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本編
-312- 大富豪と僕の決意
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「ぶはっ!」
「っ!?お前はカードが見えてるからって人のことを馬鹿にし過ぎだろう!」
「してないしてない、してないです。いやあ、持ち手と出し方に性格現れてるっていうかなんていうか───レン様、そろそろいってくれません?」
「まだ早いでしょ、僕だって富豪を守りたいよ。自分でやんなよ」
「俺が出来たら自分でしてますー」
ジョーカーの後にやってるのは、大富豪だ。
大富豪にしたのは、セオのリクエストから。
ヴァンが『あ、なら、ポーカーで』なんてへらっと笑ってきたけど、ポーカーは脚下だ。
ポーカーなんて、ヴァンが有利過ぎちゃうもん。
大富豪は、持ち手のカードは変わらないし、上りは持ち手がなくなれば上がり。
最初に配られるカードは運が左右される。
ヴァンが、全てのカードが見えていたとしても全てをコントロールできるものじゃない。
それに、隣にいるセオにどうにかして大富豪を取らせようとするはず。
そして、ジョーカーとは違い時計回りに進んでる。
ヴァンが、左にレナード、右にセオを抱えた状況で、セオを上がらせるのは至難の業だ。
当然のごとく、ヴァンは革命とイレブンバックを提案してきた。
どちらも反時計回りになり、カードの優劣も反転するっていうものだ。
4枚カードが揃うことは稀だから、その場だけでも逆転するイレブンバックが欲しかったんだろう。
ヴァンはやたら詳しくて、他にもどうにかして逆回転を増やしたいと、僕の知らないクーデターやらエンペラーやらナインリバースを追加しようとしてきた。
それらは、セオとレナードに却下されちゃったんだけれどね。
この世界、本当に誰かが作った世界じゃないのかな?ってところが偶にある。
トランプがあって、遊び方も元の世界と同じなんだもん。
こういうところ、ちょっとだけもやっとするけれど、考えてもどうにもならないことだっていうのも分かる。
因みに、定番ルールの他は、革命とイレブンバックの他、階段だけ。
他の追加ルールはない。
で、ヴァンがいう、そろそろいってくれませんか?は、革命だ。
僕の手札には、運よくクイーンが4枚揃ってる。
でも、この4枚以外は結構分かれてて、強いカードもあれば弱いカードもあって、他はバラバラ。
総合的に見たら、普通のカードだった。
因みに、これは3回目。
2回の順位は同じだった。
大富豪がセオ、富豪が僕、貧民がヴァンで、大貧民がレナードだ。
僕とセオが抜けて、手札が少なくなった状況で、ヴァンとレナードだけの勝負はどう考えたってヴァンが勝ってしまう。
ジョーカーの時は、ジョーカー以外引くなといったセオも、大富豪では何も言わなかった。
セオを優先にしなければ、ヴァンだって大富豪を望めるのにそれをしない。
それがあるから、見るな、とは言わない。
言ったって見ちゃうんだろうし、見てなかったとしたってヴァンが勝ったら見たんじゃないか?って疑いが生まれる。
そんなのは楽しくないよね。
「レン様は、なぜカードゲームが強いんですか?見えてるわけじゃないでしょう」
「心理戦だから、かな?相手によるよ?おばあ様やステラ相手じゃ勝てないと思うし、お父さま相手じゃきっと読めない。
アレックスとだったら、いい勝負できそう」
「それは私なら余裕だと思われているみたいで癪です」
「レナードは、二回とも大貧民だったでしょ?」
「私はそもそもトランプ自体殆どしたことがありません!初心者です!ギャンブルはしないんですよ、この男と違って!」
「えー?俺だって用事がなければ好きでカジノに出入りなんてしてないですー」
ヘラっと笑うヴァンだけれど、仕事では度々出入りしていたんだろうなあ。
「パス」
セオが明後日の方向を見ながらパスを言い出した。
僕が出したのは10だけれど、え?本当に?もうパス?
