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本編
-230- お昼は外で
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「え……アレックス、お昼帰ってこれないの?」
「はい、申し訳ございません」
試験が終わって、足取り軽く玄関へと足を踏み入れた時だった。
すぐさまセバスが声をかけてきた。
アレックスがお昼を一緒に出来ないことを伝えに来てくれたみたいだ。
セバスが本当に申し訳なさそうな顔で謝ってくる。
セバスのせいじゃない。
それだけ忙しいのだろうと思うけれど……でも。
「ううん、セバスのせいじゃないから謝らないで。
でも、お昼を食べる時間もないなんて、アレックス大丈夫かな?
昨日の夜も遅かったんでしょ?朝早かったし……。
時間が押すだけでちゃんと食べてくれるならいいんだけれど」
僕も仕事柄スケジュールが詰まってしまった日もあるし、稽古中や撮影でお昼時間が遅くなることも何度もあった。
休まずずっと集中するっていうのは、人間に出来るものじゃない。
「……実は、本日、アレックス様は早朝から帝都の市場の方へ顔を出されておりまして」
「え?」
「花市と果物市の一区画は、エリソン侯爵領がお借りしている場所で、そちらの警備面で問題が起きまして、アレックス様自ら指揮をお取りでした」
まさか、夕食の時にいけば簡単に手に入るって言ってた、アレを実行しに?なんて最初は思っちゃった。
そんな暢気な話じゃなかったみたいだ。
「そういうことはよくあるの?」
「ここ2、3年程はございませんでしたが、以前はもめ事も年に数回はあったと記憶しております」
「そっか」
「はい。少し長引くようで……その後、午後には服飾ギルドに顔を出される予定です。
そちらは時間が決まっているため、予定が押されているのでそのまま向かうことになりそうだ、と。
流石にレン様をその時間まで待たせるわけにはいかない、と、仰っていました」
「わかった。服飾ギルドは、帝都の?それともエリソン侯爵領の?」
「エリソン侯爵領にある服飾ギルドでございます」
「そっか。教えてくれてありがとう、セバス」
「いいえ、とんでもございません」
今日は宮廷魔法士の仕事じゃなくて、領主としての仕事が忙しい原因みたいだ。
こういう話を聞いてしまうと、早く僕も役に立ちたいと焦りそうになる。
焦って無理矢理しゃしゃり出ても迷惑になるだけだから、今は大人しくするしかない。
“実は”と言ってきたあたり、セバスはアレックスが今日どこへ行くかを僕に教える気はなかったんだと思う。
アレックスが言わなくていいって言った可能性もあるし、わざわざ確かめなくてもセバスの方で言う必要ないと判断したかもしれない。
どちらにせよ僕に与えなくていいと思った情報を、教えてくれたのだと思う。
僕のために、だ。
けど、それを知っても、朝もお昼も一人で食べるとちょっと寂しい。
侯爵夫人だから、一緒の席にはセバスもセオもついてくれない。
給仕はしてくれるけれど。
慣れなきゃなとは思うけれど、現時点ではちょっとだけ無理みたいだ。
「レン様ー、お昼、よければ外で食べますか?」
「え、外?」
「セオ!」
「だって爺さま、こんなしゅんとされてちゃ可哀想でしょー?
勿論敷地外に行こうって話じゃないよ?」
「………なら、結構」
「もー、最近せっかちだよ」
セオが、外でどうか、との提案にセバスが止めてくる。
僕、そんなにしゅんとした顔をしてる?って思ったけれど、してるみたいだ。
だからセバスもアレックスのスケジュールを教えてくれのかもしれない。
「ええ、外って言っても敷地内になりますけど。
そうですねー……厩の近くの芝生の上はどうですか?テンにも会えますし、気分転換になると思います。
食べられるように詰めてもらうことも出来ますよ?」
「うん、じゃあ、そうしてもらおうかな。なんだかピクニックみたいだね」
「はい、そうしましょ」
「あ......アレックスに、同じもの届けられるかな?服飾ギルドに」
「アレックス様へ?」
「うん。僕が直接届けるわけには行かないだろうから、メッセージカードをつけたい。あ、ジュードも一緒かな?もし、一緒なら、ジュードの分も。アレックスと同じってわけにはいかないかもしれないけど。ジュードのは立ったままでも食べられる方が良いのかな?......届けること出来る?」
出来る?って聞くのは、セオにだ。この場合、セオにお願いするしかない。
領地のって聞いたけど、領地のどこにある服飾ギルドなのかまでは聞いてない。
ひとっ走り行ってもらうとしたら、セオの風魔法が頼りだ。
「出来ますよ、お任せ下さい」
セオはさも簡単そうに、笑顔で頷いてくれる。良かった。
「ありがと、セオ」
「どういたしまして。外に出る前に、もう一度日焼け止めを塗りなおしましょうね」
「うん……でもそれ、レナードのだよね?いっぱい使って大丈夫?」
明後日エイミーの店長さんが来るまで借りてるのは、レナードの日焼け止めだ。
セオは気にせず僕に使ってくれるけれど、いいものみたいだし、ずっと借りてて大丈夫なのかな?
