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本編
-83- お店まで
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お昼ごはんを食べ終わったら、アニーに手伝ってもらって外出着に着替える。
サイズは少し合わないけれど、もともと仕立ての良いものだ。
ジャケットも、丈より肩幅で選んでもらって、なんとかおかしく見ない格好にしてもらえた。
合わないのは合わないんだけれど、もう、合うサイズがないからしょうがない。
というか、僕はアレックスやアニーが言うよりあまり気にならないのだけれど、2人はなかなか納得しなかった。
アレックスも外出時の格好だ。
スマートなチョコレート色のスーツジャケット姿でとてもかっこいい。
「レン、馬車に30分くらい乗ると思うが、途中果樹園や薔薇農園を通る。
この時間だと皆手を振ってくると思うんだ。窓を開けるから、体勢はそのままでいい、一緒に振り返してやってくれ。窓を開けたとしても、外から物も虫も入らないようになっているから、そこは安心して欲しい」
「わかった。楽しみにしてる」
アレックスに促されて馬車まで来ると、セオとレナードとジュードが同じ格好をしていた。
落ちついた臙脂色のダブルの爪入りで、縁取りが黒く、金ボタンと金糸の紋章の刺繍ワッペンが光っている。
みんな腰に剣をさしていた。
「みんなかっこいいね」
「でしょー、俺らの正装です。これ着るの久しぶり過ぎるんですが、これ着ると背筋が伸びる感じがしますね」
セオが誇らしげに笑顔を見せてくる。
「今日は俺が御者用に動かしますんで。イーガーとランディを連れていきます」
ジュードがぺこりと頭を下げて、レナードが扉を開けてくれた。
「ありがとう」
「いえ…お足元に気をつけてどうぞ」
レナードの表情はまだ硬かったけれど、最初のわざとらしい笑みがないよりずっといい。
まだ、戸惑いが大きいんだと思う。
これから少しずつ慣れてくれたらいいな。
アレックスの手を取ってステップに足をかけ、馬車に乗り込む。
セオとレナードは中に入らずに、外の後方に立つみたい。ランブルシートがあるんだって。
馬車は箱型で、黒くてピカピカしていた。
金色のハンマークロスと、所々縁取っている金と臙脂色のラインがとてもかっこいい馬車だ。
ぱっと見は、あの有名なブランドに描かれている馬車みたいな感じに近い。
そんな馬車に、アレックスと向かい合って腰を下ろす。
進行方向は、僕のためにアレックスが譲ってくれた。
30分間もその場で立つなんて、辛くなっちゃうんじゃないのかなって思うけれど、大丈夫ですよーなんて軽く言われてしまった。
馬車も、30分以上走るときは休憩を必ず入れるんだって。
今日は、30分で目的地の馬車停めまで休みなしだ。
パカパカという蹄の音がするけれど、とても振動は静かだ。
魔法が効いているのかな、シートも居心地がいいし、爽やかな風とかすかに薔薇の香りが漂ってくる。
あの教会に向かう馬車のせいで、あまりいい気持がしなかったけれど、この馬車にアレックスと2人で乗れるなら、馬車も良いものだ。
今回は外の景色がとてもよく見えた。
早さは、きっと自転車くらいだと思う。
帝都からエリソン侯爵領まで1日もかかるの?って思ったけれど、車じゃないんだ。
元の世界の感覚より、馬車で1日って、思ったよりずっと近いのかもしれない。