「レン様ー早くー俺はもう待てません」
「分かったよ」
早く革命を起こせと急かすヴァンは、だからかと思う。
それに、さっきから何度かその場を流してるレナードは、もしかしなくても結構いい数字を揃えていそうだ。
ジョーカーは、既に階段でセオが使った後だ。
このままだと、手札的にもレナードが大富豪を勝ち取る可能性もある。
それは、僕としても面白くない。
「ヴァンと二人きりで分からない話をしないでください!」
「その台詞、セオさんに言って欲しかったなー、レナードさんに言われても全然嬉しくないんですけどー」
「っ!!」
セオは大きなため息をついて下を向くけれど、顔がちょっぴり赤い。
レナードはより剣呑になってる。
でも、なんだか、トランプをやる前よりずっと打ち解けてる感じがするし、ヴァンも僕とレナードに慣れたんじゃないかな?
面白そうな顔して気に入ったっていうくらいだから、ヴァンはレナードのことを本当に気に入ったんだろうと思う。
上手くやっていけそうだ。
レナードのエースに2で上がり、僕は手持ちのクイーン4枚を場に出した。
「はいどうぞー」
「レン様、夕食のお時間です」
革命後、しばらくして扉のノックが聞こえてきた。
入ってきたのは、セバスだ。
僕を見た後に、ぐるりと状況を確認して、興味深そうな顔をする。
「ありがとう、セバス。───じゃあ、ここでお開きで」
「え!?いやいや、これ次で俺が富豪になれるチャン……ス、や、はい、ですね、はい、お開きで……あ゛ぁぁ」
セバスの厳しい視線に、ヴァンが両手を顔の真横に、降参のポーズを作る。
心底残念そうな顔だ。
レナードが諸刃の剣って言っていたし、実際そうかもしれない。
けれど、上手く扱えばこっちのダメージはちゃんと回避できるし防ぐことも出来るはずだ。
ヴァンがレナードを気に入ってくれたのなら、またその可能性は高くなる。
レナードも、ヴァンを心から嫌ってる感じはない。
気に食わないは気に食わないんだろうけれど、器用で出来るっていう点では認めてるはずだ。
これから仕事で結果を出し続ければ、より仲は良くなるだろう。
案外、今でも、口で言うほど悪くない気がするし。
「泊まるのはなしだけど、セオとご飯を一緒に食べてって?
セオはいつも僕が食べてる間に食べるって言っていたし、マーティンのご飯、美味しいよ?」
「え?いいんですか?」
「うん。───いいよね?セバス」
「……まあ、いいでしょう。好きにしなさい」
「爺さま、俺の意志は?」
「あなたに聞かなくても分かります」
「う゛……はい、いいです。レン様、ありがとうございます」
にこにこ顔で嬉しそうなヴァンと、多くのカードを手にしたままぐったりしてるレナードと、いたたまれないような顔してお礼を言ってくるセオ。
けして無駄な時間じゃなかったって思う。
「……セバス、アレックスは?」
「申し訳ございません」
「うん、セバスのせいじゃないから謝らなくて良いんだけど、連絡は取れてる?」
何の連絡も取れずに、万が一事件や事故に巻き込まれていたりしたらなんてことはないよね?
出来るだけ戻るって言ってくれたし、忙しい時でもちゃんと食べるように言ったから、時間があったらご飯は取りに来てくれるはず。
お茶の時間も、出来るだけ戻るって言っていたし。
それが出来ないんだから、もしかして、単に忙しいだけじゃないんじゃないかな、と思う。
「二次試験が終わってすぐに一度連絡が入っております。心配せずとも問題はございません」
「……わかった」
こういう言い方をされた場合、僕には言わなくていいってことだろう。
言わなくていいというか、知られるとまずいというか。
そこを追及するのは今は避けたいし、そう何度も僕がしゅんとしてたらセバスに罪悪感を与えちゃう。
今まで残念に思っていたけれど、僕だって少しずつは成長してると思いたい。
残念に思うけれど、態度に出しちゃ駄目だ。
だから、今は、きちんと受け止める。
セオもだけれど、アレックスもセバスも優しさから言わないってことがあることはわかってる。
神器の生態についてもそうだったし、これまでも他にも何度かあった。
僕を悲しませないため。
大切にしてくれてるってわかる。
それに。
もしアレックスが忙しい理由が、僕の知らないところでアレックスが僕のフォローしてるっていうのなら、それは今の僕に力がないのが原因だ。
僕に出来ないから、アレックスがやってることになる。
僕に出来るなら、セバスが僕に振ってくるはずだ。
それがないんだから、僕にはまだ無理だということ。
知りたいなら、本当の意味で僕が頼りがいのあるエリソン侯爵夫人にならなければいけない。
「レン様……」
