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本編
-193- 繋がる準備**
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「っ待ってアレックス……っ待ってってば、嫌だ……っやめて!」
待ってって言っても、嫌だって言ってもやめてくれなかった。
股の間で蠢くアレックスの頭部を押してもびくともしない。
ようやくやめてくれたのは、僕の本気で嫌がってるのがわかったからだと思う。
僕が何をそんなに拒んだのかっていうと、僕のお尻の穴をアレックスが直接舐めることだ。
浄化したから綺麗だとか、そういう問題じゃない。
羞恥が強すぎて泣く寸前だ。
最後までって望んだのも僕だし、えっちそのものは、むくむくと期待が膨らむばかりだった。
お風呂から上がった僕は、アレックスにバスタオルでふんわりと包まれてしっかりと水気を取られてから、全裸のまま転移で夫人部屋まで連れてこられた。
アレックスももちろん一糸まとわぬ全裸のまま。
アレックスの本気の口付けを受けて酸欠になりそうな僕が、ベッドの上で最初に放った言葉は、喉乾いた、だった。
サイドテーブルに用意されていたお冷は、アレックスからの口移しだ。
ただのお冷も、アレックスからの口移しだと、柑橘系の甘くすっきりしたオレンジの味。
控えめに言って、美味しかった。
喉も潤い、身体中にたくさんのキスを貰って恥ずかしくも幸せな気分だったのに。
それなのに。
そんな、お尻の穴を舐めるなんて聞いてないよ!
しかも、ただ舐めるだけじゃなくて、中に入ってこようとするような舐め方だ。
自分で指を入れようとして、俺がするから、って言ってくれた時は、アレックスがそう言うなら任せようって思ったし、うん、と了承したのも僕だ。
僕なんだけど。
「やだって言ったのに……っなんでお尻の穴舐めるの?」
「っ……悪かった。もうしない」
第一ナイトポーションがあるのに、まだアレックスは使う気がないみたいに見えた。
「ポーション使って」
「その前に少し繋げておきたいんだ」
「繋げる?……アレックスの大きいから、使ってからにして」
「っ……あーそうじゃなくてだな」
「何?」
2人ともちょっと勃ってる状態で向かい合ってるのに、ムードも何もなくなって、少し間抜けな状態になった。
初心者の中の初心者な僕だ。
お尻の穴を直接舐めるのも、もしかしたら、こっちの世界では特別でも珍しいことでもないのかも知れない。
でも生理的に無理だもん、しょうがない。
「少し繋げるっつーのは、産道にだ。
俺の魔力を流し込まないと中々繋がらないし、繋がる前に入れんのはレンの負担がかかるかもしれない」
「……そっか」
うー…でも、それでもこのままお尻の穴を舐め続けられるのは辛い。
繋がる前でもさ、男の人はみんなお尻の穴を使うわけで。
それなら、そっちの方がまだマシな気がするって思うのは僕だけかな?
「けど、そんなに嫌ならポーションを使うか」
アレックスは、なだめるように僕の頭をぽんぽんしてから、空間からナイトポーションを取り出した。
セオから貰ったポーションだ。
落とした明りの中でもキラキラと綺麗に光って見えた。
蓋をキュポッと外したアレックスは、手のひらに出さずに、瓶に口をつける。
「アレックス?」
アレックスは何も言わずにナイトポーションの瓶をサイドテーブルに置いてしまう。
コトリ、と小さな音が響いた。
ポーションの中身は3分の2くらい残ったままだ。
空いた左手で、僕の背を支えるように抱きしめてくれる。
じっとアレックスを見ると、アレックスはナイトポーションを飲んだわけじゃなくて、口に含んだだけだった。
「………っ」
アレックスがどうするのか僕が理解してすぐだった。
アレックスが右手で口に含んだポーションを受け取る。
その仕草がね、想像していたのと違って、ずっとセクシーで思わず息を飲む。
わざと見せつけてるわけじゃないと思う、アレックスだもん。
怖気づいてる僕にそういうことしないはず。
あー、あれだ。
なんていうか、仕草に品があるからだ。
ともずれば俗物的になるような行動でも、普段の仕草の一つ一つはやっぱり貴族だなって思うくらいにはアレックスには品がある。
口では色々言っても、セバスに色々注意されても、だ。
だから、こう、落とされた明りの中、その陰影も加わって、一種の芸術的なエロティックさを醸し出すのかもしれない。
「これを使うが、大丈夫そうか?」
「……大丈夫、たぶん」
こくこくと頷くのが先で、返事が遅れる。
緊張と期待が嫌でも高まる。
けど、さっきの今で、僕がこんな態度だから、アレックスは逆に心配になっちゃったみたいだ。
ベッドに背を預けたアレックスが左手でそっと僕を引き寄せてくれる。
しな垂れかかるように乗り上がった僕のその背に左手が添えられた。
「腰、少し上げられるか?」
言われるまま、腰を浮かせると、自然とアレックスとの距離が近くなる。
腕を肩に回すと、僕の頬に宥めるような口づけた落とされた。
ちょん、とお尻の穴の中心にアレックスの指が触れて、くるくるとちいさく円を描くように弄ってくる。
気持ち良くはないし、恥ずかしさもあるけれど、直接舐められるより全然ましだ。
つぷりとアレックスの指先が押し込められて思わず力が入る。
集中するとどうしたって力が入っちゃうみたいだ。
「レン」
「ん……っふ……っ」
小さく名前を呼ばれてアレックスと顔を合わせると、深く口づけられた。
アレックスとの口づけがすごく気持ちが良くて、力が抜けていく。
そんな僕の様子を見ながら、アレックスはその長い指を少しずつ埋めていった。
待ってって言っても、嫌だって言ってもやめてくれなかった。
股の間で蠢くアレックスの頭部を押してもびくともしない。
ようやくやめてくれたのは、僕の本気で嫌がってるのがわかったからだと思う。
僕が何をそんなに拒んだのかっていうと、僕のお尻の穴をアレックスが直接舐めることだ。
浄化したから綺麗だとか、そういう問題じゃない。
羞恥が強すぎて泣く寸前だ。
最後までって望んだのも僕だし、えっちそのものは、むくむくと期待が膨らむばかりだった。
お風呂から上がった僕は、アレックスにバスタオルでふんわりと包まれてしっかりと水気を取られてから、全裸のまま転移で夫人部屋まで連れてこられた。
アレックスももちろん一糸まとわぬ全裸のまま。
アレックスの本気の口付けを受けて酸欠になりそうな僕が、ベッドの上で最初に放った言葉は、喉乾いた、だった。
サイドテーブルに用意されていたお冷は、アレックスからの口移しだ。
ただのお冷も、アレックスからの口移しだと、柑橘系の甘くすっきりしたオレンジの味。
控えめに言って、美味しかった。
喉も潤い、身体中にたくさんのキスを貰って恥ずかしくも幸せな気分だったのに。
それなのに。
そんな、お尻の穴を舐めるなんて聞いてないよ!
