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本編
-195- 律動***
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「っ悪いっ!俺が悪かった!駄目なんかじゃない、いちいち可愛すぎて困っただけだ!」
驚いて涙も引っ込む。
食いしばってた奥歯からも力が抜けた。
僕が泣いてるのが分かって、慌ててアレックスが否定してくれた。
アレックスが、僕の頬に伝う涙を拭おうとして、ぴたっと止まってから素早く自分の手を浄化し、そっと頬を包んで拭ってくれる。
アレックス、さっきから浄化を何度も使ってる。
僕が少しでも不快にならないように、居心地の良いように、だ。
そうだ……アレックスは、他人への苛立ちもだけど、自分へのやるせなさや苛立ちも表に出ちゃう人だ。
アレックスの、そういう正直なところも好きになったひとつだ。
頭で違うこと考えてそう、っていう人は割といる。よろしくって笑顔で言いながら、実はよろしくしたくないって思ってそうだとか、すみませんって謝りながら頭の中で罵ってそうだとか。
アレックスは、そういう邪推が要らない人だ。
きっと貴族では珍しいんだと思う。
「誤解させるような態度をとった。行為そのものも初めてなのに、不安にさせて悪かった」
「……アレックスも初めてだよね?」
「ああ、だから全然余裕ない」
「え……」
苦笑いで僕を見てくるアレックスは、自信なさげだ。
僕からしたら、アレックスは悔しいくらいに余裕綽々に見えてたのに。
「そんなふうに見えなかったよ?」
「見せないようにしてただけだ。
ただでさえ初めてなんだ、不安にさせたら可哀想だって思ったんだが、させちまったな」
アレックスは、感触を確かめるようにふにふにと親指で僕の下唇に触れる。
「……続き出来る?」
「勿論だ。けど、レンが上に乗るのは今日はやめておこうな?」
負担が大きいから、と言いながら、アレックスはそっと僕の背に腕を回してくる。
「前からでもいいか?」
「……アレックスの顔が見える方がいい」
「っ……わかった」
前からじゃなかったら後ろからなわけで、そうなると、僕はアレックスにお尻と背中を向けることになる。
魔道具を抜いた時が前からだった。
あの時は、出来れば後ろを向きたかった。全部晒すことになるからだ。
けれど今は、ありのまま、僕の全部を見て欲しい。
もちろん恥ずかしくないわけない、今だってこんな状態だし。
でも、1番恥ずかしいのは、通り越したと思う。
シーツにそっと背を預けて、仰向けになる。
足はとりあえず両膝を立てておいた。
アレックスが、1度微笑んでから、触れるだけの口付けを落としてくれた。
下を向いたから、柔らかなウェーブを描く髪が、ひと房アレックスの目にかかる。
それを邪魔そうにかきあげてから、僕の太ももの裏に手を添えてくる。
いよいよだ。
期待感でいっぱいだ。
どうするのが良いのかわからないから、できるだけ力を抜いて、アレックスに身を任せよう。
太腿の裏側を優しく押されてから、そのまま内側に割られて、促されるまま押し開く。
ぴとっと、アレックスのおちんちんがお尻の穴に当てられる。
「入れるぞ、そのまま力抜いて、ゆっくりを息吐いてくれ」
どうしても緊張して固くなりそうになるから、意識的に力を抜くように努めて、言われた通りにゆっくりと息を吐いていった。
「ん……っはあ、ん……、んん……っ!」
覚悟していたような痛みはないんだけど、アレックスによって内壁が押し広げられてくのがわかる。
アレックスが進むたびに、小さな声が自然と漏れた。
アレックスは、僕の呼吸に合わせながらゆっくりと腰を進めてくれてる。
その間も、頬を撫でてくれたり、髪をすいてくれたりと、気遣いが半端ない。
「はぅ!」
今までにない圧迫感を感じて、苦しげな声が思わず上がっちゃう。
アレックスが動きを止める。
「っ……大丈夫か?」
「ん……平気」
「なら、続けるぞ」
「うん」
さっきのでカリ部分を呑み込んだのかな、その後は比較的スムーズに奥へ進んでいく。
もちろん隙間なんてなくて、みっちり埋まってる感じはするし、進む度こじ開けられてくような、内壁を広げられながら進んでいくような、なんとも言えない苦しさはある。
けれど、ポーションのおかげか、痛みがない分きっと使わないよりずっとマシなんだと思う。
苦しいって言ったら、アレックスが止めてしまうかもしれないから、平気だと口にしたのはちょっと強がりだったかもしれない。
僕なりの意地だし、自分にも平気だ、大丈夫と言い聞かせる。
うー……アレックスの方が辛いかも。
時折きつそうに眉を顰めてるし、何度も息をつめてもいる。
そんな姿もかっこいい。
苦しい中に、愛しさが溢れる。
「はあ……全部入ったぞ」
随分時間をかけてくれたと思う。
全部入ったぞ、と間近で言われて、自分の下半身に右手をのばして確かめる。
「ほんとだ……っあ、アレックス?」
嬉しくて自然と笑みが浮かんだけれど、そのとたん中にいるアレックスがぐっと大きくなるのがわかった。
え?これ以上もっと大きくなるものなの?
