ご自身のはよろしいのですか?」
さて、次はヴィオラとステラのところへ、と思ったところでセバスがそっと僕に聞いてくる。
「ヴィオラとステラのデザインを一緒に考えた後にお願いしたよ?」
「そうでしたか」
「うん、公の場で着るスーツを一着と、アレックスとのデートに着る服を二着。
一着はカジュアルなものにして貰ったんだ」
「よろしいかと思います」
「時間はあるみたいだから、僕のは急がないし、一度休憩を挟んでもらっても構わないと思ってるんだけれど」
「畏まりました」
僕も今日は時間がある。
元々、みんなにちょっと顔を出して挨拶をする以外は、読書とピアノかな、なんて呑気に思っていたくらいだ。
「じゃあ、セオ、次ステラとヴィオラのところへ」
「はい、そうしましょ」
ブルーノにも、既製品だけれどお祝いに私服をプレゼントすることを直接伝えたいし、折角来てくれたのだから挨拶くらいしておきたい。
「どうかされましたか?」
「あ、レン様!おはようございます!」
「おはよう、ブルーノ」
ブルーノは朝から元気いっぱいだ。
しっぽがぶんぶん振られていそうな眩しい笑顔で挨拶してくれる。
扉を開いたセバスは僕が来たことに少し驚いている様子だ。
予定になかったもんね。
「あ、うん。ブルーノの方は早く決まると思うけれど、お祝いに既製品で私服をプレゼントしたいんだ。
だから、採寸とデザインが選び終わったら、既製品の中からいくつか服を選んでほしくて」
「わー!良いんですか?!」
「うん、勿論」
「ありがとうございます!すげー嬉しいです。警備隊は制服も作業着も支給で、俺が持ってるのこれだけだったから助かります!」
「え?!」
「あ、ちゃんと毎日浄化はかけてます!綺麗です!」
そういう問題じゃない。
洋服がひとつだけなんて、いくら普段が制服だって言っても問題がある。
エリソン侯爵家の使用人見習いが、服も満足に与えられてないなんてあってはならないはずだ。
セバスもセオも、ティッセルボナーの店員さんもみんながびっくり顔だ。
「セバス、一緒に選んであげて。最低でも三着ずつね、あとアウターも」
「畏まりました」
にこにこ顔のブルーノはあまり気にならないみたいだ。
あ、でも今ブルーノが着ている服はブルーノにちゃんと大きさもぴったり合っていて、良いもので新しいものだろうなっていうのはわかるよ?
くたっと感というか、着古した感じはない。
それに、トラッド系のややかっちりしたスタイルだ。
裕福な商家か貴族のお坊ちゃん……黙っていたら、だけれど。
「その服は自分で買ったの?」
「辺境伯さまが面接用にって買ってくれました」
「ブルーノにすごく似合ってるし、ちゃんと体にあってるし良いものだね」
「今まで入ったことのないような高そうなお店でした!時間がないからって、既製品を詰め直して貰ったんです」
「そうなんだ」
そっか。一から作らなくても、詰めることは可能なんだ。
元の世界でも、対応してくれるお店はあったもんね。
「私共のお店でも、お直しできますので必要でしたらお申し付けくださいませ」
「ありがとう、助かるよ」
「っとんでもございません!」
ティッセルボナーでもお直し出来るみたいだ。
体にあった服のほうが良いもんね。
お礼を言うと、ぴゃっと慌てて頭を下げてくる。
お礼を言われるとは思っていなくてテンパっちゃったのかもしれない。
「じゃあ、ブルーノ、また後でね」
「はい!」
「レン様、ご自身のはよろしいのですか?」
さて、次はヴィオラとステラのところへ、と思ったところでセバスがそっと僕に聞いてくる。
「ヴィオラとステラのデザインを一緒に考えた後にお願いしたよ?」
「そうでしたか」
「うん、公の場で着るスーツを一着と、アレックスとのデートに着る服を二着。
一着はカジュアルなものにして貰ったんだ」
「よろしいかと思います」
「時間はあるみたいだから、僕のは急がないし、一度休憩を挟んでもらっても構わないと思ってるんだけれど」
「畏まりました」
僕も今日は時間がある。
元々、みんなにちょっと顔を出して挨拶をする以外は、読書とピアノかな、なんて呑気に思っていたくらいだ。
「じゃあ、セオ、次ステラとヴィオラのところへ」
「はい、そうしましょ」
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