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本編
-147- 絶品チーズ
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まずは、セオも一緒に楊枝が刺さってるチーズからいただくことにした。
見た目はつるりとしていて、柔らかそう。
うん、モッツアレラみたいだ。
ふんわりと生乳の香りがして、癖がなくてとっても美味しい。
「もちもちしてるね!
このままでも美味しいけれどサラダにしたらとっても美味しいそう」
「白ワインにも合いそうですね」
「セバスは赤と白どっちが好きなの?」
「爺さまは、赤ですね」
「そっか。じゃあ、赤ワインにあうチーズがいいかなあ」
次に口にしたのは、白カビのチーズ、カマンベールだ…多分。
多分、っていうのは、カマンベールって名前や種類は書いてなくて、チーズはチーズってだけだからだ。
メニューにもどんな風味かと、誰のおすすめか、どんな人におすすめか、は書いてあったしイラストにもあったけど、チーズとしか書かれてない。
ちなみにこのチーズは、ベネッタおすすめ、白いチーズと書いてある。
口当たりも良くて、チーズの香りも味も濃いのに、まろやかでとっても美味しい!
「やっぱこれ美味いですね!好きな味です」
「うん、このままでも美味しいけれど、温めてとろっとしたのも美味しそう」
次に口にするのは、見た目が印象的な黒カビチーズ、ゴルゴンゾーラだ。
って言っても、僕が、黒カビチーズ=ゴルゴンゾーラしか知らないからなんだけれど。
意を決して口にした黒いチーズだったけれど、いい意味で衝撃的だった。
「ん?美味しい!全然辛くない!」
以前フランスに旅行に行ったときに食べたゴルゴンゾーラのチーズは、とてもじゃないけれど僕には無理だった。
香りが強すぎて、舌に刺激があるほどの何とも言えない味だったから。
これは、舌触りも柔らかくてなめらかだし、癖が少ない上に塩気もまろやかだ。
もしかしたら、こういう種類のチーズもあったのかもしれないけれど、あれで僕は黒いチーズは合わないから避けてきた。
「黒いチーズって見た目がアレでずっと避けてましたけど、損でしたね」
セオも、びっくりしてるみたいだ。
目がまん丸になってる。
「僕が元の世界にいた時に食べたことのある黒いチーズは、もっと舌と鼻に刺激がくるような強烈な味だったよ。
でも、これはとっても美味しい」
「レン様の仰る黒いチーズが、一般的に帝都で出回っているものかもしれませんね。
そのチーズをもとに、改良を重ねたのがこの黒いのチーズです。
貴族の方々に人気の黒いチーズですが、もっと食べやすく美味いのを作れないか、と試行錯誤したのがこちらです。
『こんなもん食えるか、客を減らす気か、美味いものを作れ』と、言ったのはニックですが、娘が躍起になって改良した結果、出来上がりました」
「じゃあ、娘さんのお一人は、ハンナさん?」
「はい、先ほど泡だて器を振り回していたのがそうです」
「ふふっ、頼もしいね!」
メニューには、ハンナのおすすめ黒いチーズ、と書いてある。
パスタにも合いそうだし、料理のアクセントに良さそうだ。
白黒ときて、次にいただくのが黄色のチーズだ。
元の世界ではなんていうチーズだっけ?
黄色いチーズ=ハンバーガーに挟んであるチェダーチーズくらいしか浮かび上がらない。
これは、母さんと父さんがワインと一緒に食べていたチーズ…のはず。
メニューには、ワイン好きの人におすすめって書いてある。
何チーズって言ってたのかしらないけれど、塩気と風味が濃かった気がする…と思って口にした。
「あ、食べやすい!思ったより全然柔らかだ」
「確かにこれは赤ワインに合いそうですね!爺さまにはこれにしましょう」
「うん。残りの3つは、チーズの他に何か入ってるんだね?」
「はい、レン様の向かって右から、ナッツとはちみつ、ドライフルーツ、胡椒の油漬けになっています。
そのままでも美味しいですし、パンにつけても美味しいですよ」
ベネッタさんの言う通り、とても美味しいし馴染みのある味だった。
どれもクリームチーズに混ざってるんだと思う。
滑らかで美味しい。
「アニーさんはドライフルーツが好きですよ、たぶん、これも気に入ると思います」
「なら、そうしよう。レオンは黒いチーズにしてみない?同じびっくりを味わってほしいと思ったんだけれどどうかな」
「あー、ですね!そうしましょうか。ロブ爺さんとロン、あとトム爺さんもか、あの3人は甘いのは好きなはずですけどねー」
「なら、休憩時間そのまま食べられるだろうから、焼き菓子はどうかな?」
「良いと思います」
「マーティンとイアンは?」
「うーんあの人たちは、仕事人間ですから、そのままでもいいし、料理にも使えそうなのが良いかもしれませんね」
「なら、胡椒の油漬けと、ナッツとはちみつのにするね。アレックスとジュードはあとで選んでもらえばいいかな?」
「あー…アレックス様は、自分の土産を買わないですから、レン様が一緒に食べたいのを買うといいですよ。
チーズはどれもお好きなはずですから。
アレックス様は、いつも新商品は必ず買いますが、仕事の一環です。
ジュードは、チーズ自体あんまり好きじゃないんですよねー…買うなら焼き菓子で良いと思いますけど、一緒に来てるのに買うんです?」
セオが不思議そうに問う。
「うん。自分用のお土産って買わないの?」
「あー…普段は買いませんね」
「そっか。あ、セオも選んでね?僕のお金を貰ってるって言ってたけど、それから出して」
「ありがとうございます。なら、俺は、ベネッタさんおすすめの白いチーズにします」
セオが、迷わず白いチーズを選んだ。
うん、これとっても美味しかった。
「アレックスのもそれにする。一番好きな味だったから、一緒に食べたい」
見た目はつるりとしていて、柔らかそう。
うん、モッツアレラみたいだ。
ふんわりと生乳の香りがして、癖がなくてとっても美味しい。
「もちもちしてるね!