「大丈夫ですよ、一本レン様用に貰ったので」
「え?レナードから?」
「はい。……気が引けるなら、明後日エイミーから同じのを買って、レナードに返せばいいと思いますよ?
これ、そこの商品ですから」
「そうなんだ?じゃあ、そうする」
レナードとジュードはあまり顔を合わせること自体が少ない。
アレックスについているジュードは、アレックスが宮廷魔法士の仕事をしている間、領内の警備面や新しく作ってる施設の進み具合だとかに足を運んでいるみたいだ。
アレックスの代わりに、アレックスの伝言を伝えたり、現場の要望を受け取ったりしているみたい。
レナードは、最近はセバスについて領地経営と侯爵邸の資産形成なんかを本格的に学んでいるようだ。
僕が来たこともそうだけれど、セバスの次の家令候補なんだと思う。
セオが僕についたからだろうけれど、家令で屋敷にずっといるよりは外回る方がセオにとってあってるかもしれない、と勝手ながら思った。
メッセージカードと昼食をセオに託して、僕は、セバスと共に厩の横にある芝生へと移動する。
厩の奥にある広い芝生の上に、真っ白な丸いテーブルと、同じデザインの猫足の椅子。テーブルの上にはパラソルがついていて、直射日光が当たらないようになっていた。
てっきり芝生の上に座って食べる気でいた僕は、良い意味で驚きだ。
お昼ご飯も、お弁当っていうより、オードブルの詰め合わせという感じで、凄く豪華。
とっても贅沢な時間になりそうだ。
この時間、馬たちは厩の中のようで、姿は見えなかった。
後で顔を出そう、そう思いながら、フォークを手にした時だった。
厩から黒い大きな馬が飛び出し、こちらに向かって駆けてくる。
紛れもなく、テンだ。
柵まで来ると顔をぬっと間から出して、僕の方を見つめて、柵をコンコンと蹄で叩いてくる。
ここから柵までは少しだけ距離があるし、柵の外へはテンは出てこられない。
柵の間にこれでもかと顔を前に出して、じっと僕を見つめてくる。
来て欲しいみたいだ、主張の仕方が可愛いなあ。
奥から、トムが呆れたように笑いながらこちらにやってきた。
「呼ばれてるね、先にテンのところに行ってくるね」
「これは、また......お聞きしてはおりましたが、随分と好かれていらっしゃいますね」
「ふふっ、かっこいいのに可愛いよね。アレックスそっくり」
「っぶふ......っ失礼致しました」
僕の言葉を聞いたセバスは、珍しくも吹き出すように笑ったよ。
「はい、申し訳ございません」
試験が終わって、足取り軽く玄関へと足を踏み入れた時だった。
すぐさまセバスが声をかけてきた。
アレックスがお昼を一緒に出来ないことを伝えに来てくれたみたいだ。
セバスが本当に申し訳なさそうな顔で謝ってくる。
セバスのせいじゃない。
それだけ忙しいのだろうと思うけれど……でも。
「ううん、セバスのせいじゃないから謝らないで。
でも、お昼を食べる時間もないなんて、アレックス大丈夫かな?
昨日の夜も遅かったんでしょ?朝早かったし……。
時間が押すだけでちゃんと食べてくれるならいいんだけれど」
僕も仕事柄スケジュールが詰まってしまった日もあるし、稽古中や撮影でお昼時間が遅くなることも何度もあった。
休まずずっと集中するっていうのは、人間に出来るものじゃない。
「……実は、本日、アレックス様は早朝から帝都の市場の方へ顔を出されておりまして」
「え?」
「花市と果物市の一区画は、エリソン侯爵領がお借りしている場所で、そちらの警備面で問題が起きまして、アレックス様自ら指揮をお取りでした」
まさか、夕食の時にいけば簡単に手に入るって言ってた、アレを実行しに?なんて最初は思っちゃった。
そんな暢気な話じゃなかったみたいだ。
「そういうことはよくあるの?」
「ここ2、3年程はございませんでしたが、以前はもめ事も年に数回はあったと記憶しております」
「そっか」
「はい。少し長引くようで……その後、午後には服飾ギルドに顔を出される予定です。
そちらは時間が決まっているため、予定が押されているのでそのまま向かうことになりそうだ、と。
流石にレン様をその時間まで待たせるわけにはいかない、と、仰っていました」
「わかった。服飾ギルドは、帝都の?それともエリソン侯爵領の?」
「エリソン侯爵領にある服飾ギルドでございます」
「そっか。教えてくれてありがとう、セバス」
「いいえ、とんでもございません」
今日は宮廷魔法士の仕事じゃなくて、領主としての仕事が忙しい原因みたいだ。
こういう話を聞いてしまうと、早く僕も役に立ちたいと焦りそうになる。
焦って無理矢理しゃしゃり出ても迷惑になるだけだから、今は大人しくするしかない。
“実は”と言ってきたあたり、セバスはアレックスが今日どこへ行くかを僕に教える気はなかったんだと思う。
アレックスが言わなくていいって言った可能性もあるし、わざわざ確かめなくてもセバスの方で言う必要ないと判断したかもしれない。
どちらにせよ僕に与えなくていいと思った情報を、教えてくれたのだと思う。
僕のために、だ。
けど、それを知っても、朝もお昼も一人で食べるとちょっと寂しい。
侯爵夫人だから、一緒の席にはセバスもセオもついてくれない。
給仕はしてくれるけれど。
慣れなきゃなとは思うけれど、現時点ではちょっとだけ無理みたいだ。
「レン様ー、お昼、よければ外で食べますか?」
「え、外?」
「セオ!」
「だって爺さま、こんなしゅんとされてちゃ可哀想でしょー?
