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本編
-296- 神器な僕
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いくつか読んだから言えることなんだろうな、と思う。
セオは、僕が思っているよりずっと知らないところで勉強してくれたみたいだ。
僕付きになったからってことかな、そうだろうな、多分。
それが知れてよかった。
それと、僕があんな状態になったのは、本当に変でも何でもなかったみたいだ。
神器の身体だから、そういう理由みたい。
それに、セオが謝ることなんて全然ない。
だって、ユージーンさんがすごく驚いていたことだ。
ってことは、通常ならあり得ないって思うくらい、知られてることだったはずだ。
「セオ、謝らないで?
ユージーンさんがすごく驚いていたくらいだから、普通に考えたら僕の身体からアレックスの魔力がなくなる状態の方がおかしかったんでしょ?」
「はい……ですね、その、あり得ないくらいには」
「やっぱりそっか……」
「はい。神器様でなくとも、恋人や夫婦であったら、一部例外を除き、魔力交換は自然にされるものですから」
「そっか」
アレックスも恋人は僕が初めてだ。
それに、今まで望んでも、本当の意味でその相手が国中を探していない状態だったアレックスに対して、恋人の話はタブーだったと思う。
きっとオリバーさんもユージーンさんもしてこなかったはずだし、セバスだってしなかったはずだ。
歳とか関係なく、だ。
アレックスだって必要と思わなかっただろうし、なら今から必要かって言われたらそれも首をかしげちゃう。
恋人同士はこうあるべき、なんてこと、ないからだ。
会う回数は週に何回だとか、エッチは週に何回だとか、そんな決まりはないし人それぞれ、だと思う。
アレックスに対して、神器様について学べっていうのも、セオやセバスがすることかって言ったらそうじゃないと思う。
そういうのは、自分から必要だって感じた時に、自分からすべきことなんだよね、セオがそうしたように。
セオがこんな目をするくらいだから、読んでいていい気分じゃなかったはずだ。
アレックスは極力僕を神器様じゃなくて、ひとりの人として扱ってくれてる。
だから、故意に神器様に関する情報は、自らも避けていたんじゃないかな?
宮廷で働いてるんだもん、同伴されてる神器様を目にしたことくらいあるだろうし。
誰が悪いだとか、ない。
でも、じゃあ何でこんなことが起きたのか、と問われれば、僕自身が神器様に関して無知だったことが原因だ。
だから、原因は僕自身にある。
知りたいと言えば、セバスやセオは教えてくれただろう。
神器という存在に変わってしまった僕の身体について、ちゃんと受け入れて興味を持っておくべきだった。
「因みに一部の例外って?」
「魔力の相性が悪い場合です。貴族間ではあることですから」
「そっか」
「本は……そうだなあ、セオがお勧めしないなら、今はいいかな、読まない。
でも、神器っていう体の仕組みとか精神状態だとかは知っておきたいから、教えて貰ってもいい?
性の教育ってあるだろうけれど、そういう感じで。
神器様の身体はこうなってます、的なことは知っておきたい。
さっき、ユージーンさんと話していた時に、ヒートとか熱だとか言っていたでしょ?
僕の身体のことだから、僕自身が知っておくべきことだと思うんだ。
今すぐにってわけじゃないよ?
でも、エリソン侯爵領の勉強よりは先に学んでおきたい」
「わかりました。爺さまにも話を通しておきます」
「うん」
「セオ、ありがとう」
「何がです?」
「神器に関して、一杯勉強してくれたみたいだから」
「あー……まあ、最初は興味本位といいますか。
レン様が、他の神器様とあまりにも違ったからですねー、その、いい意味で。
だから、気になって本を借りたんです」
「本って借りれるの?」
「宮廷図書館の司書に友人がいて、そいつが副館長職に就いてるのでこっそり……ほんとは駄目なんですけどねー、内緒にしてください?」
そういって、セオは笑顔を見せてくる。
いつものセオだ。
良かった、セオの中での反省も終わったみたい。
でも、宮廷図書館か……大きいんだろうなあ。
「レン様は、アレックス様が宮廷に勤めてるので許可が通れば入館自体は出来ます。
来年以降になると思いますけれど、興味があれば行ってみましょうね」
「そうなんだ?行ってみたいな」
「それと、欲しい本があるなら、来週にでも本屋を呼びますよ?