しかも、ただ舐めるだけじゃなくて、中に入ってこようとするような舐め方だ。
自分で指を入れようとして、俺がするから、って言ってくれた時は、アレックスがそう言うなら任せようって思ったし、うん、と了承したのも僕だ。
僕なんだけど。
「やだって言ったのに……っなんでお尻の穴舐めるの?」
「っ……悪かった。もうしない」
第一ナイトポーションがあるのに、まだアレックスは使う気がないみたいに見えた。
「ポーション使って」
「その前に少し繋げておきたいんだ」
「繋げる?……アレックスの大きいから、使ってからにして」
「っ……あーそうじゃなくてだな」
「何?」
2人ともちょっと勃ってる状態で向かい合ってるのに、ムードも何もなくなって、少し間抜けな状態になった。
初心者の中の初心者な僕だ。
お尻の穴を直接舐めるのも、もしかしたら、こっちの世界では特別でも珍しいことでもないのかも知れない。
でも生理的に無理だもん、しょうがない。
「少し繋げるっつーのは、産道にだ。
俺の魔力を流し込まないと中々繋がらないし、繋がる前に入れんのはレンの負担がかかるかもしれない」
「……そっか」
うー…でも、それでもこのままお尻の穴を舐め続けられるのは辛い。
繋がる前でもさ、男の人はみんなお尻の穴を使うわけで。
それなら、そっちの方がまだマシな気がするって思うのは僕だけかな?
「けど、そんなに嫌ならポーションを使うか」
アレックスは、なだめるように僕の頭をぽんぽんしてから、空間からナイトポーションを取り出した。
セオから貰ったポーションだ。
落とした明りの中でもキラキラと綺麗に光って見えた。
蓋をキュポッと外したアレックスは、手のひらに出さずに、瓶に口をつける。
「アレックス?」
アレックスは何も言わずにナイトポーションの瓶をサイドテーブルに置いてしまう。
コトリ、と小さな音が響いた。
ポーションの中身は3分の2くらい残ったままだ。
空いた左手で、僕の背を支えるように抱きしめてくれる。
じっとアレックスを見ると、アレックスはナイトポーションを飲んだわけじゃなくて、口に含んだだけだった。
「………っ」
アレックスがどうするのか僕が理解してすぐだった。
アレックスが右手で口に含んだポーションを受け取る。
その仕草がね、想像していたのと違って、ずっとセクシーで思わず息を飲む。
わざと見せつけてるわけじゃないと思う、アレックスだもん。
怖気づいてる僕にそういうことしないはず。
あー、あれだ。
なんていうか、仕草に品があるからだ。
ともずれば俗物的になるような行動でも、普段の仕草の一つ一つはやっぱり貴族だなって思うくらいにはアレックスには品がある。
口では色々言っても、セバスに色々注意されても、だ。
だから、こう、落とされた明りの中、その陰影も加わって、一種の芸術的なエロティックさを醸し出すのかもしれない。
「これを使うが、大丈夫そうか?」
「……大丈夫、たぶん」
こくこくと頷くのが先で、返事が遅れる。
緊張と期待が嫌でも高まる。
けど、さっきの今で、僕がこんな態度だから、アレックスは逆に心配になっちゃったみたいだ。
ベッドに背を預けたアレックスが左手でそっと僕を引き寄せてくれる。
しな垂れかかるように乗り上がった僕のその背に左手が添えられた。
「腰、少し上げられるか?」
言われるまま、腰を浮かせると、自然とアレックスとの距離が近くなる。
腕を肩に回すと、僕の頬に宥めるような口づけた落とされた。
ちょん、とお尻の穴の中心にアレックスの指が触れて、くるくるとちいさく円を描くように弄ってくる。
気持ち良くはないし、恥ずかしさもあるけれど、直接舐められるより全然ましだ。
つぷりとアレックスの指先が押し込められて思わず力が入る。
集中するとどうしたって力が入っちゃうみたいだ。
「レン」
「ん……っふ……っ」
小さく名前を呼ばれてアレックスと顔を合わせると、深く口づけられた。
アレックスとの口づけがすごく気持ちが良くて、力が抜けていく。
そんな僕の様子を見ながら、アレックスはその長い指を少しずつ埋めていった。
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