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本編
-166- お別れのご挨拶
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みんなが歌った時も思ったんだけれど、ホールと言われているこの場所、良い感じで反響する。
ピアノも綺麗に響くし、人が集まってるのにこれだけきちんと響くんだから、ホールって言うのが確かにふさわしいかも。
あたたかい空気に、柔らかな空間。
同じ場所に、大切な人たちが聞いてくれることに、後押しされる。
マイクがなくても、ちゃんと声を届けられる。
声がちゃんと届かなければ気持ちも届けられないもん。
アレックスと目が合う。
凄く優しい顔で僕のことを見てくれている。
それだけで、特別なんだって伝わって嬉しい。
今の気持ちも、歌にのせる。
最後の歌詞を歌い切り、残すところ伴奏のみになったところでみんなの様子を初めて見渡す。
幼い子たちも最後まで静かに聞いてくれた。
キラキラした顔を僕に向けてくれるのが嬉しい。
ジャックはぽかんとした顔をしてる。
ルカの頬に涙が伝ってる。
ギーも涙目だ。
リリーに限っては号泣してる。
僕の歌で、皆一人一人何かが伝わったなら嬉しい。
ジュードも、セオも…アレックスまで目に涙を浮かべてる。
グレース様も目元をハンカチで押さえられてる。
静かに伴奏を終えて、おじぎをすると、わーっと大きな拍手が鳴った。
この世界に来て初めて歌ったけれど、歌もやっぱり好きだ。
演じることも好きだし役に立つとわかったけれど、ピアノと歌も続けていこう。
「レン様って……何者?」
ルカが驚いた顔のまま呟いてくる。
僕に問いかけたというより、自然に出てしまった感じだった。
「僕は、前は俳優、役者だったんだ」
「え…劇に出たり?」
「うん」
「そっか……それで」
「じゃあ、プロじゃん!言ってくれよ!…リリーは泣きすぎじゃね?」
「だってえ……っ」
ジャックが、はっとしたように声を上げて、それからリリーにあきれ顔で呟く。
リリーはタオルを受け取ってそれに顔を埋めていた。
「レン様すごーい!」
「レン様じょーずなの!」
左右にネロとパーシーが抱きついてくる。
ふたりのキラキラした目を見ていると、得意気になりそうだ。
「レン、素晴らしい歌とピアノでした」
グレース様が笑顔で声をかけてくれる。
「ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです」
「本当に、いい子が来てくれて良かったわ。
…さて、そろそろ時間かしら?」
グレース様がアレックスに問うと、アレックスは時計を見やってから小さく頷く。
とたん、子供たちの残念そうな声が重なって、“えー”の大合唱になる。
「えー……もう?」
「もっとお話ししたい!」
「わがまま言わないの!」
口をとがらせる子供たちにリリーがすかさず叱る。
しゅんとした子供たちの顔を見ていると、申し訳ない気持ちと、またすぐに会いに来てあげたくなる気持ちが重なる。
なにより、この場所は明るくて優しくて、とても気持ちがいい場所だ。
「レン様帰っちゃうの?」
「レン様次はいつくるの?」
ネロとパーシーが寂しそうな顔で見上げてくる。
しゃがみ込んで視線を合わせて抱き寄せてから、アレックスを見る。
次はいつ来られるだろう?