「悪い……っ動く」
短く耐えきれないように呟いてから、アレックスははじめはゆっくりと、徐々に速度を上げて腰を使い始める。
「んっんっんっ……あっ……んん……」
律動に合わせて吐息が漏れる。
気持ちいいかと言われたら、全然気持ちよくはない。
ひたすら違和感しかない。
奥へと進む圧迫感と、引かれて抜かれるようなむず痒いようなもどかしさがある。
それでも僕を必死で求めてくれるのが嬉しい。
両手をアレックスの鍛えられた背へと回す。
「あっ!……っはあぁっ!!」
律動を繰り返す中、アレックスは僕のおちんちんに手を伸ばすと、動きに合わせて扱きあげてくる。
元気がなくなっていたはずのそれは、新たな刺激に元気を取り戻した。
苦しさの中で、アレックスの手によって気持ちよさが波打つ。
「あっああっああ、んんんっ……アレックス、アレックス……っ!」
小さな波は、やがて大きな波へと変わっていく。
のけ反るように喉を晒しながら、快楽の波に溺れないように必死でアレックスの名前を呼んだ。
驚いて涙も引っ込む。
食いしばってた奥歯からも力が抜けた。
僕が泣いてるのが分かって、慌ててアレックスが否定してくれた。
アレックスが、僕の頬に伝う涙を拭おうとして、ぴたっと止まってから素早く自分の手を浄化し、そっと頬を包んで拭ってくれる。
アレックス、さっきから浄化を何度も使ってる。
僕が少しでも不快にならないように、居心地の良いように、だ。
そうだ……アレックスは、他人への苛立ちもだけど、自分へのやるせなさや苛立ちも表に出ちゃう人だ。
アレックスの、そういう正直なところも好きになったひとつだ。
頭で違うこと考えてそう、っていう人は割といる。よろしくって笑顔で言いながら、実はよろしくしたくないって思ってそうだとか、すみませんって謝りながら頭の中で罵ってそうだとか。
アレックスは、そういう邪推が要らない人だ。
きっと貴族では珍しいんだと思う。
「誤解させるような態度をとった。行為そのものも初めてなのに、不安にさせて悪かった」
「……アレックスも初めてだよね?」
「ああ、だから全然余裕ない」
「え……」
苦笑いで僕を見てくるアレックスは、自信なさげだ。
僕からしたら、アレックスは悔しいくらいに余裕綽々に見えてたのに。
「そんなふうに見えなかったよ?」
「見せないようにしてただけだ。
ただでさえ初めてなんだ、不安にさせたら可哀想だって思ったんだが、させちまったな」
アレックスは、感触を確かめるようにふにふにと親指で僕の下唇に触れる。
「……続き出来る?」
「勿論だ。けど、レンが上に乗るのは今日はやめておこうな?」
負担が大きいから、と言いながら、アレックスはそっと僕の背に腕を回してくる。
「前からでもいいか?」
「……アレックスの顔が見える方がいい」
「っ……わかった」
前からじゃなかったら後ろからなわけで、そうなると、僕はアレックスにお尻と背中を向けることになる。
魔道具を抜いた時が前からだった。
あの時は、出来れば後ろを向きたかった。全部晒すことになるからだ。
けれど今は、ありのまま、僕の全部を見て欲しい。
もちろん恥ずかしくないわけない、今だってこんな状態だし。
でも、1番恥ずかしいのは、通り越したと思う。
シーツにそっと背を預けて、仰向けになる。
足はとりあえず両膝を立てておいた。
アレックスが、1度微笑んでから、触れるだけの口付けを落としてくれた。
下を向いたから、柔らかなウェーブを描く髪が、ひと房アレックスの目にかかる。