このままでも美味しいけれどサラダにしたらとっても美味しいそう」
「白ワインにも合いそうですね」
「セバスは赤と白どっちが好きなの?」
「爺さまは、赤ですね」
「そっか。じゃあ、赤ワインにあうチーズがいいかなあ」
次に口にしたのは、白カビのチーズ、カマンベールだ…多分。
多分、っていうのは、カマンベールって名前や種類は書いてなくて、チーズはチーズってだけだからだ。
メニューにもどんな風味かと、誰のおすすめか、どんな人におすすめか、は書いてあったしイラストにもあったけど、チーズとしか書かれてない。
ちなみにこのチーズは、ベネッタおすすめ、白いチーズと書いてある。
口当たりも良くて、チーズの香りも味も濃いのに、まろやかでとっても美味しい!
「やっぱこれ美味いですね!好きな味です」
「うん、このままでも美味しいけれど、温めてとろっとしたのも美味しそう」
次に口にするのは、見た目が印象的な黒カビチーズ、ゴルゴンゾーラだ。
って言っても、僕が、黒カビチーズ=ゴルゴンゾーラしか知らないからなんだけれど。
意を決して口にした黒いチーズだったけれど、いい意味で衝撃的だった。
「ん?美味しい!全然辛くない!」
以前フランスに旅行に行ったときに食べたゴルゴンゾーラのチーズは、とてもじゃないけれど僕には無理だった。
香りが強すぎて、舌に刺激があるほどの何とも言えない味だったから。
これは、舌触りも柔らかくてなめらかだし、癖が少ない上に塩気もまろやかだ。
もしかしたら、こういう種類のチーズもあったのかもしれないけれど、あれで僕は黒いチーズは合わないから避けてきた。
「黒いチーズって見た目がアレでずっと避けてましたけど、損でしたね」
セオも、びっくりしてるみたいだ。
目がまん丸になってる。
「僕が元の世界にいた時に食べたことのある黒いチーズは、もっと舌と鼻に刺激がくるような強烈な味だったよ。
でも、これはとっても美味しい」
「レン様の仰る黒いチーズが、一般的に帝都で出回っているものかもしれませんね。
そのチーズをもとに、改良を重ねたのがこの黒いのチーズです。
貴族の方々に人気の黒いチーズですが、もっと食べやすく美味いのを作れないか、と試行錯誤したのがこちらです。
『こんなもん食えるか、客を減らす気か、美味いものを作れ』と、言ったのはニックですが、娘が躍起になって改良した結果、出来上がりました」
「じゃあ、娘さんのお一人は、ハンナさん?」
「はい、先ほど泡だて器を振り回していたのがそうです」
「ふふっ、頼もしいね!」
メニューには、ハンナのおすすめ黒いチーズ、と書いてある。
パスタにも合いそうだし、料理のアクセントに良さそうだ。
白黒ときて、次にいただくのが黄色のチーズだ。
元の世界ではなんていうチーズだっけ?
黄色いチーズ=ハンバーガーに挟んであるチェダーチーズくらいしか浮かび上がらない。
これは、母さんと父さんがワインと一緒に食べていたチーズ…のはず。
メニューには、ワイン好きの人におすすめって書いてある。
何チーズって言ってたのかしらないけれど、塩気と風味が濃かった気がする…と思って口にした。
「あ、食べやすい!思ったより全然柔らかだ」
「確かにこれは赤ワインに合いそうですね!爺さまにはこれにしましょう」
「うん。残りの3つは、チーズの他に何か入ってるんだね?」
「はい、レン様の向かって右から、ナッツとはちみつ、ドライフルーツ、胡椒の油漬けになっています。
そのままでも美味しいですし、パンにつけても美味しいですよ」
ベネッタさんの言う通り、とても美味しいし馴染みのある味だった。
どれもクリームチーズに混ざってるんだと思う。
滑らかで美味しい。
「アニーさんはドライフルーツが好きですよ、たぶん、これも気に入ると思います」
「なら、そうしよう。レオンは黒いチーズにしてみない?同じびっくりを味わってほしいと思ったんだけれどどうかな」
「あー、ですね!そうしましょうか。ロブ爺さんとロン、あとトム爺さんもか、あの3人は甘いのは好きなはずですけどねー」
「なら、休憩時間そのまま食べられるだろうから、焼き菓子はどうかな?」
「良いと思います」
「マーティンとイアンは?」
「うーんあの人たちは、仕事人間ですから、そのままでもいいし、料理にも使えそうなのが良いかもしれませんね」
「なら、胡椒の油漬けと、ナッツとはちみつのにするね。アレックスとジュードはあとで選んでもらえばいいかな?」
「あー…アレックス様は、自分の土産を買わないですから、レン様が一緒に食べたいのを買うといいですよ。
チーズはどれもお好きなはずですから。
アレックス様は、いつも新商品は必ず買いますが、仕事の一環です。
ジュードは、チーズ自体あんまり好きじゃないんですよねー…買うなら焼き菓子で良いと思いますけど、一緒に来てるのに買うんです?」
セオが不思議そうに問う。
「うん。自分用のお土産って買わないの?」
「あー…普段は買いませんね」
「そっか。あ、セオも選んでね?僕のお金を貰ってるって言ってたけど、それから出して」
「ありがとうございます。なら、俺は、ベネッタさんおすすめの白いチーズにします」
セオが、迷わず白いチーズを選んだ。
うん、これとっても美味しかった。
「アレックスのもそれにする。一番好きな味だったから、一緒に食べたい」
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