「…またすぐ来るぞ」
「すぐってどのくらい?何回寝たら来る?」
「三回くらい?」
アレックスの言葉に、ネロとパーシーが言いつのる。
「遅くとも来月には来る」
「らいげつって、どのくらい?」
「あしたの、あしたの、あしたくらい?」
「あー…もっとだ」
「えー…もっとなの?」
きゅっと僕に抱き着くふたりの腕に力が入る。
すかさず、リリーが出てきてべりっと二人を引きはがす。
ふたりの顔がぶーと膨らむけれど、それを見る皆の顔は笑顔だ。
だって、泣き叫んだりしないから、ああ見えてふたりは本当は聞き分けのいい子たちだと思う。
「レン」
「ん?」
「レンの手から子供たちに土産の焼き菓子を渡してくれるか?」
「うん。ありがとう、アレックス!」
僕もみんなと別れるのが名残惜しいのを、アレックスは気遣ってくれたみたいだ。
グレース様に手渡して、あとで食べてくれ、って言うだけで済むことだけれど、ひとりひとりと話す時間をくれるのが嬉しい。
レンの前に順番に並びましょう、とグレース様が言うと、パーシーとネロがリリーの腕をするりと抜けて離れて駆け寄ってくる。
ひとりずつ、と思ったのに、ふたり同時に駆け寄ってきたので、ふたり同時に渡す。
グリーンのリボンで結ばれている焼き菓子のセットだ。
クッキーが3枚、フィナンシェとマドレーヌがひとつずつ入っていて、全てにエリソン侯爵の紋章が焼印されている。
「パーシーとネロが一緒に居てくれて、とても楽しかったよ。また来るからね」
「うん…また来てね」
「次もお歌歌ってね」
「うん」
「リリー、君が子供たちをまとめてくれたから、心地いい時間を過ごせたよ。今日はありがとう」
「レン様、こちらこそ楽しい時間と素晴らしい演奏と歌をありがとうございました」
綺麗におじぎをした後、リリーはネロとパーシーの元にかけていく。
二人はすぐにでもお菓子をあけて全部食べてしまいそうだ。
今あけたら、本来のおやつを食べられないかもしれない。
「モニカ、初めて来た僕に優しくしてくれてありがとう」
「レン様、次もお歌歌ってくれる?」
「うん、約束ね」
「エミー、今日は君の好きなものを見せてくれてありがとう」
「レン様、またご本読んで?次はちょうちょのお話を読んでほしいの」
「うん、約束ね」
「ピッポ、君のとても頑張り屋なところを見て、僕もアレックスのとなりで頑張ろうと思えたよ。ありがとう」
「レン様……また来てね」
「うん」
「ビート、僕もこの地にきたばかりでまだ知らないことがたくさんあるんだ、これから色々学んでいこうね」
「レン様、俺、好きなもの一つ出来たよ。レン様の歌好きだ」
「ありがとう!」
「リサ、凄く可愛くしてもらえたね」
「レン様、髪を伸ばしてね?それまでセオの腕は私とキャシーで鍛えるわ」
「ありがとう」
「キャシー、今度また、レース編みを見せてね」
「レン様、あたしが作ったら貰ってくれる?」
「作ってくれるの?うん、勿論!」
「楽しみにしててね!」
「ジャック、君が初めて来た僕に躊躇せず声をかけてくれたから、皆と楽しい時間を過ごせたよ。ありがとう」
「俺等より子供みたいって言ってごめん。レン様は、すげー人だ。レン様が侯爵夫人で良かった」
「まだ仮だけれど、次は堂々と言えるようになるからね」
「あー…そっか。うん!」
「ロッテ、先生になる夢に向かって一生懸命勉強してる君の姿を知って、僕も負けないようにこの地でたくさん勉強しようと思えたよ」
「私も頑張るから、レン様も頑張ってね」
「うん」
「ギー、君がさつま芋の使い道を丁寧に教えてくれたから、僕もとても勉強になったよ。ありがとう」
「レン様は……すごいね、今日が初めてなのにみんなの名前をもう覚えてるなんて」
「ひとりひとり僕に教えてくれたからだよ。それに、役者だったからね。名前を覚えるのは得意なんだ」
「…アレックス様の伴侶がレン様で良かった。また、次も歌ってね」
「わかった、約束ね」
「ルカ、お昼に誘ってくれてありがとう。一緒に話が出来て嬉しかったよ」
「レン様、次に来られるときに、読んで欲しい」
ルカの真剣な目と合う。
読んで欲しいのは本じゃなくて、手紙だ。
腕輪と手紙を、と言わなかったのは、内緒にしてと僕が言ったからだ。
