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本編
-277- 浄化魔法
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アレックスを口づけと共に送り出し、幸せなお茶の時間を終えた僕は、一度自室へ戻った。
アレックスへのドッキリ作戦が成功に終わったので、メイクをセオに落としてもらうためだ。
使うのは、買ったばかりの青リンゴのメイク落としだ。
このメイクをしたままだと、次に会う商会がびっくりしちゃって逆効果らしい。
にしても。
僕には疑問がある。
なんで、メイクを落とす時には、浄化じゃだめなのかってことだ。
浄化の方がずっと早いし、ぱっと終わる。
肌の負担を気にするなら、浄化なら全く負担にならないんじゃないかなって思うんだ。
そりゃあ、魔力量が低くて浄化が使えない人もいるだろうから、こうやってセットしてラインナップで売り出すっていうのはわかる。
でも、僕には浄化が使える。
「ねえ、セオ」
「はい、どうしました?」
「なんでメイクは浄化じゃなくてメイク落としを使うの?」
「メイクは浄化じゃ落とせませんよ?汚れじゃないですもん」
「え?」
落とせないの?
メイク落としの洗顔をすれば、落ちるよね?
ってことは、浄化で落ちるはずだ。
「落ちると思うけど……」
「じゃ、試しにやってみてください。落ちませんから」
青リンゴを手にしたセオは、蓋を開けたまま笑ってくる。
わかり切ってるような答え方に、ちょっとだけ納得がいかない。
なら、やってみればいいだけだ。
目を閉じ、メイク落としの洗顔をイメージして、浄化魔法をかける。
身体を浄化するときと同じように、顔を浄化するのだから理屈としては同じ気がする。
メイク落としの洗顔は、元の世界でのをイメージした。
ふんわり洗顔料の香りが香る。
うん、うまくいったんじゃないかな?
ゆっくり目をあけて、セオを見る。
セオは、両目をまん丸にして驚いているみたいだ。
ってことは……
「え?えー?……落ちましたね、きれいさっぱり。
ちょっと失礼します」
セオは青リンゴの瓶を置いて、僕の肌を確かめる。
「できると思ってたから全然不思議じゃないよ?」
「レン様は不思議じゃなくても俺からしてみたら、とっても不思議なんです。
例えば、指についてしまったり、口紅がはみ出たりしたら、それは汚れになりますから浄化で落ちますけど。
けど、通常のメイクが浄化で落ちるなんて聞いたことありません。
落ちるなら、初めから商品化されませんからね。……でも、問題なく綺麗に落ちてますねー」
「普通、浄化魔法ってどうやるの?」
「どうやるのって……レン様は上手に出来てますよ?」
しげしげと肌の状態を確かめるセオに、浄化についての仕方を聞いてみる。
僕も出来ると思っているのだけれど、僕のやり方は特殊みたいだ。
「うん、でも僕のは変みたいだから。それに、アレックスにも外では使わないでくれって言われちゃったし」
「使って欲しくない理由を聞きました?」
「うん、お風呂上りみたいに可愛いからだって」
「あー、なるほど」
「外でも使えるようになりたい」
「うーん……汚れを落とすっていうイメージなんですけど、レン様は既にそのイメージをされてますよね?」
「うん。でも、普通は、1回で全部綺麗になるって前にルカが言ってたでしょう?
服も体も顔も髪も洗い方って全然違うのに、なんで一度で終わるの?」
「あーなるほど。なら、そのイメージを変えればレン様にも直ぐに出来るようになるはずですよ?
レン様の浄化は、洗浄に酷似してます。仕上がりは異なるので確かに浄化魔法なんですが、その理屈は洗浄魔法です」
確かにセオの言う通り、洗って綺麗にして汚れを落とすっていうイメージだから、洗浄だ。
浄化魔法の他に、洗浄魔法っていうのもあるのかあ。
ますます分からなくなる。
「浄化魔法は、汚れを落とす……落とすって言うから混乱しちゃうんですかね?取り除く、つまり、汚れをついている場所から、取って消し去るっていうイメージです」
「汚れをとるには、洗わないととれないでしょ?」
「洗わなくてもとれますよ」
「……」
「汚れを取り除いて綺麗にするイメージです。レン様の浄化魔法は、洗えるものなら使えるけれど、洗えないものなら使えなくなっちゃいますよね?例えば、水とか」
「確かに。でも、水を浄化するなら、フィルターを沢山重ねてろ過するイメージで浄化出来そう」
「それならほら、汚れを取り除くっていうイメージになってるじゃないですか!それと同じですよ」
「……」
なーんも難しいことじゃないでしょ?って感じでセオは言うけど、僕をろ過しようとしても、汚れと一緒に引っかかっておしまいだ。
え?詰んでない?コレ。
「普通の浄化魔法が出来ないなら出来ないでもいいじゃないですか。
ちゃんと浄化自体は出来るんですし。レン様の浄化魔法の仕上がりはとても綺麗ですよ」
途方に暮れた僕を見て、セオが慰めてくる。
「そっかな?」
「はい。それに、今は出来なくても、もしかしたら魔法を学んでいくうちに途中で出来るようになるかも知れませんよ?
