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本編
-82- お昼ごはん
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セオに扉を開いてもらって食堂に入ると、すでにアレックスが戻ってた。
セバスと一緒に数枚の書類を確かめているところだったみたい。
難し気な顔で会話を続けていたアレックスだったけれど、扉が開いたのと同時、僕に目を向けると優し気になる。
まだ上着も着たままだ、本当に忙しかったみたい。
書類はセバスが手にして、片付けるためか扉を出ていく。
セオもセバスの指示で一緒に出ていった。
「おかえりなさい」
「ああ、ただいま」
アレックスは、すぐさま僕を抱きしめて、そして流れるようなキスを一つ落としてくれる。
ふんわりオレンジのいい香りが広がる優しい腕の中にすっぽりと納まると安心する。
「セバスから仕立て屋のことを聞いたが…大変だったな」
「うん。大丈夫」
「大丈夫?本当にか?…レン、風呂にでも入ったのか?」
「ううん、浄化をかけたらこうなっちゃったんだ」
「体を触られたらしいな…、どうして来てくれなかった?」
「ごめんなさい、1人でなんとかしたくて意地はっちゃった」
耐えるような視線をアレックスは向けてくる。
エメラルドの綺麗な澄んだ瞳が、僕を素直にさせてくる。
「次からはみんなのことも、アレックスのこともちゃんと頼るから」
「…そうしてくれ」
目を瞑ると、欲しいところに慰めるようにキスが落ちてくる。
優しい口づけだった。
お昼は、給仕はしないで、一度に並べてもらった。
セバスは忙しいかな?と思ったけれどちゃんと来てくれて、呼んだらアニーも来てくれた。
明日は、1日マーティンのお休みにしてあげたいことと、それからマーティンの息子さん2人についてと、各使用人の増員の提案についてを話すためだ。
「ね?だから、まずは明日はマーティンを1日お休みをあげたいなって思うし、もし息子さん2人がマーティンと一緒に働きたいならどうかなって思うんだ。
もちろん2人の体調次第だけれど。
今までアレックスは朝と夜だけだったし、外食もしてたでしょう?けど、僕がいたらより忙しくなるし、マーティンもそろそろ教える側に回っていいと思う。
他もだよ、元気に楽しく働いてもらいたいし、後継者を育ててあげられる環境に出来ないかなって」
「そうか。レンは色々考えてくれたんだな、すまない」
「ううん、僕も一緒に暮らしていくんだから、当然だよ」
アレックスはちゃんと僕の話に耳を傾けて、マーティン本人にもしっかりと向きあってくれた。
これからも遠慮なく何かあったら伝えて欲しいことと、息子さん二人のことについても快く了承してくれて、マーティンは再び涙を流してた。
僕らが1日外に出るから、明日の1日は、イアンが賄いだけ作ることで落ち着いたよ。
マーティンは今日の夕食が済んだら上がって、帰る支度をしたら早めに休んでもらうことになった。
明日朝一の馬車の手配をセバスがしてくれたんだ。丁度手紙の配達が今日のお昼過ぎにあるから一緒に頼めるみたい。
タクシーみたいな感じで、呼び寄せることが出来るんだって。
時間ごとに一定区間を走る領内の乗り合い馬車と、頼めば領内外問わず走ってくれる小型の馬車があるようだ。
どちらも運送ギルドが担当してるっていうから、トムのお孫さんの所属しているところだね。
運送ギルドは帝都と各領地に広がっているから、転勤や出向もあるみたいなんだけれど、選べるとは限らないみたい。
それに、道中が安全とは限らないみたいだ。
大切な仕事だけれど、馬が好きなだけじゃ務まらない大変な仕事なんだろうな。
お昼の美味しさを都度言葉にすることは出来なかったけれど、マーティンの心づくしが伝わる料理に美味しくいただきました。
セバスと一緒に数枚の書類を確かめているところだったみたい。
難し気な顔で会話を続けていたアレックスだったけれど、扉が開いたのと同時、僕に目を向けると優し気になる。
まだ上着も着たままだ、本当に忙しかったみたい。
書類はセバスが手にして、片付けるためか扉を出ていく。
セオもセバスの指示で一緒に出ていった。
「おかえりなさい」
「ああ、ただいま」
アレックスは、すぐさま僕を抱きしめて、そして流れるようなキスを一つ落としてくれる。
ふんわりオレンジのいい香りが広がる優しい腕の中にすっぽりと納まると安心する。
「セバスから仕立て屋のことを聞いたが…大変だったな」
「うん。大丈夫」
「大丈夫?本当にか?…レン、風呂にでも入ったのか?」
「ううん、浄化をかけたらこうなっちゃったんだ」
「体を触られたらしいな…、どうして来てくれなかった?」
「ごめんなさい、1人でなんとかしたくて意地はっちゃった」
耐えるような視線をアレックスは向けてくる。
エメラルドの綺麗な澄んだ瞳が、僕を素直にさせてくる。
「次からはみんなのことも、アレックスのこともちゃんと頼るから」
「…そうしてくれ」
目を瞑ると、欲しいところに慰めるようにキスが落ちてくる。
優しい口づけだった。
お昼は、給仕はしないで、一度に並べてもらった。
セバスは忙しいかな?と思ったけれどちゃんと来てくれて、呼んだらアニーも来てくれた。
明日は、1日マーティンのお休みにしてあげたいことと、それからマーティンの息子さん2人についてと、各使用人の増員の提案についてを話すためだ。
「ね?だから、まずは明日はマーティンを1日お休みをあげたいなって思うし、もし息子さん2人がマーティンと一緒に働きたいならどうかなって思うんだ。
もちろん2人の体調次第だけれど。
今までアレックスは朝と夜だけだったし、外食もしてたでしょう?けど、僕がいたらより忙しくなるし、マーティンもそろそろ教える側に回っていいと思う。
他もだよ、元気に楽しく働いてもらいたいし、後継者を育ててあげられる環境に出来ないかなって」
「そうか。レンは色々考えてくれたんだな、すまない」
「ううん、僕も一緒に暮らしていくんだから、当然だよ」
アレックスはちゃんと僕の話に耳を傾けて、マーティン本人にもしっかりと向きあってくれた。
これからも遠慮なく何かあったら伝えて欲しいことと、息子さん二人のことについても快く了承してくれて、マーティンは再び涙を流してた。
僕らが1日外に出るから、明日の1日は、イアンが賄いだけ作ることで落ち着いたよ。
マーティンは今日の夕食が済んだら上がって、帰る支度をしたら早めに休んでもらうことになった。
明日朝一の馬車の手配をセバスがしてくれたんだ。丁度手紙の配達が今日のお昼過ぎにあるから一緒に頼めるみたい。
タクシーみたいな感じで、呼び寄せることが出来るんだって。
時間ごとに一定区間を走る領内の乗り合い馬車と、頼めば領内外問わず走ってくれる小型の馬車があるようだ。
どちらも運送ギルドが担当してるっていうから、トムのお孫さんの所属しているところだね。
運送ギルドは帝都と各領地に広がっているから、転勤や出向もあるみたいなんだけれど、選べるとは限らないみたい。
それに、道中が安全とは限らないみたいだ。
大切な仕事だけれど、馬が好きなだけじゃ務まらない大変な仕事なんだろうな。
お昼の美味しさを都度言葉にすることは出来なかったけれど、マーティンの心づくしが伝わる料理に美味しくいただきました。
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