「もし馬車で帝都まで行くことがあったら、他領を通るの?」
「ああ、いくつか行き方があるが、2か所通るぞ。祝賀会には馬車で帝都まで行くから、その時までには詳しく話そう」
「うん」
「そろそろ門を出て薔薇農園が見えるころだ」
「わ、凄い!」
左右のどちらも、白、ピンク、赤のグラデーションで、広大な薔薇の絨毯だ。
道の方が少し高台になっているから、遠くまでよく見えた。
今日は晴れているからとても景色気が良いし、薔薇の香りがより濃く香ってくる。
一番小さい侯爵領って聞いていたから、まさかこんなに薔薇農園が広々としているとは思わなかった。
「あ、おーいアレックス様の馬車が来たぞー!レン様も一緒だあ!」
「わーレン様ー!!」
笑顔でぶんぶん振り返す領民に笑顔で手を振るとより声が上がった。
アレックスも苦笑いで手を振っている。
「もう僕の名前知ってるの?」
「昼間に、役所に行く時間がとれてな。師匠が養子縁組の申請書を用紙だけ送ってくれたんだ、そのときに知れてしまった」
「じゃあ、僕はもう公爵様の養子になってるの?」
「先に伝えとくべきだったな、すまない」
「ううん、良いんだけれど、お礼言わなくていいのかな?」
「そのうち2人で会いに行こう」
「うん。きちんとお礼が言いたい」
「レン様ー!アレックス様ー!おめでとうございまーす!」
笑顔で手を振り返していると、アレックスが『まだ養子縁組をしただけなんだが…』と笑う。
「レナード様ー!キャー!!」
若い女の子の声が上がった。
うーん、レナードはやっぱり人気みたいだ。
きっと王子然とした隙のない微笑みを浮かべていることだろう。
「レオンは相変わらずモテるな…かっこいいと思うか?」
「ん?」
「や、なんでもない」
「アレックス、僕はアレックスが一番かっこいいと思ってるよ」
「そうか」
一瞬びっくりしたような顔を僕に向けた後、アレックスは嬉しそうに笑ってきた。
その笑顔が領民に見えたのかもしれない、わああと歓声が上がる。
「今日ね、アレックスの方がずっとかっこいいし、ずっとずっと良い男だって言ったら、アニーとセバスとセオが笑って、みんな、そうですねーって同意してくれたよ」
「そんなことがあったのか」
「うん、アレックスはかっこいいよ」
「ありがとう、レン」
アレックスが僕の手をとり、手の甲にキスを落とす。
さらっとやるから、ふいうちでときめく。
そんな僕らを見てか、また歓声があがる。
移動中の馬車だし向かい合わせに座っているから手の甲で済んでるけど、これ、隣同士だったら唇にされてると思うな。
いくつかの薔薇農園と果樹園が続いたところで、目的地も見えてきた。
遠目で見ても可愛いと思っていたけれど、近くで見るととても素敵な街並みだ。
三角の屋根の3階建ての建物が続いていて、とってもメルヘン!
淡いパステル調の外壁は色とりどりだけれど、目に優しい。
街中に川は見えないけれど、フランスのコルマール地方に行ったときに似てる建物だ。
石畳に、そこかしこに薔薇が咲き乱れていて、風がふんわり吹くと、甘くていい匂いが漂ってくる。
薔薇農園だけじゃなくて、街中も良い香りがするなんて魅力的だ。
馬車停めに馬車がついた。
アレックスの手をかりてステップを降り立つと、わああとその場で歓声が上がった。
僕らが行くお店まで、専用通路が引かれてるみたいに、空間が出来ていて、左右に人が並んでいる。いつの間に?
