上 下
119 / 440
本編

-119- 二回目の一緒にお風呂**

しおりを挟む
「先にレンの髪を洗おう」

流石にトリートメントは遊ばないで終えた。
しっかりと流し終わったところで、アレックスが流れるように立ち上がり、僕を椅子へと促してくる。
先にアレックスの体を洗おうと思っていたのに、すとん、と椅子に座っちゃう。
オッドマンの位置まで調整されちゃうから、引くに引けない。
僕の頭を洗ってくれるのは嬉しいけれど、アレックスの体が洗い終わってない。

「アレックスの体は?」
「その後な」
「わかった」

昨日と同じシャンプー、アレックスと同じシャンプーだ。
昨日と同じように、優しく丁寧に洗ってくれる。
僕がアレックスの髪の毛で遊んだのに、アレックスは、僕を大切にしてくれてるのがわかる洗い方だ。
凄く気分が良くなる。
アレックスは本当に髪の毛を洗うのが上手だ。
遊んじゃって悪いことしたかな、明日は遊ばないでちゃんと洗おう。


同じ香りに包まれるのはなんだか気分がいい。
それじゃあ、さっそくアレックスの身体を洗うぞ、と思ったところで、アレックスが丸い大きめのポンプを手にする。

「今日はこれで洗ってみないか?フルーツの香りの泡が出る」
「うん、洗ってみたい」
「なら、両手だしてくれ」

ポンプの前に両手を出すと、アレックスがポンプを一度押す。
すると、シューっと音がして、ポンプの先から泡がどんどん出てきた。

「えー、凄い!アレックス、これ、どうやって止めるの?」
「一回分出ると自然に止まるぞ、そろそろじゃないか?」

アレックスの言うように、バスケットボール一個分ほどの大きな泡の塊が出来上がったところで、ポンプが止まった。
ふんわりとミックスフルーツの香りがする泡だ。
もこもこというより、もっちりしていてホイップクリームみたい。
これが一回分?凄い贅沢だ。

アレックスも同じように泡を手にする。
ただし、アレックスは片手だ。
あいている右手で僕をそっと引き寄せて、背中から肩、腰、お尻、足へと泡を広げてくる。

「洗ってくれるんだろ?」

アレックスは、向かい合ったまま両手に泡を抱えている僕のその腕を取って、するりと撫でるように洗う。
そのまま僕の両手を手に取って自分の胸元へと促してくれた。
綺麗な胸板に、無駄のない筋肉がついたお腹に、形のいいお臍、そして、オールドローズの深い茂み、その下の立派なおちんちん。
綺麗な形だけれど、ちっとも勃ってない。
そりゃあ、きっと洗うだけじゃなくて、扱いたりしたらきっと勃つだろうけれど。
でも、お尻の奥を洗っても、アレックスは、ばつの悪そうな顔をして笑ってくるだけだった。


対して僕は、胸や脇を優しく撫でられて、太腿からお尻、割れ目の間も優しく洗われて、お尻の穴もくるくると撫でられて、ちょっと勃ちそうだ…っていうか、泡の下でちょっとだけ勃ってる。
そのまま前にスライドされて、睾丸の付け根も丁寧に撫でられて、そのまま掌で二つの玉を受け取ると包むように撫でられる。
だんだん気持ちよくなってきて、息が上がってくる。
アレックスは何も言わないけれど、愛し気に僕を見てくるから、そんな風にされるとより感じちゃう。

「はあ……ん……っ」

上下する胸を再びゆっくりと撫でられて、ちゅっと唇にキスが落ちてきた。
優しく食まれて、口内を明け渡す。
覚えたばかりだけれど、アレックスとのキスはすごく気持ちがいい。
オレンジの香りが濃く広がって、まだ一度も湯船につかっていないのにのぼせそうになる。

深く口づけを交わす中、アレックスがそっと僕の中心に指を絡めてくる。
僕も、アレックスの同じものに指をのばす。
同じものっていうのもおこがましいよね、アレックスのは、僕と違って立派だから。

あ…さっきまでちっとも勃てなかったのに、アレックス勃ってる。
熱くて、かたい。
僕が感じてるのを知って、感じてくれたのだとしたら嬉しい。

膝が崩れそうになる僕の腰を支えて、オッドマンの上、というか、先にオッドマンに座ったアレックスが、自分の上へと促してくる。
腰を引き寄せられて、僕のおちんちんとアレックスのおちんちんがぴったり合わさる。
恥ずかしすぎる格好に、なぜだろう、より興奮してるのが自分でわかる。
アレックスは足がついてるけれど、僕が微妙に床に足がつかないから、動くに動けない。

「両腕、肩に回して捕まっててくれるか?」

だから、任せるしかないんだけど…と思ってると、こめかみにちゅっとキスが落ちて、耳元にそっと囁かれる。
一度頷いてから、言われた通りに両腕をアレックスへと回す。
アレックスは、それを合図に、左手で僕の腰をしっかりと腰を支えて、右手で僕と自分のおちんちんを一緒に扱き始めた。