「わかった。約束ね」
「うん」
「グレース様、今日は本当にありがとうございました。
とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
子供たちが安心して過ごせているここは、とてもあたたかくて、優しくて、良い場所でした。
今の僕に出来ることはまだ少ないですが、アレックスの隣で努力します」
最後にグレース様に声をかけると、本当に優しそうな笑顔を見せてくれる。
最初にご挨拶した時より、少しだけ距離が縮まったような気がする。
なんていうか、うん、もっと自然な感じ、そんな笑顔だ。
「レン、また是非来てくださいね。アレックスが一緒でなくてもいいのよ?子供たちも待ってるわ」
「ちょっ……」
「はい!」
アレックスがなにか言おうとしてたけれど、僕はすかさず頷いて答えた。
一緒に訪問することも勿論だけれど、みんなが望んでくれるなら、僕だけでもまた来たいな。
それに、孤児院の訪問は、ゆくゆくは僕の公務になるかもしれない。
ここの子供たちに出会えたことで、今までの僕の視野が少しだけ広がった気がする。
本当に、連れてきてもらえてよかった。
ピアノも綺麗に響くし、人が集まってるのにこれだけきちんと響くんだから、ホールって言うのが確かにふさわしいかも。
あたたかい空気に、柔らかな空間。
同じ場所に、大切な人たちが聞いてくれることに、後押しされる。
マイクがなくても、ちゃんと声を届けられる。
声がちゃんと届かなければ気持ちも届けられないもん。
アレックスと目が合う。
凄く優しい顔で僕のことを見てくれている。
それだけで、特別なんだって伝わって嬉しい。
今の気持ちも、歌にのせる。
最後の歌詞を歌い切り、残すところ伴奏のみになったところでみんなの様子を初めて見渡す。
幼い子たちも最後まで静かに聞いてくれた。
キラキラした顔を僕に向けてくれるのが嬉しい。
ジャックはぽかんとした顔をしてる。
ルカの頬に涙が伝ってる。
ギーも涙目だ。
リリーに限っては号泣してる。
僕の歌で、皆一人一人何かが伝わったなら嬉しい。
ジュードも、セオも…アレックスまで目に涙を浮かべてる。
グレース様も目元をハンカチで押さえられてる。
静かに伴奏を終えて、おじぎをすると、わーっと大きな拍手が鳴った。
この世界に来て初めて歌ったけれど、歌もやっぱり好きだ。
演じることも好きだし役に立つとわかったけれど、ピアノと歌も続けていこう。
「レン様って……何者?」
ルカが驚いた顔のまま呟いてくる。
僕に問いかけたというより、自然に出てしまった感じだった。
「僕は、前は俳優、役者だったんだ」
「え…劇に出たり?」
「うん」
「そっか……それで」
「じゃあ、プロじゃん!言ってくれよ!…リリーは泣きすぎじゃね?」
「だってえ……っ」
ジャックが、はっとしたように声を上げて、それからリリーにあきれ顔で呟く。
リリーはタオルを受け取ってそれに顔を埋めていた。
「レン様すごーい!」
「レン様じょーずなの!」
左右にネロとパーシーが抱きついてくる。
ふたりのキラキラした目を見ていると、得意気になりそうだ。
「レン、素晴らしい歌とピアノでした」
グレース様が笑顔で声をかけてくれる。
「ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです」
「本当に、いい子が来てくれて良かったわ。
…さて、そろそろ時間かしら?」
グレース様がアレックスに問うと、アレックスは時計を見やってから小さく頷く。
とたん、子供たちの残念そうな声が重なって、“えー”の大合唱になる。
「えー……もう?」
「もっとお話ししたい!」
「わがまま言わないの!」
口をとがらせる子供たちにリリーがすかさず叱る。
しゅんとした子供たちの顔を見ていると、申し訳ない気持ちと、またすぐに会いに来てあげたくなる気持ちが重なる。
なにより、この場所は明るくて優しくて、とても気持ちがいい場所だ。
「レン様帰っちゃうの?」
「レン様次はいつくるの?」
ネロとパーシーが寂しそうな顔で見上げてくる。
しゃがみ込んで視線を合わせて抱き寄せてから、アレックスを見る。
次はいつ来られるだろう?