「騒ぎになると歩けなくなります。時間も限られていますので、今日は店までの道に警備隊の応援を頼んでおきました」
「ありがとう」
「はは、すげー人だなあ。にぎわってるのは良いことだ」
歓声が上がるけれど、領民たちが押しのけたりとか人をかき分けたりとかがないし、警備隊も声を張り上げてもいないし、にこやかだ。
とっても穏やか。
「うおおおー!アレックスさまあ、よがっだなああ!!」
うん、声は凄いけれど。
ロブみたいな声を上げるおじさんが数名いるだけで、何事かって感じになる。
もーおかしくて思わず笑っちゃうと、それを見てまた歓声が上がる。
もう、なにしても歓声があがるみたい。
洋服店は、馬車止めからはすぐで、50メートルくらいだと思う。
にこやかに手を振りながらお店の入り口に到着すると、警備隊の人が扉を開けてくれた。
「ありがとう」
「いいえ!めっそうもありません!」
お礼を言うと真っ赤になって元気よく答えが返ってきた。
それを見て、アレックスがムッとする。
「アレックス様ー、お顔が怖いですよー」
「セオ、うるさいぞ」
セオが後ろから、笑いながら呟いてくるから思わず笑っちゃった。
サイズは少し合わないけれど、もともと仕立ての良いものだ。
ジャケットも、丈より肩幅で選んでもらって、なんとかおかしく見ない格好にしてもらえた。
合わないのは合わないんだけれど、もう、合うサイズがないからしょうがない。
というか、僕はアレックスやアニーが言うよりあまり気にならないのだけれど、2人はなかなか納得しなかった。
アレックスも外出時の格好だ。
スマートなチョコレート色のスーツジャケット姿でとてもかっこいい。
「レン、馬車に30分くらい乗ると思うが、途中果樹園や薔薇農園を通る。
この時間だと皆手を振ってくると思うんだ。窓を開けるから、体勢はそのままでいい、一緒に振り返してやってくれ。窓を開けたとしても、外から物も虫も入らないようになっているから、そこは安心して欲しい」
「わかった。楽しみにしてる」
アレックスに促されて馬車まで来ると、セオとレナードとジュードが同じ格好をしていた。
落ちついた臙脂色のダブルの爪入りで、縁取りが黒く、金ボタンと金糸の紋章の刺繍ワッペンが光っている。
みんな腰に剣をさしていた。
「みんなかっこいいね」
「でしょー、俺らの正装です。これ着るの久しぶり過ぎるんですが、これ着ると背筋が伸びる感じがしますね」
セオが誇らしげに笑顔を見せてくる。
「今日は俺が御者用に動かしますんで。イーガーとランディを連れていきます」
ジュードがぺこりと頭を下げて、レナードが扉を開けてくれた。
「ありがとう」
「いえ…お足元に気をつけてどうぞ」
レナードの表情はまだ硬かったけれど、最初のわざとらしい笑みがないよりずっといい。
まだ、戸惑いが大きいんだと思う。
これから少しずつ慣れてくれたらいいな。
アレックスの手を取ってステップに足をかけ、馬車に乗り込む。
セオとレナードは中に入らずに、外の後方に立つみたい。ランブルシートがあるんだって。
馬車は箱型で、黒くてピカピカしていた。
金色のハンマークロスと、所々縁取っている金と臙脂色のラインがとてもかっこいい馬車だ。
ぱっと見は、あの有名なブランドに描かれている馬車みたいな感じに近い。
そんな馬車に、アレックスと向かい合って腰を下ろす。
進行方向は、僕のためにアレックスが譲ってくれた。
30分間もその場で立つなんて、辛くなっちゃうんじゃないのかなって思うけれど、大丈夫ですよーなんて軽く言われてしまった。
馬車も、30分以上走るときは休憩を必ず入れるんだって。
今日は、30分で目的地の馬車停めまで休みなしだ。
パカパカという蹄の音がするけれど、とても振動は静かだ。
魔法が効いているのかな、シートも居心地がいいし、爽やかな風とかすかに薔薇の香りが漂ってくる。
あの教会に向かう馬車のせいで、あまりいい気持がしなかったけれど、この馬車にアレックスと2人で乗れるなら、馬車も良いものだ。
今回は外の景色がとてもよく見えた。
早さは、きっと自転車くらいだと思う。
帝都からエリソン侯爵領まで1日もかかるの?って思ったけれど、車じゃないんだ。
元の世界の感覚より、馬車で1日って、思ったよりずっと近いのかもしれない。
「もし馬車で帝都まで行くことがあったら、他領を通るの?」
「ああ、いくつか行き方があるが、2か所通るぞ。祝賀会には馬車で帝都まで行くから、その時までには詳しく話そう」