「あっあっあっあっ、ふううぅ、うー…、んんっ、アレックス……っ」

ぐちゅぐちゅと泡が擦れる音以外に、ぱちゅぱちゅと肌が擦れてぶつかる音がする。
アレックスが手だけじゃなくて、腰も使ってくるから、おちんちん同士が何度も擦れる。
それに、時折先端を掌で包むように愛撫してくる。
優しくもどかしい愛撫と腰つきが、だんだんと大胆に、強度も速度も増してくる。
勿論、痛みなんてなくて気持ちがいいだけだ。

余裕があったアレックスの息もだんだんと上がって、はっはっと短く早く呼吸を繰り返してる。

「あ、そこ、そこっ、気持ちいっ!」
「っ、あー…っくそ……すげーな……」

凄く弱いところを刺激されて足が、アレックスの腰を、ホールドしちゃう。
アレックスの呟く声に一瞬誤解しそうになるけれど、少し腕を緩めて確かめたその瞳がものすごく感じいってるから違うってわかる。
夕飯の時に誤解してしまって、アレックスを信じきれなかった。

僕のことが好きだって、愛しいって目だ。
僕のことを、いらない、必要ないなんて思わないのに。

「ふっ……うう……っ」
「っ?!……どうした?辛かったか?」

アレックスが慌てて動きを止めてくる。
僕が感極まって泣いちゃったからだ、首を振って否定する。

「っちが……っ、好き……、っアレックスっ…、好き……好き……っ」
「ああ、俺も好きだ。愛してる……っ、泣くな」

再開する律動に身をゆだね、うわ言のように好きだ、と繰り返す。
アレックスはそれに応えて、僕の思いも、快楽も、全部を受け止めてくれた。



「大丈夫か?」
「うん。心配かけてごめんね」
「いや…、ただ、可愛すぎてどうしようかと思った」

湯船にあったまりながら、アレックスが水で冷やしてくれたタオルを両目にあてる。
泣いちゃったから、このまま冷やさないと腫れそうだって。
泣き腫らした目で孤児院に行くことなんて出来ないし、そんな目をしていたら僕じゃなくてアレックスがセバスから怒られちゃうだろうから、なんとしてもさけたい。

アレックスがね、綺麗にお互いの泡も精液もシャワーで流してくれて、僕を湯船までそっと運んでくれたんだ。
達した後、なーんにもしなかった僕と違って、…しなかったっていうか、動けなかったんだけれど。
でも、アレックスは甲斐甲斐しく動いてくれた。
アレックスだって、いった後はしばらくぼうっとしてたいはずなのに、すぐに息を整えてずっと僕のことを気遣ってくれた。
愛されてるなあ。

それに、可愛すぎてどうしようかと思った、だって。
笑いながら言うけど、タオルをちょっとだけずらしてその隙間からアレックスを見たら、僕を見る目が凄く優しかった。
そう、アレックスは、凄く優しい。

そのままタオルの隙間から窓の向こうに目を移す。
湯船から見える夜空には、今日もたくさんの星が輝いている。
明日も晴れそうだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

そばかす糸目はのんびりしたい

楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。 母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。 ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。 ユージンは、のんびりするのが好きだった。 いつでも、のんびりしたいと思っている。 でも何故か忙しい。 ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。 いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。 果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。 懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。 全17話、約6万文字。

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

魔王討伐後に勇者の子を身篭ったので、逃げたけど結局勇者に捕まった。

柴傘
BL
勇者パーティーに属していた魔術師が勇者との子を身篭ったので逃走を図り失敗に終わるお話。 頭よわよわハッピーエンド、執着溺愛勇者×気弱臆病魔術師。 誰もが妊娠できる世界、勇者パーティーは皆仲良し。 さくっと読める短編です。

怒鳴り声が怖くて学校から帰ってしまった男子高校生

こじらせた処女
BL
過去の虐待のトラウマから、怒鳴られると動悸がしてしまう子が過呼吸を起こす話

僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした

なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。 「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」 高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。 そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに… その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。 ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。 かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで… ハッピーエンドです。 R18の場面には※をつけます。

瞳の代償 〜片目を失ったらイケメンたちと同居生活が始まりました〜

Kei
BL
昨年の春から上京して都内の大学に通い一人暮らしを始めた大学2年生の黒崎水樹(男です)。無事試験が終わり夏休みに突入したばかりの頃、水樹は同じ大学に通う親友の斎藤大貴にバンドの地下ライブに誘われる。熱狂的なライブは無事に終了したかに思えたが、…… 「え!?そんな物までファンサで投げるの!?」 この物語は何処にでもいる(いや、アイドル並みの可愛さの)男子大学生が流れに流されいつのまにかイケメンの男性たちと同居生活を送る話です。 流血表現がありますが苦手な人はご遠慮ください。また、男性同士の恋愛シーンも含まれます。こちらも苦手な方は今すぐにホームボタンを押して逃げてください。 もし、もしかしたらR18が入る、可能性がないこともないかもしれません。 誤字脱字の指摘ありがとうございます

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)

処理中です...