うちにあるのは、グレース様の本と、代々引き継がれ足されてく歴史や政治の本が殆どですから」
「そっか……うーん、面談が終わったら考えて見るね。その時はまたセオに言えばいい?」
「はい、遠慮せずに言ってください」
「うん」
セオは、僕が思っているよりずっと知らないところで勉強してくれたみたいだ。
僕付きになったからってことかな、そうだろうな、多分。
それが知れてよかった。
それと、僕があんな状態になったのは、本当に変でも何でもなかったみたいだ。
神器の身体だから、そういう理由みたい。
それに、セオが謝ることなんて全然ない。
だって、ユージーンさんがすごく驚いていたことだ。
ってことは、通常ならあり得ないって思うくらい、知られてることだったはずだ。
「セオ、謝らないで?
ユージーンさんがすごく驚いていたくらいだから、普通に考えたら僕の身体からアレックスの魔力がなくなる状態の方がおかしかったんでしょ?」
「はい……ですね、その、あり得ないくらいには」
「やっぱりそっか……」
「はい。神器様でなくとも、恋人や夫婦であったら、一部例外を除き、魔力交換は自然にされるものですから」
「そっか」
アレックスも恋人は僕が初めてだ。
それに、今まで望んでも、本当の意味でその相手が国中を探していない状態だったアレックスに対して、恋人の話はタブーだったと思う。
きっとオリバーさんもユージーンさんもしてこなかったはずだし、セバスだってしなかったはずだ。
歳とか関係なく、だ。
アレックスだって必要と思わなかっただろうし、なら今から必要かって言われたらそれも首をかしげちゃう。
恋人同士はこうあるべき、なんてこと、ないからだ。
会う回数は週に何回だとか、エッチは週に何回だとか、そんな決まりはないし人それぞれ、だと思う。
アレックスに対して、神器様について学べっていうのも、セオやセバスがすることかって言ったらそうじゃないと思う。
そういうのは、自分から必要だって感じた時に、自分からすべきことなんだよね、セオがそうしたように。
セオがこんな目をするくらいだから、読んでいていい気分じゃなかったはずだ。
アレックスは極力僕を神器様じゃなくて、ひとりの人として扱ってくれてる。
だから、故意に神器様に関する情報は、自らも避けていたんじゃないかな?
宮廷で働いてるんだもん、同伴されてる神器様を目にしたことくらいあるだろうし。
誰が悪いだとか、ない。
でも、じゃあ何でこんなことが起きたのか、と問われれば、僕自身が神器様に関して無知だったことが原因だ。
だから、原因は僕自身にある。
知りたいと言えば、セバスやセオは教えてくれただろう。
神器という存在に変わってしまった僕の身体について、ちゃんと受け入れて興味を持っておくべきだった。
「因みに一部の例外って?」
「魔力の相性が悪い場合です。貴族間ではあることですから」
「そっか」
「本は……そうだなあ、セオがお勧めしないなら、今はいいかな、読まない。
でも、神器っていう体の仕組みとか精神状態だとかは知っておきたいから、教えて貰ってもいい?
性の教育ってあるだろうけれど、そういう感じで。
神器様の身体はこうなってます、的なことは知っておきたい。
さっき、ユージーンさんと話していた時に、ヒートとか熱だとか言っていたでしょ?
僕の身体のことだから、僕自身が知っておくべきことだと思うんだ。
今すぐにってわけじゃないよ?
でも、エリソン侯爵領の勉強よりは先に学んでおきたい」
「わかりました。爺さまにも話を通しておきます」
「うん」
「セオ、ありがとう」
「何がです?」
「神器に関して、一杯勉強してくれたみたいだから」
「あー……まあ、最初は興味本位といいますか。
レン様が、他の神器様とあまりにも違ったからですねー、その、いい意味で。
だから、気になって本を借りたんです」
「本って借りれるの?」
「宮廷図書館の司書に友人がいて、そいつが副館長職に就いてるのでこっそり……ほんとは駄目なんですけどねー、内緒にしてください?」
そういって、セオは笑顔を見せてくる。
いつものセオだ。
良かった、セオの中での反省も終わったみたい。
でも、宮廷図書館か……大きいんだろうなあ。
「レン様は、アレックス様が宮廷に勤めてるので許可が通れば入館自体は出来ます。
来年以降になると思いますけれど、興味があれば行ってみましょうね」
「そうなんだ?行ってみたいな」
「それと、欲しい本があるなら、来週にでも本屋を呼びますよ?
うちにあるのは、グレース様の本と、代々引き継がれ足されてく歴史や政治の本が殆どですから」
「そっか……うーん、面談が終わったら考えて見るね。その時はまたセオに言えばいい?」
「はい、遠慮せずに言ってください」
「うん」
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