勿論敷地外に行こうって話じゃないよ?」
「………なら、結構」
「もー、最近せっかちだよ」
セオが、外でどうか、との提案にセバスが止めてくる。
僕、そんなにしゅんとした顔をしてる?って思ったけれど、してるみたいだ。
だからセバスもアレックスのスケジュールを教えてくれのかもしれない。
「ええ、外って言っても敷地内になりますけど。
そうですねー……厩の近くの芝生の上はどうですか?テンにも会えますし、気分転換になると思います。
食べられるように詰めてもらうことも出来ますよ?」
「うん、じゃあ、そうしてもらおうかな。なんだかピクニックみたいだね」
「はい、そうしましょ」
「あ......アレックスに、同じもの届けられるかな?服飾ギルドに」
「アレックス様へ?」
「うん。僕が直接届けるわけには行かないだろうから、メッセージカードをつけたい。あ、ジュードも一緒かな?もし、一緒なら、ジュードの分も。アレックスと同じってわけにはいかないかもしれないけど。ジュードのは立ったままでも食べられる方が良いのかな?......届けること出来る?」
出来る?って聞くのは、セオにだ。この場合、セオにお願いするしかない。
領地のって聞いたけど、領地のどこにある服飾ギルドなのかまでは聞いてない。
ひとっ走り行ってもらうとしたら、セオの風魔法が頼りだ。
「出来ますよ、お任せ下さい」
セオはさも簡単そうに、笑顔で頷いてくれる。良かった。
「ありがと、セオ」
「どういたしまして。外に出る前に、もう一度日焼け止めを塗りなおしましょうね」
「うん……でもそれ、レナードのだよね?いっぱい使って大丈夫?」
明後日エイミーの店長さんが来るまで借りてるのは、レナードの日焼け止めだ。
セオは気にせず僕に使ってくれるけれど、いいものみたいだし、ずっと借りてて大丈夫なのかな?
「大丈夫ですよ、一本レン様用に貰ったので」
「え?レナードから?」
「はい。……気が引けるなら、明後日エイミーから同じのを買って、レナードに返せばいいと思いますよ?
これ、そこの商品ですから」
「そうなんだ?じゃあ、そうする」
レナードとジュードはあまり顔を合わせること自体が少ない。
アレックスについているジュードは、アレックスが宮廷魔法士の仕事をしている間、領内の警備面や新しく作ってる施設の進み具合だとかに足を運んでいるみたいだ。
アレックスの代わりに、アレックスの伝言を伝えたり、現場の要望を受け取ったりしているみたい。
レナードは、最近はセバスについて領地経営と侯爵邸の資産形成なんかを本格的に学んでいるようだ。
僕が来たこともそうだけれど、セバスの次の家令候補なんだと思う。
セオが僕についたからだろうけれど、家令で屋敷にずっといるよりは外回る方がセオにとってあってるかもしれない、と勝手ながら思った。
メッセージカードと昼食をセオに託して、僕は、セバスと共に厩の横にある芝生へと移動する。
厩の奥にある広い芝生の上に、真っ白な丸いテーブルと、同じデザインの猫足の椅子。テーブルの上にはパラソルがついていて、直射日光が当たらないようになっていた。
てっきり芝生の上に座って食べる気でいた僕は、良い意味で驚きだ。
お昼ご飯も、お弁当っていうより、オードブルの詰め合わせという感じで、凄く豪華。
とっても贅沢な時間になりそうだ。
この時間、馬たちは厩の中のようで、姿は見えなかった。
後で顔を出そう、そう思いながら、フォークを手にした時だった。
厩から黒い大きな馬が飛び出し、こちらに向かって駆けてくる。
紛れもなく、テンだ。
柵まで来ると顔をぬっと間から出して、僕の方を見つめて、柵をコンコンと蹄で叩いてくる。
ここから柵までは少しだけ距離があるし、柵の外へはテンは出てこられない。
柵の間にこれでもかと顔を前に出して、じっと僕を見つめてくる。
来て欲しいみたいだ、主張の仕方が可愛いなあ。
奥から、トムが呆れたように笑いながらこちらにやってきた。
「呼ばれてるね、先にテンのところに行ってくるね」
「これは、また......お聞きしてはおりましたが、随分と好かれていらっしゃいますね」
「ふふっ、かっこいいのに可愛いよね。アレックスそっくり」
「っぶふ......っ失礼致しました」
僕の言葉を聞いたセバスは、珍しくも吹き出すように笑ったよ。
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