「大丈夫。早く頼られるように頑張るね」
「───レン様のお心遣いに感謝いたします」
「っ!?お前はカードが見えてるからって人のことを馬鹿にし過ぎだろう!」
「してないしてない、してないです。いやあ、持ち手と出し方に性格現れてるっていうかなんていうか───レン様、そろそろいってくれません?」
「まだ早いでしょ、僕だって富豪を守りたいよ。自分でやんなよ」
「俺が出来たら自分でしてますー」
ジョーカーの後にやってるのは、大富豪だ。
大富豪にしたのは、セオのリクエストから。
ヴァンが『あ、なら、ポーカーで』なんてへらっと笑ってきたけど、ポーカーは脚下だ。
ポーカーなんて、ヴァンが有利過ぎちゃうもん。
大富豪は、持ち手のカードは変わらないし、上りは持ち手がなくなれば上がり。
最初に配られるカードは運が左右される。
ヴァンが、全てのカードが見えていたとしても全てをコントロールできるものじゃない。
それに、隣にいるセオにどうにかして大富豪を取らせようとするはず。
そして、ジョーカーとは違い時計回りに進んでる。
ヴァンが、左にレナード、右にセオを抱えた状況で、セオを上がらせるのは至難の業だ。
当然のごとく、ヴァンは革命とイレブンバックを提案してきた。
どちらも反時計回りになり、カードの優劣も反転するっていうものだ。
4枚カードが揃うことは稀だから、その場だけでも逆転するイレブンバックが欲しかったんだろう。
ヴァンはやたら詳しくて、他にもどうにかして逆回転を増やしたいと、僕の知らないクーデターやらエンペラーやらナインリバースを追加しようとしてきた。
それらは、セオとレナードに却下されちゃったんだけれどね。
この世界、本当に誰かが作った世界じゃないのかな?ってところが偶にある。
トランプがあって、遊び方も元の世界と同じなんだもん。
こういうところ、ちょっとだけもやっとするけれど、考えてもどうにもならないことだっていうのも分かる。
因みに、定番ルールの他は、革命とイレブンバックの他、階段だけ。
他の追加ルールはない。
で、ヴァンがいう、そろそろいってくれませんか?は、革命だ。
僕の手札には、運よくクイーンが4枚揃ってる。
でも、この4枚以外は結構分かれてて、強いカードもあれば弱いカードもあって、他はバラバラ。
総合的に見たら、普通のカードだった。
因みに、これは3回目。
2回の順位は同じだった。
大富豪がセオ、富豪が僕、貧民がヴァンで、大貧民がレナードだ。
僕とセオが抜けて、手札が少なくなった状況で、ヴァンとレナードだけの勝負はどう考えたってヴァンが勝ってしまう。
ジョーカーの時は、ジョーカー以外引くなといったセオも、大富豪では何も言わなかった。
セオを優先にしなければ、ヴァンだって大富豪を望めるのにそれをしない。
それがあるから、見るな、とは言わない。
言ったって見ちゃうんだろうし、見てなかったとしたってヴァンが勝ったら見たんじゃないか?って疑いが生まれる。
そんなのは楽しくないよね。
「レン様は、なぜカードゲームが強いんですか?見えてるわけじゃないでしょう」
「心理戦だから、かな?相手によるよ?おばあ様やステラ相手じゃ勝てないと思うし、お父さま相手じゃきっと読めない。
アレックスとだったら、いい勝負できそう」
「それは私なら余裕だと思われているみたいで癪です」
「レナードは、二回とも大貧民だったでしょ?」
「私はそもそもトランプ自体殆どしたことがありません!初心者です!ギャンブルはしないんですよ、この男と違って!」
「えー?俺だって用事がなければ好きでカジノに出入りなんてしてないですー」
ヘラっと笑うヴァンだけれど、仕事では度々出入りしていたんだろうなあ。
「パス」
セオが明後日の方向を見ながらパスを言い出した。
僕が出したのは10だけれど、え?本当に?もうパス?
「レン様ー早くー俺はもう待てません」
「分かったよ」
早く革命を起こせと急かすヴァンは、だからかと思う。
それに、さっきから何度かその場を流してるレナードは、もしかしなくても結構いい数字を揃えていそうだ。
ジョーカーは、既に階段でセオが使った後だ。
このままだと、手札的にもレナードが大富豪を勝ち取る可能性もある。
それは、僕としても面白くない。
「ヴァンと二人きりで分からない話をしないでください!」
「その台詞、セオさんに言って欲しかったなー、レナードさんに言われても全然嬉しくないんですけどー」
「っ!!」
セオは大きなため息をついて下を向くけれど、顔がちょっぴり赤い。
レナードはより剣呑になってる。
でも、なんだか、トランプをやる前よりずっと打ち解けてる感じがするし、ヴァンも僕とレナードに慣れたんじゃないかな?
