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本編
-220- お待ちかねのディナー
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「おかえりアレックス」
「ただいま」
おかえりなさいの口づけ。
やり取りは3時の時と同じなのに、気恥ずかしさは薄れてる。
あれからレナードを呼び出して、本人に了承を貰った。
理由と必要性を述べたら、苦々しい顔だけど、『承知しました』との了承をもらったよ。
僕だけの説得じゃなくて、セオとセバスとアニーからの声も後押ししてくれた。
去り際に、ぼそっと『…歌、良い歌でした。ありがとうございました』と呟いた顔はちょっと照れくさそうだった。
目は伏せぎみだったけれど、ツンデレさんですね?って言いたくなるような感じ。
だからだよね、レナードが去ったら、セオはもちろん、セバスもアニーもくすくすと笑いが漏れた。
外では王子然と笑顔を振りまいてるみたいだけれど、実際はこんなに人間らしい人なんだもん。
そういう地を出しても平然と受け入れてくれる仲間じゃなきゃ困る。
「いきなり師匠がきて、ほぼ任せてしまったが疲れてないか?」
あの人は台風みたいな人だから、とアレックスが困った顔で呟いた。
確かに、びっくりするくらい、色んなものが突き出てる気がした。
でも、優しくて、一緒に居ると楽しい、そんな人。
「うん、楽しい時間を貰ったよ。僕のお父さまになって貰えた人がすごく優しい人でよかった。
魔法を教えてくれるって。あとね、歌を褒めて貰えたよ」
「そうか、よかった。ああ、いい歌だったな」
「え?アレックスのところまで聞こえたの?」
「セバスがつなげてくれたんだ。途中からだったが聞けて良かった」
どうやって聞こえたんだろう?と思ったら、あの電話のような魔道具で繋げてくれたみたいだ。
セバスの心遣いが嬉しい。
セバスを見ると優しい笑顔で微笑まれた。
僕もつられて笑顔になる。
「ありがとう、セバス」
「こちらこそ、良い歌をありがとうございました。……さて、お食事の用意も出来ております。食堂へ」
「うん」
セバスに続いて、アレックスと共にロビーから食堂までを並んで歩く。
こんなちょっとの距離のなんでもない移動のときでも、アレックスはエスコートの手を出してくれる。
祖母さんの厳しい練習にありがたみを感じている、なんて言っていたけれど、自然と出来るんだから頼もしいかぎりだ。
「そういえば、レンはエスコートに最初から慣れているみたいだったが、経験があるのか?」
「ん?ああ、される側は、ヒールを履いた舞台のときだけだけれど、する側は何度かあるよ?
舞台のカーテンコールで、あ、こっちでもカーテンコールっていうのかな?舞台が終わった後に役者紹介があるんだけれど、その時に。
上手と下手の……舞台の左右からそれぞれ登場して、中央奥から前に出るときは、相手が女性だとエスコートして出ていたから。
後は、母さんの招待パーティーの付き添いで、リムジン……こっちでいうと、貴族の箱馬車みたいな感じかな、それに乗ったりした時かな」
「そうか」
アレックスがほっとしたように呟いた。
心配させちゃってたかな?
アレックスの手だからすぐに取れるけど、そうじゃなかったら、プライベートだと絶対戸惑う自信がある。
仕事だって思えばそつなくやれるはずって思うけど、そうでなければおいそれと取れない。
まあ、アレックス以外にそういう機会があるかって言われたら、そうそうないと思うし、あったとしてもお父さまくらいだ、気負わずにいよう。
「今夜はレンが食べたいものを用意してくれているはずだ」
「うん。ささやかなお祝いだって。アレックスと一緒に食べるの楽しみ」
ちらりとセバスに目を向けると、セバスは意味ありげに笑みを浮かべてきた。
僕が、アレックスの好きなものが食べたいって言ったのは、アレックス自身には伝えてないみたいだ。
「本日は、レン様からご要望頂きました、アレックス様のお好きな料理となっております」
「は?レンの好きなものじゃなくて?」
「何が食べたいかって聞かれたから、アレックスの好きなものを一緒に食べてみたいってお願いしたんだ」
「そうなのか?」
「うん」
アレックスが意外そうに聞いてくる。
遠慮するなってことかな?
