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本編

-262- お口の中**

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ちゅっと先端に口づけをされた後に、側面や、裏筋、カリ部分と何度も口づけを繰り返される。
小さく吸いつばむだけの口づけが、次第にソフトクリームでも舐めてるようなものに変わっていく。

「んん……っ……はあ……はあっん……」

アレックスが凄く美味しそうに舐め上げてくる。
そんなアレックスの姿を目に入れるたびに、なんだかより感じちゃって、吐息とともにえっちな声が口から吐き出された。
アレックスは、時折僕を嬉しそうに見上げてくる。
その表情にまた感じちゃって、行為そのものの気持ちよさとは別に心も気持ちがいい。

極上のエメラルドのような瞳が向けられるのは、僕だけだ。
僕だけが、アレックスの特別。

これは、“愛情”だ。

こんな恥ずかしい行為でも、辱められてるわけじゃなくて、ただただ愛されていると感じるのは、だからだ。

嬉しくて愛しい気持ちがどんどんと膨らんでいって、とても気持ちがいい。
こんなに気持ちが良いのは、他の誰でもないアレックスだからだ。
ちょっと擡げていただけだった僕のおちんちんは、しっかり天井を向いてる。

アレックスは、舌で舐め上げるだけだったのを、唇と舌を使って巧みな愛撫へと変えてきた。
アレックスは、キスもだけれど、なんでこんなに上手なんだろ?
キスが上手ならえっちも上手なはず、ってセオが言ってたけど、アレックスもだからかな?


打ち上げの後で、『レン君は行かないよねえ~』なんて監督に言われたことがある。
いい気分で酔っていたけれど、あれは風俗への誘いだった。
行かないし行けないよーって思いながらも、僕は『行かないですねー』って、笑顔で行ってらっしゃいの手を振ったっけ。
いい子がいるんだよーなんて話してた、行為そのものは気持ちがいいんだろうけれど。
でも、それが好きな相手だっていうのは、また違うと思うんだ。

「どうした?」
「ん……何?」

ふいにアレックスが行為をやめて、呟く。
アレックスのあたたかい息がかかる。

「なんか、別のこと考えてないか?」
「っ……」

アレックスの行為そのものじゃなくて、昔のことを思い出しちゃったのは確かだけれど、それはアレックスが気持ちよくしてくれるからで。
なんて言っていいかわからないのと、早く再開して欲しい気持ちとが混ざってすぐに返事が出来ない。

「やけるな、それは」
「あっ!……っーーー!!」

何か勘違いしたのか傷ついたような笑みを向けてきた後、すっぽりと僕のおちんちんを口内に招くとそのまま扱き始めた。

「んんっあっ……っうんん……はあっ」

な、なにこれ……ああ、どうしよう、すっごく気持ちいい!
手でされるのも気持ちがいいけど、それ以上に、あったかくて、柔らかく吸いついてくる。
こんなふうにされたら、すぐにイっちゃうよ。

「あ、ああっ……あ、気持ちいっ、んんっ、あ……アレックス、も、もうっイくから離しっ……ああっ、イっちゃうからっ離してっ」

だめだ、このままじゃアレックスの口の中でイっちゃう。
それは流石にまだちょっとハードルが高い!

でも、アレックスは離れてくれないし、それに、嫌とは言えない。
行為自体が嫌なわけじゃないし……というか、良すぎておかしくなりそうなくらいだ。

うー、どうしよう!
ほんとの本気でもう無理だよ。

「えっ……、あっ、嘘、なっ、何で?!」

勝手にアレックスを求めるように腰が揺れ動く。
身体は正直だ。
僕の理性に反して、快楽を優先してる。

「もっ、無理っ……っああ!!」

吐き出すと同時に、じゅっと卑猥な水音が耳に入ってきた。
アレックスはそれでもすぐにはやめてくれなくて、残り全部を吸い取るように唇と舌を動かしてくる。

「んんっ!!」

閉じそうになる僕の膝、その裏側を左の掌で制する。
左腿はアレックスが器用に右肩で押さえて、力が入ってた僕の右手をその左手でそっと包むと指を絡めるように掌を合わせてくれる。

ぎゅっと握り返して2度目の精を吐き出すと、ようやくアレックスはそっと僕の股間から顔を上げた。
繋いだ手はそのまま、膝裏からは手が離れて、ゆっくりと膝が下ろされる。

弛緩する足とは裏腹に、お腹がぴくぴくする。身体の感度が鋭くなってるみたいだ。
浅く息を繰り返す僕に、アレックスは何も言わない。
ただ、右手で僕の髪を梳いて、顔にかかる髪をそっと払ってくれる。
そのまま優しく掌全体で包み込むように頬を撫でたり、唇の感触を確かめるように親指で撫でてきたり。

僕の息が整うまで待ってくれてるんだ。
ちらりとアレックスの下半身に目を落とすと、立派にしっかり上を向いてる。
うう……待たせすぎちゃ駄目だ。

「大丈夫か?」
「うん、もう平、気……っ!ア、アレックス!」

僕は大丈夫だけど、アレックスが大丈夫じゃないのに気がついた。
絡ませていた手を振り解いてアレックスの唇に触れる。

「?どうした?」
「あけて?あーして!」
「?」

アレックスの口がかぱっと開く。
……ない。
何がないって、僕の吐き出した精液が。

「飲んじゃったの?」
「あー……」
「え?どうしよう……気持ち悪くなったりしてない?魔力酔いを起こすって聞いてたのに!」
「や、大丈夫だ」
「でもっ!」
「落ち着け。飲んでない、飲んでないから、大丈夫だ」

アレックスが僕の頭にぽんと掌をのせて、そのままぽんぽんと撫でてくれる。

飲んでなかったみたいだ。
良かった。


アレックスは、あからさまにほっとした僕を目に入れて、ちょっぴりばつの悪そうな笑顔を向けてくる。

「なら、良いんだ。でも、どうやって?」
「レンが聞いてるとは思わなかったから、飲んだふりしてこっそり空間へ。心配かけて悪かった」
「ううん、良かった。あ、待たせすぎだよね、次はアレックスの番ね」

もちろん初めてだから上手くできるかは自信が無いけど、沢山気持ちよくしてくれたから、僕もアレックスにしてあげたい。
アレックスの立派なおちんちんに顔を近づけていく。

「は?や、待て、それは今度、今度でいいい!レンはしなくていい」
「え?」

口を開いて迎え入れようとしたところで、アレックスの待てが入った。
さっき僕が焦ったのと同じくらい、なんでか知らないけど、今度はアレックスが焦ってる。

「僕もアレックスを気持ちよくしてあげたい」
「なら」
「あ……」
「ここを、許してくれるか?」

アレックスが僕のお尻の穴に指でちょん、と触れる。
思わず、きゅっとおしりの穴がすぼまった。


「うん。もちろん」

欲してるのは、僕の方だ。
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