面白そうな顔して気に入ったっていうくらいだから、ヴァンはレナードのことを本当に気に入ったんだろうと思う。
上手くやっていけそうだ。
レナードのエースに2で上がり、僕は手持ちのクイーン4枚を場に出した。
「はいどうぞー」
「レン様、夕食のお時間です」
革命後、しばらくして扉のノックが聞こえてきた。
入ってきたのは、セバスだ。
僕を見た後に、ぐるりと状況を確認して、興味深そうな顔をする。
「ありがとう、セバス。───じゃあ、ここでお開きで」
「え!?いやいや、これ次で俺が富豪になれるチャン……ス、や、はい、ですね、はい、お開きで……あ゛ぁぁ」
セバスの厳しい視線に、ヴァンが両手を顔の真横に、降参のポーズを作る。
心底残念そうな顔だ。
レナードが諸刃の剣って言っていたし、実際そうかもしれない。
けれど、上手く扱えばこっちのダメージはちゃんと回避できるし防ぐことも出来るはずだ。
ヴァンがレナードを気に入ってくれたのなら、またその可能性は高くなる。
レナードも、ヴァンを心から嫌ってる感じはない。
気に食わないは気に食わないんだろうけれど、器用で出来るっていう点では認めてるはずだ。
これから仕事で結果を出し続ければ、より仲は良くなるだろう。
案外、今でも、口で言うほど悪くない気がするし。
「泊まるのはなしだけど、セオとご飯を一緒に食べてって?
セオはいつも僕が食べてる間に食べるって言っていたし、マーティンのご飯、美味しいよ?」
「え?いいんですか?」
「うん。───いいよね?セバス」
「……まあ、いいでしょう。好きにしなさい」
「爺さま、俺の意志は?」
「あなたに聞かなくても分かります」
「う゛……はい、いいです。レン様、ありがとうございます」
にこにこ顔で嬉しそうなヴァンと、多くのカードを手にしたままぐったりしてるレナードと、いたたまれないような顔してお礼を言ってくるセオ。
けして無駄な時間じゃなかったって思う。
「……セバス、アレックスは?」
「申し訳ございません」
「うん、セバスのせいじゃないから謝らなくて良いんだけど、連絡は取れてる?」
何の連絡も取れずに、万が一事件や事故に巻き込まれていたりしたらなんてことはないよね?
出来るだけ戻るって言ってくれたし、忙しい時でもちゃんと食べるように言ったから、時間があったらご飯は取りに来てくれるはず。
お茶の時間も、出来るだけ戻るって言っていたし。
それが出来ないんだから、もしかして、単に忙しいだけじゃないんじゃないかな、と思う。
「二次試験が終わってすぐに一度連絡が入っております。心配せずとも問題はございません」
「……わかった」
こういう言い方をされた場合、僕には言わなくていいってことだろう。
言わなくていいというか、知られるとまずいというか。
そこを追及するのは今は避けたいし、そう何度も僕がしゅんとしてたらセバスに罪悪感を与えちゃう。
今まで残念に思っていたけれど、僕だって少しずつは成長してると思いたい。
残念に思うけれど、態度に出しちゃ駄目だ。
だから、今は、きちんと受け止める。
セオもだけれど、アレックスもセバスも優しさから言わないってことがあることはわかってる。
神器の生態についてもそうだったし、これまでも他にも何度かあった。
僕を悲しませないため。
大切にしてくれてるってわかる。
それに。
もしアレックスが忙しい理由が、僕の知らないところでアレックスが僕のフォローしてるっていうのなら、それは今の僕に力がないのが原因だ。
僕に出来ないから、アレックスがやってることになる。
僕に出来るなら、セバスが僕に振ってくるはずだ。
それがないんだから、僕にはまだ無理だということ。
知りたいなら、本当の意味で僕が頼りがいのあるエリソン侯爵夫人にならなければいけない。
「レン様……」
「大丈夫。早く頼られるように頑張るね」
「───レン様のお心遣いに感謝いたします」
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