「うん」
「そろそろ門を出て薔薇農園が見えるころだ」
「わ、凄い!」
左右のどちらも、白、ピンク、赤のグラデーションで、広大な薔薇の絨毯だ。
道の方が少し高台になっているから、遠くまでよく見えた。
今日は晴れているからとても景色気が良いし、薔薇の香りがより濃く香ってくる。
一番小さい侯爵領って聞いていたから、まさかこんなに薔薇農園が広々としているとは思わなかった。
「あ、おーいアレックス様の馬車が来たぞー!レン様も一緒だあ!」
「わーレン様ー!!」
笑顔でぶんぶん振り返す領民に笑顔で手を振るとより声が上がった。
アレックスも苦笑いで手を振っている。
「もう僕の名前知ってるの?」
「昼間に、役所に行く時間がとれてな。師匠が養子縁組の申請書を用紙だけ送ってくれたんだ、そのときに知れてしまった」
「じゃあ、僕はもう公爵様の養子になってるの?」
「先に伝えとくべきだったな、すまない」
「ううん、良いんだけれど、お礼言わなくていいのかな?」
「そのうち2人で会いに行こう」
「うん。きちんとお礼が言いたい」
「レン様ー!アレックス様ー!おめでとうございまーす!」
笑顔で手を振り返していると、アレックスが『まだ養子縁組をしただけなんだが…』と笑う。
「レナード様ー!キャー!!」
若い女の子の声が上がった。
うーん、レナードはやっぱり人気みたいだ。
きっと王子然とした隙のない微笑みを浮かべていることだろう。
「レオンは相変わらずモテるな…かっこいいと思うか?」
「ん?」
「や、なんでもない」
「アレックス、僕はアレックスが一番かっこいいと思ってるよ」
「そうか」
一瞬びっくりしたような顔を僕に向けた後、アレックスは嬉しそうに笑ってきた。
その笑顔が領民に見えたのかもしれない、わああと歓声が上がる。
「今日ね、アレックスの方がずっとかっこいいし、ずっとずっと良い男だって言ったら、アニーとセバスとセオが笑って、みんな、そうですねーって同意してくれたよ」
「そんなことがあったのか」
「うん、アレックスはかっこいいよ」
「ありがとう、レン」
アレックスが僕の手をとり、手の甲にキスを落とす。
さらっとやるから、ふいうちでときめく。
そんな僕らを見てか、また歓声があがる。
移動中の馬車だし向かい合わせに座っているから手の甲で済んでるけど、これ、隣同士だったら唇にされてると思うな。
いくつかの薔薇農園と果樹園が続いたところで、目的地も見えてきた。
遠目で見ても可愛いと思っていたけれど、近くで見るととても素敵な街並みだ。
三角の屋根の3階建ての建物が続いていて、とってもメルヘン!
淡いパステル調の外壁は色とりどりだけれど、目に優しい。
街中に川は見えないけれど、フランスのコルマール地方に行ったときに似てる建物だ。
石畳に、そこかしこに薔薇が咲き乱れていて、風がふんわり吹くと、甘くていい匂いが漂ってくる。
薔薇農園だけじゃなくて、街中も良い香りがするなんて魅力的だ。
馬車停めに馬車がついた。
アレックスの手をかりてステップを降り立つと、わああとその場で歓声が上がった。
僕らが行くお店まで、専用通路が引かれてるみたいに、空間が出来ていて、左右に人が並んでいる。いつの間に?
「騒ぎになると歩けなくなります。時間も限られていますので、今日は店までの道に警備隊の応援を頼んでおきました」
「ありがとう」
「はは、すげー人だなあ。にぎわってるのは良いことだ」
歓声が上がるけれど、領民たちが押しのけたりとか人をかき分けたりとかがないし、警備隊も声を張り上げてもいないし、にこやかだ。
とっても穏やか。
「うおおおー!アレックスさまあ、よがっだなああ!!」
うん、声は凄いけれど。
ロブみたいな声を上げるおじさんが数名いるだけで、何事かって感じになる。
もーおかしくて思わず笑っちゃうと、それを見てまた歓声が上がる。
もう、なにしても歓声があがるみたい。
洋服店は、馬車止めからはすぐで、50メートルくらいだと思う。
にこやかに手を振りながらお店の入り口に到着すると、警備隊の人が扉を開けてくれた。
「ありがとう」
「いいえ!めっそうもありません!」
お礼を言うと真っ赤になって元気よく答えが返ってきた。
それを見て、アレックスがムッとする。
「アレックス様ー、お顔が怖いですよー」
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