外で使うなっていうなら、アレックス様を頼れば良いんです。勿論俺でも構いません。遠慮なく仰ってください」
アレックスへのドッキリ作戦が成功に終わったので、メイクをセオに落としてもらうためだ。
使うのは、買ったばかりの青リンゴのメイク落としだ。
このメイクをしたままだと、次に会う商会がびっくりしちゃって逆効果らしい。
にしても。
僕には疑問がある。
なんで、メイクを落とす時には、浄化じゃだめなのかってことだ。
浄化の方がずっと早いし、ぱっと終わる。
肌の負担を気にするなら、浄化なら全く負担にならないんじゃないかなって思うんだ。
そりゃあ、魔力量が低くて浄化が使えない人もいるだろうから、こうやってセットしてラインナップで売り出すっていうのはわかる。
でも、僕には浄化が使える。
「ねえ、セオ」
「はい、どうしました?」
「なんでメイクは浄化じゃなくてメイク落としを使うの?」
「メイクは浄化じゃ落とせませんよ?汚れじゃないですもん」
「え?」
落とせないの?
メイク落としの洗顔をすれば、落ちるよね?
ってことは、浄化で落ちるはずだ。
「落ちると思うけど……」
「じゃ、試しにやってみてください。落ちませんから」
青リンゴを手にしたセオは、蓋を開けたまま笑ってくる。
わかり切ってるような答え方に、ちょっとだけ納得がいかない。
なら、やってみればいいだけだ。
目を閉じ、メイク落としの洗顔をイメージして、浄化魔法をかける。
身体を浄化するときと同じように、顔を浄化するのだから理屈としては同じ気がする。
メイク落としの洗顔は、元の世界でのをイメージした。
ふんわり洗顔料の香りが香る。
うん、うまくいったんじゃないかな?
ゆっくり目をあけて、セオを見る。
セオは、両目をまん丸にして驚いているみたいだ。
ってことは……
「え?えー?……落ちましたね、きれいさっぱり。
ちょっと失礼します」
セオは青リンゴの瓶を置いて、僕の肌を確かめる。
「できると思ってたから全然不思議じゃないよ?」
「レン様は不思議じゃなくても俺からしてみたら、とっても不思議なんです。
例えば、指についてしまったり、口紅がはみ出たりしたら、それは汚れになりますから浄化で落ちますけど。
けど、通常のメイクが浄化で落ちるなんて聞いたことありません。
落ちるなら、初めから商品化されませんからね。……でも、問題なく綺麗に落ちてますねー」
「普通、浄化魔法ってどうやるの?」
「どうやるのって……レン様は上手に出来てますよ?」
しげしげと肌の状態を確かめるセオに、浄化についての仕方を聞いてみる。
僕も出来ると思っているのだけれど、僕のやり方は特殊みたいだ。
「うん、でも僕のは変みたいだから。それに、アレックスにも外では使わないでくれって言われちゃったし」
「使って欲しくない理由を聞きました?」
「うん、お風呂上りみたいに可愛いからだって」
「あー、なるほど」
「外でも使えるようになりたい」
「うーん……汚れを落とすっていうイメージなんですけど、レン様は既にそのイメージをされてますよね?」
「うん。でも、普通は、1回で全部綺麗になるって前にルカが言ってたでしょう?
服も体も顔も髪も洗い方って全然違うのに、なんで一度で終わるの?」
「あーなるほど。なら、そのイメージを変えればレン様にも直ぐに出来るようになるはずですよ?
レン様の浄化は、洗浄に酷似してます。仕上がりは異なるので確かに浄化魔法なんですが、その理屈は洗浄魔法です」
確かにセオの言う通り、洗って綺麗にして汚れを落とすっていうイメージだから、洗浄だ。
浄化魔法の他に、洗浄魔法っていうのもあるのかあ。
ますます分からなくなる。
「浄化魔法は、汚れを落とす……落とすって言うから混乱しちゃうんですかね?取り除く、つまり、汚れをついている場所から、取って消し去るっていうイメージです」
「汚れをとるには、洗わないととれないでしょ?」
「洗わなくてもとれますよ」
「……」
「汚れを取り除いて綺麗にするイメージです。レン様の浄化魔法は、洗えるものなら使えるけれど、洗えないものなら使えなくなっちゃいますよね?例えば、水とか」
「確かに。でも、水を浄化するなら、フィルターを沢山重ねてろ過するイメージで浄化出来そう」
「それならほら、汚れを取り除くっていうイメージになってるじゃないですか!それと同じですよ」
「……」
なーんも難しいことじゃないでしょ?って感じでセオは言うけど、僕をろ過しようとしても、汚れと一緒に引っかかっておしまいだ。
え?詰んでない?コレ。
「普通の浄化魔法が出来ないなら出来ないでもいいじゃないですか。
ちゃんと浄化自体は出来るんですし。レン様の浄化魔法の仕上がりはとても綺麗ですよ」
途方に暮れた僕を見て、セオが慰めてくる。
「そっかな?」
「はい。それに、今は出来なくても、もしかしたら魔法を学んでいくうちに途中で出来るようになるかも知れませんよ?
外で使うなっていうなら、アレックス様を頼れば良いんです。勿論俺でも構いません。遠慮なく仰ってください」
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