それを邪魔そうにかきあげてから、僕の太ももの裏に手を添えてくる。
いよいよだ。
期待感でいっぱいだ。
どうするのが良いのかわからないから、できるだけ力を抜いて、アレックスに身を任せよう。
太腿の裏側を優しく押されてから、そのまま内側に割られて、促されるまま押し開く。
ぴとっと、アレックスのおちんちんがお尻の穴に当てられる。
「入れるぞ、そのまま力抜いて、ゆっくりを息吐いてくれ」
どうしても緊張して固くなりそうになるから、意識的に力を抜くように努めて、言われた通りにゆっくりと息を吐いていった。
「ん……っはあ、ん……、んん……っ!」
覚悟していたような痛みはないんだけど、アレックスによって内壁が押し広げられてくのがわかる。
アレックスが進むたびに、小さな声が自然と漏れた。
アレックスは、僕の呼吸に合わせながらゆっくりと腰を進めてくれてる。
その間も、頬を撫でてくれたり、髪をすいてくれたりと、気遣いが半端ない。
「はぅ!」
今までにない圧迫感を感じて、苦しげな声が思わず上がっちゃう。
アレックスが動きを止める。
「っ……大丈夫か?」
「ん……平気」
「なら、続けるぞ」
「うん」
さっきのでカリ部分を呑み込んだのかな、その後は比較的スムーズに奥へ進んでいく。
もちろん隙間なんてなくて、みっちり埋まってる感じはするし、進む度こじ開けられてくような、内壁を広げられながら進んでいくような、なんとも言えない苦しさはある。
けれど、ポーションのおかげか、痛みがない分きっと使わないよりずっとマシなんだと思う。
苦しいって言ったら、アレックスが止めてしまうかもしれないから、平気だと口にしたのはちょっと強がりだったかもしれない。
僕なりの意地だし、自分にも平気だ、大丈夫と言い聞かせる。
うー……アレックスの方が辛いかも。
時折きつそうに眉を顰めてるし、何度も息をつめてもいる。
そんな姿もかっこいい。
苦しい中に、愛しさが溢れる。
「はあ……全部入ったぞ」
随分時間をかけてくれたと思う。
全部入ったぞ、と間近で言われて、自分の下半身に右手をのばして確かめる。
「ほんとだ……っあ、アレックス?」
嬉しくて自然と笑みが浮かんだけれど、そのとたん中にいるアレックスがぐっと大きくなるのがわかった。
え?これ以上もっと大きくなるものなの?
「悪い……っ動く」
短く耐えきれないように呟いてから、アレックスははじめはゆっくりと、徐々に速度を上げて腰を使い始める。
「んっんっんっ……あっ……んん……」
律動に合わせて吐息が漏れる。
気持ちいいかと言われたら、全然気持ちよくはない。
ひたすら違和感しかない。
奥へと進む圧迫感と、引かれて抜かれるようなむず痒いようなもどかしさがある。
それでも僕を必死で求めてくれるのが嬉しい。
両手をアレックスの鍛えられた背へと回す。
「あっ!……っはあぁっ!!」
律動を繰り返す中、アレックスは僕のおちんちんに手を伸ばすと、動きに合わせて扱きあげてくる。
元気がなくなっていたはずのそれは、新たな刺激に元気を取り戻した。
苦しさの中で、アレックスの手によって気持ちよさが波打つ。
「あっああっああ、んんんっ……アレックス、アレックス……っ!」
小さな波は、やがて大きな波へと変わっていく。
のけ反るように喉を晒しながら、快楽の波に溺れないように必死でアレックスの名前を呼んだ。
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