「遠慮はしてないよ?僕が食べたいものをお願いしたんだから」
「そうか」
「今日はレン様に喜んで頂けるよう、それぞれアレンジも加えているようですよ。
本日は9品ご用意しています」
「いつもより多いな」
「お祝いですから。
本日はアミューズからとなります、4種のテリーヌでございます」
セバスが楽しそうに僕とアレックスの前にお皿を出してくれた。
「わあ……すごく綺麗!食べるのがもったいないくらい」
「……初めて見るが?」
「アレックスが好きなものじゃないの?」
「アレックス様がお好きな野菜やフルーツをそれぞれ小さなテリーヌにしているようですよ。
どうぞ、お召し上がりください」
「いただきます」
4種のテリーヌっていわれたけれど、真四角のが一つじゃなくて、一口サイズの、ちょこんとした大きさの丸いテリーヌが4つ並んでるんだ。
とってもかわいいし、見た目も宝石みたいで綺麗だ。
あ、だからアミューズなのか。
真っ白な丸いお皿に、丸いテリーヌが均等に並んでいて、見た目も可愛いし、半分に切っても崩れもしないからとても食べやすい。
「わ、すっごく爽やかな味だね。メロウも使われてるけれど……ナスかな?」
「正解でございます」
淡いグリーンのテリーヌは、酸味や雑味がなくて、甘さのあるナスとメロウがメインにつかわれてるみたいだ。
酸味がないのに、ほんの少し爽やかなハーブの香りもする。
どれかが強いとかなくて、凄くまとまりがあるのが流石だ。
元の世界でも色々と美味しいものは食べさせてもらってきたけれど、なかなかないくらいに美味しい。
きっと再現しろと言われても、凄く難しい。
「アレックス、ナスが好きなの?」
「ああ。だが、こうやって出てくるともはや別もんだな」
「おいしいね」
「ああ」
アレックスもすごく美味しそうに食べてる。
美味しいものを食べるときに、一緒に食べる人も重要だよね。
続いて白とオレンジの層になってるテリーヌにいってみよう。
アレックスも、右から順番に食べてくらしくて、同じタイミングでナイフを入れる。
そういえば。
食べる速度って気にしてなかったけれど、アレックス、僕に合わせてくれてるみたいだ。
僕は意識したことなかったから、アレックスが気を遣ってくれてるんだろうな。
そういう小さな気づきを知れると嬉しい。
「ん?んー!美味しい!柿だ!」
「ああ、熟されてるな」
「柿ってスイーツだけじゃないんだね。美味しい!このチーズはマクマートリーさんのところのチーズ?」
「はい」
オレンジ色のはオレンジじゃなくて柿だった。
凄く意外なんだけれど、柿と、柔らかなチーズと、塩気のある生ハムみたいなお肉も入っていて、ブラックペッパーがぴりっと味を引き締めてる。甘さと塩気とピリッと感がまとまりあって、とっても美味しい。
上部がカラメル色した茶色のテリーヌは、栗とマッシュルームで、これも意外なほど合っていて、クリーミーで美味しかったし、赤いルビーのように綺麗なテリーヌは、パプリカがメインで甘さの中に程よい酸味があるさっぱりとした上品な味のテリーヌだった。
まだ一品目なのに、こんなに贅沢でどうしようってくらい幸せな気分だ。
「ただいま」
おかえりなさいの口づけ。
やり取りは3時の時と同じなのに、気恥ずかしさは薄れてる。
あれからレナードを呼び出して、本人に了承を貰った。
理由と必要性を述べたら、苦々しい顔だけど、『承知しました』との了承をもらったよ。
僕だけの説得じゃなくて、セオとセバスとアニーからの声も後押ししてくれた。
去り際に、ぼそっと『…歌、良い歌でした。ありがとうございました』と呟いた顔はちょっと照れくさそうだった。
目は伏せぎみだったけれど、ツンデレさんですね?って言いたくなるような感じ。
だからだよね、レナードが去ったら、セオはもちろん、セバスもアニーもくすくすと笑いが漏れた。
外では王子然と笑顔を振りまいてるみたいだけれど、実際はこんなに人間らしい人なんだもん。
そういう地を出しても平然と受け入れてくれる仲間じゃなきゃ困る。
「いきなり師匠がきて、ほぼ任せてしまったが疲れてないか?」
あの人は台風みたいな人だから、とアレックスが困った顔で呟いた。
確かに、びっくりするくらい、色んなものが突き出てる気がした。
でも、優しくて、一緒に居ると楽しい、そんな人。
「うん、楽しい時間を貰ったよ。僕のお父さまになって貰えた人がすごく優しい人でよかった。
魔法を教えてくれるって。あとね、歌を褒めて貰えたよ」
「そうか、よかった。ああ、いい歌だったな」
「え?アレックスのところまで聞こえたの?」
「セバスがつなげてくれたんだ。途中からだったが聞けて良かった」
どうやって聞こえたんだろう?と思ったら、あの電話のような魔道具で繋げてくれたみたいだ。
セバスの心遣いが嬉しい。
セバスを見ると優しい笑顔で微笑まれた。
僕もつられて笑顔になる。
「ありがとう、セバス」
「こちらこそ、良い歌をありがとうございました。……さて、お食事の用意も出来ております。食堂へ」
「うん」
セバスに続いて、アレックスと共にロビーから食堂までを並んで歩く。
こんなちょっとの距離のなんでもない移動のときでも、アレックスはエスコートの手を出してくれる。
祖母さんの厳しい練習にありがたみを感じている、なんて言っていたけれど、自然と出来るんだから頼もしいかぎりだ。
「そういえば、レンはエスコートに最初から慣れているみたいだったが、経験があるのか?」
「ん?ああ、される側は、ヒールを履いた舞台のときだけだけれど、する側は何度かあるよ?
