上 下
313 / 415
本編

-313- 早く起きた朝は**

しおりを挟む
「ん……」

ふと目が覚める。
うっすらと光が差し込んでるけれど、少し起きるには早い時間だ。
部屋は空調がきいているから寒くはない。
それでも、何となく日に日に冬に近づいてる気がする。

あったかい。
今日も隣にアレックスがいる。
そのことに、酷く安堵した。

今日は使用人の面談最終日。
5日間にわたる面談も長いようで短かった。
今日もどうなるかわからないけれど、良い人が来てくれるかどうかを今気にしてもしょうがない。
来たら来たで、縁があったことに感謝して、来なければ来なかったで、また折を見てセバスに頼んで、募集をかけて貰えばいいことだ。

それに、駄目だったからと言って悲観しなくてもいいと思う。
今回のやり方だと、面談に関わったみんなの負担が大きい。
勿論僕もだ。
次に使用人を募集するときは、色々と改善点が出てくるはず。
そう思えば、もし、良い人が来なかったとしても今日の面談にもやる価値があるってことだ。

昨日、ヴァンとステラを採用できたことは、とても大きな収穫だったと思う。
二人とも能力は申し分なくすぐれている上に、みんなとうまくやっていけそうだと思ってる。

ヴァンは、癖が強いし食えない男だ。
でも、あの柔軟な思考と要領の良さは、レナードにとってもいい刺激になるだろうしその逆もまたしかり。
二人にとって、お互い成長出来るだろうし、レナードは人としてだけじゃなくて、頼れる家令になれるだろう。

夕飯の時に、レナードが今まで次期家令としなかった理由をセバスに聞いたら、おおよそ僕が思っていた通りの答えだった。
勿論、人手不足だったことも、大きな理由だけれど。

『芯が強く、まっすぐな性格です。正義感が強く、物事において先を見据える力もございます。
反面、他人の心に疎く、また、良くも悪くも、自分自身にも他人にも厳しい。
不正は勿論、手を抜くことを許さず善悪がはっきりし過ぎております。
能力的には申し分ないのに性格的には向かない、そう考えておりました。
アレックス様の希望であり本人も望んでいるとは言え、変わるのは難しいと思っていました。
ですが、あのような男を傍に置けば、嫌でも考え方は少しずつ変わっていくでしょう』

そう言って、セバスは柔らかな笑顔を見せてくれたよ。

ステラは、やっぱり、どことなく母さんに雰囲気が似てるんだよね。
柔らかさというか、空気感というか。
過酷な人生を歩んできたようだし、セバスの懸念するような感覚とはちがって、僕にはなぜか彼女に安心感を感じた。

能力は勿論だけれど、乳母は出来れば母さんみたいな人が良いなって思っていたんだ。
それに、元貴族であるだろう綺麗な所作と魔力の高さは、もし生まれてきた子供が稀にない女の子だとしても安心できる。
女性の乳母を探すのはとっても大変だろうなって思ってたから、コナーさんに感謝だ。



すっかり目が覚めて、ぬくぬくと布団の温かさに幸せをかみしめてると、アレックスが寝返りをうって、僕をそっと抱きしめてきた。

あ……アレックス、勃ってる。
一瞬、アレックスが起きたのかなって思ったけれど、そうじゃないみたいだ。
朝勃ち?それとも、疲れマラっていうやつかな?
お腹の下、パジャマの布越しに、硬くて熱いアレックスがあたってくる。

そっと手を伸ばして、パジャマの上から撫でてみるけれど、アレックスは寝たままだ。
こういう時って、どうするのが正解なのかな?
そのままにするほうが良いのかな、なんて思うけれど、こう硬くて熱いのを知っちゃうと、僕の方がちょっとえっちな気分になってくる。


手探りでアレックスのパジャマの紐をほどいて、そのまま、そっと下着の紐をほどく。
アレックスは、気づく気配もない。
まだぐっすり寝てるし、穏やかで規則正しい呼吸をしてる。

先にこっちだけ起きちゃったんだね。
アレックスのおちんちんはとっても元気いっぱいだ。
直に頭を掌で撫でてると、少しだけぬめりが出てきた。

「ん……」
「?」

アレックスはちょっと息をつめて、眉を顰めてから仰向けになった。
じっと観察してみるけれど、目を覚ましたわけじゃなさそうだ。

これは、チャンスじゃないかな?
何のチャンスって、アレックスのおちんちんを手じゃなくて口で愛撫するチャンスだ。

思うんだけれど、アレックスが気持ちよくしてくれたその後で僕がってなると、この間みたいに、今日はいいからって言われそうだ。
そうなると、僕がアレックスのおちんちんを口にするのは、この先いつになるかわからない。

最初から宣言すればいいんだけれどね、今夜は僕が最初にアレックスのをしてみたいって。
でも、うん……今してみたいな。
チャンスっていう理由をつけて、僕が今してみたいって思ってるだけかも。


もぞもぞと布団にもぐりこみ、オレンジのいい香りを放つアレックスのおちんちんに、そっと唇を寄せた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

イケメン教師陵辱調教

BL / 連載中 24h.ポイント:937pt お気に入り:2,403

最愛の推しを殺すモブに転生したので、全力で救いたい!

BL / 完結 24h.ポイント:731pt お気に入り:2,315

婚約者の彼から彼女の替わりに嫁いでくれと言われた

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:12,461pt お気に入り:482

同室のアイツが俺のシャワータイムを侵略してくるんだが

BL / 連載中 24h.ポイント:10,580pt お気に入り:587

【異世界大量転生5終】辺境伯次男は鬱展開を全力で回避する

BL / 完結 24h.ポイント:411pt お気に入り:3,404

おっさんが願うもの

BL / 連載中 24h.ポイント:3,347pt お気に入り:590

おしがま!!

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:511pt お気に入り:4

家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!

ライト文芸 / 連載中 24h.ポイント:9,826pt お気に入り:970

乙女ゲームの本編前に悪役令嬢を孕ませて破滅フラグを回避する!

yui
恋愛 / 連載中 24h.ポイント:42pt お気に入り:3,393

処理中です...