「…またすぐ来るぞ」
「すぐってどのくらい?何回寝たら来る?」
「三回くらい?」
アレックスの言葉に、ネロとパーシーが言いつのる。
「遅くとも来月には来る」
「らいげつって、どのくらい?」
「あしたの、あしたの、あしたくらい?」
「あー…もっとだ」
「えー…もっとなの?」
きゅっと僕に抱き着くふたりの腕に力が入る。
すかさず、リリーが出てきてべりっと二人を引きはがす。
ふたりの顔がぶーと膨らむけれど、それを見る皆の顔は笑顔だ。
だって、泣き叫んだりしないから、ああ見えてふたりは本当は聞き分けのいい子たちだと思う。
「レン」
「ん?」
「レンの手から子供たちに土産の焼き菓子を渡してくれるか?」
「うん。ありがとう、アレックス!」
僕もみんなと別れるのが名残惜しいのを、アレックスは気遣ってくれたみたいだ。
グレース様に手渡して、あとで食べてくれ、って言うだけで済むことだけれど、ひとりひとりと話す時間をくれるのが嬉しい。
レンの前に順番に並びましょう、とグレース様が言うと、パーシーとネロがリリーの腕をするりと抜けて離れて駆け寄ってくる。
ひとりずつ、と思ったのに、ふたり同時に駆け寄ってきたので、ふたり同時に渡す。
グリーンのリボンで結ばれている焼き菓子のセットだ。
クッキーが3枚、フィナンシェとマドレーヌがひとつずつ入っていて、全てにエリソン侯爵の紋章が焼印されている。
「パーシーとネロが一緒に居てくれて、とても楽しかったよ。また来るからね」
「うん…また来てね」
「次もお歌歌ってね」
「うん」
「リリー、君が子供たちをまとめてくれたから、心地いい時間を過ごせたよ。今日はありがとう」
「レン様、こちらこそ楽しい時間と素晴らしい演奏と歌をありがとうございました」
綺麗におじぎをした後、リリーはネロとパーシーの元にかけていく。
二人はすぐにでもお菓子をあけて全部食べてしまいそうだ。
今あけたら、本来のおやつを食べられないかもしれない。
「モニカ、初めて来た僕に優しくしてくれてありがとう」
「レン様、次もお歌歌ってくれる?」
「うん、約束ね」
「エミー、今日は君の好きなものを見せてくれてありがとう」
「レン様、またご本読んで?次はちょうちょのお話を読んでほしいの」
「うん、約束ね」
「ピッポ、君のとても頑張り屋なところを見て、僕もアレックスのとなりで頑張ろうと思えたよ。ありがとう」
「レン様……また来てね」
「うん」
「ビート、僕もこの地にきたばかりでまだ知らないことがたくさんあるんだ、これから色々学んでいこうね」
「レン様、俺、好きなもの一つ出来たよ。レン様の歌好きだ」
「ありがとう!」
「リサ、凄く可愛くしてもらえたね」
「レン様、髪を伸ばしてね?それまでセオの腕は私とキャシーで鍛えるわ」
「ありがとう」
「キャシー、今度また、レース編みを見せてね」
「レン様、あたしが作ったら貰ってくれる?」
「作ってくれるの?うん、勿論!」
「楽しみにしててね!」
「ジャック、君が初めて来た僕に躊躇せず声をかけてくれたから、皆と楽しい時間を過ごせたよ。ありがとう」
「俺等より子供みたいって言ってごめん。レン様は、すげー人だ。レン様が侯爵夫人で良かった」
「まだ仮だけれど、次は堂々と言えるようになるからね」
「あー…そっか。うん!」
「ロッテ、先生になる夢に向かって一生懸命勉強してる君の姿を知って、僕も負けないようにこの地でたくさん勉強しようと思えたよ」
「私も頑張るから、レン様も頑張ってね」
「うん」
「ギー、君がさつま芋の使い道を丁寧に教えてくれたから、僕もとても勉強になったよ。ありがとう」
「レン様は……すごいね、今日が初めてなのにみんなの名前をもう覚えてるなんて」
「ひとりひとり僕に教えてくれたからだよ。それに、役者だったからね。名前を覚えるのは得意なんだ」
「…アレックス様の伴侶がレン様で良かった。また、次も歌ってね」
「わかった、約束ね」
「ルカ、お昼に誘ってくれてありがとう。一緒に話が出来て嬉しかったよ」
「レン様、次に来られるときに、読んで欲しい」
ルカの真剣な目と合う。
読んで欲しいのは本じゃなくて、手紙だ。
腕輪と手紙を、と言わなかったのは、内緒にしてと僕が言ったからだ。
「わかった。約束ね」
「うん」
「グレース様、今日は本当にありがとうございました。
とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
子供たちが安心して過ごせているここは、とてもあたたかくて、優しくて、良い場所でした。
今の僕に出来ることはまだ少ないですが、アレックスの隣で努力します」
最後にグレース様に声をかけると、本当に優しそうな笑顔を見せてくれる。
最初にご挨拶した時より、少しだけ距離が縮まったような気がする。
なんていうか、うん、もっと自然な感じ、そんな笑顔だ。
「レン、また是非来てくださいね。アレックスが一緒でなくてもいいのよ?子供たちも待ってるわ」
「ちょっ……」
「はい!」
アレックスがなにか言おうとしてたけれど、僕はすかさず頷いて答えた。
一緒に訪問することも勿論だけれど、みんなが望んでくれるなら、僕だけでもまた来たいな。
それに、孤児院の訪問は、ゆくゆくは僕の公務になるかもしれない。
ここの子供たちに出会えたことで、今までの僕の視野が少しだけ広がった気がする。
本当に、連れてきてもらえてよかった。
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