舞台のカーテンコールで、あ、こっちでもカーテンコールっていうのかな?舞台が終わった後に役者紹介があるんだけれど、その時に。
上手と下手の……舞台の左右からそれぞれ登場して、中央奥から前に出るときは、相手が女性だとエスコートして出ていたから。
後は、母さんの招待パーティーの付き添いで、リムジン……こっちでいうと、貴族の箱馬車みたいな感じかな、それに乗ったりした時かな」
「そうか」
アレックスがほっとしたように呟いた。
心配させちゃってたかな?
アレックスの手だからすぐに取れるけど、そうじゃなかったら、プライベートだと絶対戸惑う自信がある。
仕事だって思えばそつなくやれるはずって思うけど、そうでなければおいそれと取れない。
まあ、アレックス以外にそういう機会があるかって言われたら、そうそうないと思うし、あったとしてもお父さまくらいだ、気負わずにいよう。
「今夜はレンが食べたいものを用意してくれているはずだ」
「うん。ささやかなお祝いだって。アレックスと一緒に食べるの楽しみ」
ちらりとセバスに目を向けると、セバスは意味ありげに笑みを浮かべてきた。
僕が、アレックスの好きなものが食べたいって言ったのは、アレックス自身には伝えてないみたいだ。
「本日は、レン様からご要望頂きました、アレックス様のお好きな料理となっております」
「は?レンの好きなものじゃなくて?」
「何が食べたいかって聞かれたから、アレックスの好きなものを一緒に食べてみたいってお願いしたんだ」
「そうなのか?」
「うん」
アレックスが意外そうに聞いてくる。
遠慮するなってことかな?
「遠慮はしてないよ?僕が食べたいものをお願いしたんだから」
「そうか」
「今日はレン様に喜んで頂けるよう、それぞれアレンジも加えているようですよ。
本日は9品ご用意しています」
「いつもより多いな」
「お祝いですから。
本日はアミューズからとなります、4種のテリーヌでございます」
セバスが楽しそうに僕とアレックスの前にお皿を出してくれた。
「わあ……すごく綺麗!食べるのがもったいないくらい」
「……初めて見るが?」
「アレックスが好きなものじゃないの?」
「アレックス様がお好きな野菜やフルーツをそれぞれ小さなテリーヌにしているようですよ。
どうぞ、お召し上がりください」
「いただきます」
4種のテリーヌっていわれたけれど、真四角のが一つじゃなくて、一口サイズの、ちょこんとした大きさの丸いテリーヌが4つ並んでるんだ。
とってもかわいいし、見た目も宝石みたいで綺麗だ。
あ、だからアミューズなのか。
真っ白な丸いお皿に、丸いテリーヌが均等に並んでいて、見た目も可愛いし、半分に切っても崩れもしないからとても食べやすい。
「わ、すっごく爽やかな味だね。メロウも使われてるけれど……ナスかな?」
「正解でございます」
淡いグリーンのテリーヌは、酸味や雑味がなくて、甘さのあるナスとメロウがメインにつかわれてるみたいだ。
酸味がないのに、ほんの少し爽やかなハーブの香りもする。
どれかが強いとかなくて、凄くまとまりがあるのが流石だ。
元の世界でも色々と美味しいものは食べさせてもらってきたけれど、なかなかないくらいに美味しい。
きっと再現しろと言われても、凄く難しい。
「アレックス、ナスが好きなの?」
「ああ。だが、こうやって出てくるともはや別もんだな」
「おいしいね」
「ああ」
アレックスもすごく美味しそうに食べてる。
美味しいものを食べるときに、一緒に食べる人も重要だよね。
続いて白とオレンジの層になってるテリーヌにいってみよう。
アレックスも、右から順番に食べてくらしくて、同じタイミングでナイフを入れる。
そういえば。
食べる速度って気にしてなかったけれど、アレックス、僕に合わせてくれてるみたいだ。
僕は意識したことなかったから、アレックスが気を遣ってくれてるんだろうな。
そういう小さな気づきを知れると嬉しい。
「ん?んー!美味しい!柿だ!」
「ああ、熟されてるな」
「柿ってスイーツだけじゃないんだね。美味しい!このチーズはマクマートリーさんのところのチーズ?」
「はい」
オレンジ色のはオレンジじゃなくて柿だった。
凄く意外なんだけれど、柿と、柔らかなチーズと、塩気のある生ハムみたいなお肉も入っていて、ブラックペッパーがぴりっと味を引き締めてる。甘さと塩気とピリッと感がまとまりあって、とっても美味しい。
上部がカラメル色した茶色のテリーヌは、栗とマッシュルームで、これも意外なほど合っていて、クリーミーで美味しかったし、赤いルビーのように綺麗なテリーヌは、パプリカがメインで甘さの中に程よい酸味があるさっぱりとした上品な味のテリーヌだった。
まだ一品目なのに、こんなに贅沢でどうしようってくらい幸せな気分だ。
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